今、猫の飼い主の間で猫用の服がブームになっています。フリフリのレースの服・警察官のコスプレ風の服、トナカイやクマ、鏡餅などユニークな被り物をした猫ちゃんなど、SNSで一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。思わず「可愛い!」と注目しますよね。昨今の猫ブームを受け、猫用の服が種類多く販売されています。今回は、SNS映えする猫の服とともに、実用的な猫用の服の活用法をお伝えします。
目次
猫用の服がSNSをはじめ大人気!
以前は、洋服といえばワンちゃん用しか販売されていませんでした。犬は外出をしますし、慣れればそれほど洋服を嫌がらない子も多く、寒さ防止といった実用的な面でも着せる場合が多くあります。
猫の場合は、実用性よりもSNSが発展したことにより「うちの子の可愛さをより伝え合いたい」という猫好き同士のコミュニケーションツールとしても、活用されているようです。
【画像】:ポペットフレンズのレオくん
コスプレ風・被り物など愛猫をより可愛くしよう
前から見ると、まるで猫の顔をした警察官!?…そんなコスプレ風の衣装もとても人気です。ちょこちょこ、と猫が歩くところを正面から動画撮影するととてもユーモラスで、イイねがたくさんもらえそうですね。また、セーラー服やロリータファッション風のフリフリ衣装も、ロングヘアーのゴージャスな猫ちゃんに似合いそうです。
また、りんごやうさぎ、干支などの被り物をした猫の写真も見かけたことがあるかと思います。思わず可愛い!と言ってしまいますね。トナカイや鏡餅など、季節ごとのアイテムが揃っていて、ついつい被せて撮影したくなるものばかりです。
もちろん、これらのアイテムは長時間猫が着用していると負担がかかってしまうものが多いです。一時的に着用して、撮影が終わったら脱がせている飼い主さんがほとんどかと思います。
写真をSNSにアップすると我が家の猫の可愛さを知ってもらえますし、それを見た他の猫飼いの飼い主さんは「うちの子にも着せたい!」と購入するかもしれません。
犬の飼い主さんは自分のうちの犬の種類と同じ犬種が好きな場合が多いですが、猫の飼い主さんは種類はそれほど関係なく、様々な猫を見ることが好きな人も多いです。猫用の服を着た写真をSNSで見かけて、癒しをもらっている方も多いでしょう。
実用的な猫用の服とは?
SNS映えする猫用の服以外に、実用的な服もあります。たとえば、術後服と呼ばれるものです。術後服とは、去勢・避妊手術後や病気で手術をした後に着せる服のことです。猫をはじめ、動物は傷口を舐めて治そうとする習性がありますから、患部を舐めてしまう子が多いです。
特に、縫合した手術患部の糸を取ってしまっては大変です。手術の傷口が治るまで、患部を清潔に保護するのが術後服です。市販されているものは柔らかい素材でできていて、猫になるべく負担がないようなデザインになっています。
術後服は、エリザベスカラーの代わりとして使われる場合が多いです。エリザベスカラーは視界をさえぎりますので怖がってしまう猫や、その重さや不快感で取ろうとパニックになる猫もいます。
猫は本来、服の着用を嫌がりますのが、術後服を受け入れてくれるようであれば大変重宝するアイテムです。術後服の他にも、毛がない種類の猫に服を着用させる事例や、皮膚疾患の猫に活用する事例など後述していきます。
猫用の服を利用する時の注意点3つ
猫用の服を着用させる際はいくつかの注意点があります。猫の負担にならないように、以下の注意点を気をつけながら使用しましょう。
【画像】ポペットフレンズのロシくん
服の着用はグルーミングができずストレスに
基本的に、猫にとって服の着用はストレスになることが多いです。猫は自分の体を舐めてグルーミングを行う習性があります。グルーミングで毛についた汚れを落とし、抜け毛を除去して清潔さを保とうとします。そのため、服を着せてしまうとグルーミングが不十分になり、猫にとってストレスになる可能性があります。
術後や皮膚疾患の舐めこわしを防止するために、着用する以外の場合は無理には長時間着せず、グルーミングができるように配慮しながら着用させましょう。
写真を撮影する時だけなど短時間ですませる
服を着せようとするとシャーッと威嚇する・引っ掻くなどの威嚇行為で嫌がる場合は、無理に着せるのはやめましょう。警戒心が強い猫は、服を着せようとすることで信頼関係が崩れてしまうこともあるかもしれません。
もし、着用させたいと思ったら子猫の頃から慣らしておくことをおすすめします。また、決して叱らず、優しい口調で褒めながらスムーズに着せてあげる方がいいでしょう。
また、着せると動けなくなって固まり続ける・無理に脱ごうとするという場合も、着用は諦める方が良さそうです。おとなしく着用を受け入れてくれる子も、長時間着せ続けるのはストレスになるかもしれません。写真を撮影する時だけ着用させるなど、様子を見ながら着せましょう。
安全性をしっかり確認すること
市販の服の中には、ボタン・リボン・ポンポンなどが、パーツとして付いてることがあります。遊び好きな猫は、パーツが気になってジャレて外してしまい、飲み込んでしまう事故もあるかもしれません。安全性に留意しながら着用させたいですね。
また、爪が引っかかりやすい素材など、多頭飼いの場合は思わぬ事故に繋がる可能性もありますので、多頭飼いの猫には爪が引っかかりにくい素材の服をおすすめします。
猫用の服を実用的に活用しよう
術後服の活用方法はお伝えしましたが、それ以外にも猫の服の実用的な活用方法がありますので紹介します。
毛がない種類の猫の体温調整のサポートに
スフィンクスという猫をご存知でしょうか?ほとんど体に毛が生えていない猫種です。実際はよく見るとうぶ毛が全体に生えていて、耳や体の先端には少し長めの毛があります。
毛がほぼありませんから、スフィンクスは気温の変化に弱い体質です。また、紫外線にとても弱いため、スフィンクスを保護するために猫用の服は有効です。
ただし、うぶ毛だけとはいえ、スフィンクスもグルーミングを行ないますので着せっぱなしにはしないようにしましょう。
皮膚疾患が原因で掻いてしまう場合
アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎などの皮膚疾患が原因で、過剰に自分の体を舐めてしまう・掻き壊してしまう猫がいます。そういった猫には、皮膚を守るための猫の服を活用しましょう。皮膚疾患専用のウェアも開発されていて、皮膚摩擦を避けるためにわざと縫い目が外側になるように加工されています。
また、柔らかい素材で手作りする飼い主さんもいらっしゃるようです。舐める・引っ掻く行為で、皮膚が細菌感染をおこし湿疹になり、さらに痒みが強くなって余計に舐めて掻いてしまう、そんな悪循環に陥ってしまいます。皮膚の治療を進める上で、皮膚を守る猫の服は悪循環を止める役目を担ってくれるのではないでしょうか。
猫用の服の作り方が知りたい!
