愛猫がお風呂嫌いに!治すための上手な入れ方とは?

猫 風呂

愛猫の体を清潔に保つため、定期的にお風呂に入れている飼い主は多いでしょう。しかし、猫のなかには、お風呂を嫌がってなかなか入ってくれない子もいますよね。どう対処したら良いか分からず、困っている飼い主もたくさんいるはずです。ここでは、なぜ猫がお風呂を嫌うのか、その原因と正しい入浴方法を解説します。

                                   

猫がお風呂嫌いになる原因

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youtubeなどの動画サイトを見ると、猫が気持ち良さそうに入浴している姿だけでなく、お風呂を嫌がって攻撃的になる姿が映されていることがあります。

どちらも可愛らしいですが、なぜお風呂が好きな子と嫌いな子ではっきり分かれてしまうのでしょう。実は、猫がお風呂嫌いになるのには、いくつかの理由が考えられます。

水浴びの習慣がないから

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猫の祖先であるリビアヤマネコは、砂漠の乾燥地帯に住んでいました。昼と夜で気温差が大きい砂漠では、体についた水分が急激に体温を奪っていきます。そのため、自かから水浴びをすることがありませんでした。

その名残が現代の猫にもあると考えられているため、猫は基本的に水浴びを嫌う傾向があります。

体が濡れることに不快感がある

猫の毛は細く、油分が少ないため、水を弾きにくい傾向があります。そのため、お風呂に入ると毛がべたっと体にくっついてしまい、その感覚が気持ち悪くてお風呂を嫌がる子も多いようです。

水にトラウマがある

入浴中に何らかのトラブルがあり、それが嫌な記憶となってお風呂嫌いになってしまう場合があります。

例えば、たっぷりのお湯の中に急に落とされたり、お湯の温度が熱い、あるいは冷たすぎるなどが考えられます。こういった経験がトラウマとなり、猫がお風呂に対して恐怖心や不快感を抱くようになります。

お風呂嫌いを治すには頻度の多さを見直してみよう!正しい入浴頻度の目安

猫は室内で飼う方が増えているため、体を清潔に保ちたい、と思う飼い主は多いでしょう。しかし、良かれと思って頻繁にお風呂に入れていたことが、逆に猫のお風呂嫌いを加速させている可能性もあります。

まずは、自分が飼っている猫の適切な入浴頻度を理解しておくことが大切です。

子猫

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子猫は、まだ十分に体温調節ができません。そのため、無理にお風呂に入れてしまうと、体調を崩してしまう恐れがあります。ミルクをこぼしたり、外遊びで泥がついてしまったりして体が汚れた際は、蒸しタオルで体を拭いてあげる程度で十分です。

この時期は、体をきれいにするという目的でお風呂に入れる必要はありませんが、慣らしておくという意味で子猫のときにお風呂の楽しさを知っておくと、成長してからもお風呂好きの子になってくれる可能性があります。

遊びの延長で、お風呂に入れてあげるのもひとつの手段です。

長毛種

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毛が長いため、汚れが付きやすい傾向があります。ペルシャのように、きれい好きな子は頻繁にグルーミングを行ないますが、毛に絡まった汚れを落とすのは容易ではありません。

そのため、飼い主が日頃からしっかりブラッシングをしたり、定期的にお風呂に入れてあげることが大切です。入浴頻度は、年に2~3回程度が良いでしょう。

毛がカールした猫

まるで人間の癖毛のように、生まれつき全体の被毛がカールした品種もあります。代表的なもので言えば、セルカークレックスやラパーマなどが挙げられるでしょう。

毛が絡まったり、毛玉になったりしやすいため、猫自身のグルーミングでは体を清潔にするのが難しい傾向があります。

また、皮脂汚れがカールした毛に絡まり、全体的にベタつく子もいるため、できるだけ定期的にお風呂に入れてあげることをおすすめします。

汚れが目立たない場合は、蒸しタオルで体を拭くだけでも大丈夫です。入浴させる場合は、年に3~4回程度を目安に入れてあげたいですね。

短毛種

アメリカンショートヘアやロシアンブルーなど、毛が短い短毛種は、猫自身が行なうグルーミングだけでも十分に体を清潔に保つことができます。

そのため、定期的にお風呂に入れなくても大丈夫ですが、ニオイが気になるという場合は、飼い主の手でしっかりシャンプーをしてあげた方が良いかもしれませんね。頻度は年に1回で、多くても2回と覚えておきましょう。

無毛種

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無毛種は、スフィンクスやバンビーノなどが挙げられます。もとから被毛がないような見た目ですが、実際は皮膚の表面に産毛のような毛がたくさんあります。

皮脂汚れなどがどんどん蓄積する可能性があるため、定期的にお風呂に入れてあげる必要があります。回数は年に1~2回程度で十分です。お風呂がどうしても嫌だという子は、蒸しタオルで拭いてあげることで、体の汚れを落とすことができます。

