愛犬がドッグフードを食べないときは何が原因なのでしょうか?犬はストレスや病気で食欲が落ちることがありますが、人間の食べ物を与えると場合は偏食になってしまい犬用の餌を食べなくなってしまうこともあります。今回は、愛犬がドッグフードを食べないときに考えられる理由・対策方法を紹介します。いつものドッグフードに少し工夫をすると、食べてくれるようになるかもしれません。
犬がドッグフードを食べないときに考えられる理由
犬がドッグフードを食べないときは、体調不良による食欲不振や偏食が原因であることが多いようです。
体調が悪い
犬も人間と同じように、消化不良や腹痛などの体調不良になることがあります。数日経てば体調が回復し、いつも通りドッグフードを食べてくれるでしょう。
餌を食べない以外に不調がなさそうであれば1~2日様子を見てください。それでも食欲不振が改善しないようであれば、動物病院に連れて行くことをおすすめします。
消化器官や呼吸器の病気
喘息や気管支炎の一種である、ケンネルコフなどの呼吸器の病気にかかっていることも考えられます。このような病気にかかってしまうと、嗅覚が低下し、それにともなって食欲が減退してしまうことがあるようです。
膵炎や腸閉塞などの消化器系の病気も食欲不振を引き起こします。これらの病気にかかっている場合は、食欲不振に合わせて下記のような症状出る恐れがあります。
- 喘息 呼吸困難・口腔粘膜が青紫色になる(チアノーゼ)
- ケンネルコフ 咳・熱
- 膵炎 嘔吐・よだれが多い・お腹を触ると嫌がる
- 腸閉塞 嘔吐・下痢・便秘・お腹を丸めた状態で動かない
このような症状が見られる場合は、命に関わる場合もあります。一刻も早く動物病院につれていきましょう。
餌の粒が大きいまたは硬いため食べにくい
犬にとって餌の粒が大きかったり硬かったりすると、ドッグフードを少ししか食べなくなってしまいます。この場合は餌を砕いてあげたり、別の種類のものに変えてあげることでスムーズに食事ができるようになるしょう。
また、虫歯や歯周病などの口周りの病気になってしまうと、粒の大きな餌や硬い餌は食べにくいようです。餌を食べたそうにしているのに少し食べて残す場合は、口の中をチェックしてあげましょう。
老化によって味覚や嗅覚が衰え、食欲が失せた
犬は年齢を重ねるにつれて嗅覚や味覚が衰えてきます。餌の臭いが薄れると食欲が刺激されず、餌を食べないことがあります。この場合は、餌から臭いが強くするように工夫をしてあげるとよいでしょう。また、胃腸の機能が老化によって低下している場合もあります。
留守番などのストレスで食欲不振になった
犬は環境の変化に敏感な動物のため、ストレスを感じると食欲が減退することがあります。留守番に慣れていない犬を家に残して出かけたり、家族が喧嘩をすることでストレスを感じる犬もいます。犬のストレスサインは食欲不振の他に、身体をずっと舐める、自分の尻尾を追いかけて回る、などがあります。
わがままになってしまい、おやつなどの特定の食べ物しか食べない
ドッグフードを食べないにも関わらず、おやつや、肉の入った缶詰タイプの餌など特定のものをいつもどおりの量食べる場合は、偏食になっていると考えられます。
また、偏食になっている犬は、要求すれば自分の好きな食べ物がもらえると思っている可能性が高く、自分の好きな食べ物以外には興味を示さなくなっている状態だと言えるでしょう。
このまま、犬のわがままを聞き入れて好きな食べ物だけ与えると、病気に繋がってしまいます。さらに、飼い主との信頼関係にも影響が出てくるため、飼い主の言うことを聞くようにしつけをして、ドッグフードを食べさせる必要があります。
ドッグフードを食べてもらいたいときの対策方法7選
愛犬にドッグフードを食べて貰いたい場合は、餌の与え方を工夫することが大切です。今、愛犬がどのような状態なのかを観察し、適した対策方法をとりましょう。
消化不良の場合は餌の1回ごとの量を減らし、与える回数を増やす
食欲不振とともに、嘔吐や下痢など症状が起こった場合は消化不良だと考えられます。餌の1回量が多く、消化しきれていない可能性があるため、1回ごとの量を少なくして、与える回数を増やすとよいでしょう。
どのくらいの量がちょうど良いか分からない場合は、ふんの状態を見て判断することができます。下痢や軟便、乾燥してころころとしたふんを出す場合は消化不良を起こしています。正常なふんが出るまで、餌の1回量を減らして様子を見てみましょう。
味覚や嗅覚が衰えてきた犬にはドッグフードを少し温めて臭いを出す
老化や病気で味覚や嗅覚が衰えている場合は、ドッグフードを電子レンジやヘアドライヤーで少し温めて出してあげるとよいでしょう。温めることで臭いが強く出るため、犬の嗅覚や食欲を刺激する効果が期待されます。温めるときは火傷を防ぐため、40度前後の温度にしてあげることが大切です。
- ドッグフードを60度以上の熱で温めると栄養成分が破壊されてしまいます。40度以上にならないように注意しましょう。
ペット用のトッピングや缶詰の餌をドッグフードに混ぜる
ペット用のふりかけやトッピングなどをドッグフードに混ぜると、普段食欲がない犬でも食べる可能性があります。食欲のない老犬など、餌を食べて栄養をつけさせたい犬に使うとよいでしょう。
犬にも味や食感の好みがあるため、愛犬が好むトッピングを選んであげることが大切です。ただし、愛犬が偏食になっている場合は、トッピングがないとドッグフードを食べないようになってしまう可能性があるため、この方法は避けましょう。