猫用の服を手作りしたい!と思われる方も多いようです。皮膚疾患に悩む猫や術後の傷口を守るために伸縮素材で手作りすれば、予算もそれほどかからずに猫の健康を維持できますよね。
着脱が簡単にいくように配慮した作り方で
猫は洋服の着脱が苦手な子が多いです。犬は、その服を着れば「お出かけができる・ご褒美がもらえる」と、良いことと関連づけると洋服を見るだけで喜ぶ子もいます。しかし猫の場合は、服を着せる行為に警戒して嫌がってしまう場合も多いです。
手作りする場合は、着脱がなるべくスムーズに行なえる作りにするといいでしょう。
首回りや手足を通す部分は引っかかると猫が嫌がるため、伸縮性があることが大切です。また、洋服を着せたらおやつを与えるなど、なるべく良いイメージと関連づけてあげると警戒心を解くことができます。
市販の服と違って手作りならば、おうちの猫に合わせてサイズを調節することができる利点があります。
術後服を身近な物を利用して作るには
術後服を身近な素材を使って手作りする方もいます。術後服は去勢・避妊手術をした後の短期間のみ使用するため、市販の服ではなく手作りで作るとリーゾナブルですよね。
レッグウォーマーやタイツなど、伸縮性のある布地を利用して作っている方が多いようです。こういった素材は、100円ショップでも入手可能ですね。また、いらなくなったTシャツを切って、猫の背中部分で結ぶように加工した術後服もおすすめです。この場合、Tシャツは伸縮性のある素材を選びたいですね。
参考:キャットフード大学 猫が嫌がらない手作り術後服!家にある物で簡単に出来る作り方3選!
型紙をダウンロードして手作りしてみよう
うちの子にぴったりの洋服が作りたい!という方は型紙をダウンロードして、手直ししながらおうちの猫のサイズぴったりの服を作ってみてはいかがでしょうか。
犬用の手作り服の型紙を流用する場合は犬と猫は体型が違いますので、前身頃を大きめにしたり、首部分が脱げて後ろに下がらないように工夫が必要なようです。
参考:ぐうたらネコライフ+1 ニャンのためのお洋服
ぐうたらネコライフ+1 ニャンのためのお洋服☆その2
ぐうたらネコライフ+1 ニャンのためのお洋服☆その3
犬用の服を猫は着ることができるの?
猫と犬は体型が違うため「可愛い!」と思っても、犬用の服を猫に着せる場合は形やサイズをよくチェックしてください。今は、猫用の服を通信販売するWEBサイトも増えましたが、犬猫兼用として猫モデルが着用している写真を載せているサイトもあります。
特に、猫にも便利に使えるおでかけハーネス(洋服型のハーネスで、リードが付いているもの)は、猫が着用した写真が掲載されているので選びやすいですね。獣医さんに行くときに、逃亡防止に活用すると安心なアイテムです。
猫にハーネスは必要?メリット・デメリットから正しい選び方について猫は思った以上に体がしっかりしていて、胸周りや胴の長さが犬よりもあります。トイプードルやチワワといった超小型犬用の服は小さい場合も多く、ダックスフント用が合う場合も多いようです。
首回りや胴回りをメジャーで測り、犬の服の寸法と比較して選ぶと良いでしょう。
猫に負担がかからないように、伸縮性のある素材を選びたいですね。また、少し大きめの場合は脱げないようにお直しすることで着用しやすく加工できる場合もあります。
参考:楽天市場ペットナビ 犬猫服お直し術No.3,猫に着せる犬服のコツ
猫用の服を着せるときは飼い主のエゴにならないようにすることが大切!
基本的に、猫は服が苦手です。ただし、少しずつ慣らすことで、術後や皮膚疾患治療に猫の服を実用的に使用できます。ファッションアイテムとして使う場合は、猫の負担にならない程度にしましょう。長時間着せ続けるのではなく、グルーミングができる時間を作ってあげたいですね。
可愛いからといって無理をするのは禁物です。猫の中には、はっきりと威嚇はしなくても、体が固まる・ペロッと鼻を舐める・目をしばしばさせるといった動作はストレスを感じているサインです。そういった時は短時間ずつ着用させるなど、ストレスを軽減してあげたいですね。
「SNSでうちの子の姿をみんなに見てもらいたい!」という気持ちが強くなりすぎて、エゴにならないように猫の気持ちに寄り添いながら楽しみましょう。