子猫を迎えた初日に夜泣きが始まった?原因5つとその対策

子猫 夜泣き

子猫を保護したり譲渡してもらったとき、数日は夜泣きをして困ったという話をよく聞きます。子猫が夜に鳴くのはどうしてでしょうか。それにはいくつかの理由があります。その原因を知ることで子猫の夜泣きの対処ができます。

子猫が夜泣きする原因を探ろう

まず最初に知っておいていただきたいのは、猫は夜に活動する動物だということです。野生の頃、狩りをして暮らしていた猫の獲物はネズミなどの小動物でしたが、それらは夜に動すものが多かったのです。そのため猫は昼間は寝て体力を温存し、夕方から起き出して夜行性の獲物を追いかけて暮らしていました。

しかし、狩りの途中に声を出したら相手に気づかれてしまうため鳴くことはありません。夜に声を出すのは何かしらの原因があるのです。子猫が夜中に鳴く原因を探って対策を考えてみましょう。

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母猫や兄妹と離れて寂しいから

子猫を保護したり譲渡してもらったとき、親や兄妹と離された寂しさや不安から夜泣きすることがあります。

猫は1回のお産で2~6匹ほどの子どもを産むので、子猫たちは兄妹同士で身体を寄せ合って成長していきます。母猫の母乳をもらって寝てだんだん大きくなっていくのですが、何かしらの理由で母猫とはぐれてしまったり1匹だけ譲渡され、今までの生活から急に環境が変化して不安を感じます。昼間は飼い主さんが遊んでくれたり声をかけてくれるので寂しさが紛れるものの、夜になると一人になって寂しくて鳴くのです。

お腹が空いているから

子猫は生まれたばかりの頃は体重100g程しかありませんが、生後1ヶ月で約240g程、生後2ヶ月頃には約1kg程度に成長します。この頃はものすごい勢いで成長するのでお腹がすき、ミルクやご飯が欲しくて夜泣きすることがあります。

猫の餌は基本的に適正量が決まっていますが、餌が足りないと催促して鳴く猫もいます。

トイレが汚れているので掃除してほしい

猫はとてもきれい好きな動物なので、トイレが汚れているのは大変なストレスになります。野生の頃、猫は夜行性で昼間は寝て過ごして夜に活動していました。

しかし現在は人間と暮らすようになって人間と同じ生活リズムになってきました。猫は人間が眠る夜にしっかり眠るために寝る前にトイレを使うことがあります。特にうんちをしたあとは早く掃除してほしくて夜泣きすることがあります

ケージから出て遊びたい

子猫を迎えるとき、飼い主さんが留守をするときと夜はケージの中に入れる場合が多いでしょう。家に来たばかりの子猫は環境の変化に馴染めず、寂しいと鳴くことがありますがだんだん飼い主さんにも家にも慣れてきます。子猫は遊ぶことが大好きなので夜中に遊びたくなって飼い主さんを呼んで鳴くことがあります。

また、野良猫を拾った場合などは外の世界に慣れているので、ケージの中に入れられるのはストレスです。広い外の世界から狭いケージに入れられて、出してと訴えて鳴くことがあるのです。

発情期がきた

生後6ヶ月を目安に子猫に不妊手術を受けさせる場合が多く、この不妊手術によってホルモンバランスが崩れて夜泣きすることがあります。

動物病院へ連れて行かれて知らない人ばかりの中で見たこともない機械がたくさんあるの中で手術を受けるのですがから、子猫には大きなストレスになります。そして手術後はエリザベスカラーや術後服を着用させられるケースもあり、普段と違った状況で夜泣きするのでしょう。

子猫の夜泣き対策

毛布などをケージに入れてあげる

子猫 夜泣き

子猫が夜泣きする原因のひとつに「寂しい」というものがありますが、寂しさを紛らわせるためにケージの中に小さめの毛布を入れてあげるといいでしょう。

ケージに入れる前に飼い主さんが毛布を少し使って飼い主さんの匂いをつけてあげます。猫は犬ほどではないものの、とても鼻がいい動物なので飼い主さんの匂いがついた毛布がそばにあることで安心して眠ってくれるでしょう。

