犬にメロンを食べさせても大丈夫?与えるときのポイントや注意点を徹底解説!

犬にメロンを食べさせても大丈夫?与えるときのポイントや注意点を徹底解説!

甘くて美味しいメロンは、贈答品としても利用される高級フルーツのひとつです。そんなメロンを愛犬に食べさせてあげたいという人もたくさんいるでしょう。今回は、犬にメロンを食べさせても良いのか、また食べさせる際にはどんなことに気を付けなければならないのかを徹底的に解説していきます。

犬はメロンを食べられるの?

犬にメロンを食べさせても大丈夫?与えるときのポイントや注意点を徹底解説!

メロンは甘みが強く、芳醇な香りが特徴のフルーツです。飼い主がメロンを食べていると、嗅覚が鋭い犬たちはその香りに誘われて近寄ってくることもあるでしょう。そんな愛犬の姿を見ると、ついおすそ分けしたくなってしまいますよね。

しかし、人間が食べるものの中には、犬に食べさせてはいけないものもいくつかあります。安易に与えてしまうことで体調を崩したり、病気の原因になってしまうことも考えられます。

ただ、結論から言うと、犬にメロンを食べさせるのは問題ありません。栄養が豊富なフルーツなので、犬が食べるうえでも多くのメリットがあります。では、犬がメロンを食べることでどんな効果があるのか、もっと詳しく見ていきましょう。

主な栄養成分

メロンの主な成分は下記のとおりです。

  • ブドウ糖
  • 果糖
  • カリウム
  • 食物繊維
  • ビタミンC

この他にも様々な栄養成分があります。ビタミン類やミネラル類が豊富に含まれているので、健康にも美容にも良いフルーツです。

基本的にドッグフードを食べている犬の場合、ドッグフードの中にビタミン類やミネラル類を豊富に含んでいるものもあるので、不足する心配はほとんどありません。しかしドッグフードではなく飼い主が作った食事を食べているという場合、普段から意識しなければこれらの栄養成分は不足することになってしまいます。そんな犬にメロンを食べさせてあげることで、十分な栄養補給が期待できるでしょう。

青肉と赤肉で違いはあるの?

犬にメロンを食べさせても大丈夫?与えるときのポイントや注意点を徹底解説!

メロンには果肉の色で3つの種類に分けられます。

  • 青肉種
  • 赤肉種
  • 白肉種

一般的に販売されていることが多いのは青肉種と赤肉種の2つなので、白肉種を見たことがないという人もいるでしょう。では普段私たちがよく目にする青肉種と赤肉種には、何か違いがあるのでしょうか?

青肉種の特徴

果肉が鮮やかな緑色をしているのが特徴です。爽やかで清涼感のある甘みを持ちます。しっかり熟したものだと強い甘みを感じるのですが、熟し具合が甘いと青臭さを感じることがあります。

代表的な品種には、マスクメロンやアンデスメロンが挙げられます。

赤肉種の特徴

オレンジ色の果肉が特徴で、上品かつコクのある味わいが楽しめます。多少熟し具合が甘くても、青臭さを感じることはありません。そして青肉種に比べて圧倒的にβカロテンという栄養が多く含まれています。代表的な品種には、夕張メロンやサンセットメロンが挙げられます。

「青肉種と赤肉種のどちらが甘いの?」と疑問を持つ人もいますが、実はメロンの糖度は品種や熟し具合に左右されるものであって、果肉の色は関係ありません。

メロンは犬にも嬉しい成分が豊富!

メロンは栄養成分が豊富なので、犬が食べることで様々なメリットがあります。では、具体的にどんなメリットがあるのかを解説していきます。

果汁たっぷりで水分補給

人間と同じように犬にとっても水分は生きていくうえで大切なものなので、日頃から水分補給をしっかり行う必要があります。メロンは約90%の水分率を誇るフルーツで、果汁たっぷりのメロンを食べることによって水分補給ができます。

カリウムで高血圧予防や疲労回復

犬にメロンを食べさせても大丈夫?与えるときのポイントや注意点を徹底解説!

