お世話がしやすく飼いやすいと注目のチンチラは、メディアにも出るようになり、さらに人気が急上昇しています。モフモフした美しい毛が特徴で、人間に懐きやすいというのも人気の理由です。ここでは、チンチラの飼い方を中心に、購入したほうがいいもの、飼う時の注意点など詳しくご紹介します。
目次
チンチラってどんな生き物?
チンチラとは
チンチラはネズミの仲間で「げっ歯目チンチラ科チンチラ属」に属しています。柔らかくて美しい毛をもつチンチラは、最近「珍ペット」としてメディアでも取り上げられるようになり、ペットショップでも見かけるようになりました。
カラーバリエーションが豊富で人に懐きやすく、病気にもなりにくいと言われています。
チンチラの特徴
生態
チンチラは意外と大きく、尻尾も含め25~35cmの体長があります。体重はオスが400~500g、メスが500~600gあります。集団生活を営む動物で、子どもから大人チンチラまで集まって群れを作っています。
毛色はグレー、ホワイト、ベージュ、バイトレット、ブラックなど様々で、ゴージャスな触り心地が魅力です。
匂い
チンチラは体臭がほとんどない動物です。ケージの中の掃除や排泄物など、マメに手入れをすることでニオイも気になりませんし、鳴き声も大きくありません。「動物のニオイが苦手」という人にもおすすめですよ。
習性
チンチラは、なんでもかじる動物です。そのため、観葉植物や電気コードには別の部屋に移動したり撤去するようにしてください。
そして、チンチラはしつけのできない動物で、怒ったとしても怖がるだけで、効果がありません。犬のようにトイレトレーニングもできず、トイレを教えても覚えないので、無理に行う必要はありませんよ。
平均寿命
チンチラの平均寿命は長く、10~15年といわれています。長生きするチンチラは、25年も生きるようです。
チンチラを飼う前に用意するもの
チンチラを自宅で飼うとなったら、チンチラが心地よく住むための環境を整える必要があります。チンチラを飼うために必要なものをチェックしましょう。
ケージ
ケージは、チンチラの家のことです。大人になると、体長40cmほど大きくなりますが、それでも動き回れる大きさのものを選ぶようにしましょう。
ケージには、猫用のキャットタワーのようなものが付いているものもありますが、誤って落ちてしまうと、怪我をする恐れがあります。
また、チンチラは身体がすごく小さいので、ケージの網目が広いものだと、脱走する可能性もあります。チンチラ用のケージがベストですが、ケージの広さ、高さ、網目の大きさを考えて選ぶようにしましょう。
【SANKO】イージーホーム ハイ・メッシュ
チンチラなど、運動量が多く上下運動を好む小動物用のケージです。他のケージに比べて高さがあり、扉は大小の二重構造となっています。
天井が大きく開くので、飼育用品を入れやすく、お手入れもしやすいでしょう。ワイヤーは20×20mmの細かいメッシュとなっており、脱走の心配もありません。
- ケージ空間内サイズ:横560×高さ640×奥行420mm
砂場
チンチラにとって、砂場は欠かせないものです。砂場に転がることで毛の汚れや体のべたつきを綺麗にして、モフモフな毛を保ちます。他の動物にとっては、水遊びと同じですね。
砂はチンチラ用の目の細かいものを使用するようにして、こまめに新しいものに交換してください。チンチラは私たちが想像する以上に綺麗好きの動物です。毎日5~10分ほど砂場で遊ぶようにするのがおすすめです。
【SANKO】チンチラサンド
チンチラ用の砂です。密度の高いチンチラの毛にピッタリの、細かな粒子の粒砂となっています。天然鉱物の微粒子によって、チンチラの毛皮、ニオイ、肌の汚れを吸着して落としてくれます。
- 内容量:1.5kg
回し車
ハムスターの飼育でお馴染みの「回し車」です。チンチラは回し車で走ることによって、運動不足を防ぎストレスを解消します。回し車のサイズは、成長した時のことを考えて、少し大きめのものを選ぶといいでしょう。
