キャットフードには、カリカリとした食感が楽しいドライタイプと、缶詰やパックになっているウェットタイプがあります。種類も豊富なので、どんなキャットフードをあげたら良いか分からない人も多いでしょう。今回は、ドライタイプとウェットタイプの違いを明確にするとともに、缶詰キャットフードの魅力について解説します。おすすめ商品も紹介するので、キャットフードに悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
目次
缶詰タイプのキャットフードとは?
キャットフードのなかには、缶詰タイプの商品もたくさんあります。一般的なドライタイプとは見た目が大きく異なりますが、それ以外にどのような違いがあるのでしょうか。缶詰タイプに見られる特徴をいくつか紹介します。
3種類に大別される
外観はどれも同じように見えますが、中身の状態によって3種類に分けられます。
- フレークタイプ
- パテタイプ
- スープタイプ
缶容器に入っていることが多く、まるでツナ缶のような見た目をしています。水分と食材がバランスよく含まれており、食べ応えがあるため、猫も満足感を得やすいでしょう。
他のタイプに比べ、素材の風味が強く残っている傾向があります。そのおかげか食いつきが良く、「他のキャットフードは食べてくれないけれど、これなら食べてくれる」という猫もたくさんいるようです。
種類が豊富で価格が比較的手頃なのも嬉しいですね。愛猫の好みに合わせて選んであげてはいかがでしょうか。
テリーヌのような見た目で、アルミトレイに入っているのが一般的です。しっとりと柔らかい食感が特徴で、離乳後の子猫やシニア猫にも与えやすいでしょう。
お湯に混ぜるとペースト状になり、より香りが立つため、食欲が落ちている子でも食べてくれるかもしれません。
また、薬を飲まなければならない子の場合、パテに包んで食べさせると、投薬を嫌がる子でも飲んでくれる場合があります。
シチュータイプともいわれますが、その名の通りたっぷりのスープの中に具材があるタイプです。
ごろごろとした具材がたっぷり入っているため、満足感が得られるでしょう。また、とろみのあるスープと一緒に食べることで、より食べ応えを感じられます。
水分量が多い
パテだと水分の多さを実感しづらいかもしれませんが、一般的にウェットタイプのキャットフードは水分量が多い特徴があります。水分含有量75%以上と定義されているため、缶詰のものはどれも水分が多いと言っても良いでしょう。
保存料が少ない
缶詰は密閉されているため、中は無酸素状態となっています。つまり、中身の酸化を最小限に抑えることができるのです。
そのため、鮮度を保つための保存料を、たくさん添加する必要がありません。人工添加物は、猫の体に害を与える可能性があります。その量が少ないと分かっている缶詰は、安全性が高いと言えるでしょう。
素材の香りが強い
ドライタイプは、加工の段階、あるいは空気に触れることで徐々に素材のニオイが薄れてきてしまう可能性があります。
それに対し、缶詰タイプは新鮮な素材を活かして加工され、そこから空気に触れさせない状態で封をするため、ニオイが外に逃げることもありません。
フタを開けた瞬間に素材本来の香りを感じることができ、猫の嗅覚と食欲を刺激するでしょう。
缶詰キャットフードのメリット5つ!
カリカリとした食感が楽しいドライタイプか、しっとりとして食べやすいウェットタイプかで悩む人は多いでしょう。
そんな人の判断材料のひとつとして、缶詰キャットフードのメリットを5つ紹介します。缶詰だからこそ感じられる魅力がたくさんあるので、ぜひ参考にしてください。
消化に良い
缶詰タイプの具材を見てみると、フレークやスープなどは、具材の形がしっかり残っている場合があります。固形で残っているものを見ると「うちの子は胃腸が弱いけれど大丈夫かな?」と不安になる人もいるかもしれません。
しかし、製造段階でしっかり煮込まれているため、食感がありながらも柔らかくて食べやすく、消化に良いので心配はいりません。まだ離乳したばかりの子猫や、体が弱っているシニア猫でも、安心して食べられるでしょう。
水分が摂取できる
ドライタイプのようにカリカリとした食感は楽しめませんが、たっぷりの水分が含まれている缶詰タイプは、食事をしながら水分補給もできるという魅力があります。
猫は、もともと砂漠の乾燥地帯にいる生き物なので、積極的に水を飲まなくても大丈夫な体の作りとなっています。
そのため、水を飲む習慣がない猫たちは、フードボールに入れた水を渡されても、それを犬のように上手に飲むことが苦手なのです。
しかし、いくら喉が渇きにくい生き物だからと言っても、まったく水分を摂取しないのは脱水症状を招き、命の危険があります。
対策として、飼い主は愛猫に、適度に水分補給をさせなければなりません。そこで役立つのが缶詰キャットフードです。
水分含有量が多いため、食事と一緒に自然に水分補給ができるのです。これならば、水を飲むのが苦手な猫でも安心ですね。
動物性タンパク質が豊富
猫が必要な栄養素として、特に重要視されているのがタンパク質です。缶詰タイプには、鶏肉や魚などの動物性タンパク質が豊富に含まれているため、猫たちも喜んで食べてくれるでしょう。
食いつきが良い
主原料が動物性タンパク質である商品が多く、また新鮮な素材の味を楽しめるため、ドライタイプより食いつきが良い傾向があります。あまりの美味しさに、おかわりをねだる子もいるかもしれませんね。
未開封は賞味期限が長い
一般的に、ドライタイプの賞味期限は、未開封で1年半くらいと言われています。それに対し、缶詰タイプの賞味期限は、未開封で3年くらいもちます。
ドライタイプの約3倍近く日持ちすると思うとびっくりする方もいるのではないでしょうか。
「早く消費しなければ」と焦る必要もないため、安いときにまとめ買いをしておくことをおすすめします。
缶詰キャットフードのデメリット5つ!
