老猫と暮らすときに知っておきたい5つのこと!ご飯を食べなかったり便秘気味になるのは理由がある

老猫

猫は人間よりも早いスピードで歳をとっていきます。愛猫が弱っていく姿を見るのは辛いものですが、飼い主さんが老猫になったときの注意点を知っておくことで愛猫の健康維持ができます。今回は老猫について、食事をはじめとした生活の中で気をつけることを解説していきます。

老猫とは

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老猫とは何歳からをいうの?

老猫と呼ばれるようになるのは、7歳頃からといわれています。この頃から毛並みや体型、仕草などが若い頃と比べると変化が見られてきます。

そして、11歳頃になると高齢期に入りますが、身体の変化に関しては個体差があるので7歳でもまだまだ元気で若い頃と変わらない猫もいます。

しかし、どの猫でも歳をとりますので、老猫になったときに飼い主さんが気をつけるべきことを知っておくことは大切です。

老猫になったときの変化はどんなものがある?

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白髪が増える

人間と同じように猫も歳をとると白髪になります。白猫の場合は変化が見られませんが、黒などの濃い色の猫は10歳過ぎあたりから目や口の周りが白くなってきます。そして、だんだん身体の毛の色が薄くなっていきます。

毛艶が悪くなる

老猫になると、若い頃のようにセルフグルーミングの時間が減ってきます。そのため、毛並みが悪くなったり、艶がなくなってきます。

痩せてくる

泌尿器系の病気にかかりやすい猫は、老猫になると腎臓疾患の病気になりやすいといわれています。老猫になって急に痩せ始めたら腎臓疾患を疑いましょう。

腎臓疾患にかかると、普段よりも水を飲む量が増えます。そして、おしっこの回数も増えるのが病気のサインです。日頃から猫が飲む水の量、おしっこの回数を確認して把握しておくことが大切です。

瞬発力が衰えて寝る時間が多くなる

猫は歳を取ると筋力が低下していきます。そして、体力もなくなっていき今まで以上に寝ている時間が増え、トイレと食事以外ほとんどの時間を寝ているようになる子もいます。寝ている時間が増えることで徐々に筋力が衰えていきますので、起きているときに遊びに誘うなどして身体を動かすようにするといいでしょう

また、今までと同じようにジャンプができなくなってきますので、高いキャットタワーに乗れなくなることがあるので、台を置いてあげるなどの配慮が必要になります。

歯や顎の力が弱くなる

老猫になってくると、歯周病や口内炎にかかる猫がいます。歳をとることで硬いフードが食べられなくなり、柔らかいものを食べるようになることで歯垢がつきやすくなるのが原因です。歯の健康を保つために歯磨きに慣らしておくようにしましょう。

餌を食べないことがある

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猫になるとご飯を食べなくなることがありますが、これは代謝の低下により以前よりもお腹がすかなくなることが理由のひとつです。

他の理由は、嗅覚の低下により匂いを感じることができなくなることも食欲が落ちる原因です。また、食べ物を飲み込む力も落ちてしまうことも影響しています。

内臓の働きが衰えて便秘がちになる

歳を取ると腸の機能が低下することによって、便秘がちになる猫がいます。若い頃と比べると運動量が減るのも便秘の原因のひとつだと考えられます。

便秘解消のためにお腹のマッサージや、水分を適度に飲ませる工夫などを飼い主さんがしてあげることが必要になってきます。

足腰が弱って足がふらつく

猫は歳を取ると足腰が弱くなり、ふらついたり立ち上がるのに時間がかかることがあります。高い場所に飛び乗れなくなったり、走り回れないようになっていきますので、ケガをしないような配慮が必要になってきます。

反応が遅くなる

歳を取るとだんだん反応が鈍くなっていきます。動くのが遅くなったり、若い頃は名前を呼べば走り寄ってきたのに老猫になると呼んでも近寄ってこないなどの変化が見られるようになります。

猫でも人間のように認知症になることがあり、夜鳴きやトイレの失敗などの行動が見られるようになります。

老猫がご飯を食べないときの対処法

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ドライフードをふやかしてあげる

歯や顎の力が弱くなってくると、今まで食べていたドライフードが食べられなくなってきます。また、歯が弱くなって歯周病などが原因で食べるのを嫌がることもあります。

硬いものが食べられなくなってきた猫には、ドライフードをふやかして柔らかくしてあげるといいでしょう。フードをふやかすときの注意点は、熱湯を使用しないことです。熱湯をかけることで、フードに含まれている栄養が失われてしまうことがあります

