犬にスイカをあげて大丈夫?与え方の注意点やスイカがもたらすメリットとは

犬にスイカをあげて大丈夫?与え方の注意点やスイカがもたらすメリットとは

夏が旬の野菜、スイカ。人間が美味しくスイカを食べているのを見ると、スイカを欲しがる犬も多いのではないでしょうか。スイカは適量を守れば、犬に与えて大丈夫な食物のひとつです。スイカには、犬の健康につながる成分が豊富に含まれています。その反面、スイカを控えた方が良い場合もあり、注意が必要です。犬にスイカを与えるメリットと、スイカをあげる際の注意点をご紹介します。

健康体の犬はスイカを食べて大丈夫!そのメリットとは

健康体の犬に関しては、スイカを与えて問題ありません。スイカには、犬の健康につながる成分も豊富に含まれています。その詳細を見ていきましょう。

基本的に犬はスイカを食べていい

果物など糖分が多く含まれるものは、犬にたくさん与えることは好ましくありません。しかしスイカは、比較的糖分が少なく、水分量が多くを占めます。適量を守れば、健康体の犬にスイカを与えても問題ありません。

ただし、スイカを与える際に塩を振るなどの、味付けをすることは控えましょう。人間がちょうど良いと感じる味覚は、犬にとって過剰である場合がほとんどです。スイカを与える際は、あくまで素材そのものを与えるよう心がけましょう。
犬にスイカをあげて大丈夫?与え方の注意点やスイカがもたらすメリットとは

健康につながる成分も豊富に含まれている

スイカに含まれる犬の健康につながる成分として、主に次の3つが挙げられます。順番に見ていきましょう。

ビタミン

スイカにはビタミンCが豊富に含まれています。人間と同様に、犬にもビタミンCは必要な栄養素です。ビタミンCは、主に骨の形成やコラーゲンの生成に役立ちます。不足してしまうと関節や軟骨の故障の原因になったり、免疫力が低下して傷の治りが遅くなったりする危険性があります。

犬は本来、体内でビタミンCを合成できるため、食物からの摂取は必要ないとされてきました。しかし、犬が体内で合成できるビタミンCの量には限界があることに加えて、高齢やストレスが原因により多くのビタミンCが必要となるケースも考えられるのです。そのため、スイカからビタミンCを補給することは、犬の健康の助けになるといえるでしょう。

カリウム・水分

スイカに含まれる「カリウム」は、夏に起こりやすい脱水症状の解消を助長します。脱水症状とは、体内の水分が不足してしまっている状態のことをいいます。このとき、水分と一緒にカリウムも体内で減少してしまうため、症状の回復には水分とカリウムを補給する必要があります。スイカの90%以上は水分であるといわれており、カリウムと同時に豊富な水分を補給できるスイカは、夏場にぴったりの食物といえるでしょう。

リコピン

スイカの赤い色素の元になる「リコピン」も、犬の健康につながる成分のひとつです。リコピンには抗酸化作用があります。抗酸化作用は身体の老化を早める活性酸素を除去し、老化防止の効果が期待できます。市販されているドッグフードにリコピンが含まれていることは少なく、スイカやトマトなど、素材から摂取すると良いでしょう。

犬にスイカをあげる際の注意点5つ

犬の健康につながる成分が含まれているスイカですが、犬に与える際には注意しなければいけない点がいくつかあります。本来健康に良いものでも、与え方によっては逆効果になってしまう場合があります。主な注意点5つについてご紹介します。
犬にスイカをあげて大丈夫?与え方の注意点やスイカがもたらすメリットとは

犬にあげる際はスイカの皮や種は取り除こう

スイカの皮や種は消化に悪いため、取り除きましょう。少量与えてしまっても、便として排出されるので心配ない場合がほとんどですが、稀に粘膜を傷つけてしまうケースもあります。特に小型犬の場合は体格と併せて臓器の作りも小さく、そのリスクが高まります。皮を取り除き、種も丁寧に取り除いて与えるよう心がけましょう。

