ミニチュアダックスフンドはとても人気がある犬種のひとつです。しかし、よく性格を知らないとお互いにストレスになってしまうこともあるでしょう。基本的には飼い主に甘たがりな性格ですが、ミニチュアダックスフンドは3wつの種類にわかれており、種類によっても性格が違ってきます。今回は性格の違いや飼うときの注意点をご紹介いたします。
目次
ミニチュアダックスフンドの歴史
狩猟犬の歴史
ダックスフンドはドイツ原産の犬種です。巣穴の中にいるアナグマを捕まえるために、足を短く改良されました。
19世紀ごろになるとアナグマだけでなく、ネズミやアナウサギなどアナグマよりも体の小さな動物を捕まえるためにミニチュアやカニヘン(ウサギの意味)といったこれまでより体の小さなダックスフンドが誕生しました。
名前の由来
ダックスフントの名前の由来はアナグマという意味のダックス(Dachs)と、犬という意味のフント(Hund)を合わせたものです。フントという言い方はドイツ読みであり、英語読みの場合はフントがフンドとなります。
ダックスフンドのサイズ
ダックスフンド は大きい順からスタンダード、ミニチュア、カニヘンと3パターンに分かれます。国によってサイズの規定は異なりますが、ジャパンケンネルクラブが定めるサイズ規定は以下になります。中間のサイズがミニチュアダックスフンドになります。
スタンダード
胸囲:35cm以上/体重:約9kg
ミニチュア
胸囲:30~35cm(生後15ヶ月以上)
カニヘン
胸囲:30cm以下(生後15ヶ月以上)
ミニチュアダックスフンドの性格の大きな特徴
甘えん坊
個体差はありますが、人懐っこく甘えん坊な性格が多い犬種です。特に飼い主にはべったりなことが多いです。
勇敢
狩猟犬として名残で勇猛果敢な性格でもあります。個体によっては自分より体の大きな動物にも物怖じせず闘おうとすることさえあります。そのため吠えることも多い傾向にあります。
好奇心旺盛
こちらも狩猟犬として名残ですが、狩猟に似た行動をすることがあります。例えば地面に穴を掘ったり、おもちゃを投げ飛ばしては追いかけたりと狩猟時に行う動きに似た行動をすることがあります。
ミニチュアダックスフンドの性格は毛色や毛質で違う?
ミニチュアダックスフンドは毛色での性格の違いはないでしょう。しかし、毛質によって性格の違いはあるといわれています。ミニチュアダックスフンドは毛質がスムース・ロング・ワイヤーの3つに分かれますが、それぞれ生まれた経緯が違うため、性格の違いが出るようです。毛質によっての性格の違いを詳しくみていきましょう。
ロング・ヘアード
ロングヘアードはツヤのあるふわふわした長い毛が特徴です。スパニエル系の犬種との交配で誕生したともいわれており、ミニチュアダックスフンドの中では最も温厚な性格でです。また陽気で人懐っこく、甘えん坊でな性格でもあります。個体差はありますが他の犬とも比較的仲良く遊ぶことができます。多頭飼いにも向いている犬種といえるでしょう。
スムース・ヘアード
スムースヘアードは毛が短く、硬くて光沢があります。スタンダードダックスフンドを小型化した犬種のため、アナグマ狩りの狩猟犬としての気質が一番強い犬種です。頭が賢く、飼い主の指示に従うことを好み、飼い主やその周りの人以外には甘えない特徴もあります。また自己主張が強いタイプでもあります。
ワイヤー・ヘアード
ワイヤーヘアードの毛はカールしており、粗く硬い毛が特徴です。テリアとの交配で誕生した犬種であり、スムースヘアードよりも気が強く、神経も細やかです。個体差はありますが、自分より体の大きな動物にも物怖じすることなく挑む最も勇敢な犬種でもありますが、他の犬と喧嘩になりやすい面もあります。
ミニチュアダックスはオスとメスで性格が違うの?