良いことずくめのように感じる缶詰タイプですが、残念ながらデメリットもあります。具体的にどんなものがあるのか、5つ紹介します。
ドライタイプより値段が高い
ドライタイプは、1パックに対する容量が多く、一定期間内に消費することを前提に作られています。それに対し、缶詰タイプは1日で使いきれることを目的に作られているため、どうしてもドライタイプより割高になってしまいます。
栄養価が低い
缶詰タイプの全体的なバランスとしては、栄養価が低いと言えます。野菜や果物から摂れるビタミンやミネラル類が不足しやすい傾向があるため、主原料となっている動物性タンパク質はしっかり摂取できたとしても、それ以外が不足してしまう可能性があります。
開封後は賞味期限が短い
未開封のものは3年くらい持ちますが、開封後は1日程度しか持ちません。水分量が多く、開封して空気に触れるようになったことをきっかけに、細菌がより繁殖しやすくなるからです。
一度の食事で使いきれない場合は、冷蔵庫での保存が可能ですが、鮮度を守るためにはその日のうちに使い切るようにしましょう。
食べ過ぎる可能性がある
缶詰タイプは嗜好性が高いため、食いつきが良い傾向があります。しかし、あまりの美味しさに食べ過ぎてしまう可能性があるので、飼い主は与える量の調整をすることが必要です。
歯垢が付きやすい
ドライタイプはカリカリとした硬めの食感がありますが、これには歯についた歯垢をとる役割もあります。
しかし、缶詰タイプは柔らかいため、食べれば食べるほど歯に付着していき、それが歯垢となり、虫歯や歯周病などを招く恐れがあります。
口臭がきついと感じる原因にもなるため、口内環境は特に注意して見てあげなければなりません。
缶詰キャットフードの選び方
缶詰タイプには様々な種類があります。メーカーによって製造方法が違うだけでなく、味のバリエーションも様々です。あまりにも種類が多いため、どれを選んだら良いのか分からなくなるのも無理はありません。
では、缶詰タイプを選ぶときは、何を見て選べば良いのでしょうか。見ておくべきポイントを3つ紹介します。
主食とおやつを分ける
缶詰タイプのキャットフードは、目的によって以下の2種類に分かれます。
- 総合栄養食:十分な栄養を含み、主食として与えても良いと認められた缶詰キャットフード。ペットフード公正取引協議会や、米国飼料検査官協会が定めた基準を満たしていることを証明し、給与試験をクリアすることで認定される。
- 一般食:おやつとして与えるのに適したキャットフード。これだけでは栄養が不足する可能性が高い。
参考:愛猫キャットフード
つまり、キャットフードを選ぶ際には、総合栄養食と一般食のどちらを選ばなければならないのかを明確にすることが大切です。間違えて購入してしまうと、栄養の摂りすぎ、あるいは栄養不足を招く恐れがあるため注意しましょう。
価格と栄養のバランス
キャットフードは、高ければ上質、安ければ質が悪いというわけではありません。リーズナブルな商品のなかには、食材にこだわっているものや、安全性を第一に考えて作られているものなどもたくさんあります。
そのため、値段だけで決めるのはあまりおすすめできません。
しかし、毎日の食事のことなので、ある程度価格も気になるでしょう。そこで見るべきは、安いかどうかだけでなく、価格と栄養のバランスが取れているかどうかです。
特に主食となるものは、栄養バランスがしっかり取れているうえで手が届く価格のものを選びたいですね。
安全性が高いもの
愛猫には、いつまでも長生きしてほしいですよね。そのためには、日頃の食事が非常に重要となります。栄養がしっかり取れているか、保存料などによる体への影響は心配ないかなどを考え、できるだけ安全性が高いものを選んであげましょう。
缶詰タイプを与えるときに気をつけるべきポイント2つ!
