心と身体をリフレッシュさせるために、温泉に行く人も多いですよね。温泉は人間だけのものと思われがちですが、実は犬用の温泉も存在します。犬と一緒に宿泊しながら温泉を楽しむ施設まであるのです。犬にとって温泉の効能とはどのようなものなのでしょうか。注意点も踏まえてご紹介していきます。
犬の温泉って何?
地中から湧き出す温水の中に、特定の物質が含まれたものを温泉と呼びますが、温泉は私たち人間に様々な効能を与えてくれます。血行を良くしたり、疲れを癒したり、疾患の緩和なども期待できてしまいす。
そのため日本各地の温泉巡りをして、様々な効能や湯加減を楽しむ方も多くいるのではないでしょうか?そんな温泉は、もともとは野生の動物が入っていたのが始まりで、その気持ちよさそうな姿を見た人間が真似をして入ったという説もあります。
そのため温泉は人間だけでなく、犬も利用できるのです。温泉の心や身体に与えてくれる効能は、犬にも効果的なのです。温泉といっても種類は豊富で、犬用の温泉は人間のものとより優しい成分のものがおすすめです。また、温泉の成分によっても得られる効能が違いますので、どんな効能が欲しいのかで温泉を選ぶとさらに効果を高められます。
温泉の効能は医学でも取り入れられるほどで、犬のスキンケア用品にもその成分が配合されているものもあります。次は具体的にどのような効果があるのか見てみましょう。
温泉は犬にどんな効能があるの?
ストレスの緩和
温泉の大きな効能のひとつに、心をリフレッシュさせてくれるものがあります。体重というのは水の中では浮力が働き、体重が1/10ほどに減少します。この感覚とは身体はもちろん、心もリラックスさせストレスの緩和が期待できます。
犬を温泉に入れるときはしっかりと湯に浸かられせてあげると良いでしょう。また、温かいお湯は血管を広げ血液のめぐりを良くしてくれます。そうすることで体がポカポカとなる感覚もリラックスさせてくれる要因です。
胃腸機能の改善
胃や腸が弱い犬も多く、愛犬がすぐに食欲不振になってしまったり、お腹を壊してしまうととてもかわいそうですよね。そんな症状の緩和には炭酸泉がおすすめです。お腹にかけてあげるだけでも効果を実感できます。
炭酸泉は少し珍しいので、犬用入浴剤を使用して自宅で作るのもいいですし、飲める温泉の飲泉を試しに飲ませてみても良いでしょう。ただし飲泉は犬の体質によってあわないこともあるので、心配な場合は獣医などに相談してみましょう。
皮膚病の緩和
犬の病気のなかで特に多いのが皮膚疾患です。温泉にはこの皮膚疾患を緩和させることも期待できる成分があります。特におすすめなのが高アルカリ泉で、この成分は石鹸と同じような効果が天然成分から得ることができるのです。犬の余分な皮脂や汚れを洗い流し、殺菌もしてくれます。真菌性の皮膚病などにも効果を発揮してくれます。
炎症が酷い場合はシャンプーなどが難しいこともありますが、温泉で体をマッサージするように洗ってあげましょう。洗い過ぎは逆効果になってしまうこともあるので十分に注意してください。
神経疾患の緩和
関節や神経が傷ついてしまって筋肉の動きが鈍くなったり、最悪の場合筋肉が動かなくなる運動麻痺などの症状になってしまうことがあります。そのときラジウム泉や塩化物泉の温泉に入ると、鎮静効果を実感でき神経疾患の緩和が期待できます。また、浮力作用で筋肉が和らぎ、体の緊張をときほぐしてくれます。
温泉がおすすめな犬とは?