犬にスイカをあげすぎると下痢や吐く原因に

スイカの90%以上は水分といわれており、加えて食物繊維も豊富に含まれます。そのため、大量に摂取するとお腹がゆるくなり、下痢の症状が出る場合があります。加えて、犬は本来野菜や果物の消化が苦手とされており、消化不良で吐いてしまうこともあります。スイカに限らず、野菜や果物を一度に大量に与えることは控えましょう。また、スイカを冷やして与えた場合、冷えによるお腹の不調も考えられます。できるだけ常温のものを適量あげることが大切です。

スイカの適量は、犬によって個体差があります。便の硬さや回数の状態を見て、都度調整しましょう。

犬がスイカにアレルギーを持つ可能性もある

スイカに対してアレルギー反応が出てしまう犬もいます。主なアレルギー反応として、次のようなものが挙げられます。

・嘔吐
・下痢
・目が充血して目やにが出る
・皮膚に炎症が出る
・くしゃみや鼻水が出る

スイカはウリ科の食べ物です。キュウリやメロンなど、同じウリ科の食物にアレルギーがある犬には、スイカは与えない方が良いでしょう。ウリ科全ての食物にアレルギーが出るとは限りませんが、アレルギーの可能性が高くなるのです。

どの食物に対してもいえることですが、スイカを与えて少しでも体調に変化があった際は、獣医師に相談しましょう。

肝臓病を抱える犬にはスイカを控えよう

スイカに含まれる「β(ベータ)カロテン」は、犬の体内で「ビタミンA」に変換されます。ビタミンAは、過剰摂取すると中毒症状を起こす可能性があるビタミンのひとつです。中毒症状の例として、下痢や嘔吐、めまいなどが挙げられます。この中毒症状に一層の注意が必要なのが、肝臓病を抱える犬です。ビタミンAの中毒は、肝臓に大きな負担を与えるため、もともと疾患を抱える身体にさらなる負担を与えてしまいます。肝臓病を抱える犬にスイカを与えることは控えましょう。

高血糖や糖尿病にも注意が必要

他の果物に比べて控えめとはいえ、スイカにも糖質が含まれています。高血糖や糖尿病の犬にとって、糖質の摂取は良くありません。スイカを与えることは少量でも控えましょう。
犬にスイカをあげて大丈夫?与え方の注意点やスイカがもたらすメリットとは

犬の好き嫌いでスイカを食べないことがある?

犬にも食べ物の好き嫌いが存在します。スイカを食べたがらない犬もいるでしょう。犬が好き嫌いをする理由として、匂いや味が好みでなかったり、食べづらかったりすることが考えられます。また、他の食べ物が欲しくて、あえて目の前の食べ物を食べないようにする犬もいます。スイカを食べないことは大きな問題ではありませんが、犬が食べやすい大きさに切り分けてあげることや、目の前で飼い主が美味しそうに食べることで、犬も食べ始めるケースがあります。

そして、スイカに関して嫌な思い出がある犬も、スイカを食べたがらない場合があります。スイカを食べた際に痛い思いをしたり、大きな物音に驚いたタイミングと重なったり、スイカと嫌な思い出を関連付けてしまっていることも考えられるのです。

犬がスイカを食べたがらない場合は、犬の様子をよく観察し、コミュニケーションを取ると良いでしょう。

愛犬の健康状態を見極めて、旬のスイカを一緒に楽しもう!

愛犬と一緒に旬の食材を楽しめることは、飼い主にとって嬉しいコミュニケーションのひとつではないでしょうか。それが犬の健康にもつながるのであれば、その喜びはひとしおです。犬にとっても、飼い主が一緒に楽しそうにする様子は幸せなもののはずです。犬の健康状態によって、適する食物は異なります。愛犬の健康状態や日々の様子をよく観察し、食を通したコミュニケーションを楽しみましょう!