猫の睡眠時間はなぜ長いの?質の良い眠りをとらせるためにできる5つのこと

猫の睡眠時間はなぜ長いの?猫の睡眠の種類と質の良い睡眠をとらせるためにできること

猫を飼い始めたばかりの人は、猫がよく寝ることに気づいたのではないでしょうか。特に子猫は起きている時間が貴重だと思えるほどよく寝ます。こんなに寝て大丈夫?病気ではないか、と心配になるかもしれません。今回は猫の睡眠について解説していきます。

猫の睡眠について

猫の睡眠時間はなぜ長いの?猫の睡眠の種類と質の良い睡眠をとらせるためにできること

【画像】:ポペットフレンズのアクアくん

猫の平均睡眠時間

猫の名前の由来は、よく「寝る子=寝子」だからだという説があるほど、猫は本当よく寝ます。猫の平均的な睡眠時間は、成猫で14~16時間程で子猫は18~20時間程です。なぜこんなに長く寝るのかというと、狩りをするために体力を温存するためです。

野生の頃の猫は、狩りの際に体力だけではなく頭も使って行動していました。そのエネルギーは相当なものなので、昼間は極力寝てエネルギーを消費しないようにしていたのです。

猫が獲物とする小動物は夜中から朝にかけて行動するため、猫はその時間に合わせて行動します。

猫の睡眠の質

14時間以上も寝る猫ですが、その睡眠は人間のようにノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)を繰り返しています。そして、猫の睡眠のほとんどがレム睡眠といわれる浅い睡眠で、1日60分程度しか熟睡していないのです。

1回の睡眠のうち約7分程度しか深く眠っていないことになります。それは眠っているときに敵が近づいてきても気付けるためです。人に飼われるようになってもよく寝て体力を温存する習性が残っているので、猫は長時間寝るのです。

猫はいろいろな格好をして寝ていますが、寝ているときに足の裏が地面についていたら熟睡していないということです。足を地面につけているときは、何かあったらすぐに逃げられるようにしているのです。そのため、足の裏を地面につけずに寝ているときは熟睡している可能性が高いといえます。

猫の睡眠の種類

猫 睡眠

【画像】:ポペットフレンズの小夏ちゃん(左)

子猫は眠っている時に成長する

1日に20時間程も寝る子猫の睡眠は、単に体力温存や身体や脳の疲れを取るためだけのものではありません。子猫が寝ている時、身体や心の成長を促す「成長ホルモン」が分泌されるため、長い時間寝ているのです。

また、脳の中の情報を整理したり神経が作られるのも睡眠中といわれています。そのため、子猫にはたくさんの睡眠時間が必要なのです。母乳を飲んでいる時間以外はほとんどの時間を寝て過ごしている子猫ですが、子猫の睡眠にはこのような大事な役割があるので、寝ているときはそっとしておいてあげましょう。

老猫は活動量が減るため睡眠時間が増える

猫は9歳を過ぎると、シニアの世代になります。そしてこのくらいの年齢になってくると加齢によって筋力が落ち、活動の時間が減ってきます。

エネルギー効率が落ちてくるので、若い頃よりも眠っている時間が多くなりますが、病気でないなら心配することはありません。餌をしっかり食べて、排泄も普段通りであれば大丈夫ですので、寝ているときは静かにしてあげましょう。

ただ、人に見つからないように身を隠すようにして寝ている場合や、食欲がないときは病気の可能性があるので動物病院へ連れて行くようにしましょう。

普段から飼い主さんが様子を観察しておくことが大切です。

夜行性の猫が飼い猫になったら夜眠る?

野生時代の猫は、夜に狩りをしていたため昼間は寝て夜は活動していました。しかし、人に飼われるようになると、自分で狩りをして餌を調達する必要がなくなりました。

また、飼い主さんが寝ている夜中は遊んでもらえないし、餌ももらえないため、夜中に起きている必要はありません。そのため、飼い猫は飼い主さんの生活のリズムに合わせて生活をしていくことで、夜中は寝るようになるのです。

猫は夜行性だから、と気にされる飼い主さんがいるかもしれませんが、猫は1日の大半を寝ているので人間の生活のリズムに合わせてもさほど問題はありません。

猫の睡眠 寝相と寝方の理由

猫 睡眠

【画像】:ポペットフレンズの空くん天くん

猫同士くっついて寝るのはどうして

猫を複数匹飼っているお宅では、猫同士がくっついて寝る姿が見られるでしょう。これは、猫同士が身体をくっつけることでお互いの体温で温まっているのです。夏には見られない光景ですので、寒い時限定の微笑ましい姿です。

身体を密着させるのは、相手を信頼している証拠でもあります。そのため、仲が悪い猫同士はくっついて眠ることがないのです。もしも猫が飼い主さんにくっついて寝ているとしたら、飼い主さんのことを信頼して大好きだからなのです。

お腹を上にして寝ている

猫は警戒しているときにはお腹を見せることはありません。「へそ天」と呼ばれるお腹上にして身体を広げて寝るポーズは、安心してリラックスしているときにしかしない寝方です。

丸まって寝ている

猫が丸まって寝ることはよくありますが、これは身体を丸めることによって空気が触れる面積を小さくしていることで、寒さをしのごうとするものです。

また、夏でもこのようなポーズで眠ることがありますが、すぐに起き上がれないポーズであることから、安心して寝ている証拠だといえます。

高い場所で寝る

猫は高い場所が好きですが、それは高いところが敵に襲われにくいことと他の猫よりも自分が優位だというアピールができるからです。また、高い場所からだと獲物を見つけやすいという理由もあります。