温泉は種類によって様々な症状に効果を発揮してくれることが分かりました。愛犬を温泉に入れてあげようか悩んでいる場合は、下記のような症状や環境であるときにぜひ入れてあげてください。
お腹が弱い犬
すぐに胃腸炎になってしまったり、下痢や便秘を繰り返してしまう犬は温泉が効果的です。胃腸の弱さは生まれつきの体質の場合も多く、一生付き合っていかないといけない犬もいます。そんな犬を少しでも楽にしてあげるために、ぜひ炭酸泉に入れてあげてください。少しずつ改善させてあげられるかもしれません。
皮膚病がある、またはなりやすい犬
犬の皮膚病はその種類も多く症状も様々ですが、かきむしって膿んでしまったり、できものができてしまったりなど見た目にもかわいそうな疾患です。温泉は直接皮膚に働きかけることができるので、より効果を実感できます。
殺菌効果が高い高アルカリ泉に入れてあげれば、今ある皮膚病の改善はもちろん、皮膚病自体の予防も期待できます。温泉の成分が入っているシャンプーや、化粧水なども効果があります。
関節痛や運動麻痺などがある犬
犬も年齢を重ねると、関節や筋肉などが弱くなります。神経が傷ついてしまうと筋肉が動かなくなってしまう運動麻痺という症状になってしまいます。そのような犬はちょっとした動作で痛みを感じている可能性もあるので、温泉に入れて楽にさせてあげましょう。鎮痛効果のあるラジウム泉がおすすめです。
運動する時間が長い犬
最近では、ドックスポーツといった犬のスポーツも流行っています。競技として大会も多く開催されているので、愛犬を出場させているかたもいるのではないでしょうか?そのために愛犬の訓練をしていると、犬にも疲労が蓄積されていきます。
そんなとき筋肉疲労を和らげてくれるのが温泉です。温泉の温度は血管を広げてくれる働きがあり、血の循環を促進して血行を良くして疲労を取ります。また、鎮痛作用もあるので筋肉痛の痛みも和らげてくれるのです。愛犬の運動後のケアに温泉は最適です。
犬を温泉に入れる時の注意点
犬にも温泉は素晴らしい効能がありますが、注意しなければならない点もあります。飼い主の責任として、気をつけなければならない点はしっかりと把握しておきましょう。
適切な温度を守る
人間の温泉の場合、高温を楽しむものもありますが犬の場合は適切な温度を守ることが原則です。犬の体温と同じ38度前後が理想ですので覚えておきましょう。ペットスパなどで入ることができる温泉では、犬にあわせた温度が守られていることが多いですが、自身でもしっかりと温度確認をして入れてあげましょう。
また、人間と一緒に入ることができる温泉というのは犬にとっては熱すぎる場合があるので注意が必要です。必要以上に高い温度の温泉に犬を入れてしまうと、熱中症になってしまうこともありますし、皮膚が乾燥しやすくなるので皮膚トラブルを招くこともあります。
硫黄温泉には気を付ける
硫黄温泉は人間にとって様々な効能が期待できるためとても人気ですが、犬にとっては刺激が強すぎる場合もあります。肌が弱い犬や、酷い皮膚疾患を抱えている犬にとっては癒すどころか逆効果になってしまうこともあるので、心配な場合は獣医に相談しましょう。
アルカリ性単純泉などは比較的どの犬でも安心して入ることができますので、温泉の成分にも気を付けてあげてください。
ワクチン注射を行っていないとダメ
犬を飼うで飼い主の義務として打たなければならないワクチンがあります。そのワクチンをしっかりと打っているかの証明書の提示が必要とする温泉施設がありますので、必ず狂犬病のワクチンは打ちましょう。
その他にも任意で受けられるワクチンが多くありますが、温泉は他の犬も入るので、混合ワクチンを接種していると安心できます。また、皮膚疾患がある場合は念のため施設に相談しておきましょう。
心臓や呼吸器官に疾患がある場合は注意
犬の身体の様々な疾患に効果的な温泉ですが、心臓や呼吸器官に不安がある犬の場合は注意が必要です。入浴は身体に負担をかけてしまう場合があり、急な体温の上昇などでトラブルを招いてしまうことがあります。
あらかじめ獣医に乳余暇が可能かどうかの確認を取ることを忘れないでください。もし入浴が難しい場合は、温泉を含ませたタオルで身体を包んで温めてあげたり、足だけ浸かる足湯もおすすめです。
犬と泊まれる温泉施設もある
犬と泊まれる温泉施設とは?
