犬が車酔いしない方法はある?安心してお出かけするための対策や克服法

ペット 車

ドライブや旅行などのお出かけに、愛犬を連れて行く人が増えています。しかし、車に慣れていない子や、長時間のドライブになると、車酔いをする子もいます。せっかくのお出かけが楽しめないだけでなく、トラウマになって車に乗ろうとしなくなっては行動範囲が狭まってしまいますね。それを防ぐためには、事前に車酔い対策を行なうことが大切です。ここでは、どんな対策があるかや克服の方法を、場面別で具体的に紹介します。

犬が車酔いをする原因

犬も、人間と同じように車酔いをすることがあります。楽しいお出かけも愛犬が体調を崩してしまっては、とても心配ですよね。では、なぜ犬が車酔いをしてしまうのでしょうか?主な原因は、以下の3つが考えられます。

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三半規管がうまく働かない

人間と同様に、犬にも平衡感覚を司る三半規管があります。この機能が強いと、乗り物酔いを起こしにくくなったり、多少の揺れや回転にも動じにくくなります。

逆に、その機能が弱いと変化に対し敏感に反応しやすくなります。よって、車に乗っていると、周りの景色の見え方が普段と変わるため、三半規管がうまく働きにくくなり酔ってしまうのです。

車内のニオイ

犬は、人間よりはるかに嗅覚が敏感です。嗅ぎ慣れないニオイや、エンジンのニオイ、あるいはシートのニオイなどで気分が悪くなり、酔ってしまうことがあります。

こういったニオイを軽減させるために、芳香剤を置いている人もいますが、芳香剤自体のニオイが強く、犬にとっては刺激臭となってストレスを与える可能性があります。

余計に車酔いしやすくなるリスクがあるため、人間用の芳香剤をそのまま犬に転用するのには注意が必要です。

何らかのトラウマを抱えている

例えば、病院に行くときは必ず車を使用するという場合、犬の頭には「車=病院」とインプットされます。その憂鬱な気持ちが車酔いを招く可能性があります。

また、急ブレーキでシートに頭をぶつけたことがあったり、座席から落ちて怖い思いをしたことがあったりしたなどの過去のトラウマがフラッシュバックし、精神的要因で車酔いを引き起こすことも考えられます。

犬が車酔いしたときの症状

犬が車酔いをすると、様々な症状が見られます。犬は、気分が悪くても言葉で伝えることができないため、これらの症状から飼い主が車酔いの可能性を察してあげる必要があります。

では、具体的にどのような症状があるかをいくつか紹介します。

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震えて怯える

精神的要因の車酔いは、過去のトラウマによる恐怖が原因となっている可能性があります。

そのため、車に乗ることでその恐怖心が蘇り、ガタガタと体を震わせる姿が見られます。愛犬が震えていたり、怯えた様子で甘えてきたりした場合は「怖くて気持ち悪いよ」というサインかもしれません。

甘え鳴きをする

犬の甘え鳴きの原因は様々ですが、心細かったり、体調が悪かったりすると「クンクン」と弱々しく鳴くことが多々あります。

飼い主に遊んでほしいときも同じように鳴くため、勘違いをしてしまいそうですが、状況によっては、愛犬からのSOSの場合もあると覚えておきましょう。

嘔吐する

人間が車酔いをしたときと同様に、気分が悪くて嘔吐をする子もいます。様々な症状のなかでも、特に分かりやすい症状だと言えるのではないでしょうか。

よだれが出る

犬は、強いストレスを感じるとよだれを垂らすことが多々あります。そのため、車酔いによってストレスを感じ、よだれが出始める子もいるでしょう。口の周りを頻繁に舐めたり、よだれが垂れるほどたくさん出る場合は、すぐに休憩をとるなどの対処をしてあげる必要があります。

車酔い防止に効果的な対策を場面別に紹介!