日頃の食事から塩分を摂りすぎていると、高血圧や心臓病などを引き起こす危険性を高めます。カリウムは体内の余分な塩分を排出してくれる作用があるので、体内に塩分が蓄積するのを防ぎ、塩分過多によって引き起こされる病気を予防してくれます。

また、疲労がたまりやすくなる原因のひとつとして、カリウム不足も挙げられます。以前のように活発に動かなくなった、ご飯を食べる量が減った、などの元気がない犬は、カリウムを摂取させることで回復することもあります。

ビタミンCで免疫力アップ

美容成分として有名なビタミンCですが、実はそれだけではなく免疫機能をサポートする働きもあります。細菌やウイルスの侵入を防ぎ、病気に負けないような丈夫な体を作ります。

食物繊維で腸内環境を整える

食物繊維は体に吸収されない成分です。腸を刺激して老廃物の排出を促したり、コレステロール値や血糖値の上昇を抑えたりする働きがあります。便秘改善効果だけではなく、糖尿病や糖質異常症などの病気も予防してくれます。

βカロテンで老化防止

βカロテンには抗酸化作用があります。体内の酸化を防ぐことによって血管や様々な内臓機能の老化を防ぎ、犬が健康的に長生きできるよう手助けしてくれます。またβカロテンにはガンの抑制効果も期待されています。

犬にメロンを食べさせるときの注意点

栄養が豊富で美味しいメロンですが、犬に食べさせる際にはいくつか気を付けなければならないことがあります。

食べさせる量に注意

どんなに健康に良い栄養成分が含まれていると言っても、過剰摂取によって何らかのトラブルが引き起こされる可能性もあります。だからこそ食べさせる量には注意が必要です。

糖質とカロリーの摂りすぎ

メロンは、甘みが強くて濃厚な味わいがあるので、糖質やカロリーが高いというイメージを持つ人もいるでしょう。しかし、実際は他のフルーツに比べて糖質もカロリーも低いのです。

食後血糖値の指標となるGI値が55以下だと低GI食品と認められるのですが、メロンはGI値41なので低GI食品のひとつになります。だからといって食べ過ぎには注意しなければなりません。どんなに糖質やカロリーが低いと言っても、食べ過ぎると過剰摂取になり、糖尿病になるリスクを高めます。

食物繊維の摂りすぎ

メロンは水分も食物繊維も豊富に含んでいます。食べることで便秘解消にはなりますが、過剰摂取すると便がゆるくなる可能性があります。また、メロンはウリ科に属するので、食べ過ぎると体を冷やしてしまい、腹痛や下痢を引き起こす原因となります。

カリウムの摂りすぎ

メロンはカリウムが豊富なので、美味しいからと言ってたくさん食べてしまうと、体内のカリウム濃度が上がり、血圧の低下や不整脈を招きます。カリウムは主に腎臓から排出されるので、腎臓が弱い犬や、腎臓病を患っていて食制限をしている犬は、メロンを与えないようにするか、量を控えるかなどして気を配る必要があります。

βカロテンの摂りすぎ

犬にメロンを食べさせても大丈夫?与えるときのポイントや注意点を徹底解説!

βカロテンは、哺乳類の体内でビタミンAに変換されるという特徴を持ちます。中には猫のように変換をほとんどしないという動物もいますが、犬は人間と同じくビタミンAに変換されるので、過剰摂取によってビタミンA中毒を引き起こす可能性があります。

メロンの皮を避ける

メロンの皮は固い上にネットでボコボコとしているので、食べるという人はいないでしょう。しかし犬は実と皮の区別をせず、与えられたものをそのまま食べてしまうことがあるので、注意が必要です。では、メロンの皮を食べてしまうとどのような危険性があるのでしょうか。

消化不良を招く

メロンの皮は消化されないので、口に入れたらそのままの状態で体内に残ります。そのため皮が犬の胃や腸を傷つけてしまうことがあるだけではなく、うまく体外に排出できないという危険性があります。

残留農薬による悪影響

メロンの表面には凹凸が多く、綺麗に洗ったつもりでも残留農薬が付着している可能性があります。そんな皮を万が一犬が食べてしまうと、農薬中毒症で体調を崩す危険性があるのです。症状としては下痢や嘔吐など様々ですが、人間にとっても犬にとっても残留農薬は悪影響のあるものなので、皮を食べさせるのは危険です。

メロンアレルギーに注意しよう!

犬の中にはウリ科のものを食べるとアレルギー反応が出る子もいます。ウリ科にはメロンだけではなく、スイカやキュウリ、冬瓜など様々なものがありますが、アレルギー症状にはどんなものがあるのかをいくつか挙げておくので、参考にしてみてください。

犬に現れるメロンアレルギーの症状

犬にメロンを食べさせても大丈夫?与えるときのポイントや注意点を徹底解説!

アレルギー症状でよく見られるものは、下記のとおりです。

  • 食べてすぐに下痢や嘔吐をする
  • 皮膚に赤みが出る
  • 痒がって頻繁に自分の体を噛んだり、柱などに体をこすったりしている
  • 目が充血する
  • ぐったりとした様子が見られる

このような症状が見られた際には、アレルギーの可能性があります。今までにウリ科のものを食べてこれらの症状が出たことがある場合には、メロンも食べさせないようにする方が無難です。一方、愛犬のアレルギーが分からないという場合には、いきなりたくさんの量を食べさせるのではなく、1切れだけ食べさせ、何の異常もなければ様子を見ながら少しずつ食べさせていくようにしましょう。

犬にメロンはどうやって食べさせると良いの?