メタルサイレント
チンチラなどの小動物に対応した、直径32cmの回し車です。ベアリングシステムを採用しており、回転軸部の金属がこすれ合う音が静かになり、カラカラという音も気になりません。
ステップ
ステップとは、ケージに取り付ける木の板のことで、ケージの中でステップに飛び乗って遊べるようになっています。木製のものだと、遊ぶと同時にかじって歯を削ることもできます。
【SANKO】木製チンチラステージ
ケージの内部でスペースを有効活用するためのステップです。複数組み合わせて階段のように設置することもできます。ボトルを差し込むだけで簡単に設置することができますよ。
床材・すのこ
ケージの床には、床材やすのこを敷いてあげましょう。チンチラはよく運動するため、足に負担がかかります。そのため、床材やすのこを使い、足の負担を軽減してあげましょう。
【SANKO】イージーホーム80シリーズ用 樹脂休足フロアー
ケージに設置できる、樹脂休足フロアです。動き回って疲れた足を休ませてあげることができます。購入前には必ずサイズの確認をしてくださいね。
チンチラストーン
チンチラの歯は、生きている限り伸び続けます。そのため、何かをかじることで歯の長さを調節しているのです。野生のチンチラの場合は、自然にある草・木をかじって歯を削るので、かじるものがないと家の中の柱などかじり跡がたくさんついてしまいます。
【SBSコーポレーション】チンチラストーン
チンチラ専用のかじり石で、歯の伸びすぎ防止やストレスの解消に効果があります。かじるだけで、天然ミネラルの補給にもなると言われているほどです。
巣箱
チンチラは暗く、狭いところが好きです。ケージの中に巣箱を用意して、ひとりでゆっくり落ち着ける場所を作ってあげましょう。
【SBSコーポレーション】ハウス巣箱
かじっても無害の木製ハウス巣箱です。釘、防カビ剤、防虫剤、防腐剤も未使用で、安全に使用することができます。側面にはヒーター用のコード穴を設置しているので、温めることもできます。
エサ入れ・給水器
エサ入れは、金属製や投機性で重さがあるものを選ぶようにしましょう、暴れて倒してしまう心配もないですし、かじって誤飲を防ぐこともできます。
また、給水器はケージの外に取りつけて、ストローのように中から飲めるようになっているものです。給水器も飲み口は金属製のものを選び、外側のボトルもガラス製のほうが安心ですね。
【SBSコーポレーション】ガラス製ボトル
■引用:sbspet.com
ケージに取り付けやすい、小さめサイズのガラス製ボトルです。飲み口は金属となっており、かじる心配もありません。バネが付属品として入っており、しっかりケージに取り付けることができます。
チンチラの飼い方のポイント
生活リズムを作ろう
チンチラは夜行性の動物です。しかし、食事や睡眠、遊びの時間を決めて一定の生活リズムを作り、規則正しい生活を送らせてあげることが大切です。
チンチラを中心とした時間を作り、それに合わせるように生活することで、ストレスなく過ごすことができます。
運動できる環境を整えよう
チンチラは活発に動き回るため、運動量が多い動物です。そのため、ケージの中でもしっかり運動できる環境を整えてあげましょう。
ケージも大きいサイズのものを用意し、回し車を置いてあげるのもいいでしょう。定期的にケージの外に出してあげるのもいいですね。ただし、誤飲になるような小さなものは周りに置かないようにしてください。
部屋の温度・湿度を一定にしよう
チンチラは毛が多い生き物で、肌触りもモフモフしています。皮膚にあるひとつの毛穴から、70~80本もの細い毛が生えているため暑いのは苦手です。野生のチンチラは、気温が低いところに生息しているますので、部屋もチンチラが過ごしやすい温度にしましょう。
