ドッグショーは見学することができる?見どころ・マナーについてしっかり把握しておこう!

「ドッグショー」と聞くと、敷居が高いというイメージがありませんか?行ったことないと言う人も多いのではないでしょうか。しかし、ドッグショーは誰でも見学することができ、毎週末開催されている程身近なものです。今回はドッグショーの見どころや審査基準、マナーについてご紹介します。

ドッグショーについて

ドッグショーとは

ドッグショーとは、純粋犬種の見本展示会・品評会のようなものです。それぞれの犬種に定められた、その条件にどれほど近いかを審査するもので、出場する犬は最高のコンディションになるよう、手入れされています。

犬種にはそれぞれ犬種基準(スタンダード)というものが定められており、それに沿って審査は行われます。審査基準は後ほどご紹介しますが、ただ単に美しい犬を決めると言うものではありません。

ドッグショーの歴史

1859年イギリスのニューキャッスルで世界初のドッグショーが開催されました。このときは「猟犬の品評会」として行われており、約60頭ものポインターとセターが出場していました。

日本ではそれから91年後、1950年に東京で全日本警備犬協会によって「本部展覧会(全犬種展)」が開催されました。参加した犬は約240匹とされており、ジャーマン・シェパード・ドッグや日本スピッツなどがいたようです。

現在、世界各地でドッグショーが盛んに開催されており、有名なところは英国で行なわれている「クラフト・ショー」、アメリカで行なわれている「ウエストミンスター・ケネル・クラブ・ドッグショー」が挙げられます。どちらの大会もテレビ放映されるほどで、とても人気です。

ドッグショーを行なう目的

そもそものドッグショーの目的は「純粋犬種を守り、後世に伝えていくこと」とされています。1人でも多くの人に純粋犬種について理解・飼育してもらうことが重要なのです。そのため、ドッグショーは純粋犬種の保護や育成、普及、発展のために開催されています。

ドッグショーの審査基準

ドッグショーは基本的に、性別・犬種別・年齢別でクラス分けられ、まずは年齢別で1位の犬を選びます。そこから、犬種で1位の犬を選び、選ばれた犬種ごとの1位の犬がグループで集まります。

さらにその中から1位の犬を選出、そしてオスの1位とメスの1位を決めていくのです。このように、ドッグショーはトーナメント方式で、次の6つの審査基準で審査が行われます。

  1. タイプ(犬種ごとのそれぞれの特色)
  2. クオリティー(犬質の充実度・洗練度)
  3. サウンドネス(精神的・肉体的な健全性)
  4. バランス(全体の調和)
  5. コンディション(健康状態や精神状態)
  6. キャラクター(魅力・マナー)

この6つの審査基準は犬種ごとに定められており、個々の犬同士を比べて審査するものではありません。

入賞犬の呼び方や賞金

ドッグショーは勝ち上がり方式であり、ドッグショーの種類によってもルールが少しずつ異なってきます。

入賞犬の呼び方

FCIジャパンインターナショナルドッグショーの場合の入賞犬の呼び方を決定順にご紹介します。

  • BOB(ビーオービー)
  • Best Of Breedの略で、犬種ごとの最優秀犬のことを指します。1つの犬種のメスとオス1頭ずつ選びます。

  • G1、G2、G3、G4
  • BOBに選ばれた犬だけのグループ選で入賞位です。グループ審査において、オスとメスにそれぞれ席次があります。

  • KING、QUEEN
  • KING、QUEEN選の最優秀犬のことです。オス犬のNo.1をKING(キング)、メス犬のNo.1をQUEEN(クイーン)と呼びます。

  • BIS(ベストインショー)
  • KINGとQUEENに選ばれた2頭より選ばれる、ドッグショーでの最優秀犬のことです。BISはドッグショー最高の名誉であり、KINGかQUEENどちらか1頭が選ばれます。

チャンピオンって?

