ノルウェージャンフォレストキャットの性格に隠された秘密とは?運動神経抜群の森の妖精について

ノルウェージャンフォレストキャット 性格

北欧の森で暮らしていたといわれるノルウェージャンフォレストキャットは、筋肉質な大きな体と寒さに耐えられる豊かな被毛が特徴の、一見ワイルドな猫種です。古くから農場でねずみを駆除していたワーキングキャットという一面とは違って、性格はいたって温厚だと言われています。人間に寄り添う性質を備えているノルウェージャンフォレストキャットの秘密を探っていきましょう。

ノルウェーの森で育まれたその猫の魅力とは?

ノルウェーの厳しい寒さから身を守る豊かな長毛

ノルウェージャンフォレストキャット 性格

【画像】:ポペットフレンズのレーヌちゃん

ノルウェージャンフォレストキャットは自然発生の猫です。古くからノルウェーの森に生息してきました。実は、ノルウェージャンフォレストキャットの原種は、8〜10世紀頃に海賊・バイキングによってトルコから運ばれて来た猫がノルウェーに土着したという説があります。

というのも、この猫種の毛色が、もともとヨーロッパにいた猫には見られないからだそうです。その後、北欧の寒さに適応して、ノルウェージャンフォレストキャットは体を大きく変化させていきました。

諸説ありますが、北欧の過酷な環境を乗り越えて生き残った個体は体が大きいものが多く、その猫の間で交配が続き、残ったものが現在のノルウェージャンフォレストキャットを形作ったという説が有力でしょう。環境に適応して、寒さに強い大柄で長毛の猫に進化したのです。

彼らのふわふわの豊かな毛並みは、雪や風から体を守るため二重構造になっています。表のオーバーコートは硬く、雪や風から体を守り水を弾きます。

また、羊の毛のようにふんわりとした柔らかいアンダーコートは保温性に優れています。この優秀な天然のコートによって、彼らは寒さ厳しい森の中で暮らし、農場で害獣の狩りをすることができたのです。

このゴージャスな毛並みがノルウェージャンフォレストキャットの魅力のひとつと言えるでしょう。マフラーを巻いたようなふさふさの首元やボリュームのある尻尾など、野性味と上品さを兼ね備えた外見です。そんな大きな猫が甘えてくる姿がたまらない!と魅了される人が数多くいます。

MEMO
冬の寒さから身を守るために発達した豊かな被毛ですが、日本の暑さは堪えます。夏は熱中症予防のために、冷房を完備するといった配慮が必要です。
注意
抜け毛も多いため、定期的なブラッシングが欠かせません。セルフグルーミングによって毛を飲み込み、毛球症になる可能性もありますので、十分注意してあげましょう。

運動神経抜群!森を駆け巡っていたワーキングキャット

ノルウェージャンフォレストキャットの体つきを見てみると、昔から人間の近くで狩りをしてきた名残の特徴があります。

前足よりも後ろ足が長く、「腰高」の体型をしているのです。これは、狩猟をする際に岩山にジャンプする必要性があったため、後ろ足が発展したというわけです。

古来より、この猫は人間の近くの農場や牧場でねずみなどの害獣を捕まえる狩りをしてきました。人間のために働いていたワーキングキャットの過去を持つ、珍しい猫種なのです。

狩猟をしてきた名残からか、非常に運動神経が抜群で、木登りも得意だといわれています。ぜひ上下運動ができる場所を作ってあげたいですね。体も大きいですから、丈夫なキャットタワーを設置してあげると喜ぶでしょう。

また、子猫の頃は特に遊び好きですから丈夫な猫じゃらしなどで一緒にたくさん遊んであげたいですね。

適切な運動が、ノルウェージャンフォレストキャット本来の体つきを形成するために役立ちます。人間の近くで暮らしてきたため、彼らは人間と関わることも大好きな猫種です。

ノルウェージャンフォレストキャット・人気のカラー

自然発生の猫種なので様々なカラーが存在する

ノルウェージャンフォレストキャット 性格

ノルウェージャンフォレストキャットは、元来自然発生の猫種です。そのため、様々なカラーが存在します。ネットで、ブリーダーさんが載せている子猫情報を見てみると、そのバリエーションの多さに目移りしてしまうことでしょう。

元々は自然発生の猫種ですが、農場などで飼育されている時代に短毛種の猫との交雑が多くなり、本来の特徴を失う危機がありました。

そのため、ノルウェージャンフォレストキャットの前身である「skogkatt」の猫種保存がノルウェー国内の愛猫家によって試みられました。1932〜38年頃のことです。

MEMO
しかし、第2次世界大戦によって中断されてしまいます。その後、1970年代から本格的に育種と保護の活動が始まりました。

同時に、ノルウェーを中心にヨーロッパのみで繁殖されていたこの猫種が、アメリカでも繁殖・改良されるに至り、より一層多くの人たちに愛されることになります。

ヨーロッパライン・アメリカラインの違いとは?

