猫が飼い主さんのあとをついてくる理由とは?その心理を知ればますます愛しさが倍増するかも

猫 ついてくる

猫を飼っている方のなかには、飼い猫が自分の後をついてくる経験をした方もいらっしゃるでしょう。寝ていると思ったのに、トイレのドアを開けたら扉の前で待っていたり、夕食の支度をしようとして立ち上がったらトコトコ後ろをついてくる。猫はこのような行動をすることがあります。それはなぜなのか、理由を探ってみましょう。

猫が飼い主さんのあとをついてくるかわいい理由

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飼い主さんに甘えたいから

猫はツンデレだとか気まぐれといわれることが多いのですが、犬のように表現豊かではないもののしっかりと飼い主さんへの愛情表現をしています。

そのひとつが、大好きな飼い主さんのあとをついて歩く行動です。飼い主さんがトイレへ立てば、猫もあとをついてトイレへ行きます。また、2階へ行けば一緒に2階への階段を駆け上がっていきます。

猫は愛情表現がそれほど豊かではないので、あとから付いて歩くことが飼い主さんへの愛情だとわからないことがあるかもしれません。

猫の愛情表現は、大好きな人の足元に頭や身体を擦り寄せたり、あとをついていく行動/span>です。さりげない行動ですが、猫にとっての精一杯の愛情表現なのです。このことを知れば、飼い主さんはその行動をされることでより猫に対する愛情が深くなるのではないでしょうか。

飼い主さんを信頼しているから

飼い主さんについて歩くのは、猫が飼い主さんのことを信頼しているからです。飼い主さんのことが大好きで、信頼しているので行動を共にしたいのです。

猫を飼い始めたばかりの頃は、猫の性格によりますが最初は警戒して心を開いてくれるのに時間がかかる場合があります。少しずつ心の距離を縮めていって、だんだん猫が飼い主さんのことを信じていい存在だと認めていきます。

猫が警戒している時は、無理に近づいたりするのはやめましょう。時間をかけて猫から近づいてくるのを待てば、猫はこの人は怖いことをしない人だ、信じていい人だと認識してくれます。そうしていくうちに、猫は飼い主さんのことを信頼して、飼い主さんのあとをついて歩くようになります。

飼い主さんを親だと思っている

猫は生後2ヶ月くらいまで母乳を飲んで育ち、兄妹と一緒に遊んで社会勉強をします。そして、生後3~4ヶ月くらいになると独り立ちして生活するようになります。

しかし、独り立ちする前に親や兄妹と離されて人間と暮らすようになった猫は、飼い主さんのことを母親だと思う傾向があります。

性格にもよりますが、飼い主さんのことを母親と思っている猫は、飼い主さんの胸や膝を前足で踏むような仕草をすることもあります。これは、子猫が母猫の母乳を飲むときに乳房を前足で押しておっぱいが出るようにする仕草です。

飼い主さんを飼い主さんのことを母猫と思っている猫は、飼い主さんが行くところについて歩きます。

寂しくて離れたくない

猫の世界では、生後3~4ヶ月になるとだんだん独り立ちしていく準備が始まります。子猫が母乳を飲もうとすると、母猫は威嚇して子猫を突き放して子猫の親離れを促すのです。

この親離れをする前に人間と暮らすようになった場合、子猫は飼い主さんのことを母猫だと思います。そして、成猫になってからも子猫の気分が抜けず飼い主さんのそばを離れようとしません。飼い主さんがどこかへ行こうとすると寂しくて離れたくなくて、あとをついて歩きます。

ご飯が欲しいから

猫は家族の中の誰がご飯をくれるか認識しています。そのため、お腹がすくとご飯をくれる人のあとをついて歩くことがあります。そして、足元に身体や頭をこすりつけてご飯の催促をします。

猫はとても賢い動物で、ご飯の時間を覚えていてその時間になるとそわそわし始めます。飼い主さんがトイレに行こうと立ち上がったら、ご飯がもらえると勘違いして小走りで飼い主さんについていくことがあります。

お腹が空くと飼い主さんのあとをついて歩いて身体をこすりつけてきたら、お腹がすいたのサインです。しかし、その行動をするたびにご飯をあげていたら肥満になってしまうので、ご飯の量と回数を決めて催促されてもあげないようにしましょう。

猫がトイレやお風呂待ちをする心理

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寂しいので待っている

飼い主さんがトイレやお風呂に入った時、飼い猫がついてきて扉の前で待っていることがあります。猫が寝ているうちにお風呂に入ってしまおうと思ったのに、お風呂から出たら脱衣所に猫が座っていた経験をした飼い主さんもいるのではないでしょうか。この行動をされると飼い主さんはとてもうれしいですよね。

猫はなぜこのような行動をするのかというと、ひとつに「飼い主さんの姿が見えなくなって寂しいから」との理由があります。飼い主さんのことを親だと思っている猫ほど、この行動をします。中には「寂しいよ。早く出てきて。」とお風呂の外から呼び鳴きする猫もいます。