BISを一度受賞しただけでは、チャンピオン犬とはなれません。複数回のドッグショーで、多くの審査員から高い評価を得て、所定の手続きを経て「チャンピオン犬」となることができるのです。

チャンピオン犬になると、ドッグショーで「チャンピオンクラス」に出場することができ、他のチャンピオン犬と競いあいます。

ドッグショーの賞金

ドッグショーは入賞しても、賞金はありません。もらえるものはトロフィーやリボン、そして「栄誉」です。

ブリーダーにとってドッグショーで入賞することは大変栄誉なことであり、犬種を守り今後の繁殖に生かすことができるのです。

ドッグショーの見どころ

犬の美しさ

なんといっても出場する犬の美しさでしょう。十分に手入れされた毛並みや理想の骨格、そして訓練された一つひとつの動きはとても優雅です。また、図鑑でしか見たことのないような、珍しい犬に会えるのも嬉しいですよね。

ドッグショーの会場では、出場する全ての犬の名前や生年月日といったものが掲載されている「出陳目録」が販売されているので、気になる犬種があればチェックしておきましょう。

犬のお祭り

大規模なドッグショーの場合には、アジリティやトリミングといった競技会が同時開催されることもあり、まるでお祭りのような雰囲気です。犬の同伴も可能なので、飼い主さんや犬同士の交流が増えるのも嬉しいですよね。

犬のグッズ販売

ドッグショーでは、ここでしか買えないような限定品の犬のグッズが販売されています。トリミング用品や犬の服、おやつなどさまざまなグッズを購入することができます。

ドッグショーのマナー

ドッグショーは出場する犬にとっても飼い主・トレーナーにとっても、大切な発表の場です。その雰囲気を壊さないように、他の犬に迷惑をかけないために、必ずマナーを守って行動しましょう。

出場者の邪魔にならないようにする

出場する犬やハンドラーは、ドッグショーに向けて最高のコンディションとなっています。集中力を削がないように、騒いだり犬に触れたり、声をかけたりということは控えましょう。

フラッシュ撮影は禁止

ドッグショーや審査中の写真撮影は可能ですが、フラッシュ撮影は禁止されています。フラッシュの光は、犬の集中力を欠いたり、目への悪影響も懸念されることから、撮影する際には必ずフラッシュがオフになっているか確認してください。

許可なく犬に触れない

出場する犬だけでなく、来場者の犬と触れたい時にも一言声をかけましょう。写真を取りたい場合やなでたいときも、必ず許可を取ってくださいね。また、SNSに掲載する場合にも、一言伝えておきましょう。

躾けのできていない愛犬は連れていくのをやめよう

愛犬と一緒にドッグショーに行く場合は、躾けができていることワクチンを接種していることヒート中でないことが重要です。

他の犬と仲良くできない、飼い主の指示を聞くことができない場合には連れていかないほうがいいでしょう。

また、一緒に行く場合にもリードを付けて、粗相したときのために片付けできる用意をしておきましょう。

ドッグショーのスケジュールは?

ドッグショーは日本各地で定期的に開催されています。ほぼ毎週末、日本のどこかで開催されておりますので、気になる場合はぜひ検索してください。

ちなみに、日本最大級のドッグショーは春ごろ開催される「FCIジャパンインターナショナルドッグショー」で、100犬種以上の2,500頭の犬が参加します。

JKCのドッグショーの日程に関しては、下記URLから確認することができます。

公式サイトはコチラ

愛犬をドッグショーに参加させる方法

ドッグショーに参加するには、犬の所有者がJKCの会員であることと、JKCに登録されている犬であることが条件です。しかし、避妊・去勢した犬や、噛み癖があったり健康上に問題がある場合は出場ができません。

まずは、ドッグショーの仕組みやルール、マナーを身につけるためにも、ドッグショーを見に行き、出場している犬たちを見学してみることも大切です。

マナーを守ってドッグショーを楽しもう

敷居が高くてドッグショーには行けない、と言う人も多いと思いますが、ドッグショーは誰でも見学をすることが可能です。また都心ばかりでなく、全国各地で開催されていることから、気軽に見に行くことができるのも嬉しいですよね。

図鑑でしか見たことのない、美しい犬を近くで見ることができるのもドッグショーの醍醐味です。ぜひ一度近くのドッグショーに足を運んでみてください。