最近、猫にリードを使用する人が増えているようです。リードときくと、犬用のイメージが強い方も多いのではないでしょうか。実は今、猫ブームも手伝って、猫用のリードが数多く開発されています。犬は散歩やトレーニングのためにリードが欠かせません。では、猫の場合はどのような用途でリードが活用できるのでしょうか?猫のリード活用術をご紹介します。
猫のリードは使えると役に立つ
猫用のリードを活用しよう
【画像】:ポペットフレンズのコロンくん
犬は散歩をしないとストレスが溜まってしまうため、リードをつけて散歩に出る必要があります。では猫はどうでしょうか。昔は、屋内外を自由に行き来する放し飼いが、飼育方法として一般的でした。
現在は、交通事故、ノミダニがつく、感染症、猫同士の喧嘩、望まない繁殖などを様々なトラブルを防止するために、完全室内飼いが推奨されています。外の世界を知らない猫は、完全室内飼いでもストレスを感じないものなのだそうです。
外の世界の危険から守るためにも、愛猫は室内で飼育したいという飼い主さんが増えています。しかし、欧米ではリードを付けて猫とお散歩をすることが一般的に行われているそうです。
いまや、日本でも猫のためにリードやハーネス(同輪)が数多く開発され、販売されています。これは、飼い主のニーズに応えたものといっていいでしょう。
犬用のリードとの違い
犬用リードは、お散歩とトレーニングのために主に使用されます。ハーネス(胴輪)を使う犬もいますが、主にリードと首輪の組み合わせで使用する飼い主さんがが多くみられます。それは、犬はハーネスよりも首輪の方がコントロールしやすく、トレーニングの面でも役に立つためです。
では、猫の場合はどうでしょうか。猫用の首輪の多くは「安全設計」が施されています。猫は上下運動を活発に行う特性があるために万が一首輪を引っ掛けてしまうと窒息死の可能性があります。そのため、猫の首輪の多くは大きな力が加わると外れる設計になっており危険回避をしています。このことから、猫用のリードを首輪につけるのはやめましょう。
また、犬用の首輪とリードであっても、猫は犬よりも歩くトレーニングがしにくく、踏ん張った時に首輪が抜けやすい姿勢になることがあります。
通院時の安全対策として
室内飼いの猫は、犬よりも外に出る機会が少ないため、通院時に緊張をする子が大変多いです。パニックになってキャリーから逃げてしまうといったリスクを回避するために、ハーネスとリードを使う方が増えています。
猫はキャリーのファスナーのちょっとした隙間からでも、首をぐいぐいと出して逃げようとする子もいるため、ハーネスとリードを付けていると安心できますね。
ただ、キャリー・リードどちらに関しても利用する場合には、ちょっとした工夫をしましょう。「それが出てくると病院に連れて行かれて痛い思いをする」と猫に印象づいてしまうと、見ただけで家の中に逃げて隠れてしまうかもしれません。
ハーネスとリードは、普段から着用して遊んであげる・おやつをあげるといった「猫にとって良いこと」と組み合わせて、慣らしてあげる必要があります。
キャリーも、普段からそこに猫が出入りして遊べるように出しておいて、おもちゃやおやつをその中に入れて良い印象と結びつけてあげることをおすすめします。
災害時に役に立つ
地震などの災害で犬や猫と避難する際、猫も犬と同じようにリードを着用できるととても安心です。地震が起きると、猫はパニックになって逃げ出そうとする場合が多く見られます。
緊急時になってから、素早くリードやハーネスを着用するのは大変難しいでしょう。普段から「リード=良いもの」とイメージ付けておくと、緊急時も比較的スムーズに使用できるようになります。
避難生活が長く続く場合、ケージやキャリーなど狭い場所で待機する時間が増えてしまうことお考えられます。そんな時も、リードを付けて散歩をするといった対応が可能になるため、もしものときの事前準備としておすすめです。
猫のリードの慣らし方
リードと「いいこと」を組み合わせてイメージアップ
【画像】:ポペットフレンズのチョコちゃん
前述したように、ハーネスやリードを付けてすぐに獣医さんなどの猫にとって苦手な場所に連れて行くのはやめましょう。これでは、「リード=嫌なもの」と覚えてしまいます。
また猫には感覚毛というセンサーのような毛があるため、初めてハーネスを着用した時は固まってしまう子がほとんどです。しかし、練習を重ねて行くうちに動けるようになっていく場合がほとんどです。
ハーネスを付けたまま遊んであげる
また、ハーネスを付けたまま、大好きなオモチャで遊んであげるのもハーネスの感覚に慣れるのに役立つでしょう。
リードをつけたままだと絡んでしまう場合があるため、気をつけましょう。ハーネスを付けると遊んでもらえて楽しい!と猫に思ってもらうことが大切です。
外=違う環境に慣らすことも必要
また、室内飼いの猫は外に出ることが少ないので環境の変化に緊張してしまう子が多いです。ハーネスやリードを付けてお散歩をしたい、と考える方もいると思いますが、慣れるまでは固まってしまう・パニックになって逃げようとすることもあることを覚えておきましょう。
猫のお散歩は、感染症や逃亡のリスクがあることをきちんと理解してから行いましょう。しかしある程度、外の環境に柔軟に対応できる猫に育てることも必要なことといえます。
猫の一生をとおして、入院やペットホテルのお泊まりなど、外の環境に触れる・家族以外の人と触れ合う機会は訪れるでしょう。
また、災害による避難も予期なくやってくるかもしれません。そのような時に、極度の緊張でストレスがかかりすぎてしまうのは猫の体や心にとって大きな負担です。
それを回避すべく、ハーネスやリードをうまく活用して、ある程度、外の環境や人に慣らす練習を子猫の頃からしておくのはとても良いことです。
例えば、ペットホテルを子猫の頃から利用している猫は、人や環境に慣れる時間がシャイな猫より早い傾向にあります。リードをつけて、いきなりお散歩をするのではなく、一緒に室内で遊ぶなどして、徐々に環境に慣らしてあげたいですね。
猫のリードの選び方
犬用のリードは猫用に転用できる?