こうして、アメリカでも繁殖活動が行われたノルウェージャンフォレストキャットには、ヨーロッパラインとアメリカラインという2系統が形成されることになりました。2つの系統には、見た目の違いがあります。

ヨーロッパラインは自然発生の美しさと賢さを大切にしていますので、アメリカラインと比べると少し野性味を残した風貌です。

ボディやしっぽは長めで、骨格はよりたくましさが際立ちます。顔立ちもワイルドで、額から鼻先までのラインが真横から見ると一直線です。キリッとした顔つきですね。

一方、アメリカラインは、ボディは短めでヨーロッパラインの猫に比べると華奢な体つきです。顔立ちは柔らかく、可愛い印象に映るでしょう。日本のペットショップに並ぶ子猫たちは、アメリカラインが多いと言われています。

アメリカラインの方がキュートな見た目ですので、比較的日本人好みなのかもしれません。

しかし、日本のブリーダーでも、本来のノルウェージャンフォレストキャットの魅力を大切にして、ヨーロッパラインの猫を入手して繁殖に力を入れている方も多く存在します。それぞれの魅力を理解して、子猫を選びたいですね。

人気のカラーはいわゆる「ハチワレ」のホワイト&タビー

ノルウェージャンフォレストキャット 性格

さまざまな毛色が存在するノルウェージャンフォレストキャットですが、やはり人気が高いのはタビーと呼ばれる縞柄と白い毛の組み合わせ「ホワイト&タビー」でしょう。

いわゆる、ハチワレ(漢字の八の字のような色の分け目)と呼ばれる模様で日本人も好きな方が多い模様です。タビーの色は深いブラウンからブルーのような灰色、いわゆる茶トラのレッドタビーなどがあります。

他にもホワイトソリッドなどの単色・三毛(キャリコ)も

また、縞模様がありつつ、3色の毛色が生えているキャリコタビーも存在します。ダイリュートキャリコといって、パステルカラーのキャリコも美しい毛色です。

また、ホワイトソリッド・ブラックソリッドといった単色もあります。ネットなどで見るノルウェージャンフォレストキャットの多くが、ホワイト&タビーなので少し見慣れませんが、ソリッドも神々しい美しさがある毛色です。

また、黒が少し薄くなったようなブラックスモークといった毛色も個性的で綺麗です。飼育する方の好みに合わせて、毛色を選べるのもノルウェージャンフォレストキャットの魅力のひとつでもありますね。

ノルウェージャンフォレストキャットの性格

見た目と正反対!?穏やかな性格

ノルウェージャンフォレストキャット 性格

【画像】:ポペットフレンズのポンタくん

自然由来のワイルドさを見た目に残したノルウェージャンフォレストキャットですが、性格は至って穏やかで飼育しやすい猫種だと言われています。

また、他人に人見知りすることも比較的少なく、キャットシッターやキャットホテルを利用する際も適応する柔軟性を備えています。

飼い主に尽くす愛情深さ

古来から、人間の近くで働いてきた経歴が彼らの性格にも現れているのでしょうか?人懐っこく、犬のように忠実に人間を慕うような一面があります。

大きな体で甘えてくれる姿は、非常に愛らしく素晴らしいパートナーになる素質を持っています。日本でも現在、この猫種が大変人気が高いのは、この穏やかな性格に一因があるかもしれません。

社交的で家族にも心を開く

コミュニケーション能力が高く、家族ともうまくやっていける利発さがあります。森で暮らしてきた経験からか、忍耐強さも兼ね備えています。

しかし、彼らは成長するスピードがゆっくりですので、子猫の時代が長いと考えてあげた方がよさそうです。甘えん坊で遊び好きの時期は、あまり我慢させすぎない方がいいでしょう。

子どもにも慣れますが、嫌がっているのにふれ合わせるのは厳禁です。心優しいノルウェージャンフォレストキャットですが、体が大きい分、甘噛みや引っ掻く力は強く、抵抗して攻撃してきた時はこちらも怪我を負うことになります。