トイレやお風呂に興味がある

猫は自分の縄張りを強く意識する動物ですが、トイレやお風呂は入ったことがないので単に「気になる」だけという場合があります。

自分の縄張り以外の場所には何があるのか、水の音やトイレットペーパーを巻き取る音に興味を持って、中がどうなっているのか見たくて待っていることがあります。

飼い主さんを心配している

飼い主さんのことが大好きな猫は、トイレやお風呂に入った飼い主さんのことを「一人で大丈夫かな」と心配して待っていることがあります。

また、猫は基本的に水が苦手な動物ですので、自分が嫌いな水の中に飼い主さんが入っているのを見て、心配している猫もいます。飼い主さんのことが大好きだからこそ、心配してくれているなんて!なんてかわいいのでしょう。

野良猫が人のあとについてくる理由

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ご飯をねだっている

野良猫のなかでも地域の人たちに餌をもらっている猫は、人間の姿を見るとご飯がもらえると思って人のあとについてくることがあります。

最近は野良猫を「地域猫」として見守るところがあり、野良猫に不妊手術をうけさせてその地域の人たちが餌をあげます。こうすることで、不幸な命を増やすこと亡く一代限りの命を見守ることができます。

人懐こくあとをついてこられると、ついご飯をあげたくなってしまいますが、野良猫に餌をあげてはいけない決まりがある地域があるので、餌をあげないほうがいいでしょう。

猫が飼い主さんのあとについて足を噛むのはなぜ?

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構ってほしいから

飼い主さんが忙しそうにしていると、あとを付いて歩いて足を噛んでくる猫がいます。このような行動をする理由は、遊んでほしい構ってほしいのに飼い主さんが相手にしてくれないので、注意を引いているためです。

どうしても手が離せない時は、「待っててね。」などと声がけをして、できるだけ相手をしてあげるようにすると満足して噛むのをやめます

猫の分離不安症とは

もしも猫の後追いがひどくなり、大声で鳴いた暴れたりした場合、「分離不安」という症状の可能性があります。これは飼い主さんへの依存が強い犬に多い症状なのですが、最近は猫にも起こることがあります。

分離不安症とはどんな病気?

分離不安症とは飼い主さんが出かけてひとりになったとき、不安を感じてそれがストレスとなって自分の身体を噛んだり毛を抜くなどして寂しさを紛らわそうとする行為をする病気です。

飼い主さんが出かけようとすると大声で鳴いたり足に身体をこすりつけたりします。そして、飼い主さんの留守中に大声で鳴き続けたりトイレ以外の場所で粗相をすることがあります。また、攻撃的になったり食欲が落ちることがあります。

分離不安症になるのはなぜ?

猫でも飼い主さんに依存する性格の子がいますが、このような性格をしている猫は分離不安症になりやすいといわれています。

また、猫はある程度の時期がくると親離れを促されて、独り立ちしますが人間と暮らす猫は親離れする必要がないので、ずっと飼い主さんに甘えて依存する子もいます。

そして、暮らしてきた環境に変化があった場合に分離不安症を発症する場合もあります。例えば、飼い主さんが結婚したり子どもが生まれたときなどです。

分離不安症にならないための対策

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猫に安心できる場所を作るのがひとつの方法です。

猫が上下運動できる3段のケージを用意して、ケージの中に猫がくつろげるベッドを置いてあげます。そして、トイレをケージの中にセットして水と食事もケージの中に置きます。

1日の何時間かをケージの中で過ごさせるようにして、ケージの中が猫にとって安心できる場所だと認識させましょう。できれば猫を飼い始めるときにケージを用意して、最初からこの方法を取ることをおすすめします。

特に怖がりの性格の子は、不安になったり怖いことがあったらケージの中に逃げ込むことができます。ケージの中は安全で安心できる場所だとわかれば、飼い主さんが留守をして不安なときにケージの中で安心を得ることができるのです。

飼い主さんが出かける時は、猫に「行ってくるね」などと声をかけないで出かけましょう。出かける時にテレビやラジオを付けたままにする方法もあります。そして、帰ってきたら毎日10~15分程度でよいので思い切り遊んであげるようにするといいでしょう。

猫は瞬発力を生かした遊びが大好きなので、お気に入りのおもちゃを使って遊びましょう。おもちゃをソファーの陰に隠してパッと目の前に出したり、座布団の下で動かしたりすると猫の好奇心が駆り立てられます。

もしも帰ってきて、猫が粗相をしてしまっていたら叱らないようにすることも大切です。飼い主さんがイライラして片付けていると、猫はなぜ飼い主さんが怒っているのか分からず不安を抱えてますます症状がひどくなってしまいます。

寂しさから不安になる猫には、新しい猫を迎えてひとりきりの留守番をさせないようにするのもおすすめです。子猫同士で迎えると比較的スムーズに仲良くなれるのですが、成猫同士の場合はトライアルで相性を見極めるようにしましょう。新しく猫を迎えた時は、先住猫を優先してあげることを忘れないようにしましょう。

猫の分離不安症は、猫が飼い主さん以外に夢中になるものができることでよくなります。一人遊びできるお気に入りのおもちゃや、仲良しの同居猫と過ごす時間などがあれば改善が期待できます。

猫の後追いがひどい場合は獣医師に相談しよう

このように、猫が飼い主さんのあとをついてくるのにはさまざまな理由があることがおわかりいただけたと思います。

愛猫の気持ちを理解することで、その対策をとることができます。もしも後追いがひどい、粗相が治らないなどの症状が続くようでしたら早めに獣医師に相談しましょう。