目次
猫が布団の中に入ってくる理由とは?
飼い主さんが好きでそばにいたい
猫が飼い主の布団に入ってくるのにはいろいろな理由があります。その中で考えられるのは、飼い主さんのことが大好きでいつでもそばにいたいというものです。
温かくて狭い場所が好きだから
猫は狭い場所に潜るのが好きなので、布団の中に入ると安心します。また、猫は暑さには強い動物ですが、冬の寒さには弱いので布団の中の温かさを求めて入ってきます。飼い主さんにくっついて寝るとより温かいので、一緒に寝ようとそばに来るのです。
飼い主さんを守りたい・独り占めしたい
猫は縄張りを強く意識する動物です。そのため、飼い主さんが寝る時に一緒に布団に入ってくる場合、飼い主さんを自分の縄張りだと思っていて、他の人や猫に取られないようにする行動です。また、飼い主さんを守ろうと思っている場合もあります。
子猫気分が抜けない
猫は本来、成長していくとともに母猫から離れて精神的に自立していきます。しかし、子猫のときから育てていた場合、飼い主さんのことを母猫の代わりに思い、成猫になっても甘えて飼い主さんのそばから離れないのです。
特に去勢・避妊手術をした猫は、子猫のときの性格がそのまま残るといわれているので、飼い主さんを母猫だと思ってそばを離れたくないのです。
猫が布団の真ん中に!布団を取られる場合の対処法
そっと移動する
猫が布団に入ってきて、くっついてくるのは可愛いし嬉しいのですが、時折猫が布団の真ん中を占領して寝る場所がなくなってしまうこともあります。毎晩だと困ってしまいますが、そういうときはどうしたらいいのでしょうか。
できることは、猫をそっとどかして布団の隅の方に移動することです。この方法だと、飼い主さんが寝た後に、猫が移動して真ん中を陣取ることもあります。
猫用のベッドを用意する
布団を占領されるので、他の場所に移動してもどうしても元の場所に戻ってきてしまう場合や、飼い主さんの身体の上に乗ってよく眠れないときはどうしたらいいのでしょうか。
飼い主さんの寝室に猫用のベッドを用意してあげるといいでしょう。猫が布団の中に入ってくるのは、温かさを求めて来る場合が多いので、猫用のベッドにペット用のヒーターを入れるなどの工夫をしましょう。猫用のベッドはいろいろな形があるので、いくつか置いてみて猫が気に入るものを探すのもひとつの手です。
猫用のケージで寝かせる
子猫のときは身体が小さく、一緒に寝ることで事故が起こる可能性があります。飼い主さんが寝返りを打った時に、つぶしてしまうことを防ぐためにも子猫をケージの中で寝かせるようにしましょう。こうすれば、飼い主さんも安心して眠ることができます。
猫が布団の中で粗相をする理由
猫が布団に粗相をしてしまうことがあります。猫のオシッコのニオイは強烈で、布団に粗相されると部屋中が臭くなってしまいます。
冬用の布団は簡単に洗えるものではありませんし、洗ったとしてもかすかにニオイが残ってしまっていることがあります。そうなると、猫がそのニオイを嗅いでさらにまた布団にオシッコをしてしまうことがあります。猫が粗相をするのはどんな原因があるのでしょうか。
布団をトイレだと思っている
布団に粗相してしまう場合、布団がオシッコを吸い込む感覚がトイレの砂に似ているため、トイレだと思ってしまっている可能性があります。
トイレが汚れている
猫はとてもきれい好きで、トイレが汚れているとトイレを使わなくなることがあります。そのため、トイレ以外の場所で排泄してしまうのです。
マーキング行動
猫は発情期になると、自分の縄張りを示すためにスプレー行動といって、おしっこをかけて縄張りをアピールする習性があります。特に、去勢・避妊手術をしていない猫がこのような行動をします。
猫が布団に粗相しないようにするためにはどうしたらいい?