上記にあげた毛質だけでなく性別によっても性格の違いがあります。
オス
メスよりも甘える傾向があります。飼い主の姿がみえなくなるとクゥーンと鳴き始たり、常に飼い主のそばにいたがることが多いようです。そんな甘えん坊ですが、メスよりも勇敢な性格もオスの特徴です。また縄張り意識が強いため、メスよりもマーキングをする傾向にあります。
メス
甘えん坊が多いオスに比べると、メスは飼い主にべったりではなく、独立心が強く大人びている傾向にあります。加えてオスよりも穏やかな性格もメスの特徴です。
ミニチュアダックスの感情表現
【画像】:ポペットフレンズのムニちゃん
鳴き声
よく吠えたり鳴いたりするのがミニチュアダックスフンドの特徴でもありますが、鳴き声によってその時の感情を表現しています。
- ワンワン
- クーン
- キャンキャン
- ウォーン
- グルル
この鳴き声は嬉しいとき、警戒しているとき、お願いしているときに共通した鳴き方です。同じ鳴き声でも行動や表情の違いがあるので、普段から鳴き声だけでなく動きや顔にも気を配ってあげてください。
鼻にかかる甘えた鳴き声のときはかまって欲しいときによくする行動です。
耳をつんざくような甲高い鳴き声のときはとても嬉しい場合や驚いた場合によくでる行動です。感情の高まりが鳴き声にも反映されていると言えます。
終了犬の名残もあり飼い主に自分の居場所を知らせているといわれています。
低い声で唸っている場合は警戒して威嚇をしています。この状態の時に近づくと騒がしく吠えたり、噛みついたりすることもあるので注意が必要です。
行動
ミニチュアダックスフンドは好奇心旺盛な性格から飛びついたりすることがあります。適度な飛びつきなら問題ありませんが、飛びつくことが癖になり頻度が多くなると飼い主やまわりの家族だけでなく、関係のない人にも飛びつくようになって迷惑をかけてしまうこともあります。普段から飛びつく癖はしつけで抑えてあげることも必要です。
ミニチュアダックスと相性の良い人
【画像】:ポペットフレンズのももちゃん
ミニチュアダックスフンドは狩猟犬として飼い主であるパートナーと共に暮らしてきた長い歴史があります。そのため、飼い主との関係が非常に重要になります。
甘えてべったりが嬉しい人
ミニチュアダックスフンドは毛質や性別で性格が違ってきますが、基本的には飼い主と常に一緒にいたい個体が多い犬種です。べったりとくっついてくる頻度が多くてもそれが嬉しいと感じたり、煩わしいと思わない人に向いています。
おおらかな人
よく吠えたり、飛びついたりすることが多いのもミニチュアダックスフンドの特徴です。感情表現が豊かであるがゆえの行動で、彼らも悪気があってしている訳ではありません。そういった行動を長い目でみて、ストレスがかかることなく、ゆっくりとしつけてあげられる心の広さが重要です。
小さい子供がいない人
飼い主であるパートナーとの結びつきを強く持ちたいがゆえに、飼い主が自分の子供をかまうことに嫉妬してしまうこともあります。もちろん個体差はありますが、ストレスの原因になる恐れもあるので、小さい子供がいる家庭にミニチュアダックスフンドはあまりおすすめできません。
ミニチュアダックスフンドのしつけの方法
無駄吠え
ミニチュアダックスフンドは狩猟犬であるため、飼い主に居場所を知らせたりなど、吠えることは普通だと理解してあげることがとても重要です。吠えることを単に叱りつけることはストレスの原因にもなります。
警戒心から吠えていることもありますので、子犬のときから外に連れ出して様々な環境に慣れさせたり、吠えたらおもちゃなどで気をそらしてあげたりと、徐々にしつけてあげる必要があります。
メリハリ
甘えたり、かまって欲しい行動が多いミニチュアダックスフンドですが、甘やかしすぎるのも良くありません。狩猟犬としての忠誠心があり賢い犬種ではありますので、わがままな性格にしないためにも、甘えさせるところと叱るところのメリハリをはっきりさせてしつけてあげるようにしましょう。
ミニチュアダックスフンドを飼う場合の注意点とは?