また、寒い時期などは寒さ対策としても毛布は役立ちます。人間と同じように猫も寒いとなかなか眠ることができず夜泣きすることがあります。その対策として、ペット用のヒーターを入れてあげるなどの寒さ対策をしてあげましょう。

慣れるまで見守る

子猫が環境に慣れず不安から鳴いている場合は、時間をかけて慣れてもらうしかありません。飼い主さんは子猫が新しい環境に慣れるまでは無理やり触るのはやめましょう。

野良猫出身だった場合は特に、人間に慣れていないので怖くて威嚇したり隠れたりします。そういう状態のときに、早く懐いてもらおうと無理にそばに行ったり触ろうとしたら子猫は人間のことをますます怖がります。かえって人間を怖がって懐くのに時間がかかってしまうので注意してください。

家に迎えたばかりの頃はケージを布で覆い、飼い主さんや家族の姿が見えないようにしてあげます。新しい環境の匂いや人の声に慣らしてから布を外してあげましょう。新しい環境に慣れてきたら、人がそばにいるときにご飯を食べたりトイレを使うようになります。そうなってきたらおやつを手の平に乗せて猫の鼻に近づけてみましょう。そばに来て匂いを嗅いで食べたらもう一段階前進です。

子猫に慣れてもらうためのポイントは、「目をじっと見ない」「目が合ったらゆっくり目を閉じる」ことです。猫は喧嘩をするときに目を合わせて睨み合いますが、相手の目をじっと見るのは敵意があるという意味です。

また、目が合ったときにゆっくりまばたきするのは、あなたのことが好きですという意味で敵意はないですよという合図です。それから少し高めの声で優しく話しかけるのも効果的です。

このように子猫にここは安全だよ、安心していいよということをゆっくり伝えていきましょう。そうすれば環境にも飼い主さんにも慣れて、安心して夜泣きしなくなるでしょう。

中には子猫をケージに入れるのがかわいそうとか、ケージの中に入れていると夜泣きしてうるさいからと、ケージに入れるのをやめてしまう飼い主さんがいます。

しかし子猫は考えてもみない行動をします。電気のコードやスマホの充電器をかじってしまったり、紐にじゃれつき興奮して紐を飲み込んでしまう恐れがあります。落ちている輪ゴムを飲み込んでしまったり、ビニールを齧ったり、狭いところに入り込んで出られなくなってしまうなど、好奇心からいろいろなことをします

このような事故を防ぐために、飼い主さんが留守にするときと夜中はケージに入れることをおすすめします。少しの間だからと子猫だけで留守番をさせて、子猫が命を落としてしまったという悲しい事故が実際に起きているので、子猫を守るためにはケージに慣れてもらうようにしつけましょう。

寝る前にしっかり食べさせる

子猫 夜泣き

キャットフードの袋に記載されている餌の適正量は標準体重で運動量も標準の猫用の量です。なかには標準の猫よりも運動量が多い猫もいるため餌が足りない場合はあるのです。日頃、愛猫の運動量を観察してよく動いているようだったら餌を増やすようにするといいでしょう。

成猫の場合、基本的に餌は朝と晩の1日2回に分けて与えます。しかし子猫の場合は1日3回に分けて餌を与えるようにするのが基本です。夜泣き対策として、朝と夕方、寝かせる前の時間にご飯を与えてあげるといいでしょう。

トイレを常に清潔にする・2つ以上用意する

きれい好きな猫のために、トイレは常に清潔を心がけましょう。ただし、猫は自分の匂いがするトイレではないと用を足さない性質があります。そのため、トイレの砂を全交換するときに少しだけ残しておき、新しい砂に混ぜましょう