猫を寝室に入れないようにする
猫が布団で粗相してしまう場合、それを防ぐためにはまず猫を寝室に入れないことです。寝室を開けたままにしておかない、部屋に入れないようにすることで布団への粗相を防ぐことができます。布団で寝ている場合は、昼間は布団を押し入れにしまって押し入れを閉めておきましょう。
布団にビニールシートをかけておく
布団に粗相されないようにするには、猫を寝室に入れないのが手っ取り早い方法ですが、ワンルームで寝室が別になっていない場合もあります。
そのようなときは、布団の上にビニールをかけておく方法があります。猫が布団にオシッコをするのはマーキングの意味と、布団がオシッコを吸う様子がトイレに似ているからという理由があります。ビニールをかぶせることで、オシッコを吸わなくなるので粗相をしなくなる可能性があります。
ペット用のトイレ吸収シートを敷く方法もありますが、それだとオシッコを吸収するのでトイレだと勘違いしたままになってしまう可能性があります。
マーキングの場合は去勢・避妊手術をする
自分の縄張りを示すためのマーキング行動の場合、去勢・避妊手術をすることが粗相対策になります。しかし、粗相が癖になってしまっている場合、手術をしてもマーキングがおさまらない場合があります。
粗相防止や将来の病気の可能性を少なくするために、生後半年頃になったとき、去勢・避妊手術を検討することをおすすめします。
ストレスを取り除く
精神的な不安が原因で問題行動を起こすことがあります。「分離不安症」という病気で、
飼い主さんに依存が強く、飼い主さんが出かけてしまったりそばにいなくなると問題行動を起こします。飼い主さんが見えなくなると大声で鳴いたり、過度なグルーミングで肌を傷つけることやトイレ以外で粗相をすることもあります。
このようなことが原因で布団に粗相している場合は、猫のストレスを取り除く必要があります。分離不安症になる猫は1匹で飼われている場合が多いので、新しく子猫を迎えると症状が改善される場合があります。
分離不安症になりやすい猫は、飼い主さんに依存してそばにいてくれないと不安になるので、そばに子猫がいることで寂しさを感じることがなくなります。それが子猫を迎えることで、猫が子猫のお世話をするようになって飼い主さんにべったりではなくなり、飼い主さんへの依存が薄れていきます。お留守番のときにも1匹ではなく2匹一緒だと寂しくないでしょう。
猫を増やせない場合は、猫との関係を見直して必要以上にベタベタしないことと、出かけるときは声をかけないことが大切です。猫は賢い動物なので、飼い主さんが出かける時に声をかけることで、これからいなくなってしまうのだと悟って不安な気持ちが大きくなってしまうのです。また、出かけて帰ってきたら普段通りに接しましょう。
トイレ環境を見直す
猫が布団で粗相してしまう原因は、トイレ環境が気に入らないからかもしれません。トイレを置いているのに、わざわざ布団でするのはそれなりの理由があるのです。トイレ環境について、いくつか挙げてみますので、思い当たるものがあったら改善してみましょう。
- トイレが汚れている
- トイレの大きさが合わない
- 猫砂が気に入らない
- トイレの数が足りない
- トイレの場所が気に入らない
猫はきれい好きなので、トイレが汚れているとそのトイレで用を足さない場合があります。トイレを我慢してしまうと、膀胱炎などの病気にかかる恐れがありますので、トイレは常に清潔を心がけてあげましょう。留守をすることが多い家庭は、トイレの数を増やすなどの対策を取りましょう。
子猫の時に使用していたトイレをそのまま使っていると、成長した猫の身体のサイズに合わないことがあります。トイレの大きさや形はいろいろな種類があるので、猫の身体の大きさに合ったものを置いてあげましょう。
また、トイレの形もさまざまで平置き型のもの、屋根が付いているドーム型のものなどあります。大きさや形をいろいろ試してみるといいでしょう。
市販されているトイレ用の猫砂もさまざまな種類があります。猫によっては猫砂の好みがあり、気に入らない砂では用を足さない猫もいます。
一般的に好まれるのは、小さめの砂です。自然界で猫は砂の上で用を足して、砂をかぶせて排泄物を隠します。そのため、砂に似た感触のものを好む猫が多いです。猫が好むのは鉱物系が多いですが、他にも紙、おから、木製の砂があるので、何種類かの砂を用意してどの砂が好みなのか試してみるといいでしょう。
猫のトイレの数は、多頭飼いをしている家では飼っている猫の数プラス1つの数が理想です。前述したように、きれい好きな猫は汚れたトイレを嫌うため、他の猫がした排泄物が残っているトイレで用を足さない場合があります。すぐに掃除できないことを考えて、多めの数のトイレを置いておくことが大切です。
猫のトイレを置く場所は、人があまり通らない静かな場所です。ニオイがこもらないように風通しがよい場所に置いてあげるといいでしょう。
バスルームの脱衣所や人間のトイレの脇に置く家が多いようですが、難しい場合はカバー付きのトイレに替えることをおすすめします。トイレの上にドーム型の屋根がついているため、外からは用を足しているところが見えず、猫が落ち着いて用を足すことができ、ニオイも漏れにくい作りになっています。
猫が布団でする行動の意味とは
布団をふみふみしながら吸う