気温が高い日夏は、23度を目安に冷房で調節してください。特に暑い日には、少し低めに設定しましょう。また、チンチラは寒さに強いので基本的に暖房は必要ありません。
そして、温度だけでなく湿度にも注意をしましょう。湿度が高いと、毛がまとまったり絡まったりと、病気やストレスの原因となるので、除湿機、エアコンの除湿機能を活用するなどして気をつけてください。
チンチラとの接し方をあらかじめ把握しておこう
チンチラは人間に懐きやすい動物ですが、慣れないうちは無理して触れ合ってはいけません。まずは、環境に対する警戒心をなくすことが大切なので、その間は触らないようにしましょう。
その後、少しずつ接するようにし、撫でさせてくれるようになったら、手のひらの上におやつやかじり木、エサを乗せあげましょう。慣れてくると、抱っこしながらおやつ、エサをあげられるようになりますよ。
さらに、身体に飛び乗ってきたり、「遊んでほしい」と催促するようになるでしょう。
おすすめ!チンチラの飼い方の本
チンチラに関する飼い方の本は、2017年に発売された『チンチラ飼育』が有名です。15年ぶりに発売されたチンチラ飼育本と言われており、チンチラ愛好家の中では評価の高い1冊です。
『チンチラ完全飼育』
「チンチラの飼い方のバイブル本」と言われる本です。チンチラに関することが細かく書かれており、チンチラの迎える準備から住まい作り、飼育グッズ、ケージのレイアウト、食事、コミュニケーションの取り方、健康管理など、チンチラに関して知りたかったことが詳しく網羅して書かれています。
チンチラを初めて飼う方だけでなく、すでに飼っている方にもおすすめです。
チンチラを飼う時の注意点
必ず「ペット可」の物件で飼おう
ペットを飼うのであれば賃貸の場合、大前提として「ペット可」の物件であるか確認しておくことが大切です。これはチンチラに限った事ではなく、犬も猫も同じです。
ただ、チンチラは小動物なのでハムスターと同様、ケージの中に入れておけば大丈夫と考える人もいるでしょう。しかし、チンチラは運動量が多いため、ケージの中だけでは飼えません。1日1回はケージの外で遊ばせることが大切ですが、その際に室内の壁紙や柱をかじることもあります。
そのため、ペット不可の物件では無理があるので、「ペット可」の物件で飼うようにしましょう。
電気コードに木を付ける
チンチラをケージの外に出し、室内で遊ばせる時には電気コードに気をつけましょう。チンチラはなんでもかじるので、電気コードを誤ってかじると感電し、最悪の場合は死にいたることもあります。
飼育グッズは金属製を選ぼう
チンチラを飼うためのグッズは、購入の際に素材をチェックしておきましょう。金属製のものや陶器製のような、かじることができない素材を選ぶようにすることをおすすめします。
段ボールやプラスチックは与えない
プラスチック製のものや段ボール製のものは、素材が柔らかいためチンチラがかじることが考えられます。かじった破片を飲み込むと大変危険ですので、あらかじめ避けておきましょう。
また、段ボールを飲み込んでしまうと、段ボールに使用されている薬品が有害となることも考えられるので、絶対に与えないようにしてくださいね。
動物病院を探しておこう
チンチラは10年近く長生きする動物で、病気になることもあります。何かあったときにもすぐ診てもらうことができるよう、あらかじめ小動物を診てくれる動物病院を探しておきましょう。
人間に懐きやすいチンチラを飼ってみよう
飼いやすいと人気のチンチラは、小さい動物とは言え運動量が多く、ケージの中だけで1日過ごすことがストレスとなります。そのため、室内で思いっきり運動させてあげる必要もあるので、安全に遊べるための環境を整えてあげることが重要です。
慣れると懐きやすいチンチラは、とても愛らしく可愛いですよね。飼う時には、チンチラの習性や個性、飼い方を理解して、ストレスのないように整えてあげてくださいね。