可愛い我が家の愛猫を写真に撮っても、なかなか上手に撮れないと感じる方は多いのではないでしょうか?実物と同じように可愛く撮れていなかったり、良い表情やポーズをしているときにシャッターを押しても、サッと動いてしまってブレてしまったりと猫の写真を撮るのは難易度が高いです。しかし、ちょっとしたコツを掴むことで誰でも上手に猫の写真を撮ることができるので、愛くるしい猫の姿の撮影にもっとチャレンジしてみましょう。
目次
猫の写真を撮る前に
気ままに動く自由奔放な猫の写真をキレイに撮るのは大変な作業になります。スムーズに撮影を進めるためにも猫の写真を撮る前に、やっておきたいことを紹介します。
部屋を片付けておく
せっかく猫の可愛い姿をカメラに捉えることができても、背景が散らかっていては、その写真は台無しになってしまいます。邪魔なものや写って困るものがあれば、あらかじめ片付けるようにしておきましょう。背景がスッキリ片付いていると、撮影した猫も引き立ちます。
また、猫がお気に入りの場所であるテーブル、ソファ、ベッドなどを常日頃から片付けるだけでも、いつでもシャッターチャンスを逃さずに写真を撮ることができます。
カメラへの警戒心を解いておく
猫のなかには、カメラに強い警戒心を抱く子がいます。猫は聴力が優れているため、突然切られたシャッター音に驚いてしまったり、一眼レフやミラーレス一眼レフに対してはレンズが大きな目玉だと思ってしまい、カメラを向けると逃げ出してしまったりすることもあるようです。
こうしたカメラへの警戒心を解くためには、カメラを怖くないものとして認識してもらう必要があります。普段から猫以外の写真を撮って、シャッター音に慣れさせるようにしましょう。スマホであれば、シャッター音を変えてみたり、無音カメラにすることをおすすめします。
また、一眼レフやミラーレス一眼レフを普段から目のつく場所に置いて慣れさせておいたり、子猫のうちから、たくさん写真撮影をしてカメラに順応させておくのも良いでしょう。
猫カフェなどで撮影をする場合には、いきなりカメラを持って不用意に近づくのではなく、まずはカメラを近くに置いて猫と遊んであげましょう。猫がカメラに興味を示して近づいてきたら、警戒心が解けてきた証拠です。様子をみながら徐々に撮り始めていきましょう。
ただし、カメラを持った瞬間に逃げ出したり、シャッター音に怯えて隠れてしまうこともあります。その場合は、忍耐強く猫がカメラに慣れてくるのを待つしかありません。
ストラップにも注意
猫によっては、カメラのストラップが猫の苦手な蛇に見えてしまうことがあるようです。ストラップをあらかじめ外しておくか、手首に巻きつけるようにしておき、垂れ下がらないようにしておくと良いでしょう。
猫の行動を観察しておく
普段から猫の行動を観察し行動パターンを把握しておくと、撮影したいシチュエーションやイメージが自然と固まってきます。行動パターンのポイントのひとつとして、食事の前後の様子を挙げることができます。
猫によって、食後に活発になる子と穏やかになる子がいます。活発になる子の場合は、躍動感のある姿を撮影できますし、穏やかになる子の場合は日の当たる場所でグルーミングを行ってあげると、リラックスした姿を写真に収めることができます。
撮影イメージによっては食事の前に撮りたい場合もあるかと思いますので、特に食事の前後の行動は把握しておくと良いでしょう。
人間の都合に合わせない
猫は気まぐれな性格をしているので、人間の都合に合わせてくれることはありません。可愛い写真が撮りたいからと、しつこく撮影を迫っても良い表情の写真は撮れません。
猫が嫌がったり、そっぽを向いたり、不機嫌の合図のしっぽを横に大きく振ったりしたら撮影は中止するようにしてください。
猫の写真撮影のためのカメラを用意する
撮影をするカメラについて特徴や使い方などを解説します。
スマホ
可愛い仕草やリラックスした自然な姿の「いま、この瞬間の猫を撮りたい」というときに、スマホならカメラをすぐに起動して撮影することができるので、一眼レフなどの立派なカメラよりもシャッターチャンスに対応しやすいと言えます。
また、いまのスマホのカメラは機能性も十分ですし、猫の写真撮影に適したアプリもあるので気軽に撮影することができます。
