猫はなぜこたつが好きなの?危険度を高める6つのケースと気の配り方

猫はなんでこたつが好きなの?実はこたつは猫にとって危険がいっぱい

童謡にも歌われているように、猫はこたつが大好きな動物です。寒い冬になると、暖かいこたつの中でくつろいでいる姿をよく見かけます。そのまま放っておくと、長時間こたつの中にいることもあるようです。猫は寒さが苦手だから、こたつが大好きと思われている人が多いかもしれませんが、実は、間違った認識です。また、飼い主の方に知っておいて欲しい事として、こたつは猫にとって危険がたくさん潜んでいるということです。この記事では、猫がこたつを好きな理由と猫にとっての危険性について解説していきます。

なぜ猫はこたつが好き?

猫は寒さに弱いというイメージを持っている人が多いと思います。実は、猫種や年齢にもよりますが、厚い被毛と脂肪で守られているため、それほど寒さに弱いというわけではありません。

どちらかというと、猫は人間とは違って全身に汗腺がほとんどなく、体温調整が難しいため、暑さのほうが弱い動物なのです。では、なぜ猫は冬になると入り浸りになるほど、こたつが好きなのでしょうか?その理由を説明します。

猫はより快適な場所を求める

猫は、暑ければ涼しい場所、寒ければ暖かい場所を探し出す優れた能力を備えているため、寒い時期には必然的に暖かい場所を探して移動します。猫の鼻には、吸った空気の温度を感じ取る能力があります。その能力の精度は非常に高く、1度以下の差でも分かるようです。この能力を使って、冬になると、家の中でより暖かく快適な場所であるこたつを探し出しているようです。

猫は元々暗くて狭いところが大好き

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より快適な場所で過ごすために、猫は冬になると暖かい場所を探し出すのですが、他の暖房器具ではなく、なぜこたつの中に入るのでしょうか?それは、猫の性質として、元々暗くて狭いところを好むためです。

猫の野生時代の本能として、獲物を捕らえると、他の動物から取られないように暗くて狭い場所に獲物を持ち運んでいました。また、ケガや病気をした時も、じっとして体力を温存し回復させていたようです。ですから、暗くて、狭い場所にいることで、本能的に猫は落ち着くのです。

猫は、このような習性の名残りと快適な場所を探し出す能力を持っているので、暗くて狭く、そして、暖かいこたつが大好きなのです。

猫にとってこたつが危険な場合がある!

猫はなんでこたつが好きなの?実はこたつは猫にとって危険がいっぱい

こたつは、若くて健康な猫であればそれほど問題はないのですが、幼猫や高齢猫になると、体温調節がうまくできなかったり、重い布団を持ち上げられないことがあるため、中に閉じ込められてしまう状態になり大変危険なケースに繋がることがあります。猫のこたつに対する注意点を紹介しますので、飼い主の方は、しっかりと気を配るようにしてください。

低温やけど

猫は鼻のもつ能力は高いのですが、被毛で覆われている皮膚の温度感覚は鈍感なため、ストーブなどに近づいても毛が焦げるまで気がつかないことがあります。こたつの中で熟睡している場合や幼猫、高齢猫の場合は、知らないうちに低温やけどを起こす危険があり注意が必要です。

猫がこたつに入っているときは、設定温度を弱めにするか、スイッチの電源を切ってしまいましょう。また、時々猫の毛をめくってみて、皮膚に炎症が起きていないかを確認して、低温やけどにならないように見守ってあげてください。

脱水・熱中症

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こたつの中は熱がこもり乾燥しているので、猫が長時間いれば熱中症になり、脱水症状を引き起こしてしまうことがあります。猫がこたつからハアハア息を切らして出てきて、体がいつもより熱を帯びている場合は、脱水・熱中症を引き起こしています。

すぐに窓を開け、外の冷たい空気にあてて、うちわなどで風を送り体を冷やしてあげてください。そして、無理やりにでも水を飲ませるようにしてください。脱水・熱中症の対策としては、こたつ布団を少し持ち上げて空気の通り道を作ってあげたり、設定温度を弱めにするか、電源は切ってしまいましょう。

また、猫は元々砂漠で暮らしていた動物で、少ない水分でも体が機能するようになっており、喉の渇きにも鈍感です。こたつから出たらすぐに水分補給ができるように、こたつのそばに飲み水を置いておくようにしましょう。

特に、腎不全を患っている猫や高齢猫などの場合は、時々様子を見てあげてください。長時間こたつから出てこない場合には、強引にでも猫をこたつから引き摺り出して、水を飲ませるようにしてください。

酸欠

こたつは密閉性が高いため、猫が長くいると呼吸により酸素が少なくなり酸欠状態になります。ほとんどの猫は息苦しくなるとこたつから出てきますが、体の具合が悪い猫や高齢猫になると熟睡して酸素不足に気づかず、そのまま命を落としてしまうこともあるようです。

猫が酸欠にならないように、こたつ布団は隙間を空けて常に酸素が入るようにしておきましょう。また、猫が長時間こたつから出てこない場合には、定期的にこたつの外に出すようにすると安心です。

一酸化炭素中毒

最近は、ほとんどの家庭で電気こたつを使用していますが、豆炭や練炭などのこたつの場合、猫が中に入ると一酸化炭素中毒になる危険性があります。猫は人間とは違って体全体をすっぽりとこたつの中にいれてしまうので、新鮮な空気を吸うことができません。