お風呂好きにするには?簡単にできる克服法

スムーズに入浴できるよう、愛猫のお風呂嫌いを克服させたいですよね。では、具体的にどうすれば良いのでしょうか。簡単にできる克服法を3つ紹介します。

寒い日を選んでお風呂に入れる

寒い日は、人間と同じように猫も暖をとろうとします。暖かそうな場所を陣取ったり、飼い主に抱っこをおねだりしたりなど、あの手この手で暖かさを求めます。

そのため、寒い日に湯気が立ち上るお風呂は、猫にとっても魅了的です。普段はお風呂を嫌がる子でも「ちょっと入ってみようかな」と思ってくれるかもしれませんね。

お風呂場に慣らしてあげる

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お風呂嫌いな子は、お風呂場そのものが嫌いになって近寄らない場合があります。まずは、入浴させることよりお風呂場に慣らしてあげることを考えましょう。

たくさんのおもちゃを置き、遊び場のひとつとすることで、怖い場所ではないことを覚えてくれるので効果的ですよ。

お風呂の気持ち良さを教えてあげる

人間も、お風呂に入ると、体の汚れが落ちてさっぱりして気持ちが良いですよね。しかし、お風呂嫌いの子は、まだその気持ち良さを理解していないからこそ、お風呂を避けているのだとも考えられます。

そのため、猫に「お風呂=気持ちが良いもの」とインプットさせる工夫をしましょう。飼い主が気持ち良さそうに入浴している姿を見せたり、入浴しながらマッサージしてあげてみてください。

あまりの気持ち良さに「またお風呂に入りたい!」と思ってくれるようになるかもしれませんよ。

猫の上手なお風呂の入れ方

お風呂に対して嫌なイメージを持たれないようにするためには、飼い主が上手に愛猫をお風呂に入れてあげることが大切です。では、どのような入れ方をすれば良いのかを、順番に説明します。

入浴前の準備をしよう

まずは下準備です。これを行なっておくことで、入浴のさせやすさが格段に違ってくるため、おすすめです。

ブラッシング

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被毛についた汚れや抜け毛を、入浴前にとっておきましょう。特に、長毛種や毛がカールした猫は、入浴中の抜け毛で排水溝が詰まってしまう可能性があります。あらかじめブラッシングをしておけば、後の掃除も楽になりますよ。

耳かき

お風呂の湯気で耳垢が柔らかくなり、耳の奥に入り込んでしまうリスクがあります。これを放置すると、中耳炎を引き起こすことが考えられるため、入浴前に耳の中をきれいにしておくことが大切です。

爪切り

お風呂嫌いな子は、爪を立てて飼い主に抵抗しようとします。飼い主がケガをする要因となるため、入浴前に爪を切っておきましょう。

お湯を張ってあげよう

猫をお湯に入れ、体を全体的に濡らします。温度は37℃前後のぬるま湯が適温です。猫の毛は水を弾きにくいため、お湯の温度がダイレクトに肌に伝わります。

熱くても冷たくても不快感を与える恐れがあるため、適温を常にキープさせるように心がけましょう。

体を濡らす際、湯船につかった猫をシャワーで濡らしても良いのですが、シャワーの音や圧力に恐怖心を抱く子もいるため、慣れていない子はできるだけ手で優しくお湯をかけながら体を湿らせていきましょう。

猫用シャンプーで洗う

人間用シャンプーだと、洗浄力が強すぎて毛がごわごわとしてしまう可能性があるため、必ず猫用シャンプーを使用します。シャンプーをする際の注意点を、部位に分けて解説します。

胴体と四肢

被毛が多い子や、汚れがひどい場合はブラシを使いながら洗っても構いません。ただ、注意してほしいのが首から下に向かって洗っていくようにすることです。万が一体にノミが付着していた場合、ノミが頭部に逃げてしまっては大変です。

それを防ぐため、適当に体を洗うのではなく、下へ下へと方向に気を付けて洗っていくことが大切です。

尻尾と肛門付近

排泄物が付着している可能性がある尻尾や肛門付近は、様々な部位のなかでも特に体臭が強くなる傾向があります。そのため、お風呂で念入りに洗ってあげてください。

また、猫の肛門部分で、4時と8時の位置に袋状の膨らみがある場合があります。これは肛門嚢と呼ばれるもので、肛門腺から出る分泌液がたまっています。万が一これを見つけた場合には、ぎゅっとつまんで中の分泌液を出しましょう。

放置していると、肛門嚢炎を引き起こす可能性があるため、お風呂でケアをしてあげるのがおすすめです。かなりの悪臭がするため、素早く洗い流してあげてください。

顔は、目や耳に水やシャンプーが入らないよう、無理に洗おうとしなくて大丈夫です。濡れたタオルやスポンジで拭いてあげるだけでも、顔はきれいにケアすることができます。

お湯で流す

シャンプーが残らないよう、しっかり洗い流してあげましょう。シャワーで流すのが効率的ですが、音にびっくりしてしまうため、できるだけシャワーノズルを体に密着させるようにして静かに洗ってあげてください。

しっかり乾かす

しっかり乾かす

【画像】:ポペットフレンズのハニーちゃんチョコちゃん

タオルドライで大まかに水気をとったら、最後にドライヤーで乾かします。被毛が湿ったままだと、体温がどんどん下がって風邪をひいてしまうリスクがあります。そのため、お風呂上がりのドライヤーは必須だと覚えておきましょう。

ドライヤーの音に怖がる子もいるため、普段から音に慣らしておくとスムーズに乾かしてあげることができますよ。

猫の入浴トラブル!こんなときはどう対処する?