腰の負担
ミニチュアダックスフンドは足が短く胴が長い体型のため、腰への負担が大きくなります。腰への負担が続くと椎間板ヘルニアになることもありますので注意しましょう。
対策としては、滑りやすいフローリングにマットを敷いたり、できる限り段差を減らしてあげることが大切です。また先天的に軟骨の形成異常になりやすい傾向があるので、背骨や腰をブラ〜ンとさせる抱き方はやめましょう。
なお、正しい抱き方としては、犬の前足の両脇から腕を入れて、もう片方の手で腰と後ろ足を支えるように抱っこしてあげましょう。
毛の手入れ
ロングヘアードとワイヤーヘアードはダブルコートと呼ばれる毛が二重構造になっているため、こまめなブラッシングが必要です。可能であれば毎日ブラッシングをすることをおすすめしますが、毎日が難しい場合でも週に2〜3回はブラッシングしてあげるようにしましょう。
なお、スムースヘアードはシングルコートなのでロングやワイヤーほど頻繁にブラッシングする必要はありません。
肥満
ダックスフンド自体が太りやすい犬種です。日頃の食事や運度がとても重要です。太ると腰への負担が大きくなるうえに、糖尿病などのリスクが高まります。食事は低カロリー、高タンパクなものにし、散歩も1時間程度を朝晩に分けて行うことが理想です。
ミニチュアダックスフンドを飼う場合に気をつけたい主な病気
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアはダックスフンド全体で発症する確率が高いです。太りすぎや腰に負担のかかる抱き方、運動に注意するようにしましょう。
会陰ヘルニア
肛門のまわりが膨らみ排泄が困難になります。去勢したシニア犬のオスに多くみられる病気です。
糖尿病
ダックスフンドは遺伝的に糖尿病になりやすい犬種といわれています。特にシニア期に多くみられる病気ですが、若いときにも発症することがあります。日頃の食事や運動への気配りを
心がけましょう。
外耳炎
ダックスフンドのような耳の垂れている犬がなりやすい病気です。菌の繁殖で外耳道(音のとおり道)に炎症が起こり、汚れや臭いが強くなり、首を振ることが多くなったり、耳をかく頻度が多くなったりします。耳の状態をチェックするようにし、シャンンプー後は必ず乾かすようにしましょう。
歯周病
歯の表面についた歯垢がもとで発症する病気です。歯垢がつくと黄色、または茶色になり、歯茎が腫れて出血してしまいます。進行すると皮膚の下まで化膿し、穴があくことがあるので注意しましょう。
アトピーやアレルギー
ダックスフンドの場合はハウスダストや花粉が原因でアトピーになり、皮膚が赤くなったりフケが出たり、毛が抜けることがあります。かゆみも伴いますので舐めたり掻いたりすることで症状が悪化してしまいます。
また食物アレルギーにより口や肛門のまわりが赤くなり、嘔吐や下痢の症状がでることがあります。このような症状が少しでもみられたら、早めに動物病院に連れていくようにしましょう。
無菌性結節性脂肪織炎
ダックスフンドに起こりやすい病気といわれています。体の表面に次々とシコリが出たのち、今度はシコリが潰れて膿が出るようになります。原因が分かっておらず完治できないケースが多い病気でもあります。
進行性網膜萎縮
こちらもダックスフンドが生まれつきかかりやすい病気のひとつです。光をとらえる網膜に異常が発生し失明してしまうこともあります。生後4〜6ヶ月の時期に以上がわかる場合があります。
パターン脱毛症
耳の毛が抜ける原因不明で治療の難しい病気です。ゆっくりと脱毛が始まり、最終的には完全に耳の毛が抜けてしまいます。
ミニチュアダックスフンドとの楽しい生活をするために
ミニチュアダックスフンドは好奇心旺盛で甘えたがりの手がかかる犬種です。そこが魅力でもありますが、忙しくてあまりかまってあげられない人や徐々にしつけることが難しい場合はおすすめできない犬種でもあります。
可愛いからという理由だけでなく、飼い主自身のライフスタイルや性格にミニチュアダックスフンドが適しているかどうかをしっかりと考えたうえで飼うことを決めることがとても重要です。そういったことがクリアできればとても強い絆で結ばれた関係を築くことができるでしょう。