愛くるしい表情と小柄な体型が可愛いと人気の小型犬ですが、実は大型犬よりもエネルギー消費が激しいという一面を持っています。そのため、しっかりと食べさせることが大切なのですが、どんなドッグフードを選んであげると良いのか、またドッグフードを与えるうえでの注意点や人気商品も紹介します。
目次
小型犬ドッグフードの特徴
中型犬や大型犬に比べ、小型犬は口や顎が小さいという特徴があります。そのうえ食べムラも多いので、必要なエネルギーを摂取させるために、ドッグフードには様々な工夫がされています。どんな特徴があるのかを具体的に見ていきましょう。
カロリーは高め
小型犬は体重1kgに対し、消費カロリーは90~100kcalです。他の犬に比べて消費量が多く、大型犬が1kgあたり50kcalなのでその倍近くあります。また、小型犬は体が小さいので、一度にたくさんのドッグフードが食べられません。
こういった理由からエネルギー不足にならないように、小型犬用ドッグフードはカロリーが高めに作られているのです。カロリーが低いものを選んでしまうと、エネルギー不足になってしまう可能性があるので注意が必要です。
粒は小さめで形は様々
噛む力が他の犬に比べると弱いので、硬いキブルだと食べられない可能性があります。しかし、歯垢や歯石の蓄積を防止するためにもある程度の硬さは必要なので、小型犬でも噛み砕けるレベルでの硬さは維持しています。サイズは小粒で、様々な形状があるのが特徴です。
嗜好性が高い
どんなに栄養バランスが取れている内容でも、それを犬が食べてくれなければ意味がありません。そのため、小型犬用ドッグフードには生肉や鶏脂肪など、食いつきを良くする原材料が含まれています。
小型犬の食事で気を付けるべき3つのポイント
他の犬に比べて多くのカロリーを消費するだけではなく、活発に動く犬種もたくさんあります。
しっかり食べさせてあげないとエネルギー不足になりやすいのですが、逆に与え方を間違えると、消化不良や肥満を招く危険性があるので注意が必要です。日頃の食事でどんなことに気を付ければ良いのか、そのポイントを3つ紹介します。
適切な量を守る
犬種や体重などにあわせて、適量を与えることが大切です。特に、高カロリーで嗜好性が高いドッグフードが多いので、油断していると食べ過ぎてしまうこともあります。適切な量をしっかり守り、必要以上に与えないように気を付けましょう。
しっかり噛ませる
小型犬に限ったことではありませんが、しっかり噛ませることで消化を良くし、歯の健康を守ることにもつながります。
他の犬に比べて噛む力が弱く、食べきる前に顎が疲れてしまうという可能性もあるので、そんなときにはぬるま湯で少しふやかしてあげるなどの工夫をしましょう。
食いつきの良さを重視する
先程も説明したように、どんなに栄養バランスが取れたドッグフードでも、犬が食べてくれなければ意味がありません。栄養不足は様々な病気を誘発することにもつながるので、愛犬の食いつきが良いものを選んであげましょう。
小型犬のライフステージによるドッグフードの変化
ライフステージによって、小型犬に必要な栄養が変わってきます。それにあわせてドッグフードを切り替えていくことも大切なので、事前に理解しておきましょう。
子犬期
小型犬の子犬期は生後8~10ヶ月あたりまでです。他の犬に比べて成長スピードが早いので、1歳になる前に成犬の扱いになってしまいます。この期間中にしっかり体を作っていかなければならないので、特に栄養価が高いものを選んであげる必要があります。
成犬期
生後11ヶ月~8歳までが成犬期で、他の犬に比べて期間が長いという特徴があります。活発に動く犬種が多いので、子犬期ほどではありませんが、たくさんのカロリーと栄養を必要とします。
また、ある程度消化器官も発達しているので、消化の良さだけではなく健康維持を目的としたドッグフード選びも必要です。
シニア期
7~8歳あたりで徐々に老化が始まっていきます。消化器官の衰えも始まるので、消化が良く、栄養をしっかり吸収できるようなドッグフードに切り替えてあげましょう。
また、成犬のときよりも運動量が減ってくるので、それにあわせてドッグフードの量も調整してあげることが大切です。
小型犬にドッグフードを与える量
小型犬は体が小さいので、ドッグフードを与えすぎてしまうと肥満になってしまいます。逆に、カロリーの消費量も多いので、しっかり与えなければ栄養不足になる可能性があります。
初めて犬を飼う人にとっては、このバランスが難しく、パッケージに書かれた目安量のまま食べさせてしまう人もいるでしょう。しかし、ドッグフードを与える量は犬種によってもライフスタイルによっても異なります。