愛犬とのお出かけは、双方ストレスなく楽しみたいですよね。しかし、途中で愛犬が体調を崩してしまうと、お出かけを楽しめなくなるだけでなく、「無理をさせてしまっただろうか」と自己嫌悪に陥ってしまう人もいるでしょう。

それを防ぐためにも、事前にしっかり対策を講じることが大切です。車内で愛犬が落ち着いて過ごせるようにするにはどうすれば良いのか、効果的な対策法を紹介します。

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車に乗る前

車に乗った瞬間から気分が悪くなる子もいます。最初は少し気分が悪い程度かもしれませんが、いざ車が走り出すと、その車酔いがさらに悪化する可能性があるため、乗る前から対策を行なっておくことがポイントです。

  • 空腹と満腹を避けよう
  • 人間と同様、空腹も満腹も車酔いを招きやすい傾向があります。お腹が空きすぎると、それだけで気分が悪くなり、車内でぐったりしてしまうでしょう。

    逆に満腹だと、気持ち悪さから食べたものを嘔吐する可能性があります。つまり、車酔いを避けるためには、お腹の空き具合を適度な状態にしておくことが大切なのです。

    車に乗せる2時間前までに食事を済ませて満腹を防いだり、直前に軽い食事を摂らせ、空腹を防ぐなどの対策を行ないましょう。

    >車酔いに効くツボを刺激しよう

    犬には、車酔いに効くツボがあります。車に乗る前や、酔いの初期症状が見られたときに刺激することで、症状を緩和させることが可能です。

では、車酔いに効果的なツボはどこにあるのでしょうか。

  • 内関(ないかん):前足首より少し上にあるツボです。親指と人差し指で足首を掴むように刺激することで、車酔い予防になります。ツボは腱と腱の間になるので、骨を押さえないように気をつけてください。
  • 中脘(ちゅうかん):胸骨とおへその中間あたりにあるツボです。時計回りに優しく撫でてあげるようマッサージしてください。ただ、間違えて反時計回りに撫でると逆効果になるので、注意が必要です。
  • 築賓(ちくひん):後足の内側で、くるぶしと膝の中間くらいにあるツボです。内関より効果が高いことが期待されているため、酔いやすい子や、内関が効かないと思った場合は築賓を指圧してあげてください。

参考:松原ペットクリニック

車中

車に乗る前に対策を行なっても、走行中に体調を崩す可能性があります。そのため、車酔いを起こしにくくするために、以下のような対策も行なうことをおすすめします。

  • 安全運転を心がけよう
  • 急ブレーキや急発進など、安定しない運転は車酔いを起こしやすくします。できるだけ一定の速度で走り、車の揺れを最小限に抑えるため、ブレーキや発進もゆっくり行ないましょう。

  • 外の景色を見せない
  • 車の速度に合わせ、見える景色が変わります。ブレーキをかければゆっくり景色が流れ、発進すると速いスピードで景色が流れていきます。

    この変化が三半規管を狂わせ、車酔いを招くと考えられます。それを防ぐため、車酔いしそうな子はできるだけ外の景色を見せないよう工夫しましょう。

    窓にカーテンをかけたり、外が見えないような抱き方をするなどすれば、車酔いのリスクを下げられるはずです。

  • ケージに入れよう
  • 犬は、狭い空間に安心感を抱く傾向があります。そのため、ケージの中に入れておくことで、多少揺れを感じたとしても安心して過ごしやすくなります。

    また、急に立ち上がって窓の外を眺めたり、座席から落ちてケガをするということも避けられるため、安全のためにもケージに入れるのは得策だと言えます。

その他

万が一愛犬が車酔いをしたときのため、あるいは車酔いをしないようにするために、日頃から心がけておくべき対策も一緒に紹介します。

  • こまめに休憩をとろう
  • できるだけ早く目的地に着きたいとの思いから、道中の休憩はほとんどとらないという人もいます。

    しかし、長時間のドライブは犬に負担をかけてしまいます。そのため、愛犬の様子に合わせ無理のない範囲でこまめに休憩をとるようにしましょう。

    その間に、外の空気を吸わせてあげたり、マッサージをしてあげたりすることでリフレッシュすることができ、車酔い防止につながるはずです。

  • 日頃から車に慣れさせよう
  • 車に乗り慣れていないと、揺れやニオイなど様々なストレスが一度に加わることとなり、車酔いしやすくなります。

    しかし、普段から車に慣れておけば、そのストレスも軽減されるはずです。

    いきなり長距離のドライブに愛犬を乗せるのではなく、短距離のドライブを何度も試して様子を伺ってみたり、走行しない車に乗せてニオイを嗅がせてみたりなど、まずは車内の環境に慣れさせてあげることが大切です。

  • 酔い止め薬を飲ませよう
  • 乗り物酔いを防止するため、犬用の酔い止め薬があります。人間でも長距離のドライブをする前や、あるいはバスや電車などに乗る前に、必ず飲むという人も多いのではないでしょうか。

