犬がぶどうを食べてしまった!中毒や腎不全になるというその真意とは

mihoさん(@oichin0301)がシェアした投稿 - 2018年 6月月14日午後8時25分PDT 生後どのくらいから?

人間が食べても平気なのに、ペットに与えるとダメという食べ物は少なくありません。獣医学の観点からみてもまだまだ未知数のものでもありますが、古くから言い伝えられているものは信憑性のある知恵が多いです。今回は犬に与えてはいけないといわれている「ぶどう」との因果関係についてまとめました。
                                    

犬はぶどうを食べてはいけないの?

古くから犬に与えてはいけない食べ物として、チョコレート、玉ねぎなどがよく挙げられますが、実はそれと並ぶほど危険な食べ物として「ぶどう」もあります。

どうして与えてはいけないのか、どのくらいまでなら大丈夫なのか、食べてしまうとどういう症状が出て、どう危険なのか、など細かいことは意外にも知られておらず、愛犬家でも知らない人はうっかり与えてしまうようです。

獣医学も発達してきた現代、ぶどうは犬にとっては非常に危険な食べ物という結論が出ています。その危険性とともに、具体的な症状や対処法などは犬を飼う方なら知っておきたいものです。これから犬を飼い始める方にも必見の情報をお伝えします。

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急性腎不全になる恐れがある!その症状とは

ぶどうを摂取することにより、急性腎不全という状態に陥る危険性があります。急性腎不全とは、腎臓の機能が著しく低下し、体内の血液を含むさまざまな循環物質が正常に巡らない状態に陥ることを言います。

これは命に関わる重篤な状態であり、緊急な処置が求められます。しかし、ペットは言葉を発することができません。できる限り、こちらで状態の変化に気づいてあげましょう。この急性腎不全になった場合、どのような症状が表面化するのか下記にまとめました。

  • 嘔吐・下痢
  • 今まで元気だったのに突然、嘔吐や下痢の症状が見られたら、急性腎不全を疑いましょう。もちろん命に関わらないほどの少量でもこの症状が出ることもありますが、この時点で病院で診てもらうことがベストです。

  • 食欲がなくなる
  • 普段食べるはずのものを口にしない、好物であるものを口に運ぼうとしない、などの症状が見られたら要注意です。これに関しては他の要因も十分考えられるため、判断の難しいところですが、急性腎不全の可能性が疑われるのなら一刻を争います。即座に病院へ行くことを考えた方が良いでしょう。

  • 大量の水を飲む
  • やたらと水を飲みたがる場合は、急性腎不全の症状のひとつである脱水症状が起きている可能性が考えられます。上記の食欲不振が見られ、水ばかり飲んでいる場合はひとまず病院で受診しましょう。暑い時期などは夏バテだと侮っていると大変なことになります。

  • いつもより元気がなくぐったりしている
  • これも判断がつきにくいものですが、そもそもぐったりしていたら他の病気の可能性も考えて病院へ受診したほうが無難です。意識混濁などになっていると腎不全でもかなり末期の症状で危険です。

ぶどう中毒になってしまう!その症状とは

ぶどうに含まれている何かの成分が、犬をぶどう中毒に陥れてしまうようです。明確な成分は現在のところ不明のままですが、ぶどう中毒の報告例の数を踏まえても、愛犬家の中では十分に危険な食べ物だと認識されているようです。実際にぶどう中毒になってしまった場合、どのような変化に気づくべきなのか、以下にまとめました。
犬がぶどうを食べてしまった!中毒や腎不全になるというその真意とは

  • 呼吸が荒くなってくる
  • ぶどうの成分により、腎臓などの機能低下などが見られ、脱水症状などから呼吸が荒くなります。また体温調整がままならなくなり、舌を出して体温を調節する犬はこの症状が顕著に現れます。

  • 意識が朦朧としている
  • 動くものや普段から愛用している玩具などに反応しない、こちらの声掛けなどに対して反応が薄いなどが見られたら、すでに意識が朦朧としている状態かもしれません。危険度が高いため、一刻も早く病院へ行きましょう。

  • おしっこの量が減っている
  • 中毒によって腎機能が破壊され、体内で尿が作られなくなっている可能性があります。こうなると体内の毒素を排出できず、さまざまな内臓の機能障害が出ることになり危険です。最悪の場合死に至る深刻な状態ですので、すぐに病院へ行きましょう。

  • 脱水症状がみられる
  • やたらと水を飲み出したり、普段食べる食事を食べず、全体的な動きがスローになっていると、脱水症状の可能性が見られます。この段階ではぶどう中毒なのかは判断しづらく、他の要因の可能性も考えられますが、症状が軽くない場合は病院への受診を考えましょう。

犬はぶどうをどのくらい摂取すると中毒になるの?