愛犬の様子をしっかり見極め、適切な量を与えることが大切です。では、ドッグフードの量を決めるうえで具体的にどのようなポイントを押さえておけばよいのかを解説します。
1日150g前後
ドッグフードの量が一番多くなるのは生後6~7ヶ月頃です。平均が150g程度であるのに対し、この時期には180g近く食べます。
小型犬は子犬期が短いので、しっかりと体を作って成犬期に入る必要があります。特に、成犬期を迎えるこの時期の栄養は重要です。その後は徐々に減っていき、12ヶ月を迎え頃には再び生後2ヶ月頃の量に落ち着きます。
1回の量を減らして回数を増やすことも
小型犬は一度にたくさんの量を食べられません。愛犬の体重やライフステージを考えて計算した量を出しても、食べきれないこともあるのです。そんなときには、一度に食べさせる量を減らし、食事回数を増やしてみましょう。
食が細い犬にとってはこの方が食べやすい場合があるので、愛犬の様子を見て与え方を変えてあげることも大切です。
便や食べる様子で量を変えよう
便は健康のバロメーターなので、その様子からドッグフードが適量かどうかを見極めることが可能です。特に、小型犬はたくさんの水を飲むことができないので、便の状態はほぼドッグフードの量が影響していると判断できます。
通常の便であれば、適切な量を与えられているという証拠です。それに対し、便が柔らかめであれば量が多く、硬めであれば少ないというサインです。
また、便だけではなく愛犬が食べている様子でも判断できます。食いつきが良く、食べ終わってからも物足りなさそうであれば量が少なく、あまり進んで食べていないのであれば量が多いという愛犬からのサインです。この2つのポイントを見て、ドッグフードの量を調整してあげましょう。
小型犬に人気のドッグフード9選!
食いつきを重視する必要がある小型犬用のドッグフードは、実際に愛犬に食べさせてみないと食べてくれるかどうか分かりません。犬にもそれぞれ好みがあるので、パッケージに書かれたドッグフードの概要を見ても判断が難しいのです。
だからこそ参考にしたいのが、実際に人気があるドッグフードにはどのような種類があるのか、ということではないでしょうか。今回は数ある小型犬用ドッグフードの中でも、特に人気が高い商品を厳選して紹介します。
子犬期
小型犬のドッグフード選びには嗜好性が重要となってくるので、子犬期から愛犬の好みを把握しておくことが大切です。商品によってどのような嗜好性があるのかが違うので、お試しでいろんなものを食べさせてみましょう。
子犬期は、体の機能が未熟なだけではなく免疫機能も発達段階です。そのため、ロイヤルカナンのドッグフードは、ビタミンEなどの抗酸化成分を配合しています。子犬の抵抗力を維持しつつ、体の発達をサポートしてくれます。
また、消化性の高いタンパク質とプレバイオティックスを組み合わせているので、消化機能が未熟な子犬でも消化しやすく、腸内細菌のバランスも整えることができます。
ドッグフードメーカーの中では知名度が高く、ホームセンターなどの身近なところで購入が可能なので、愛用しているファンも多いでしょう。
ナチュラルチョイス プレミアムチキン 子犬用 超小型犬~中型犬 チキン&玄米
超小型犬から中型犬までという、幅広い犬種に対応したドッグフードです。第一主原材料にチキンを使っているので、その美味しさから食いつきが良いと評判です。
良質なタンパク質と、ミネラルが豊富な玄米を摂取することで、子犬期に必要な栄養をまかないます。
このドッグフードのキブルは、芯までふやけやすい設計となっているので、離乳からドッグフードに移行した子犬でも消化吸収しやすいという特徴があります。
これはニュートロ社の高い技術があったからこそ実現した設計だと言っても過言ではないでしょう。
販売店によってはサンプルとして小袋に入ったものもあるので、まずはそれで愛犬の食いつきを見てみるのも良いのではないでしょうか。
小型犬の子犬期は1年もありません。その短い期間で急激な成長を遂げるため、それにあわせてたくさんの栄養を与えて成長をサポートする必要があります。
このドッグフードは、鶏肉、白身魚、全卵などの動物性タンパク質が70%も含まれており、その他の30%は野菜や果物、ハーブ類などのビタミン、ミネラル類が含まれています。穀類を一切使用していないので、子犬の繊細な消化機能でもしっかり消化吸収ができます。
また、使用している肉のうち1/3が冷凍していない新鮮な肉なので、食いつきに重要な嗜好性の高さも見込めます。しかし、高タンパク高脂肪なので、与える量に気を付けましょう。
