猫の肉球ってどんな役割がある?3つのケア方法で安全を守ってあげよう!

猫 肉球

猫の肉球はプニプニしていて、つい触りたくなってしまいますよね。見ているだけでかわいい肉球ですが、この肉球には、猫にとってとても重要な役割をしています。また、肉球の状態によっては体調不良になっていることもあります。どのような部分を観察すればよいのでしょうか。肉球ケアの方法も合わせてお話します。

猫の肉球とは

肉球ってどこの部位?

肉球とは、足の裏についているプニプニした感触のものをいいます。正式名称は蹠球と呼ばれ、中央にある大きなものと、外側にある小さなものでできています。それぞれの部位には名前がつけられています。

肉球は脂肪や弾性繊維でできており、厚さは1mmほどです。生後すぐの子猫はとてもやわらかいのですが、年齢を重ねていくごとにだんだん硬くなっていきます。

数は何個?

猫は前脚と後ろ脚で指の本数が違います。前脚は指が5本、後ろ脚は4本なので、肉球の数も指の本数によって変わります。

前脚には、指の根元にある指球が4つ、真ん中にある掌球が1つ、親指にあたる部分にある狼爪が1つ、そして前脚にしかない手根球と呼ばれる、少し離れた部分にあるものが1つあります。

後ろ足には、指の根元にある趾球が4つ、真ん中にある足底球が1つあります。このように、前脚と後ろ脚で肉球の数も違うのです

猫の肉球が担う役割7つ!

猫 肉球

【画像】:ポペットフレンズのふぶきちゃん

足音を消す

本来猫は狩りをする生き物なので、狩りをするときには足音を消して獲物に近寄らなければなりません。肉球には足音を消す働きがあるので、餌を確保するときに欠かせない機能なのです

クッションの役割

猫は、高いところに登る習性があります。降りるときは高いところから飛び降りることも多いため、肉球には着地のときの衝撃をやわらげるクッションの役割があるのです。身体へのダメージが軽減されます。

体温を調節する

猫には、肉球にしか汗腺がありません。そのため、暑いときなどは肉球のまわりに汗をかいて、体温を調節します。

獲物などを取る

肉球と肉球の間を広げて獲物やおもちゃなどをつかむことができます。これは猫だけではなく、ライオンなどのネコ科の動物に共通していることです。

滑らないようにする

猫は、足場の悪いところを歩くことがあります。そのようなときに、肉球が滑り止めの役割をします。汗をかいて肉球を湿らせることで、より滑りにくくしています。

室内で飼われている猫より、屋外にいる猫の方がアスファルトなどのザラザラしたところを歩くことが多いので、肉球がより硬くザラザラする傾向にあります。

危険を察知する

肉球には毛が生えていないので、ダイレクトに地面の状態が伝わってきます。そのため、もし地面に障害物があっても、異変に速く気がつくことができ、避けることが可能です。

身を清潔にする

猫は、自分の毛を舐めてお手入れをしています。しかし、眼や耳などの顔周辺は舐めることができないため、肉球を舐めて湿らせて、顔をこすってきれいにしています

猫の肉球の色って何色なの?

猫 肉球

【画像】:ポペットフレンズのあめおくん

毛色によって違う

猫の肉球の色はピンクのイメージがある方が多いかもしれませんが、茶色や黒の猫もいます。これは、その猫の毛の色によって違ってくるのです。

全体的に色が薄いネコは肉球の色も薄く、色が濃い猫は肉球の色も濃くなる傾向があるようです。毛が斑模様の猫の場合は、肉球の色も2色混じっているなど、さまざまなパターンの肉球があります。

だんだん変化するって本当?

肉球の色は、歳をとるごとに薄くなることもあれば、逆に濃くなっていくこともあります。すべての猫が変化するというわけではありませんが、病気でなくても変化する可能性もあるのです。

生活環境で変化することもある

生活環境による肉球へのダメージなどで、色が変化することもあります。例えば、毎日外に散歩をしていたら、肉球が厚くなり色も濃くなるということがあり得るのです。

猫の肉球がいつもと違うのは体調不良のサイン?

猫 肉球

いつもより冷たい

いつもより肉球が冷たいときは、血流が悪い可能性があります。血流が悪くなる原因はいくつかありますが、一番危険なのは心臓に問題があることです。猫は、拡張型心筋症とよばれる病気が起こりやすいといわれています

心筋症は、心臓から全身へ血液を送る機能が弱まってしまうので、肉球に送られる血液の量も少なくなり、冷たくなってしまうのです。

また、血液がドロドロになってしまう血栓も、肉球が冷たくなってしまう原因となります。。血栓は、血の流れによって血管を詰まらせてしまうことがあるため注意が必要です。

その詰まった血管が太い血管だった場合、その血管以降は血液が流れなくなってしまいます。そのため、血液が肉球まで届かずに冷たくなってしまうことが考えられるでしょう。

貧血になっているときも、肉球が冷たくなることがあります。これは、ケガなどで大量に出血をしているケースや、内臓から見えないところで出血が起きているというケースなどが考えられます。