MEMO
小さな子どもが熱心に触りたがる時は、猫が高いところに逃げられるなど、彼らが安心できる場所も確保してあげたいですね。

人の様子をキャッチする頭の良さ

ノルウェージャンフォレストキャットには、こちらの様子をキャッチする頭の良さがあります。優しく話しかけて一緒に遊んであげると、人間を深く信頼してくれるでしょう。

嫌がることをされると、そのシチュエーションを覚えて警戒してしまうこともあります。また、例えば強く噛んだ時に遊ぶことを中断すると「面白いことが噛んだことで終わってしまう」と理解する、そういった冷静な判断ができる部分があります。

ノルウェージャンフォレストキャットの飼い方ポイント5つ

成長はゆっくり・栄養バランスのいいフードを選ぼう

ノルウェージャンフォレストキャット 性格

ノルウェージャンフォレストキャットが完全に成猫の体に成長するまで3〜4年かかります。普通の猫の場合は、生後1年で成猫になりますので、成長のスピードがとてもゆっくりということですね。

筋肉質でたくましい体を持つ彼らですから、良質なたんぱく質がしっかり摂取できるフードを選びましょう。成長期には子猫に必要な栄養バランスが配合された子猫用フードを与えます。

食いつきがいいからといって、安い粗悪なフードを与えて続けてしまうと、筋肉がつかず毛質も悪くなってしまいます。フード選びはとても大切です。

森の猫は上下運動が得意なので環境整備を

森で暮らしてきたノルウェージャンフォレストキャットは木登りが得意で、上下運動を好みます。運動不足になってしまうと、ストレスになり本来の穏やかさが損なわれてしまうかもしれません。

人間大好きな彼らですので、おもちゃを使ってできるだけたくさん遊んであげたいですね。狩猟本能も残している猫種ですから、おもちゃを使ってハンター遊びをしてあげると満足します。

注意
ただし、本物のファーや羽を使用したおもちゃに興奮しすぎてしまうことがあるかもしれません。また、それらを持ち逃げして誤飲するといった事故には注意しましょう。

もしおもちゃを咥えて手放さないようなら、同じようなおもちゃを2つ用意して、ひとつを咥えている時にもうひとつを見せて気を引いて離せるように練習してみましょう。うまく教えるとなかには、おもちゃのレトリーブ(持ってこい)の技を覚える子もいるそうです。

やはり、狩りをしてきた頭の良さが遊びの面でも発揮されるのでしょうね。

時々、新しいおもちゃを出してあげる・おもちゃをローテーションするといった工夫で、彼らの好奇心を満たしてあげるといいですね。また、子猫の時代が長いということはやんちゃで遊び好きの時期が長いということです。

生来の運動能力で、思わぬところに登っていたずらすることもありますので、気をつけましょう。

温厚だが甘噛み注意!たくさん遊んであげよう

ノルウェージャンフォレストキャット 性格

非常に温厚なノルウェージャンフォレストキャットですが、子猫の時期は甘噛みをすることがあります。子猫の時期はきょうだいでプロレスごっこのように遊びます。

その際に噛み具合を学習していきます。甘噛みは親しいもの同士の親愛の印とも言えますが、毛が生えていない人間の手にとって鋭い歯が当たると、甘噛みであっても痛いものです。

もし、遊び方が激しい時は、けりぐるみなど噛めるおもちゃで遊んであげると噛みたい欲求が抑制できるでしょう。決して、強く叱らずに対処していきましょう。強く叱ると、猫が身を守るためにより攻撃してくることがあります。

また、大柄なノルウェージャンフォレストキャットは噛む力が強く、子猫時代に「噛んだから要求が通った」と学習してしまうと、成長してもたびたび噛むようになるかもしれません。噛むと良いことは起こらない、と教えてあげましょう。

遊びを中断して部屋を出て行くなど、冷静に対応していくことが大切です。もともと森で暮らしていた猫ですから、パワーがあります。たくさん遊んであげることで、甘噛みやいたずらが減って飼いやすくなるでしょう。

優しく話しかける、好きな場所をマッサージするようになでてあげるなど、日頃のコミュニケーションで信頼関係を築いていくといいでしょう。

量が多い毛のお手入れは欠かせない

ノルウェージャンフォレストキャット 性格

豊かなダブルコートの被毛は、お手入れが欠かせません。ブラッシングは、成猫になってから行なおうとしても嫌がることがあります。子猫の頃から優しくマッサージ感覚でブラッシングを習慣づけてあげましょう。

