犬の耳掃除をする頻度は?洗浄液を使った効率的なやり方とは

犬の耳掃除は病気予防になる?自宅でのケア方法と犬種別の注意点

愛犬の耳掃除は定期的に行なっていますか?犬の耳も人間同様、耳掃除をする必要があります。犬の耳掃除は難しそうなイメージがありますが、コミュニケーションのひとつでもあり、病気の予防にもなりますよ。

犬の耳掃除は必要?

犬の耳掃除は必要?

【画像】:ポペットフレンズのハートくん

犬の耳の構造

犬にとっても必要な耳掃除、実は人間の耳とは少し違う構造となっています。人間の耳は、入り口から鼓膜、内耳、中耳まで一直線となっていて、覗き込むとよく見えるようになってします。

しかし、犬の場合は鼓膜までの外耳道がL字型となっており、直線になっていません。耳の奥までは見えないようになっています。

それにより、通気性が悪く、湿度が高くなります。その結果、耳の中に汚れがたまりやすくなるのです。

病気の予防につながる

耳を清潔に保つことは、外耳炎などの病気の予防につながります。その他にも、異常があった場合などに早期に発見することができるので、定期的に耳のお手入れをすることで犬の健康を守ることができます。

特に、垂れ耳の犬の場合には耳の中が湿った状態となりやすく、感染症を起こすことがあるので、定期的に耳掃除をしてあげることが大切です。

耳掃除をしない場合の病気のリスク

耳掃除をしない状態でいると、外耳炎の他に次のような病気になるリスクがあります。

外耳炎

犬の耳の病気の中ではもっとも多いとされており、痒みがあったり、悪臭がすることがあります。外耳炎は、耳ダニからの細菌感染や蒸れて細菌が増殖し、炎症を起こす病気です。

中耳炎

中耳炎とは、鼓膜の内側で炎症を起こす病気で、耳の中に痛みがおこったり、発熱する場合もあります。悪化すると難聴になることも考えられるので、早めの処置が必要です。

内耳炎

細菌感染によって、耳の奥にある三半規管や蝸牛が炎症をおこす病気です。頭が傾いたり、耳が聞こえにくくなるという症状も見られ、平衡感覚も失うことから歩き方にも異常が出てきます。

耳血腫

耳介の血管が切れて内出血を起こし、耳介が異常に膨らむ病気です。耳が痒く、掻きむしったり、頭を床に強くこすりつけることが原因となっておこります。

扁平上皮ガン

犬よりも猫に多い傾向がある病気ですが、悪性腫瘍です。皮膚の表面にできやすい癌で、特に白い毛の場合注意が必要です。原因のひとつに、紫外線が強く当たるということもあります。

犬の耳掃除の頻度や価格はどのくらい?

犬の耳掃除は病気予防になる?自宅でのケア方法と犬種別の注意点

耳掃除をする頻度

耳掃除は、1週間に1度もしくは2週間に1度程度を目安としましょう。ただし、汚れていない場合には、月に1度でもかまいません。

耳掃除をしてほしいサイン

子犬の場合は、いつから耳掃除をしていいのか、こんなに小さいのに必要なのかと思いますよね。耳掃除を始める時期は特に決まっていませんが、耳を痒がった様子があったり、耳を振ったりしていたら、一度耳の中を確認してみましょう。

その時に、耳から臭いがあったり、耳の中が汚れているようなら耳掃除してあげてください。

ペットサロンで耳掃除をしてもらう際の価格

犬の耳掃除を自宅で行なうこともできますが、ペットサロンで耳掃除をしてもらうときには、こちらの料金を参考にしてください。

MEMO
小型犬の場合:500円~
大型犬の場合:800円~

値段設定はペットサロンによって違うので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。また、動物病院で耳掃除してもらう場合は、診察料込で1,500円~2,000円ほどです。

診察もしてもらえるため、耳の病気の場合早期発見にもつながるのでおすすめです。

犬の耳掃除を自宅でやってみよう

犬の耳掃除は病気予防になる?自宅でのケア方法と犬種別の注意点

耳の中の毛をカットしよう

なぜ耳の中の毛をカットするの?

犬種によっては、耳の中の毛をカットする必要があります。

マルチーズやプードル、ミニチュアシュナウザー、シーズーといった毛が伸びるトリミング犬種は、耳の中をカットする必要がありますが、これは耳の中の通気性をよくするためです。

犬はL字型の耳の構造を持つために通気性が悪く、さらに耳毛があることでより通気性が悪くなります。

抜くほうがいいの?カットするほうがいいの?

耳の毛を抜くという方法もありましたが、耳毛を抜くと犬が嫌がったり、抜いた場所が炎症を起こすこともあるため、耳毛のケアは専用のハサミを使用しましょう。

これらを家でケアをする際には、耳で毛をつまみ、抜くようにしましょう。ピンセットを使用するより、指でつまんで抜くほうが皮膚を傷つける心配もありません。

また、犬はそこまで痛みを感じませんが、あまりにも嫌がるようなら抜かないようにしましょう。

自宅で耳の中を掃除しよう

準備するもの

犬の耳を掃除する際には、イヤーローションという耳掃除専用液とコットンを準備します。

マッサージしながら汚れを取る

  1. コットンにイヤーローションを浸す
  2. 外耳道を優しくマッサージしながら汚れを落とす
  3. しっかり乾燥させる

いきなり奥に入れない

犬にとって、耳はとてもデリケートな部分です。そのため、いきなりコットンなどを耳の奥に入れるとビックリしてしまうので、リラックスした状態でマッサージをしつつ耳掃除を行ないましょう。