前述した通り、犬用の首輪は猫に使用するのはおすすめできません。しかしリード(紐)自体であれば、犬用を転用しても問題はないでしょう。
ハーネスに関しても、犬用は犬の骨格に合わせて作られているため、猫に使用すると簡単に抜けてしまうことがあります。特に紐タイプは抜けやすいので注意が必要です。やはり、ハーネスに関しても猫用に開発されたものがおすすめです。
そのほか、犬用の伸縮リードは、猫が上下運動をしてどこかに隠れてしまう・高いとろこに登ってしまった場合絡まってしまう可能性があるため、使用しない方がいいでしょう。
紐タイプ?それとも洋服タイプ?
ハーネスには紐でできたタイプと、ベスト型の洋服にリードを掛ける金具がついている洋服タイプ、その両方の利点を兼ね備えた中間のハイブリッドタイプの3種類があります。
その猫がどの程度ハーネスの着用に慣れているか?にもよりますが、紐タイプはやはり体が抜けやすい傾向があります。洋服タイプは体を覆う部分が多いですので、慣れるまで少し時間がかかる場合があります。
サイズ選びは重要
洋服タイプであっても、あまりに余裕があると猫が動いた際に抜けてしまう可能性があります。そこで、サイズ選びやサイズ調整がポイントになってきます。
試着ができれば一番いいのですが、猫を連れ出してお店で着用するのは犬と違って難しいですよね。通販やお店で買う場合、ハーネスにのサイズ表に数値が記入されているため、必ず愛猫の背丈・胸囲・首囲をメジャーで測り、ハーネスのサイズと比較してみましょう。
胸囲を測る時は、猫を立たせた状態で測りましょう。サイズがぴったりな方がいいのですが、あまりにきついと着心地がよくなくてハーネスを嫌いになってしまうリスクが伴います。
素材も、猫に負担がかかりにくいメッシュ素材など配慮されているものがいいですね。しっかり吟味して、愛猫にぴったりのハーネスを見つけてください。
猫のリードにおすすめ商品4選!
ゴロにゃんオリジナル 猫用ハーネス ダブルブロックタイプ Sサイズ
猫は関節が柔らかく、紐だけのリードだと体が抜けてしまうことがあります。こちらのハーネスは「ダブルブロック構造」を採用にしていて、上半身の上部ハーネス部分が万が一抜けてしまってもお腹の胴輪でしっかりホールド。
紐タイプと洋服タイプのちょうど中間に当たるハーネスですから、動きやすく抜けにくい特長があります。ぐぐーっと後ずさった時などに抜けやすいという今までのお悩みを解消するデザインです。
また、胸当ての布部分を動かすことで、品種によって異なる様々な猫の体型にフィットさせることができます。ぴったりと着用させることで安全に使用できるので、最初は少し着脱にコツがいるかもしれません。
ペットセーフ イージーウォーク ネコ用ハーネス&バンジーリード M 赤
オーソドックスな紐タイプのハーネスと伸縮するバンジーリーシュとのセットです。のどの締め付けを防止する構造になっています。紐タイプは慣れていない猫だと抜けやすいですので、しっかりフィットするように着用することをおすすめします。
necosekai キャットハーネス【猫用品/オリジナルハーネス・リード付】
necosekaiキャットハーネスは、上質さと着けやすさを兼ね備えた猫専用のハーネスです。
内側の素材は、通気性がよく猫が快適に過ごせるメッシュ素材になっています。着用は、ベストのように着せて、軽くて安心の面ファスナーとバックルを止めるだけの簡単設計です。金具でしっかりと止めることができるリードが付属しています。
サイズは胴回り約36~40 (cm)のSサイズと、胴回り約41~45 (cm)のMサイズ、胴回り約46~50 (cm)のLサイズの3サイズから選べるのも安心ですね。
飛び出しが心配な通院時もこれで安心・ハンドルベスト
通院や災害時、キャリーバックに猫を入れた時に、ふとした瞬間に猫が飛び出そうとする時があります。そんな時、このハンドルベストを着用していると、後ろのハンドル部分を掴むことで、猫をコントロールすることができます。
いざという時に活用できるよう、普段から着用の練習をされることをおすすめします。着せた時におやつをあげる・着用したまま遊んであげるといった工夫をすると、ハンドルベストが良いものだと猫が覚えてくれるでしょう。災害時の避難や通院の安全対策として便利なハーネスですね。
無理なくリードに慣らして通院時や災害時の安全対策に役立てよう
猫のリードやハーネスは、犬と違って絶対に慣らさなければならないものではありません。しかし、災害時のペット避難方法にも注目が集まる今、防災グッズの一つとして準備しておくと安心なアイテムです。
また、普段から通院時の安全対策として使用してもいいでしょう。外の環境が苦手ではない子には、お散歩もいいかもしれません。
ただ、逃亡や感染症には十分注意して、予防接種を受けてから外に連れ出したいですね。いずれにしても無理はせず、猫のペースに合わせて徐々に練習することが大切です。