ミラーレス一眼レフ
スマホよりも性能や画質にこだわりたい場合は、一眼レフなどの本格的なカメラを選んでしまいがちですが、サイズが大きいので猫が怖がることがあります。ミラーレス一眼レフなら軽量小型で撮影もしやすく、猫に対しても威圧感を与えることがありません。
画質もキレイに撮れて、連射機能や手振れ補正機能、無音シャッター機能がついているものもあるので性能的に全く問題ありません。
一眼レフ
キレイな画質で、こだわりの1枚を撮りたいのなら、やはり一眼レフが良いでしょう。猫の素早い動きも追いやすいのが長所です。
また、単焦点レンズであれば、背景をぼかして猫を際立たせることができますし、暗い場所でも自然な猫の姿を捉えることができます。動きのある猫を撮りたいのならズームレンズをつけると良いでしょう。
一眼レフは初心者には難しいと思われがちですが、3つの基本を押さえれば誰でも上手に撮ることができます。
F値は最小に
まずは、カメラの設定を絞り優先(Av/A)モードにしてください。この絞り優先モードはF値(絞り値)を自分で決めることができます。F値を小さくするほど大きくボケます。逆に、F値を大きくすれば、ボケは小さくなり隅々までピントが合います。
ISO感度を調整
次に、ISO感度を調整します。F値を最小にしてもブレてしまう場合があるためです。ISO感度を高くするとシャッタースピードが早くなります。シャッタースピードを早くすることでブレにくくなりますが、数値を高くするほど画質は劣化します。
そのため、状況によって適正な数値にする必要がありますが、室内で撮影する場合にはISO感度を1600で固定してみるのが良いでしょう。
シャッタースピードは1/125秒以上
試しに1枚撮影して、シャッタースピードが1/125秒よりも遅くなるようであれば、ISO感度を一段上げるようにしましょう。
シャッタースピードを1/125秒以上にしておくと、動いている猫を撮影してもブレて失敗した写真を減らすことができます。
猫の写真の上手な撮り方6選!
自慢の愛猫は上手に撮りたいですよね。撮り方のコツを知っていれば、より可愛く、そして美しく撮ることができます。
外の光が差し込む時間に撮る
基本的に室内での撮影は、十分な光量が必要となります。自然の光のもとで撮影をすると、猫の生き生きとした姿や自然な表情を写し撮ることができるので、外の光が差し込む朝から夕方頃までに撮影するのがおすすめです。
フラッシュはNG
夜行性の猫は光に敏感な動物です。突然フラッシュをたくと、光の量が多すぎて目を傷めてしまい、最悪の場合には失明する危険性もあります。オートモードにしていると、自動でフラッシュをたいてしまうことがあるので、オートモードは必ずオフ設定するように注意してください。
もし、カメラが外部ストロボを使用できる機種であれば、天井や壁に向けてフラッシュをたいて、反射する光で撮影をする「バウンス撮影」という方法で撮影するようにしてください。
猫と同じ目線で撮る
猫と同じ目線で撮ることで、猫を主役とした印象的な写真を撮ることができます。そのためには、匍匐前進するようなうつぶせの姿勢でカメラを構えてください。猫のほうからしても、撮影者から上から威圧的に見られるよりも同じ目線で見られる方が警戒心も薄れてリラックスするようです。
また、少し下から見上げたアングルで撮るとたくましく凛々しい姿に、上から見下ろすアングルでは、こちらを見上げた愛くるしい表情を見せてくれます。少し上下の角度を変えるだけで様々な表情も撮ることができます。
ピントは瞳に合わせる
人間を撮るときと同様に、猫でも瞳にピントがあっているとキレイな写真に見えます。また、アップを撮影するときは、目だけにピントを合わせると目の強さが出る迫力のある1枚が撮れます。
猫は目が魅力であり、目によって様々な表情を見せてくれるので、カメラを向けたら素早く瞳にピントを合わせるように心がけてみましょう。おもちゃやおやつで、カメラの方に視線を誘導して撮影するのも方法のひとつです。
同じ写真を複数撮る
同じポーズの写真を何枚も撮ることで、お気に入りの一枚を厳選することができます。ポーズが同じでも目の方向や角度など微妙な表情の違いが出てくるので、カメラの連射機能を使って撮影するのが良いでしょう。特に動いている猫を撮影するときには最適な方法です。