トイレが汚れていると子猫は用を足すのを我慢してしまい、夜中に鳴いてトイレをきれいにしてと訴えることがあります。トイレを我慢させてしまうと粗相や病気の原因になります。きれいなトイレを使ってもらえるように猫のトイレの数を増やしてあげるといいでしょう。多頭飼育の場合は頭数より1~2台多くトイレを設置してあげましょう。

寝かせる前にたくさん遊んで疲れさせる

昼間に遊び足りないと運動不足で夜泣きすることがあります。子猫は遊んで寝て食べてを繰り返してだんだん大きくなっていきます。たくさん遊べばその分疲れて夜はよく眠ってくれます。

夜行性の猫でも小さなうちから人間と暮らしていれば、人間と同じ生活のリズムがついてくるので夜寝かせる前に十分に遊ぶ時間を取って運動不足を解消してあげましょう。

去勢・避妊手術を受けさせる

猫は生後半年ほどすると発情期を迎えます。発情期になるとその時期特有の鳴き声で夜泣きを始めることがあります。また、発情期には鳴き声のほかにオス猫のスプレー行為などが見られるようになります。

発情期の夜泣きの対策は不妊手術を受けさせることです。ただ、手術を受ける前に発情期が始まってしまった場合、スプレー行為がクセになってしまう場合があります。そのため、できるだけ発情期が来る前に手術を受けさせるようにしなければなりません。不妊手術は猫自身が受ける発情期のストレスや将来的に病気予防になるので、獣医師とよく相談して納得して受けるようにしましょう。

手術をしたあとにホルモンバランスの乱れから夜泣きする場合がありますが、これは一時的なものなのでホルモンバランスが落ち着いたら自然に治ります。

子猫の夜泣きに対処する方法

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決して「うるさい」と叱ってはいけない

猫が夜泣きするのは猫なりの理由があるので、頭ごなしに叱ってはいけません。怒鳴ったり叩いたりするなどは決してやってはいけない行為です。もし飼い主さんに叱られるようなことがあったら、猫は怯えてしまい余計夜泣きがひどくなって飼い主さんを信頼せいなくなってしまいます。

夜は眠る時間というリズムを作る

上述したように、夜行性の猫でも飼い主さんと暮らすうちに人間と同じ生活リズムができてきます。夜はケージの中に入れて布を被せてあげると「夜は寝るもの」だと理解して寝るようになります。

夜泣きしてもすぐ相手をしないで無視する

猫が夜泣きするたびに飼い主さんが起きて相手をしていたら、猫は「鳴けば飼い主さんが相手をしてくれる」と勘違いしてしまいます。そうなると、子猫は相手をしてほしくて飼い主さんが起きるまでずっと鳴き続けるようになってしまいます。

そうならないようにするためには、子猫が鳴いても無視して相手をしないことです。鳴いているのに知らんぷりするのはかわいそうですが、そのうち鳴いても相手をしてくれないことを理解して夜泣きしなくなります。

いつまでも夜泣きがおさまらなかったら病気の可能性を疑う

子猫は寂しさや甘えなどの理由から夜泣きすることがあります。特に家に来たばかりのときは不安を感じてしばらく夜泣きが続くかもしれません。これには子猫なりの理由があるので、その原因によって対処してあげれば徐々に夜泣きしなくなっていきます。

しかし、いろいろな対策を講じても夜泣きが治らない場合は何かの病気かもしれないと疑ってみましょう。どこかが痛いとか苦しいなどの理由があるかもしれないので、夜泣きが続く場合は一度動物病院で受診するといいでしょう。子猫は身体が小さく免疫力が弱いので体調を崩しやすいので注意してあげましょう。

子猫の夜泣きはずっと続くものではありません。しばらくは悩まされるかもしれませんが、子猫の気持ちに寄り添ってあげて少しの間、付き合ってあげましょう。少しずつ子猫との絆が深くなっていくごとに夜泣きがおさまっていきますよ。