成犬期
体が小さく小回りが利くので、ある程度の広さがあれば室内飼育でも運動不足になることはありません。
しかし、犬種によっては活発ではない場合もありますし、飼い主に抱っこされるばかりで自分で動こうとしない犬もいるので、それが運動不足を招く要因となる可能性があります。
愛犬の運動量を考えながらドッグフードを選んであげることが重要となるでしょう。
ヤラーのドッグフードは、オランダ、スウェーデン、ノルウェーの3ヶ国からオーガニック認証を受けています。世界が認めたオーガニックドッグフードには、品質保持のためにある化学薬剤を使用していません。
また、原料となっている鶏や牛、七面鳥に対してもオーガニックの餌を食べさせて育てるというこだわりもあります。
愛犬に食べさせるものだから品質にこだわりたい!という愛犬家たちに強く支持されているブランドだと言っても良いでしょう。
カークランド シグネチャー プレミアムドッグフード ラム 成犬用
カークランドシグネチャーは、コストコ限定のブランドです。低コストで大容量というのが一番の魅力ですが、このコストでラム肉を主原料に使っているあたりも好感が持てると評判です。
しかし、低コストを実現させるために穀類はもちろんのこと、ラム肉と様々な材料を混ぜ合わせて作られるラムミールも含まれています。
できるだけ高品質を維持しつつ、人々の手に届きやすいようになんとかコストを抑えようというメーカーの努力がうかがえる商品だと言えます。
プロプラン 成犬期の理想的な筋肉バランスのサポート 小型犬成犬用
成犬期に必要な筋肉バランスをサポートしてくれるドッグフードです。獣医師と栄養士が開発し、科学的にも実証されたものを商品化しているため、安心感があると評判になっています。
内容としては、DHAやEPAによる歯茎の健康サポートや心臓の健康維持、善玉菌を増やすプレバイオティクスで腸内環境の健康維持などが挙げられます。
シニア期
いつもより動かなくなった、食事の量が減ったなどの変化が見られたら、体の内側から老化が進んできている証拠です。
いつまでも成犬用を食べさせていると、あっという間に肥満になってしまう可能性があるので、今までと様子が違うと思ったらすぐに成犬用からシニア用に切り替えましょう。
サイエンスダイエットプロ 小型犬用 健康ガード アクティブシニア 7歳からずっと
ヒルズはドッグフードだけではなく、キャットフードも手掛けるペットフードブランドです。味の専門家が犬の味覚を分析し、食欲が低下しやすいシニア期でも食べやすいようにと作られたサイエンスダイエットプロになります。
高品質なチキン正肉を使用し、野菜や果物などの天然素材を加えることで、ビタミンやミネラル類の補給もできます。
栄養バランスが整っているうえに味を損なわないというのが、サイエンスダイエットプロの大きな魅力です。
ユーカヌバは、使用する原材料を人間の食品と同じ方法で品質検査を行なっています。そのため、どの商品も高品質を維持しているのですが、シニアは老化に伴い、免疫力の低下や体力の低下、食欲の低下など様々な変化が見られます。
そんな衰えていく犬の健康をサポートするために、シニア用ドッグフードはバランスを重視した内容となっているので、シニア期に入ってからはずっと安定して食べさせることができます。
シニア期に入ると、様々な体の変化が見られます。それにあわせて食事を変える必要があると考えたアイムスは、同じシニア用ドッグフードでも数多くの商品を用意しています。
体重管理や健康サポートなど、愛犬の状況にあわせたドッグフード選びができるのです。ドッグフードの主原料として多いのがチキンですが、ラム&ライスではチキンミールの他にラムミールも含まれています。
小型犬ドッグフードは管理にも気を付けよう
小型犬は室内で飼いやすいので、食事だけではなく寝るのも一緒だという人もいるのではないでしょうか?私たちの生活のより近いところにいるからこそ、長く健康でいてほしいと思う人もいるでしょう。
小型犬にドッグフードを与えるときは、その量や回数など気を付けなければならない点が多々ありますが、それだけではなくドッグフード本体の管理にも注意が必要です。
大型犬や中型犬に比べると食べる量も少ないので、お得だからと言って大容量を買ってしまうと、食べきる前にドッグフードを傷めてしまう可能性があります。
そのため、できるだけ個包装されているものや、数日で食べきれる量を購入するようにしましょう。ドッグフードの管理をしっかり行なうことで、愛犬も安心して食べられ、健康維持にもつながります。