猫とコミュニケーションをとる
撮影の最中は、リラックスした雰囲気を作りあげるためにも、できるだけ猫に優しく声をかけたり、お気に入りのおもちゃを用意したりしてコミュニケーションをとるようにしましょう。
無理なポーズを強要させたり、しつこく迫るのではなく、猫の気持ちを考えて自由に行動させてあげましょう。そして、シャッターチャンスが到来したときには、迷わずシャッターを押してください。
6つの小技でワンランク上の写真を撮ろう
猫を上手に撮れるコツを覚えたら、さらに猫の魅力を引き出すテクニックの習得を目指してみましょう。
大きな瞳を撮るには
暗い場所にいるときの、黒くて大きなまん丸な瞳をした猫を撮るには2つの方法があります。
- 1つは、カメラのISO感度の設定を高くする方法
- もうひとつの方法は、猫じゃらしなどのおもちゃを使って猫を興奮させる方法
暗い場所では、シャッター速度が遅くなりブレが生じてしまうので、ISO感度を高くしてブレをなくす必要があります。ISO感度を3200~6400くらいの高感度に設定して、暗い場所にいる猫がカメラを見つめたらシャッターを押しましょう。
猫は興奮すると瞳が大きくなる習性があります。猫じゃらしを使ってたくさん遊んであげて、瞳が大きくなったところを撮影するようにしてくだ0さい。
ブレずに撮るには
最近のカメラは、手ブレ補正機能がついたものもありますが、シャッターを押す際に起こる手ブレは完全に解消できるわけではありません。基本的にカメラ本体をしっかりと持ち、脇をしめて体全体でカメラを固定するようにしましょう。シャッターは押し下げるというよりも手を握り締める感覚で押すようにするのがポイントです。
また、室内で撮るときにはズームを使わないほうが良いでしょう。ズームを使うと手ブレを起こしやすくなるので、自らが動いてカメラの位置を近づけるようにしましょう。
さらに、撮影環境を整えることも重要です。明るさが足りない場合には、テーブルライトなどの光源を追加して撮影しましょう。また、カメラのISO感度を高設定にしたり、シャッタースピードを早くするようにしてください。
同じシーンでも目線や距離を変えてみる
猫が大人しく座っている場合や、熟睡しているときなどは距離やアングルを変えて複数枚の写真を撮ることをおすすめします。
同じシーンでも猫の顔や体に目一杯近づいて撮った写真と、少し離れたところから撮った写真など距離を変えて撮るだけで、違った雰囲気を楽しむことができるからです。また、寝ている猫の後ろ姿、前から見た寝顔、しっぽや足の様子など様々なカメラアングルから撮ることでいろいろな表情の猫を見ることができます。
夜の室内で撮影する
フラッシュは猫の目に負担がかかるため使用せずに、テーブルライトなどの光源を十分に確保します。そして、カメラのF値を最小にしてカメラのISO感度を高設定にするなどして撮影するようにしましょう。
また、ホワイトバランス設定によってもキレイに撮影することができます。
- 夜の室内にいる猫を試し撮りをします。
- その撮れた写真から色彩の補正をします。
- ホワイトバランスの設定を変えるのですが、自分が足したい色を選択してみてください。
- 納得のいく写真が撮れるまで、状況や撮影した写真を何度も補正していくようにしてみましょう。
構図を工夫する
猫を撮る構図も少し工夫をするだけで素敵な写真を撮ることができます。例えば、空間を程よく持たせることで余韻のある構図になります。キャットタワーの上の猫を撮る場合には、キャットタワー全体を撮るのではなく、程よくキャットタワーを切り捨て、猫の視線の先に空間を持たせるとバランスが良くなります。
構図を工夫するだけで写真も変わってくるので、魅力的な写真を撮れるように構図を意識しながら撮影をするようにしましょう。
自然な姿の外猫を撮る
人に飼われていない、自然な表情の外猫を撮るうえで大切なことは「距離感」です。猫に近づこうとするとサッと逃げられてしまうことがほとんどです。すぐに撮影をするのではなく、しばらく猫を観察して近づける猫かどうか見極めるようにしましょう。また、撮影のタイミングを待つための「忍耐力」も大切です。
シチュエーション別による猫の撮り方