危険な食べ物のひとつとしてメジャーとなっているぶどうですが、具体的にどのくらいまでは食べても大丈夫なのか気になりますよね。

犬は甘くフルーティーな香りには敏感で、人間がそのような香りのするものを食べていると欲しがることがあります。これに飼い主は堪らず「少しなら大丈夫かな」と与えてしまうことが多いようです。

ぶどうの摂取量は一粒であれば大丈夫?

結論から言うと、摂取する量は犬の体重などによって変わります。研究の結果、現状分かっているのは体重1kgの犬に対して、生のぶどう30gが危険な量といわれています。レーズンの場合は、危険な成分が凝縮されているのか10gでも危ないようです。なので、子犬であれば一粒でも十分に危険な量です。与えないに越したことはないでしょう。

症状が現れる時間

具体的な症状が表面化するのは、早くて2時間といわれています。食欲がなくなり、ぐったりとした感じになり、嘔吐や下痢が見られたらほぼ確定でしょう。ぶどうをうっかり摂取できてしまう環境ならなおさらです。何より症状が出る前に「ぶどうを食べてしまった」という事実がある時点で病院へ行っておいた方が無難です。

加工品でも食べさせないで!

上記にもありますが、レーズンなどは生のぶどうより危険なようです。よく症例に聞くのは「レーズンパンなどを食べてしまった」というもので、人間がおいしそうに食べているものを欲しがってあげてしまったという結果が多いとされています。

少量でもぶどうが入っていそうなものなども要注意です。お菓子などはもってのほかで、なるべく与えないようにしてください。

血糖値が下がっている犬にブドウ糖を与えている場合は大丈夫?

子犬に多く見られる低血糖症の治療のひとつとして、ブドウ糖の点滴などがあります。低血糖症自体は命に関わる非常に危険な症状で、自宅での応急処置としてガムシロップの投与なども広く知られています。

ブドウ糖をあげてるんだから「ぶどう」をあげても大丈夫じゃない?という安易な考えは通用するのでしょうか。ブドウ糖とぶどうの因果関係から調べてみました。

ブドウ糖とは

そもそもブドウ糖がブドウ糖と呼ばれるわけは、ぶどうの甘み成分のほとんどがこのブドウ糖と呼ばれている糖分であることのようです。人間も犬も同じく脳の働きに重大な役割を担っています。

ブドウ糖とぶどうが同一というわけではなく、単純にぶどうに多く含まれているから名前の由来になったようです。もちろんぶどうには、このブドウ糖以外にもさまざまな成分が含まれており、ブドウ糖だけでは身体に深刻な被害はもたらさないようです。

ブドウ糖は犬の体調管理をしてくれるもの

ブドウ糖は非常に吸収効率が良く、人間と同じく犬も舌から十分な量を吸収することができます。ブドウ糖が必要な犬には、舌の上にガムシロップを垂らすだけで応急処置になるほどです。

しかし、ぶどうを与えることとこれは全く別のものです。そしてこれはあくまで応急処置のため、低血糖症などが見られる場合は病院への受診を絶対にしましょう。

用法用量を守ろう

もちろんガムシロップも無く、どうにかぶどうで代替できないか、という緊急事態もあるかも知れません。その場合は上記に示した危険量に至らない量を与えるのも、もしかしたら効果があるのかも知れません。

しかし、犬にとって害のあるぶどうの成分はまだまだ未知数であり、どのような弊害があるのかがハッキリと分かっていません。低血糖症も危険な状態ではありますが、ぶどう中毒も十分に危険な症状です。どちらかを選ぶという状態なら、迷わず病院への受診をおすすめします。

犬がぶどうを食べてしまった場合の対処法はすぐに病院へ行くことがすべて!

万が一ぶどうを摂取してしまった場合、何であれ病院へ行くことが先決です。ペットを獣医院に連れて行くことは、慣れていない人にとって大変なことだと思いますが、愛犬のことを考え早めの受診をしましょう。

少しでも異変を感じたら素人の知識で対処しようとせず、獣医師に相談してください。言葉による意思疎通ができないからこそ、ちょっとした状態の変化に気付けるようにしておくのが万全ですね。