猫は1日中寝ているイメージがありますが、運動することはあるのでしょうか。子猫のうちは遊びに夢中になって活発的に身体を動かしますが、成猫になったらどれくらい運動するのでしょうか。今回は猫の運動の必要性と猫に運動させるための工夫を解説していきます。
猫と運動について
猫は少しの運動で疲れる
【画像】ポペットフレンズのヴァドスちゃん
猫が獲物を狙う時、短時間で優れた瞬発力で仕留めます。しなやかな身体で素早く動く様子は美しいものです。猫のような肉食動物は瞬発力はあるのですが、持久力についてはそれほどではなく、動くとすぐに疲れてしまいます。
1日に必要な猫の運動量の目安 走り回るより上下運動が重要
猫を遊ばせる時間の目安は1日10~15分程度です。飼い主さんが猫の好きなおもちゃで遊びに誘って相手をしてあげると、運動ができて飼い主さんと猫のコミュニケーションも取れます。
猫は短い距離をダッシュして遊ぶので、意外にすぐ息が上がります。そのため、遊びに満足すると床に寝そべったりして自分から遊びをやめるので、それが遊び終了の合図となります。
猫の運動で必要なのは上下運動です。野生の頃、猫は木の上から獲物を探したり敵から身を隠したりしていました。高い場所が猫にとって安心できるスペースなので、猫を飼うことになったらキャットタワーなどを用意してあげるといいでしょう。
棚の高さを変えて階段のように組み合わせるなど、工夫して猫にとって安心できる場所を作ってあげましょう。
猫が好きな遊び方
猫と遊ぶ時には工夫が必要です。猫はダラダラ遊ぶよりも瞬発力を必要とする遊びが好きなので、おもちゃを使って素早く左右に動かします。猫はおもちゃを捕まえようと素早く左右に動きます。
このとき、ずっと振り続けるのではなく、時々おもちゃを猫に捕まえさせてあげましょう。この遊びは猫にとっては狩りをしているような感覚なので、何回かに1回はおもちゃを捕まえることで狩りに成功した満足感を得られます。
猫は成猫になると運動量が減る
【画像】ポペットフレンズのヴァドスちゃん
猫の運動量を増やすのは飼い主さんの工夫にかかっています。猫は子猫のうちは何もしなくても自らよく遊んでくれます。多頭飼いの場合は特に猫同士でおいかっけこなどをしてたくさん遊んでたくさん寝てを繰り返します。
しかし、猫は2歳頃になると少しずつ動くものを捕まえる遊びをしなくなってきます。また、狩りをしなくてもご飯をもらえるのが分かるので、段々運動しなくなっていくのです。太らないように健康を維持するためには適度な運動が必要なので、飼い主さんが遊びに誘ってあげましょう。
避妊・去勢手術をすると太りやすくなるので適度な運動が必要
猫は避妊・去勢手術をすると太りやすくなります。すべての猫がそうではありませんが、太ってきたらエサの見直しと運動量を少し増やして様子を見ましょう。
猫が運動不足になるとどうなるの?
肥満になってさまざまな病気を引き起こす
猫が運動不足になると肥満が心配されます。肥満になると心臓に負担をかける他、体重が重くなるので関節にも負担がかかります。また、肥満によってさまざまな病気を引き起こす恐れがあるので運動は重要です。
しかし、肥満の猫に急に激しい運動をさせることはやめましょう。関節に負担をかけてケガしてしまうことがあるからです。
関節や筋肉が弱くなる
猫は運動量が少なくなると、筋肉や関節、骨が弱くなり、骨粗鬆症や関節炎を引き起こす場合があります。人間と同じように健康を維持するためには適度な運動が重要です。室内飼いでも充分運動はできるので、飼い主さんがいろいろな工夫をして運動をさせるようにしましょう。
猫の運動量を増やして運動不足を解消する工夫
キャットタワーなど高いところに登る環境を作る
【画像】:ポペットフレンズのボンちゃん
猫は高い場所に登るのを好む動物です。高い場所にいることで安心できるため、キャットタワーを用意してあげましょう。
キャットタワーはいろいろな種類があるので、お部屋の広さや猫の年齢に合わせて選んであげるといいでしょう。
また、キャットタワーには据え置き型と天井に突っ張って固定できるものがあります。据え置き型はさまざまなデザインや大きさがあるので、老猫にはジャンプしなくても登りやすいものを用意してあげるといいでしょう。
そして、多頭飼いの場合はハンモックが多めについているものなど、飼育環境に合わせて選びましょう。
SONGMICS キャットタワー 麻紐
上に登ってくつろげる場所がたくさんあるので、多頭飼いの家庭におすすめです。柱は麻紐が巻いてあるので爪とぎができます。
据え置き型で移動が可能なので、掃除のときなど楽に動かすことができます。また、狭い場所が好きな猫が隠れられるスペースもあるので、中で寝ることもできます。
ワンルームでも高い家具の配置で猫の運動量を増やせる