そして、ふやかしたときに使ったお湯には栄養素が溶け出していることがあるので、そのお湯も猫に飲ませるようにしましょう。

また、猫用のウェットフードを取り入れるのもひとつの方法です。フードを少し温めると匂いが立つので食欲が出ることがあります。

猫用のふりかけを使ってニオイを強くする

猫はご飯を食べる時、匂いを嗅ぐことで食欲が出ます。

しかし、老猫になると嗅覚が衰えてくるので若い頃より食欲が落ちることがあります。老猫の食欲をそそるために、フードの上に猫用のふりけかやチキンスープなどをかけるといいでしょう。

少量にして食事回数を増やす

老猫は若い頃と比べると運動量が減るので、若い頃と同じ量を食べさせていたら肥満になってしまいます。

食事量は年齢や体重などに加えて、運動量を考えて決めなければなりません。肥満になると体重が増えて関節に負担をかけることや、肥満から病気にかかる恐れがあります。老猫用にカロリーや栄養が計算されたフードが売られていますので、このようなものを取り入れていくといい/span>でしょう。

手作りご飯を作る

できるだけ栄養を摂らせて健康を維持するために、手作りのフードを与える方法もおすすめです。ただし、猫には食べさせてはいけない食材がありますので、それをしっかり勉強してからにしましょう。

流動食に変える

ドライフードをふやかしたものが食べられなくなってきたら、流動食を与えるようにします。市販で猫用の流動食がありますが、普段食べさせているフードで作ることも可能です。

フードをミキサーやすり鉢で細かくして、味付けをしていないチキンスープやぬるま湯を加えてよく混ぜます。食べさせる時は、少しずつスポイトやシリンジを使って口の横から与えましょう。

老猫の便秘解消法 吐くほどひどい場合どうしたらいいの?

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フードを変えてみる

猫は歳をとると腸の動きが鈍くなるため、便秘がちになる子がいます。便秘が続くと食べたものを吐いてしまう場合もあるので、できるだけ早く便秘を解消する必要があります。

便秘を解消するためには、フードを変える方法があるので、変える時は獣医師に相談してからにするといいでしょう。

お腹をマッサージしてあげる

便秘の原因として、腸の機能が低下していることが考えられますので、猫のお腹のマッサージをすると便秘解消が期待できます。

飼い主さんの手のひらをお腹に当てて、優しくマッサージをするといいでしょう。また、肛門を軽く叩いて刺激するのも効果が期待できます。それでも効果が出ない場合は動物病院に受診しましょう。

老猫を預けるホームとは

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猫を飼う時は最期まで面倒をみようと思って迎える人が大半ですが、飼い主さんが病気やケガをしたり飼い主さん自身も高齢になって猫と一緒に暮らせなくなることもあるでしょう。そうなった場合は、お互いの健康や介護を考えなければならなくなります。

老猫ホームとはどんなところ?

人間の老人ホームと同じように、老猫を預けることができる「老猫ホーム」という施設が存在します。

そこにはペットシッターやペット介護士の資格を持ったプロが猫の世話をしてくれます。全国にはさまざまな施設がありますが、その中で愛猫に合ったところを選んであげるようにしましょう。

老猫ホームを選ぶポイント

老猫ホームを検討している場合、大事な愛猫を預けるのですから慎重に選びましょう。多くの施設は見学ができますので、実際に自分の目で確認して職員さんに気になることを聞いて納得して決めるようにしましょう

インターネットで施設の写真付きで紹介しているとこもありますが、可能なら自分の目で確認するといいでしょう。

施設によっては猫同士の相性で部屋決めをする、猫の健康を考えて脱走防止策をしっかり取っているベランダで外気浴ができるとことなどもあります。
また、預けるときにかかる費用や、預けている間に猫が病気になったときの対応、面会は可能なのかなど、気になることを確認しておくことが大切です。