シチュエーション別に撮影ポイントを紹介します。自然な猫の姿や活動的な猫の姿を写真に残してあげましょう。
寝ている猫
寝ている猫は動かないので余裕をもって撮影することができます。寝ていないと撮ることができない猫の象徴である肉球を、接近して撮影するのがおすすめです。
あくびをしている猫
猫のあくびをしている写真を撮るには、猫が起きるタイミングと猫が眠るタイミングを狙うと良いでしょう。
撮影のポイントは、連射で何枚も写真を撮ることです。一枚一枚の写真を連続して見ると、猫のあくびは始めから終わりまで表情の移り変わりが大きいことが分かります。
ジャンプしている猫
ジャンプをしている激しい動きの猫を撮るとピントがずれてしまいますが、猫じゃらしを使うと上手に撮影することができます。
- 撮影のポイント1.カメラのシャッター速度を1/500以上に設定する
- 撮影のポイント2.猫じゃらしは前後ではなく左右に動かす
- 撮影のポイント3.ジャンプする前からピントを合わせてシャッターを押し続ける
シャッター速度が遅いと、被写体の動きが激しいためブレが生じてしまいます。
被写体と真正面から向き合っている場合、前後に動きがあるとボケてしまうことが多くなります。猫の飛ぶ方向を誘導するためにも猫じゃらしは左右に動かしてください。動かし方を工夫するだけでピントの合焦率が格段に高くなります。
動き出す前からピントを合わせて連射を始めます。動き出してからシャッターを押すのでは遅すぎるためです。
以上の3つのポイントを押さえるだけでジャンプする猫を撮影することが可能です。また、自分以外の人に猫じゃらしを動かしてもらうと、カメラを両手でしっかりと持てるので、ピントが合ってより上手に撮影することができます。
猫の写真撮影テクニックを上達させるおすすめ本&アプリ5選!
猫の写真を上手に撮るためには、立派なカメラや道具は必要ありません。是非、読んでほしいおすすめの本と一度は使ってほしいアプリを紹介します。
おすすめ本
「ねこの撮り方まとめました! ― お洒落なねこふぉとBOOK」(日本カメラMOOK)
一眼レフの撮影テクニックだけでなく、スマホ撮影のテクニックも記載されています。思い通りに動いてくれない愛猫を上手く撮るためのコツを知ることができて、カメラの設定や基本用語についても解説してあるので、初心者の方におすすめできる一冊です。
「猫のかわいい撮り方手帖 ~うちのコを世界一かわいく撮る~」(マイナビ)
カメラ初心者でも分かりやすく猫撮影のコツを解説してあります。愛猫をもっと可愛く撮りたいと思っている人には大変役に立つ本です。読み物や猫グッズの紹介もあり充実した内容になっています。
おすすめアプリ
撮る猫(iPhone対応)
猫を撮影するための便利な機能が搭載された猫撮影専用の無料アプリです。アプリを起動すると同時に常に撮影されている状態で、撮影ボタンを押した瞬間のショットとその前後の写真(全12枚)が記録されるのでベストショットを逃しません。
また、シャッター音が本物のにゃーという猫の鳴き声が出る仕組みになっています。
超微音カメラ(iPhone対応)
シャッター音を抑えて撮影することができる、猫の写真撮影に適した無料アプリです。画質に関しては、高画質モードや露出とフォーカスが調整できるPROモードに設定することができます。
有料版の超微音カメラでは広告が非常になり、グリッドの表示・非表示切替やディスプレイシールドモードなどの追加機能が使えるようになります。
ねこじゃらC 無料版(iPhone/Android対応)
猫の自撮りができる無料アプリです。アプリを起動すると画面に動き回るおもちゃのアイコンが表示されます。猫が遊びに夢中になって画面をタップすると写真が撮影される仕組みになっています。動くものを追う猫の習性を活かして作られたアプリです。
写真を撮ることで今まで気づかなかった猫の一面を知る
猫の写真を撮る際には、カメラを通じて今までとは違った猫とのコミュニケーションが生まれます。また、猫の習性や仕草についてもよく観察するようになり、新たな一面を知ることもできます。ありのままの自由奔放な猫の写真を撮ることで、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?