飼い猫でも野生の名残から高い場所が好きで、よく上のほうから人間の行動を観察している様子が見られます。

猫に質の良い睡眠をとってもらうためにできること

猫の睡眠時間はなぜ長いの?猫の睡眠の種類と質の良い睡眠をとらせるためにできること

【画像】:ポペットフレンズのうにくん

狭い丸まれる場所を提供してあげる

猫は狭い場所が大好きです。猫の先祖は砂漠で暮らしていましたが、砂漠では砂に穴を掘って寝ていました。暑さを避けるためでもあり、天敵から身を守るために自分しか入れないほど狭い穴の中で過ごしていたのです。

その名残で、猫は身体しか入れないような狭い場所が好きなのです。猫と暮らしていると、なぜわざわざそんな狭いところに入るのかなと思うことがありますが、心地よさそうにしています。

そして、猫は丸まって眠るのが好きなので、猫の身体を包み込むようなベッドやカゴなどを用意してあげると喜んで入って寝てくれます。

高い場所に寝床を用意してあげる

猫は高い場所が大好きです。高い場所を好むのは、高い場所からあたりを見渡せるためです。敵が近づいてきたらすぐに見つけられますし、獲物をいち早く見つけることができます。

また、高い場所にいることで、自分のほうが有利な立場にいることをアピールする意味合いもあります。キャットタワーや、タンスの上など猫が上がってもいい場所を作ってあげることが大切です。

心地よいベッドを用意してあげる

猫の睡眠を快適にするためには、心地よいベッドを置いてあげるのもいい方法です。猫が好むベッドは固すぎず柔らかすぎない素材で、身体を包み込んでくれる大きさのものです。大きさは広すぎず狭すぎないものを選んであげましょう。

そして、ベッドにアゴを乗せられる部分があると、猫は心地よく眠れます。ベッドの縁の部分がちょうどよい硬さである程度の高さがあるものがいいでしょう。

そして、ベッドは季節に合わせて交換するのもいいでしょう。冬は温かい素材で、底の部分にペットヒーターが入れられるものを、夏はサラサラの手触りで快適に眠れるものを用意してあげましょう。

もちろん、1年を通して同じものを使ってもいいのですが、清潔を保つように心がけてあげましょう。

猫は同じ場所でずっと眠ることがありません。室温や気分でそのときどきに寝る場所を変えます。そのような猫の習性に合わせて、部屋の何ヶ所かにベッドを置いてあげるといいですね。

寝ている時は起こさないように

猫の睡眠は長いけれど、実際に熟睡している時間が少ないことはお分かりいただけたと思います。そのため、猫が寝ているときは触ったり声をかけて起こさないようにしましょう。

せっかくの睡眠を邪魔してしまったら猫にとってストレスになってしまいます。寝ている姿はとても可愛くてついつい撫でたくなりますが、我慢です。ただ、爪切りなど起きているときに嫌がるケアは眠っているときにできる場合があります。

そっと足を触ってみて大丈夫そうでしたら、爪切りにチャレンジしてもいいでしょう。もしも嫌がって起きてしまった場合は、無理やり続けずにやめておいてあげてください。

室内を快適な温度に保つ

猫は昔、砂漠で暮らしていたため比較的暑さには強い動物です。しかし、湿気には弱いので日本の高温多湿な夏には注意が必要です。夏の室内は閉め切ってしまうとものすごい高温になり、熱中症になる可能性が高くなります。

猫だけで留守番させるときはエアコンを上手く活用しましょう。ただ、猫は自分で快適な場所を求めて移動してくつろぎます。猫が部屋の室温が寒すぎだと感じたら、廊下へ出るなどしますので部屋を自由に出入りできるようにしておいてあげましょう。

また、猫がエアコンのリモコンをいじったりしないように、手の届かないところに置くようにすることも大切です。

また、冬も室温には充分注意してあげましょう。猫は寒さが苦手な動物ですので、ベッドの中にペットヒーターを入れてあげたり、使わなくなったひざ掛けや毛布を置いてあげるなど防寒対策をしてあげましょう。真冬は出かけるときにはエアコンをつけるなどして、室温に注意してあげてください。

猫の睡眠で注意すべき点

猫の睡眠時間はなぜ長いの?猫の睡眠の種類と質の良い睡眠をとらせるためにできること

不自然ないびきは病のサインかもしれない

猫がいびき?と思われるかもしれませんが、人間のようにいびきをかく猫もいます。ペルシャ猫のように鼻が低い猫種は、甲高い音のいびきをかくことがあります。猫のいびきで注意が必要なのは、不規則なリズムである場合や鼻水が出ている場合です。

このような場合、猫風邪などの病気にかかっていることがあるので動物病院へ連れて行きましょう。

同じ姿勢で長時間寝ていると床ずれする

体調が悪かったり、老猫は同じ体勢のまま長い時間眠り続けることがあります。人間も同じですが、ずっと同じ体勢で寝ていると床ずれを起こしてしまいます。

ひどくなると皮膚が剥がれることもあるので、飼い主さんが定期的に猫の体勢を変えてあげることが必要です。また、ペット用の介護ベッドも市販されているのでこのようなグッズを活用するのもいいでしょう。

愛猫によりよい睡眠をとらせてあげましょう

猫が長く眠る理由はお分かりいただけたと思います。浅い眠りでも猫にとっては大切な睡眠時間なのです。可愛くてついつい触りたくなってしまうのはよく分かりますが、そこは我慢して愛猫によい睡眠をとらせてあげてください。

愛猫に健康で長生きしてもらうためには、心地よい睡眠をとらせる必要があります。いろいろな工夫をして猫ちゃんによい睡眠をとってもらいましょう。

Poppet フレンズ