    犬にとっても、酔い止め薬の服用は効果的です。犬用の酔い止め薬は、市販ではなく病院で処方してもらうことができるため、必ず医師から出されたものを飲ませるようにしてください。

車酔いを克服させるための方法3つ

車酔い経験がある犬は、それ自体がトラウマになっている可能性があります。それが原因で、車酔いするのが癖になってしまい、車に乗せると必ず体調を崩す、という子もいるでしょう。

また、なかなか車に乗ろうとしてくれなかったり、車内でおとなしくしてくれなかったりすると、飼い主も安心して運転ができませんよね。

ドライブを安全に楽しむためには、愛犬の車酔いを克服させることが大切です。では、具体的にどのような方法があるのかを紹介します。

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【画像】:ポペットフレンズのライリーくんクーパーくん

車に良いイメージを持ってもらうための工夫をする

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【画像】:ポペットフレンズのライリーくん

車には、病院に行くときぐらいしか乗らないとなると、犬にとって車に乗ることは憂鬱とインプットされるでしょう。

気持ちが落ち込み、そのストレスによって車酔いをしてしまう可能性があります。まずは、その嫌なイメージを払拭してあげることが大切です。

車に乗ると楽しい場所に連れて行ってもらえる、と車に乗ると前向きな気持ちになるという経験が増えていけば、車に乗ること自体を好きになり、酔いを克服できるはずです。

また、車の中に愛犬の好きなおもちゃや、寝るときに使うタオル、クッションなどを積んでおくのも効果的です。きっと、愛犬も安心して車に乗ってくれるようになるでしょう。

過ごしやすい環境を整えよう

車内の環境が過ごしやすければ、ドライブ中も安定して乗ることができます。なかには、快適故にすやすやと眠る子もいるかもしれませんね。

そうなれば、車酔いも自然と克服できるでしょう。車内環境を整える方法として、以下の2つを紹介します。

アロマ
芳香剤やタバコのニオイなど人工的で犬にとっての刺激臭は車酔いを招きます。そのため、気持ちを落ち着けたり、体調を整えるような自然界のニオイを活用することで、車酔いを軽減させることが可能です。

動物病院などでもおすすめしていて、お出かけの前に愛犬の体に塗ってドライブを楽しめるこちらの商品を紹介します。

【Nature’s Inventoryドライブアロマ】

アロマオイルを手に塗った状態でマッサージをすることで、香りとともにリラックス効果が得られるでしょう。

その流れで車酔いに効果的なツボを押すと、より車酔いしにくくなるはずです。車に乗る前に気持ち良いマッサージをしてもらえる、と愛犬が思ってくれれば、車に乗るのが好きになるかもしれませんね。

ただし、犬の嗅覚は人間より鋭いため、香りは強すぎずマイルドなものに留め、以下に該当する場合は使用を避けましょう。

車内温度
車内が暑いと、車酔いをしやすくなります。せっかく車酔いに効果的なアロマを用意しても、暑い車内では逆に気持ち悪さを誘発する可能性があります。

できるだけ快適に過ごせるように、車内温度は20℃前後にしてあげましょう。人間にとっては寒いかもしれませんが、犬は平熱が38℃前後と高いため、人間に合わせると暑いと感じるはずです。

特に夏は、車内の温度が上がりやすいので気をつけてください。直射日光が入らないよう遮光カーテンを準備したり、日が当たらない位置に愛犬を座らせるなどの工夫も大切です。

しっかり対策を講じて愛犬とのドライブを楽しもう!

愛犬の車酔い対策は様々あります。車に乗り込む前に、車内環境や愛犬の状態を確認しておいたり、走行中に時折愛犬の様子をうかがったりなど、飼い主がしっかり愛犬を気遣ってあげることで、愛犬も安心して車内で過ごすことができるでしょう。

しかし、どんなに対策を講じても、いきなり長距離のドライブとなると、愛犬にとって負担が大きくなります。

最初は近場をドライブする程度にし、徐々に車に慣らしてあげることも大切です。ある程度車内で落ち着いて過ごせるようになってから、遠距離のドライブに挑戦してみましょう。

最初は緊張していた愛犬も、一度車に乗る楽しさを覚えればドライブを好きになってくれるはずです。安心して乗ることができる環境を整え、愛犬とのお出かけをエンジョイしてください。

Poppet フレンズ