近年はペットとの時間を大切にするため、ペットと長時間一緒に過ごせる宿泊施設が人気を呼んでいます。特に犬の場合は、犬用の温泉が付いているとより一緒に旅行気分を味わえます。
他にもドッグランがついていたり、愛犬と一緒に入れるレストランがあるなど嬉しい設備もがある場合もありあます。また、ペット可の宿は他の宿泊客もペットを連れていることが多いので、気兼ねすることも少ないのが嬉しいポイントです。
ホテル凛香 箱根強羅リゾート
こちらは屋根付きのドッグスパと、露天のドッグスパがついている旅館です。ドッグランをリニューアルして犬に優しい人工芝となったので、思う存分走らせることができます。疲れたら中庭の露天ドッグスパを、犬は温泉として、人間には足湯として利用できます。
屋根つきのドッグスパでは雨風もしのげますし、暑さや寒さを気にすることなく利用できます。どちらも源泉かけ流しですので、天然の温泉を楽しむことができます。
癒しのお宿 ちゃめごろう【静岡・伊豆高原温泉】
こちらの宿は愛犬がはしゃげる施設をモットーに館内でもお庭でも、楽しめる設備が豊富にあります。ドッグランはもちろん、老犬には身体に気を付けた健康志向の料理を提供してもらうこともできるのです。
温泉は人間用と犬用で分けられてはいますが、隣同士になっているので、まるで一緒に入浴しているかのような気分で温泉に浸かれます。しかも24時間入浴可なので、空いている時間を選ぶことができます。また、専用のトリミングルームがありトリミング代とドライヤーも使用できます。
山わんわんパラダイスホテル【岐阜・飛騨高山温泉】
クラシックな趣の高山わんわんパラダイスホテルは、大自然に囲まれながら愛犬とゆっくりと過ごせるホテルです。しかも、愛犬との旅行が初めてでも1からレクチャーをしてくれますので、初心者の方でも安心です。
他にも500坪もあるドッグランや、貸し切り個室温泉などがあります。犬は専用の温泉があり、広々と快適に利用できます。また、ペットを連れた宿泊客同士が交流できる愛犬サロンもあるので、飽きることなく過ごせるホテルでしょう。
利用する際の注意点
犬と一緒に泊まれるホテルは昔と比べるとだいぶ増えましたが、普通の宿泊施設とは少し利用方法が違います。マナーを破ってしまわないように、しっかりと利用方法を確認しておきましょう。
施設のルールは厳守する
ペットを連れて宿泊する施設には大まかに決まったルールはありますが、宿泊施設ごとにそれぞれのルールがあります。以前泊まった施設と同じと思わずに、いつもルールは確認し、分からないことも聞いておくとトラブルが減らすことができます。特にトイレの場所や、温泉の利用方法などは細かな規定がある場合もあるので、チェックイン時に確認しましょう。
客室以外ではリードをつける
施設によって様々ではありますが、基本的に客室以外では犬にリードをしっかりとつけましょう。ペット可の宿でも、ペットを連れていない宿泊客が泊まっている場合が多くあります。いつもは大人しい愛犬も、旅行のときは興奮状態でいつもと違う行動をとってしまうこともあるかもしれません。
最低限のしつけができていることが犬と旅行ができる条件ではありますが、もしもの場合にも備えて、リードの着用は必要です。他の宿泊客に迷惑をかけないという点でも、客室から出る時はリードをつけて行動しましょう。
退室時は汚れや破損がないかチェック
犬を連れた宿泊で、1番気をつけたいのが退室時です。人間だけで泊まっているときの汚れなどは把握できますし、破損もほとんどの場合がないでしょう。しかし、犬の思いがけない行動や粗相で、知らないうちに客室を汚してしまっている場合があります。
特にトイレの始末などは念入りに行い、空気の入れ替えなども行えると優しいですね。万が一破損があった場合は速やかに申告して、その後の処理を話し合いましょう。ペット可の宿泊施設だからといって、ペットのしたことが何でも許させるわけではありません。トラブルがあれば飼い主の責任ですので、しっかりと気配りしながら過ごすようにしてください。
温泉は犬にも効果あり!正しく利用してリフレッシュさせてあげましょう
犬も人間と同じように、温泉の効能をしっかりと受けることができ、心も身体もリフレッシュさせてあげることができます。完治が難しい疾患でも緩和が期待できるので、愛犬を少しでも楽にさせてあげるために温泉はおすすめです。
しかし、温泉を利用するためにはちゃんとルールを守らなければならないので、飼い主の責任をしっかりと果たすようにしてください。慣れてくれば、愛犬との温泉旅行もとても楽しいものになりますので、ぜひ計画を立ててみてください。