老猫と暮らすために気をつけること

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寝床・トイレなどをはじめとした生活環境を見直す

老猫になってくると、今までできたことができなくなってくることがあるので、それに対処していくことが大切になってきます。

例えば、トイレの失敗をしたことがないのに、粗相をしてしまうなどです。
その原因として痴呆が出てくることやトイレをまたいで中に入るのが困難になったなどが考えられます。

対策として、今まで使用していたトイレから100円ショップなどで売っている浅いカゴに変えてまたがないで済むようにしてみましょう。

また、トイレのまわりにペットシーツを敷くなどして対策するのもおすすめです。いつも寝ているベッドの隣にトイレを置いてあげるのもいいでしょう。
ただ、猫は環境の変化を嫌う動物なので、トイレやベッドの場所を変えるのは様子を見ながら行いましょう

猫は歳をとると足腰が弱ってきて、高い場所に飛び乗る跳躍力も衰えてきます。猫は高い場所が好きなので、老猫でもキャットタワーに登りたい気持ちはあります。高い場所に登れるように台を置いてあげるといいでしょう。

また足腰が弱り、床がフローリングだと滑って関節を痛めてしまう恐れがありますので、カーペットを敷いて滑りにくくしてあげるのも大切です。

また、見落としがちなのがご飯を置く場所の高さです。歳を取ると食べ物を飲み込みづらくなるため、食べ物を喉に詰まらせてしまう恐れがあります。ご飯を入れた器を床に置くと、食べるときに首を曲げて食べなければならないため、食べにくいものです。

また、かがむことで足腰に負担をかけることにもなってしまいます。老猫が首を曲げずにご飯が食べられるように、器を台の上に置いてあげるといいでしょう。

ブラッシングや歯磨き・爪切りをこまめにする

老猫になると若い頃のように、頻繁に毛繕いをしなくなっていく場合があります。そのため、毛並みが悪くなったり艶がなくなってきます。

猫が皮膚病にかからないように飼い主さんが普段から気をつけてあげることが必要です。定期的にブラッシングをして、身体に触れるようにすることで皮膚に異常がないか、痩せ過ぎていないかをチェックすることもできます。普段と変わることがあったら早めに動物病院を受診しましょう。

爪とぎに関しては、若い頃は日に何度も爪とぎをしていたのにあまりやらなくなることがあります。そうなると、爪がどんどん伸びてきてしまい、爪が肉球に刺さってしまう恐れがあります。

また、カーペットなどに爪を引っ掛けてケガに繋がる恐れがあるので、こまめに爪切りをしてあげましょう。猫は爪切りを嫌がる場合が多いので、子猫のうちから爪切りを定期的に行うことで慣らしておきましょう。

老猫になると、歯が弱くなるので歯周病になりやすくなってしまいます。歯周病が進行するとご飯を食べなくなって身体が弱り、免疫力が低下して病気にかかりやすくなります。そのため、歯の健康維持も重要となってきます。普段から歯磨きに慣れさせておき、歯磨きをする習慣をつけておくといいでしょう。

水を数カ所に置く

猫はあまり水を飲まない動物なので、若い頃から猫が水を飲むようにさまざまな工夫が必要です。特に老猫になると寝ている時間が増えることや、足腰が弱るため動くことを嫌がってますます水を飲まなくなることがあります。

水を飲まないと腎臓病にかかるリスクが大きくなってしまいますので、水の器をベッドのそばに置くなどして水が飲める環境を整えてあげましょう。
また、猫がいつも歩く動線上の何箇所かに水を置くと、移動のついでに水を飲んでくれることがあります。水を飲んでもらうためには、常に新鮮な水を用意しておくことが必要です。

老猫との穏やかな暮らしを充実させよう

若い頃はいつも走り回って遊んでいた猫が、老猫になると1日の大半を寝て過ごすようになります。年老いた姿を見るのは辛いですが、愛猫のお世話をすることで今まで以上に絆を強く感じることができることでもあります。

猫のお世話をできるのは飼い主さんですが、飼い主さんだけがすべてを抱え込む必要はなく、ときには獣医さんやペット介護士さんの力を借りながらお世話をすればいいのです。わからないことはプロに相談して、無理せず愛猫と暮らしていきましょう。

老猫のお世話は大変な面もありますが、愛猫との触れ合いながら穏やかでゆったりとした時間を過ごせるといいですね。