猫が布団の上で、前足を使って肩もみをするような仕草をすることがあります。これを通称「フミフミ」といいますが、布団をフミフミしながら布を吸う猫もいます。これは、母猫のおっぱいを吸う行動の名残りで、母猫のおっぱいがたくさん出るようにおっぱいを押す仕草です。
子猫のときにする猫が多いのですが、成猫になってもすることがあります。
フミフミだけならいいのですが、布をチュウチュウ吸われると布団がよだれで濡れてしまいます。猫がフミフミするのを観察すると、毛布のような素材のものにする猫が多いので、フミフミ対策に猫専用の膝掛けや、小さな毛布を用意してあげるといいかもしれません。フミフミが始まったら猫専用の膝掛けを与えてあげましょう。
フミフミの行動は問題行動ではないので、無理やりやめさせることはありませんが、布を吸うときにほつれた糸や布の切れ端を誤飲しないように注意してください。
布団をひっかくように掘る
たまに猫が猫砂を掘るように布団をひっかいている場合があります。このような行動をする場合、どのような理由があるのでしょうか。
考えられる理由のひとつは、排泄しようとしていることです。猫が布団をトイレに見立ててそこで用を足そうとしているときに、このような行動をします。もしも何度か布団の上でオシッコをしているときはこの可能性が高いので、布団をひっかき始めたら布団から下ろしてトイレに連れていきましょう。
猫は自分の糞尿のニオイがついているところで用を足そうとします。布団をよく洗っても、かすかにニオイが残ってしまっていたら、何度も布団で用を足す可能性があるので、布団を買い換えるのをおすすめします。
マーキングの意味で布団におしっこをしようとする場合は、去勢・避妊手術をしてその行動自体を改善するしかありません。しかし、マーキングが癖になってしまっている場合は、手術をしてもマーキングする可能性があるので、そうなったら猫を寝室に入れないようにしましょう。
猫がのんびりと布団を掘っている場合、様子が落ち着いていて触るような仕草だった場合、寝床を整えている行動です。猫は自分が寝る場所の温度に非常に敏感な動物です。部屋の中でも寝る場所を頻繁に移動して、心地いい場所を探しています。そのように、布団の中の一番心地いい場所を探しているのです。
他に布団を掘っている仕草で考えられるのは、嬉しい気持ちを落ち着かせようとしている行動です。猫は興奮した時に、自分の気持ちを落ち着かせようとして爪とぎをすることがあります。普段の様子を観察していると、興奮して走り回ったあとや他の猫とじゃれ合いがエスカレートしたときにこの行動をすることが分かります。
野生の頃、猫は狩りをするときに気持ちが高ぶったままだと失敗することがあるので、爪とぎをして興奮を抑えようとしたといわれています。猫が飼い主産と一緒に寝るのが嬉しくて、気持ちを落ち着かせようとしての行動だとしたら嬉しいですね。
猫と布団を一緒に寝ないほうがいい理由
猫と一緒に布団で寝るのは幸せな時間ですが、できれば猫とは別に寝たほうがいいと考える獣医師もいます。その理由を以下に紹介します。
猫を踏み潰す事故防止
子猫のときなどは特に身体が小さいので、飼い主が寝返りをして猫を潰してしまう可能性があります。悲しい事故を防ぐためには猫と違う布団で寝るのがいいのではないでしょうか。
睡眠の質と時間を確保
猫と一緒に寝るのは温かく幸せな時間ですが、寝返りの時に猫をつぶさないか気にしていると、なかなか安眠できないものです。また、神経質な人だと猫が少し動いだだけで目が覚めてしまうことがあります。猫も飼い主も、お互いに質の良い睡眠を取るためには別々に寝たほうがいいでしょう。
抜け毛でアレルギーを誘発させることを防止
猫アレルギーは猫の抜け毛やフケが原因であることが多く、一緒に布団で寝ることでアレルギーを発症することがあります。猫を飼い始めたときにはアレルギー症状が出ていなくても、時間が経ってから発症する人もいます。アレルギーを誘発させるようなことは避けるようにしましょう。
ノミダニがうつらないよう
完全室内の猫でも、ノミ・ダニが付く場合があります。それは、飼い主の靴や服にノミ・ダニが付いてきて、部屋の中に持ち込んでしまうことがあるからです。そのため、室内飼いの猫でも定期的にノミ・ダニ駆除の薬を使って予防することが大切です。それを怠っていると、猫にノミ・ダニがついている可能性があります。
猫と一緒に寝ることで、人間や布団にノミ・ダニがついてしまう場合があります。それを避けるためにできることは、猫を布団の中に入れないことです。
有事のときに慣れておく
自然災害などで避難しなければならないときのために、ケージに慣れさせておくことが大切です。避難した先ではペットはケージやキャリーバックに入れるようになります。普段からケージに慣れさせておかないと、猫のストレスがたまってしまいます。慣れさせるためには夜だけでもケージで寝るクセをつけておくのがいいのではないでしょうか。
猫が布団に入ってきたら
猫が布団の中に入ってきたらむやみにどかさないで、徐々に時間をかけて別々に寝る習慣をつけるのもいいのではないでしょうか。粗相などの問題行動を起こす猫の場合は特に、飼い主さんの寝室ではなく、猫用のベッドやケージで寝かせる方がいいでしょう。
もし一緒に寝るときは、踏み潰さないように細心の注意を払いましょう。