キャットフードを与える際に、気をつけなければならないことが多々あります。そのなかでも、缶詰タイプは他のキャットフードとは違う注意点もあるため、ぜひ参考にしてください。
適量を守る
先程も説明したように、缶詰タイプは嗜好性が高いため、つい食べ過ぎてしまう子もたくさんいます。
それを防ぐためには、飼い主がキャットフードの管理をしっかり行なうことです。最初から適量しか与えないこと、おかわりをさせないことなどを気をつければ、食べ過ぎは防げるでしょう。
缶詰だけに偏らないようにする
缶詰だけの食事になると、どうしても栄養が偏ってしまう傾向があります。それを防ぐためには、缶詰にドライタイプのキャットフードを混ぜることです。
ドライタイプは、様々な栄養素を凝縮させて作っているため、比較的栄養価が高い商品が多く販売されています。
それらを缶詰に混ぜ込むことで、栄養をしっかり摂取することができるだけでなく、食感の違いも楽しめるでしょう。
硬いものが苦手な子でも、缶詰の水分でドライタイプがふやけるので、通常よりも食べやすい状態になります。
この2つを組み合わせるのが、キャットフードの与え方としてもっとも理想的だと言われています。「どちらにしよう?」と悩んでいる人は、いっそのことどちらも購入する、というのもひとつの手段ですよ。
缶詰タイプはどこの商品がおすすめ?人気のキャットフード5選!
たくさんの缶詰が陳列しているのを見ると、どれが良いか悩みますよね。そこで、缶詰タイプのなかでも、特に人気が高いブランドを厳選して5つ紹介します。愛猫に合う缶詰を探し中だという人は、ぜひ参考にしてください。
カナガンキャットフード
獣医師もすすめるカナガンキャットフードは、穀物や人口添加物を一切使用していません。肉食動物である猫にとっては、まさに理想的なキャットフードと言えるのではないでしょうか。
美味しさの秘密は、新鮮なチキンとサーモンの旨味を凝縮しているところにあります。この香りに、食欲を掻き立てられる子もたくさんいるでしょう。しかも、鶏肉の脂が多い皮を取り除き、サーモンの身は食べやすいようほぐされています。
この丁寧な作業があるからこそ、猫たちが安心して食べられるのでしょう。高タンパクを実現した「チキン&サーモン」は、全猫種と全ライフステージに対応しています。
カナガンドライフードと組み合わせることで、より栄養価の高い食事が期待できるでしょう。
シシア
シシアは、犬や猫の健康を考え、常に最高品質の製品を作り続けているブランドです。100%天然成分で、人間が食べるものと同じ品質の原材料を使用しているため、安心して食べさせてあげられますね。
主原料となる肉や魚は、最高に美味しい部分を厳選し、蒸気調理をしています。素材本来のうまみを閉じ込めた調理をすることで、缶詰を開けた瞬間にふわっと立つ香りが食欲をそそります。
穀物や人口添加物が不使用というのも嬉しいですね。味のバリエーションが豊富なので、愛猫にいろんな味を楽しませてあげられるでしょう。
モンプチ
モンプチの缶詰は、中の素材の形状ごとにシリーズ化されています。そのバラエティに富んだラインナップは以下のとおりです。
・美味しいスープが堪能できる「たっぷりとろとろソース」
・食べやすさの中に食べ応えも感じられる「あらほぐし」
・色どりと栄養バランスを考えて作られた「あらほぐし野菜入り」
・まるで角煮のようなごろごろとした食感が味わえる「角切り」
・とろとろしたスープがよく絡まる「粗挽き」
・しっとりと柔らかな「テリーヌ」
・厳選された食材で作られた「ゼリー仕上げ」
好きなタイプだけでなく、そこからさらに味も選べるため、商品の種類が非常に豊富です。愛猫の好みやライフステージに合わせて、いろんなタイプを試してみてはいかがでしょうか。
ナチュラルバランス
獣医師や医学博士、ドッグトレーナーなどの動物のプロフェッショナルたちが培ってきたデータをもとに、多くの商品を開発、販売しています。
穀物不使用で、ニュージーランドの鹿肉や、高品質なグリーンピースを使用することにより、アレルギーの子でも安心して食べられるようになっています。
また、希少性の高いクランベリーを配合しているところは、ナチュラルバランスならではの特徴だと言えるのではないでしょうか。
いなば CIAO
国産商品として知名度が高いため、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。いなばはペットフード協会の正会員なので、商品の安全性において信頼度も高いと言えます。
特に、キャットフードのシリーズ「CIAO」は商品のバリエーションが豊かなので、長年愛用している、という人も多いでしょう。缶詰タイプはすべて一般食として販売されています。総合栄養食と勘違いしないよう注意してくださいね。
愛猫の健康を守るために缶詰キャットフードとの上手な付き合い方を考えよう
可愛い愛猫には、毎日美味しいご飯をあげたいですよね。特に缶詰タイプは、嗜好性が高く食いつきが良い傾向があるため、愛猫家からも好評です。
しかし、美味しさばかりを優先させてしまうと、栄養が偏り、病気やケガなどの原因につながる可能性があります。
愛猫を守るためにも、栄養バランスにもしっかり目を向けてあげたいですね。美味しい缶詰の中に栄養価の高いドライタイプを混ぜるなどの工夫を行ない、健康と美味しさの両方を大切にしてあげましょう。