犬の耳掃除は病気予防になる?自宅でのケア方法と犬種別の注意点

耳洗浄する方法

犬の耳の中に直接イヤーローションを入れて、掃除をする方法です。

  1. イヤーローションを2~3滴耳の中に入れる
  2. 耳の入り口と付け根を揉む
  3. ぶるぶると頭を振る
  4. 汚れをコットンで取り乾燥させる

これで、洗浄液と共に耳の中にあった汚れが出てきます。汚れはコットンを使って、綺麗に拭き取ってあげましょう。

汚れや耳垢がひどい場合

犬の中には、汚れや耳垢が酷い場合があります。その時は、無理に取ろうとせず、ペットサロンや獣医師に任せましょう。無理にこすって取ろうとすると、皮膚を傷つけることとなり、病気を引き起こしてしまうことも考えられます。

もし、耳の中が赤く発疹ができている場合は、動物病院で処置してもらうようにしてください。

犬の耳掃除におすすめのお手入れグッズ5選

【日本全薬工業】オーツ イヤークリーナー

低刺激性で、犬や猫にとっても優しいイヤークリーナーです。天然成分を配合しており、耳ケアに有効な成分を使用しています。微香性ですが、犬が嫌がるような刺激臭はありません。

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【ノルバサン】ノルバサンオチック

多くの動物病院で使用されている、イヤーローションです。耳にこびりついた頑固な耳垢もすっきり取ることができます。カビや細菌の繁殖を抑える効果があるので、垂れ耳の犬にもおすすめです。

アルコール成分が少ないので、スースー感もないですし、ラベンダーのいい香りがします。

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【ナイガイ】成犬垂れ耳用耳洗浄液

垂れ耳用のイヤーローションで、耳の汚れが臭いが気になる成犬に使用することができます。ノンアルコールなので安心して使用でき、フレッシュな柑橘系の香りです。

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【現代製薬】ウエットめんぼう

コットン100%の綿棒に、ユーカリオイルとハッカオイルを配合したイヤークリーナーを染み込ませた綿棒です。個包装タイプなので衛生的ですし、持ち運びにも便利です。綿棒の先は細くなっているので、小犬の小さい耳掃除にも使いやすいです。

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【スーパーキャット】らくらく耳そうじシート プレミアム

天然由来成分配合のらくらく耳そうじシートです。さわやかなシトラスの香りで、耳の周りの汚れを拭きとるだけで清潔に保つことができます。

使い捨てなので衛生的ですし、特殊シートの溝で、耳の汚れをしっかり絡め取ることができます。ノンアルコール、ノンパラベンで犬にも猫にも使用することができます。

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犬の耳掃除をする際の注意点3つ

犬の耳掃除は病気予防になる?自宅でのケア方法と犬種別の注意点

水を入れない

犬の耳垢はべっとりしているため、水を入れても耳垢を取ることはできません。また、水を入れることで耳の中が蒸れ、細菌が繁殖しやすい環境となってしまいますので、水を入れるのはやめるようにしましょう。

人用の綿棒を使用しない

犬の耳掃除を行なう時は、人が使う綿棒は使用しないようにしましょう。綿棒の先の綿が取れて耳の中に入ってしまうこともありますし、そのまま綿が取れなくなることもあります。

また、奥の方の耳垢を取ろうとして綿棒を入れすぎ、耳の中を傷つけてしまうことがあります。

嫌がる場合は無理にしない

犬が嫌がっている場合は、無理に耳掃除を行なうのはやめましょう。押さえつけるように耳掃除を行なっても、犬にとっては恐怖の感情が残ることもありますし、耳掃除のたびに嫌な思いをするのもかわいそうです。

嫌がる場合は、別のタイミングで行なったり、コミュニケーションを多くとったり、耳掃除を頑張った後はご褒美をあげたりしながら、無理をせず行なうようにしてください。

耳掃除の際の犬種別の注意点

立ち耳の犬の場合

立ち耳の犬は、ホコリなどが耳に入りやすくなっています。そのため、定期的に耳の中を観察してあげましょう。

MEMO
【立ち耳の犬種】
シベリアンハスキー、シェパード、柴犬、コーギー、ポメラニアンなど

垂れ耳の犬の場合

垂れ耳の犬は、立ち耳に比べて通気性が悪く、蒸れやすいと言われています。そのため、菌が繁殖しやすいので、耳の病気になりやすい傾向にあります。耳の掃除をする際には、掃除後にしっかり乾かすようにしましょう。

また、垂れ耳タイプ用のイヤークリーナーも販売されているので、活用するのもいいでしょう。

MEMO
【垂れ耳の犬種】
ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、トイ・プードル、ビーグルなど

犬の耳掃除は病気予防になる?自宅でのケア方法と犬種別の注意点

犬の耳掃除は定期的に行なおう

犬の耳掃除は、病気の早期発見にもつながる大切なものです。「犬の耳掃除なんて傷つけそうで怖い」と感じる方もいますよね。その方は、ローションで耳の表面を軽く拭いて、汚れを取り除いてあげるだけでもかまいません。

また、飼い主さんが耳をケアしてあげることは大切なコミュニケーションにもつながります。優しく耳を撫でてあげることで、犬もリラックスできますね。大切な犬とのコミュニケーションにもなるので、定期的な耳掃除を行なってあげてください。

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