出血以外にも、血液に寄生する寄生虫によるものや、鉄分不足なども原因です。寒くないのに肉球が冷たいときは、病院へ行くことをおすすめします

いつもより熱い

人間と同じように、猫も寝ている間や眠くなると、体温が上昇します。猫の場合は全身が毛に覆われているため、体温が上昇していることがわかりにくいのですが、肉球には毛がはえていないので、熱く感じることがあります

また、激しく運動をしたあとなども体温が上がるため、肉球も熱くなることがあります。ただし、熱があって体温が上昇しているときは要注意です。

風邪をひいていたり、ウイルス感染をしている可能性もあります。肉球がずっと熱いままでいつもより元気がないなど、体調が悪そうなときは、すぐに病院で診てもらいましょう

また、猫は寒いところよりも暖かいところを好みます。そのため、気が付いたらずっと日向で昼寝をしていることもあります。そのときに水分不足になると、熱中症になる可能性が高くなります。

熱中症でも肉球が熱くなることがあるのです。ぐったりしているなど、いつもと違う症状があれば、すぐに病院に行くようにしましょう。熱中症にならないためには、いつも新鮮な水が飲める環境にしておくことや、風通しのよい場所を作ってあげることなどが大切です

腫れている

肉球がスポンジのように腫れてしまうような症状がある場合は、形質細胞性足皮膚炎と呼ばれる皮膚炎になっている可能性があります。痛みはないことが多いです。

しばらくすると、腫れていた肉球はしぼみ、空気が抜けた風船のようになります。

自然と治ることが多いですが、腫瘍ができると出血や感染がおきてしまい、足をひきずったりする可能性があります。腫瘍ができてしまったら、抗生剤を投与したりして治療をします。

今のところ有効な予防策がないので、肉球に異常を感じて猫が痛がっていたら、病院へ行きましょう

乾燥している

肉球が乾燥してしまうと、カサカサになることがあります。ひどくなると、ひびが入ったり血が出てきたりすることもあり、そうなると猫も痛みを感じます。

そのような場合は、肉球用のクリームを塗ったり、白色ワセリンを塗ってあげることで、治る効果が期待できます

また、カサカサになるのは乾燥だけが原因とは限りません。風邪をひいているときもカサカサになることがありますし、やけどをしている可能性もあります。やけどをしてしまうと化膿することもあるので、早めに病院で診てもらいましょう

出血している

出血をしているときは、血管まで達する傷があるということです。まず、何か刺さっていないか確認しましょう。特に何もなければ、出血しているところをガーゼなどで強く押さえてください

じっとしてくれていれば、しばらくすると止血します。ドクドクと血が出ていてなかなか止まらない場合は、早めに病院に連れていきましょう

猫の肉球はどんなケアをしてあげたらよいの?

クリームを塗る

乾燥をしているときは、肉球専用のクリームを塗ってケアをしてあげましょう。さまざまなメーカーから販売されていますが、だいたい猫が舐めても大丈夫な成分で作られているので安心です。

また、オリーブオイルで代用することもできます。オリーブオイルを使用するときは、添加物などの含まれていない、エキストラバージンオリーブオイルを使用するようにしましょう。

塗るときは、むやみに触ると嫌がってしまうかもしれないので、寝ているときやリラックスしているときなどにやさしく塗ってあげるようにしましょう

まわりの毛を切ってあげる

肉球には、滑り止めの役割があります。しかし、肉球のまわりの毛が伸びすぎていると肉球に毛がかかり、滑り止めの役割を果たせなくなってしまう可能性があります。

特に、フローリングなどでは滑ってしまうと非常に危険なので、伸びすぎているときは軽くカットをしてあげましょう。カットをするときは、間違って肉球を切ってしまわないよう、足をしっかりと押さえながら少しずつハサミなどで切っていきましょう。

ただし、カットをしすぎてしまうと、猫は毛づくろいができなくなってしまいます。猫にとって、毛づくろいはストレス解消の意味があるのを知っていますか?

そのため、毛づくろいができなくなるとストレスが溜まってしまうかもしれないので、滑らない程度に軽くカットするだけで大丈夫です

マッサージをする

マッサージをしてあげることで、リラックス効果はもちろん、普段とは違う異変に飼い主が気がつきやすくなります。また、マッサージに慣れていると爪を切るときに抵抗が少なくなるかもしれません。そのため、マッサージを普段から習慣づけるとよいでしょう。

肉球はとても敏感なため、最初は嫌がる猫も多いかもしれません。そのようなときは、嫌がらない場所から徐々に慣らしていくようにしてください。

人間の足つぼマッサージのように、強く押す必要はないので、優しく足を持ち、優しくマッサージをしてあげましょう

猫 肉球

猫の肉球を観察してさらに生活を楽しもう

猫の肉球は、かわいいだけでなくたくさんの役割があり、体の中でもとても重要な部分なのです。そのため、普段から少しでも気にかけてあげるようにしましょう。

そうすれば異変にも早く気がつきやすくなるかもしれません。猫とのスキンシップは、人間にもリラックス効果が得られるのでおすすめです。

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