ノルウェージャンフォレストキャットの毛は長いですから、引っ張って痛みを感じさせないよう注意したいですね。

猫が気持ちよく感じる首回りからスタートしてみましょう。一度に全身終わらせようとせずに、今日は背中、次の日は足、など狭い範囲からチャレンジすることをおすすめします。

MEMO
換毛期(3月と11月頃)は特に念入りにお手入れをしてあげることで、毛球症を防止できます。少しずつ慣らしていけば、ブラッシングが好きになるでしょう。決して怒らずに根気よく練習していきましょう。

気をつけたい病気〜糖尿病・毛球症

ノルウェージャンフォレストキャットは糖尿病が多く発症する品種です。カロリーオーバーによる肥満・運動不足などが原因で発症します。

猫は本来、高たんぱく・低炭水化物の食事が必要ですが、そのバランスが崩れてしまうと発症しやすいといわれています。糖尿病は一度発症してしまうと完治はほぼ望めませんので、普段から予防することが大切です。

成猫になってからは肥満防止のフードに切り替える・運動不足を解消するためにキャットタワーを活用する・おもちゃを使って運動量を増やすなど、太らせない工夫が必要です。フードが適しているか、専門家に相談しながら選択して予防したいですね。

ノルウェージャンフォレストキャットで心配な病気では、毛球症もあります。猫は起きている時間の4分の1を、自分の毛づくろいの時間に充てているといわれています。

セルフグルーミングをすると、抜け毛を飲み込んでしまうことがあり、残念ながら消化されないためウンチと共に排出される、もしくは猫が吐いて体外に排出することになります。定期的に吐き出すことで、毛球が消化器官に蓄積しないようにしています。

しかし、毛球が胃や腸に大きくなってたまってしまうと、消化器官に悪影響を及ぼし食欲不振に陥ります。これを毛球症といいます。特に換毛期は定期的にブラッシングを行ない、抜け毛をしっかり除去して毛球症を予防しましょう。

ノルウェージャンフォレストキャットの購入方法

信頼できるブリーダーを探そう

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ノルウェージャンフォレストキャットを迎える方法として、ペットショップで購入する・もしくはブリーダーが経営するキャッテリーから購入するという大きくふたつの方法があります。

ペットショップでは、一品種につき1頭のみ取り扱っている場合が多く、個体を見比べることができません。できれば、何頭か子猫を比較でき、親猫も見学できるキャッテリーの方がいいでしょう。

親猫を見ると、成猫になった時どんな雰囲気の猫になるのか想像がつきやすいですよ。また、触れ合うことで自分と相性の良い子猫を体感して見つけることができるでしょう。飼育方法など、相談できるブリーダーと出会えると安心して飼い始めることができますね。

また、キャッテリーの様子や口コミも各サイトに載っていますので、参考になりますよ。必ずキャッテリーを直接訪れて購入したいものですね。

オス?メス?子猫と実際に会ってみよう

それぞれの個体によって性格は異なり、オス・メスでも傾向は異なります。体型もオスの方が大きく、オスが4.5~8.0kg、メスが3.0~4.0kgほどです。

オスは猫の中でもかなり大型といえるでしょう。オスは甘えん坊でストーカーのようにくっ付いてくる子が多く、メスは比較的さらっとしている子が多いようです。

あくまでも傾向で個体差があります。子猫時代の振る舞いを見ると、やんちゃ・おとなしいといった性格予想がつきますので、購入する際にブリーダーに尋ねてみるといいでしょう。

穏やかなノルウェージャンと深い絆を築くためには

ノルウェージャンフォレストキャットは、外見に野性味を残しつつ優雅さもある大変魅力的な猫種です。また、その外見からは想像がつかないほどフレンドリーな内面も世界の猫好きの心を掴んでいるポイントです。

飼いやすい猫ではありますが、人間の様子を細かく捉える頭の良さもあるため、一貫した対応をしてあげて信頼関係を築いていきたいですね。

狩りをしてきた名残から、おもちゃを破壊するほどのアクティブさもあるので、子猫時代に遊びで満足させるのには少し手を焼くかもしれません。

けれども、森の猫の本来の魅力ですので、そのやんちゃさも理解しつつ深い絆を築いていきましょう。

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