キャットタワーを置くスペースがないお部屋でも、家具の配置で猫の上下運動が可能になります。高さが違う棚を部屋に置くこと、階段のように家具を配置すれば猫が運動できます。
飼い主さんがおもちゃで遊びに誘う
【画像】:ポペットフレンズの紅ちゃん
飼い主さんがおもちゃで遊ぶ時、おもちゃの動かし方に工夫が必要です。猫の瞬発力を活かした遊び方をすると、猫の運動量をアップすることができます。
そして、同じ動きばかりせず大きく動かしたり、おもちゃを座布団の下に隠したりして、変化をつけて遊びましょう。
猫の中には犬のようにおもちゃを投げると走って取りに行き、くわえて持ってくる遊びができる子もいます。いろいろな遊びをして猫を飽きさせないように工夫しましょう。
元祖 猫じゃらし2本セット
飼い主さんとの遊びにおすすめなのはシンプルな猫じゃらしです。猫じゃらしにはいろいろな種類が売られていて、リボンが付いていたりシャカシャカ音がするものもありますが、飾りがついているものは誤飲の恐れがあるのであまりおすすめできません。
飼い主さんが緩急つけて振ってあげて、猫をどう喜ばせるか、飼い主さんの腕の見せ所です。
自動で動くおもちゃを使ってみる
猫のおもちゃの中にはスイッチを入れると自動でねこじゃらしを振ってくれる電動タイプのものがあります。飼い主さんが忙しくて相手をしてあげられないときなど、活躍してくれるでしょう。
猫壱 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン2
猫じゃらしをセットしておけば、自動で猫じゃらしを動かしてくれます。猫じゃらしの動きは何パターンかあるので、猫を飽きさせません。
一直線に入れる場所の確保
猫が走れるスペースを確保してあげるのは猫の運動に必要なことです。長い距離は必要ないので、一直線に走れる場所を用意してあげましょう。また、階段の上り下りもいい運動になるので、自由に階段で遊べるようにしてあげるといいでしょう。
ひとり遊びできる環境をつくる
猫は飼い主さんと遊ぶのも好きですが、一人で遊ぶのも好きです。そのため、猫が充分に運動できるスペースを作ってあげましょう。そして、一人で遊べるおもちゃを用意してあげると、飼い主さんがお留守の時に一人で遊んでくれます。
おもちゃを選ぶ時には、危険がないものを選ぶようにしましょう。例えば、おもちゃにボタンや小さなパーツが付いているものだとボタンが外れて、飲み込んでしまう危険があります。
また、長い紐が付いているおもちゃは、猫の身体に絡まってしまうことがあることと、紐がちぎれたときにそれを飲み込んでしまう恐れがあります。
多頭飼いで遊び相手をつくる
猫同士で遊ぶのは理想的だと言えます。特に子猫のときに多頭飼いするとよく遊びます。じゃれて取っ組み合いをして遊ぶことで、猫は相手に対する手加減を覚えます。いわゆる甘噛みをすることができるようになるのです。
そして、追いかけっこをして走り回ることで十分な運動ができます。ただし、多頭飼いをする場合は猫の相性があるので、必ずしも仲良く遊ぶとは限りません。次の猫を、迎えるときは先住猫にストレスを与えないように気遣いしてあげることが大切です。
猫を数匹飼うことが難しい場合は、人間が遊び相手になってあげれば問題ありません。猫の健康のためにも飼い主さんが遊びに相手になって、たくさん運動させましょう。
猫の運動量の判断基準
猫の呼吸の速さで判断
猫が運動している時、運動量が足りているか、猫が疲れているかを判断するのは難しいのですが、その判断は呼吸数でできます。猫のお腹を見ると呼吸が速くなっているのが分かります。
猫が遊んでいる時に中断して横になったら、お腹を見てみてください。普段よりも速く呼吸していたら、いい運動ができた証拠です。そうなったら無理やり遊びに誘わないで休ませてあげましょう。
猫自身が遊びをやめて休んだら運動は中止
犬が運動した後に舌を出して、「ハアハア」と息を切らせるような行動をすることがありますが、これを「パンチング呼吸」と言います。これは体内にこもった熱を外に出すために行うものです。
猫はこのパンチング呼吸をすることはあまりありませんが、走り回ったり遊びに夢中になったときに行うことがあります。もし、猫がパンチング呼吸を始めたら遊びは中断して休ませましょう。
愛猫の健康維持・コミュニケーションのためにも遊びに誘おう
猫を飼っている人は、猫と遊ぶのが癒やしの時間なのではないでしょうか。
愛猫の運動不足を防ぐために遊びをしながら運動をさせるのは重要なことですし、一緒に遊ぶことで猫とのコミュニケーションが取れてより一層絆を強くすることにもなります。
猫が遊んでほしそうにしているときは、できるだけ相手をしてあげましょう。愛猫との楽しい時間を過ごしてくださいね。