猫をお風呂に入れてみたものの、思わぬトラブルに見舞われてしまったという経験がある人もいるでしょう。

内容によっては、お風呂嫌いを招く原因となる場合があるため、適切な対処をしてあげることが大切です。では、猫の入浴時にはどんなトラブルが考えられるのでしょうか。

お風呂で大暴れする

お風呂が嫌いで、浴室で大暴れする子もいます。せっかくお湯を張って準備万端な状態であっても、爪や牙を立てて抵抗されると、飼い主としては手がつけられませんよね。

そんなときは、無理にお風呂に入れる必要はありません。入浴しなくても、体をきれいにすることができるアイテムがあります。それらをうまく活用し、愛猫をケアしてあげましょう。

ドライシャンプー

その名の通り、体が濡れていなくてもシャンプーができるアイテムです。洗い流す必要がないため、お風呂嫌いな子にはうってつけのシャンプーですよね。種類は以下の3つがあります。

  • 液体タイプ
  • 泡タイプ
  • パウダータイプ

どのタイプも洗い流す必要がないので、使い勝手が良いものを選ぶと良いでしょう。しかし、猫はグルーミングを行なうため、シャンプーの成分が口から体内に入ってしまう可能性があります。

それが原因で体調を崩すことがないよう、安全性が高いものを選んであげたいですね。

シャンプーシート

シートで体を拭き取るだけなので、簡単に体をケアすることができます。お風呂嫌いな子はもちろん、外出先で体が汚れてしまった際にもすぐ使えるので便利ですね。

お風呂で溺れる

猫のサイズに対してお湯が多すぎると、猫が溺れてしまう可能性があります。入浴時は、必ず猫のサイズに合わせたバスタブを用意し、必要以上にお湯を張らないようにしましょう。

お湯が多くなくても、猫が足を滑らせて溺れることも考えられるため、入浴中は必ず猫の体を支え安定した状態にしてあげてください。

気持ちよくて寝てしまう

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お風呂があまりにも気持ち良く、入浴しながら寝てしまう子もいます。その姿はとても微笑ましいものですが、そのままでは溺れたり、体を冷やして風邪をひいたりする可能性があります。

うたた寝程度に留め起こしてあげるか、一旦中断してお風呂からあげるなどの対処をしましょう。

お風呂場でうんちをする

排水溝のニオイで便意を催すのが原因で、お風呂場でうんちをしてしまう子もいるようです。

水回りのニオイは掃除だけでは防ぎきれないところがあるため、仕方がないのですが、万が一うんちをしてしまった場合には、すぐに洗い流してきれいにするよう対処しましょう。

入浴時に役立つおすすめのアイテム3選!

猫をお風呂に入れる際、役立つアイテムを3つ紹介します。愛猫のシャンプーに手を焼いているという人は、ぜひ参考にしてください。

猫用 おちつくネット

猫の体を全身覆うことができるネットです。ネットに包まれることで安心感を抱き、お風呂に入れても抵抗しなかったという子もいるようです。これならば、爪で引っ掻かれる心配もなく、飼い主としても安心ですよね。

お風呂以外にも、爪切りや耳かきなど、様々な場面で活躍する便利さが魅力です。

ペットブラシ Hisitosa

手のひら側にシリコン製の突起がついたグローブです。撫でるようにするだけで、ペットのブラッシングができるだけでなく、入浴時のシャンプーもできます。

シャンプーしながらマッサージ効果を得られるため、猫にとって気持ちの良いバスタイムを楽しめるのではないでしょうか。

HooMall ペット用プール

折りたたみ式のペット用プールです。猫をお風呂に入れる際に広げ、使い終わったら畳んで収納できます。猫をお風呂に入れるとき、ちょうど良いサイズのバスタブがないとお困りの方は、こちらを検討してみてはいかがでしょうか。

苦手を克服させて楽しいバスタイムを過ごそう!

ネット上で、猫が気持ちよさそうに入浴している姿を見て、「お風呂を嫌うのはうちの子だけなのでは?」と不安になる人もいるかもしれませんね。

しかし、猫はもとから水を嫌う生き物なので、お風呂を嫌うこと自体は決して珍しいことではありません。

そのため、愛猫のお風呂嫌いに対して、必要以上に不安を抱く必要はないのです。大切なのは、どうすれば安心して入ることができるかを、飼い主が理解してあげることです。

様々な方法を試し、愛猫に合った入浴スタイルを見つけてあげることで、お風呂嫌いが直るかもしれません。

どうしてもお風呂に入ってくれない場合は、ドライシャンプーやシャンプーシートなど、体を濡らさなくてもきれいにできるグッズが様々あるので、それらを上手に使うのもひとつの手段です。

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