犬にメロンを食べさせる際に注意しなければならないことは多々ありますが、実際にあげるときにはどうやって食べさせたら良いのかをまとめました。

適切な量を食べさせる

犬に食べさせる量ですが、これは犬のサイズや体重によって異なります。

  • 超小型犬(チワワやトイプードルなど)・・・体重5㎏未満でメロン15g
  • 小型犬(シーズーやミニチュアダックスなど)・・・体重10㎏未満でメロン30g
  • 中型犬(ウェルシュコーギーやビーグルなど)・・・体重25㎏未満でメロン50g
  • 大型犬(シベリアンハスキーやゴールデンレトリバーなど)・・・体重25㎏以上でメロン90g

これらの数値はあくまで目安です。愛犬の健康状態を見たうえで調整していくようにしましょう。

皮をむき、種やわたも取り除く

前述したように、皮を犬に食べさせるのは危険です。皮は必ず取り除き、実の部分を食べさせるようにしましょう。また、種も皮と同じように消化されませんし、わたは食物繊維の塊なので、食べさせると食物繊維の過剰摂取になる可能性があります。そのため、皮と同様に種とわたも取り除いてあげましょう。

消化しやすいように工夫する

犬にメロンを食べさせても大丈夫?与えるときのポイントや注意点を徹底解説!

消化不良を起こさないようにするためにも、食べやすい状態に加工して与えることも大切です。実を一口サイズにカットしてあげたり、ジュースにしてあげたりすると良いでしょう。

お腹を冷やさないよう常温で

冷えたメロンの方が美味しいからと言って食べさせると、犬はお腹を冷やして下痢をしてしまう可能性があります。そのため、冷蔵庫から出してしばらく時間を置いてから食べさせてあげましょう。

犬がメロンを食べて異変した際の対処法3つ

犬にメロンを食べさせてみたけど、しばらくして体調が急変したというようなケースもあります。そんな場合にはどう対処したら良いのかを、症状や原因別にまとめてみました。

下痢や嘔吐を繰り返す場合

下痢や嘔吐を繰り返していると、犬も脱水症状を起こす可能性があります。そのためいつでも水が飲めるように近場に水を用意し、しばらく様子を見ましょう。そして、胃腸を休めるために餌は24時間与えないようにし、翌日様子を見て少しずつ与えていきます。

吐瀉物に血や異物が見られる場合

犬にメロンを食べさせても大丈夫?与えるときのポイントや注意点を徹底解説!

下痢や嘔吐の症状の中で、吐瀉物に血が混じっていたり、異臭や異物が見られるということがあります。そんなときにはすぐに動物病院に行きましょう。

皮を食べてしまった場合

誤って犬が皮を食べてしまったという場合ですが、少量であれば様子を見て自然と体外に排出されるのを待ちます。しかし、たくさんの量を食べてしまったという場合や、犬の様子に違和感があるようであれば、動物病院に連れて行って診察をしてもらいましょう。

犬に食べたものを吐かせるために、塩を舐めさせるというような方法もありますが、これは犬にとって非常に危険な方法です。そのため、皮を食べたからと言って、無理に吐かせるようなことをしてはなりません。

犬にメロンパンやメロンアイスを食べさせるのは大丈夫?

犬にメロンを食べさせても大丈夫?与えるときのポイントや注意点を徹底解説!

私たちの身近には、メロンの形を模して作られたメロンパンや、メロン味のアイスなど、メロンに関する加工品がたくさんあります。これらは一般的に、メロンの香料を混ぜてメロン風味にしているだけなので、本来のメロンに含まれる栄養素はありません。

メロンパンにはたくさんのバターや砂糖、食塩が使用されていますし、カロリーも高いので犬のおやつには不適切です。またアイスに関しては、砂糖が多いというだけではなく、冷たいものを食べることで犬がお腹を冷やしてしまう可能性があります。「メロンが大丈夫なら、メロン味のものも大丈夫」と勘違いして加工品を与えてしまうと、愛犬が健康を害する可能性があるので気を付けましょう。

犬とメロンを美味しく食べよう!

メロンはビニールハウスであれば通年栽培することが可能なフルーツです。一般的に旬は5~8月という暑い時期になります。人間だけではなく犬も夏バテをしやすい時期なので、食欲がなくてもメロンなら食べられるという場合もあるでしょう。

しかし、犬に食べさせる際には注意しなければならないことがたくさんあります。食べさせ方はもちろんのこと、食べた後にも異変がないかをしっかり見てあげることも大切です。正しい食べさせ方を心がけ、犬と一緒に甘くて美味しいメロンを楽しみましょう。