ドッグフードをお湯でふやかして臭いが強く出るようにする
ドッグフードをお湯でふやかすと臭いが強く出るため、犬の嗅覚を刺激したい場合は行ってみましょう。消化しやすくなり、水分補給ができるというメリットもあるため、愛犬の体調が悪いときや、消化機能が未発達の子犬、消化機能が衰えてきた老犬にもおすすめです。
ドッグフードのふやかし方
このフードを犬に与えて食べることができるか様子をみましょう。また、ドッグフードを浸したお湯にも栄養分が溶け込んでいることがあるため、できれば飲みきらせてください。
- いつもふやかしたドッグフードをあげてしまうと、噛む力が低下してしまうため、体調が悪いときのみふやかす、3日に1度だけふやかす、などの工夫をしましょう。
食欲を刺激するエッセンシャルオイルを犬が身に着けているものにつける
バラやベチバーなどエッセンシャルオイルは犬の食欲を刺激するため、使用すると食欲が増進し、ドッグフードを食べてくれることがあります。ただし、犬に直接つけることは皮膚への刺激になるため避けましょう。
犬が身につけているウェアや布製の首輪などに2、3滴染みこませてください。つけられそうなものがなかった場合は、ハンカチやタオルなどにエッセンシャルオイルを使用し、首輪の替わりに首に巻いてあげると良いでしょう。
- エッセンシャルオイルに関しては犬によって好みが分かれるため、嗅がせてみて嫌がるそぶりを見せるようであれば使用は中止してください。犬は非常に鼻のよい生き物のため、苦手な臭いはストレスになり、体調不良に繋がります。
消化吸収を助けるサプリメントを飲ませる
生まれつき消化器官が弱い犬や、老化により消化不良を起こす犬には、消化吸収を助けるサプリメントを飲ませてみるのもよいでしょう。
- 酵素
- 善玉菌
これらを含んだサプリメントを探してみましょう。ペット用のサプリメントはペットショップや動物病院で購入できます。近くにない場合は、インターネットショップでも購入することができます。
偏食の場合はドッグフードが食べたくなるような工夫をする
ドッグフードは、犬のために栄養バランスが考えられた食事です。偏食でおやつや人間の食べ物しか食べなくなってしまった場合は、ドッグフードを食べるようにしつけをしましょう。
次の餌の時間まで何も与えない
犬がドッグフードを食べなかった場合は餌を下げましょう。餌を出したままにしておくとしばらくして食べることがありますが、お腹が空いたときにのみ餌を食べれば良いという習慣がついてしまい、餌の時間に何も食べなくなってしまいます。
餌を出したら20分ほど様子を見て、食べる様子がなければ片付けて、次の餌の時間までは何も与えないようにしましょう。途中でお腹を空かせて食べ物をねだってくる可能性がありますが、決まった時間にドッグフードを食べなければ餌が貰えないということを学ばせるため、取り合わないことが大切です。
また、拾い食いや盗み食いをしないよう、人間の食べ物は犬の届かないところへ片付けておきましょう。健康的な犬であれば1日何も食べなくても大丈夫です。
ただ、食べない日が続くとさすがに栄養失調になりかねないため、どうしても偏食が治らない場合は病院で相談するのも良いでしょう。
ドッグフードを食べたときに褒めてあげる
犬が自らドッグフードを食べたときに、たくさん褒めてあげることで偏食の改善につながります。犬は飼い主を喜ばせることが好きな動物です。
性格や犬との信頼関係にもよりますが、褒められると飼い主が喜んでいると思い、褒められたことをもう一度してみようという気持ちが起こるようです。
ドッグフードを食べると飼い主が褒めてくれるということを理解させることができれば、自らドッグフードを食べるようになっていくでしょう。
また、褒められることで犬も嬉しい気持ちになり、飼い主のことをさらに信頼してくれるようになるでしょう。
人間の食べ物を与えない
犬が人間の食べ物を欲しがることがありますが、一度あげてしまうと犬は「またもらえるかもしれない」と考え、人間の食べ物をねだるようになってしまう可能性があります。
さらに、犬の要求を叶えてしまうことで、自分の要求はなんでも通ると思い込み、わがままになり飼い主のいうことを聞かなくなる危険性もあります。
また、人間の食べ物は犬の身体にとっては塩分が多く、病気のきっかけになるため絶対に与えないようにしましょう。特に、たまねぎなどのネギ類の植物は中毒症状を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。
犬の届く範囲に食べ物があると食べてしまう可能性があるため、食べ物は常に犬の届かないところへしまっておくことをおすすめします。
食欲不振が2日続いたら病院へ連れて行こう
犬がドッグフードを食べない理由は病気やストレス、偏食とさまざまですが、2日間食欲不振が続くようであれば、体力も低下してくるため一度動物病院へ連れていきましょう。
子犬や老犬の場合は急に体調が悪化することがあるため、特に注意が必要です。食欲不振に合わせて他の体調不良が確認できるようであれば、すぐに病院へ連れていきましょう。
愛犬が元気で長生きできるようにドッグフードを食べさせよう
ドッグフードができたことで、人間の残飯を餌にすることが主流であった1980年代には3歳だった犬の平均寿命が13~14歳にまで伸びたと言われています。大切な家族である愛犬が、犬の健康のためにつくられたドッグフードをしっかりと食べるように工夫して、健康で長生きできるようにサポートしましょう。