電気こたつと同様に酸素が入るように、こたつ布団の一部を開放してあげることで対策をとることができますが、猫を飼っている場合には、電気こたつに切り替えるようにしてください。

感電

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特に幼猫に多いのですが、歯茎がむず痒くなりコードを噛むことがあります。また、じゃれて遊んでいるうちに噛んでしまうこともあります。成猫になっても噛み癖がついていると直らないこともあるようです。

猫がコードを噛んでしまうことで感電したり、口の中をやけどしてしまう危険性があります。噛み癖のない猫であっても、万が一のことを考えて、コードには安全カバーをつけるようにしましょう。また、就寝前や外へ出かける際にはこたつの電源は必ず切るようにしてください。

目に悪い

こたつの赤外線は猫の目に悪いと言われています。猫は、たいていの場合はこたつの中で目を閉じて寝ているので問題ないのですが、こたつに入るようになって目がショボショボして目ヤニが多く出るようなら注意が必要です。

角膜炎や白内障を患ったり、最悪の場合は失明してしまう可能性があります。猫の目の異変に気づいたら、こたつは猫が入ったら電源を切るようにしましょう。また、こたつは撤去して他の暖房器具で寒さを感じさせないようにするのも良いでしょう。

猫用こたつで安心!おすすめの猫用こたつを紹介

猫はこたつが大好きですが、こたつは人間用につくられているものであり、猫にとっては危険が多く潜んでいるものです。

しかし、最近では、猫が安全に使えるように設計された猫用こたつが販売されています。愛猫のためにも猫用こたつの購入を検討してはいかがでしょうか。以下に、3つの猫用こたつを紹介していきます。

【ドギーマン】ペットの夢こたつ

ペット用品販売で有名なドギーマンから販売されている猫におすすめのこたつです。皮膚にヒーターが直接ふれないよう保護網を使用しています。こたつ内中央温度約31℃で、人間からすると暖かくないと感じるくらいですが、猫にとっては十分な暖かさで安全に使うことができます。

電源コードはラセン菅で保護されているのでコードの噛みつきによる感電の心配もありません。目には安心の赤外線ランプ不使用です。こたつの中だけでなく、テーブルの上も暖かくなっているので多頭飼いでも十分に使えます。専用のこたつ布団も販売されています。

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【マルカン】あったかこたつ猫用

皮膚にヒーターが直接あたらないように保護カバーがついています。赤外線ランプ不使用で、愛猫の目にも安心です。噛みつき防止としてコード全体を金属チューブでカバーしてあります。こたつ布団にはワイヤーが入っているので、入り口を自由に作ってあげることができるので安心して使うことができます。天面は暖かくお皿型になっているので、猫が喜んでこたつの上でくつろいでくれます。使いやすい中間スイッチ付きです。

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【オーエフティ―】遠赤ヒーター付きサイドテーブル

暖房ヒーターとサイドテーブルがセットになっているお洒落なこたつです。遠赤外線により、体の中からじんわりと温めてくれるので、低い温度でも暖かさを感じることができます。

安心の低温設計で30℃と38℃に切り替えが可能です。コードはプラスチック樹脂で保護してあるので、噛みつきによる電気の事故を防ぎます。夏は電源を切って下にひんやりマットを敷いてあげると一年中お気に入りの場所で使うことができます。

人間用のこたつによる猫の危険性を考えると、飼い主にとっても猫用こたつは安心して使うことができるのでおすすめです。

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猫のこたつを手作りしてあげよう

市販されている猫用のこたつは大変便利ですが、高価なことがデメリットと言えます。猫は、元々は寒さに弱くない動物ですから、こたつのようなしっかりとした電源がなくても工夫次第で暖かく過ごすことができます。フリースや毛布などに一手間加えて、猫用のこたつを手作りしてみてはいかがでしょうか。

湯たんぽで作る

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ミニテーブルの上からフリースを掛けて即席こたつを作りましょう。熱源は湯たんぽを使います。この際、やけどをしないように、湯たんぽはしっかりとバスタオルやフリースなどでグルグルに包み込んでください。

即席こたつの中に、湯たんぽを入れてその上からさらに毛布などを掛けてください。これだけで、湯たんぽこたつのできあがりです。湯たんぽでも一日中暖かさが持続するので、猫も喜んでくれるでしょう。

ミニテーブル代わりに段ボールでこたつ部分を代用すると、邪魔になった時に、すぐに撤去できるので便利です。ただし、耐久性が弱くなったら、新しいものを作ってあげてください。

ホットカーペットで作る

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湯たんぽで作るこたつと基本は同じです。ミニテーブルは市販のものでも、手作りのもので構いません。手作りの場合は、猫が上にのっても壊れないように丈夫なものを作ってください。

こたつの中には猫用のホットカーペットを入れてください。人間が使用しているホットカーペットですと、低温やけどになる危険性があります。猫用のホットカーペットであれば、毎日の手間がかからず、やけどの心配もありません。また、コードも齧り防止対策がされていますので安心です。

人用のこたつに一手間加える

手作りこたつを一から作らなくても、人用のこたつに一手間加えるだけでかなり安心できる快適空間を作ることができます。市販されているハウスには、トンネルの形状をした商品があります。

これをこたつの布団の中に差し込むだけで、こたつと外への出入り口ができあがります。出入口があると、常に空気の通り道ができるため、酸欠の心配がありません。

また、幼猫や高齢猫のように布団が重く外に出ることができない、といった状態を回避することができます。猫は狭くて、身を隠せる場所が大好きですので喜んでくれることでしょう。ただし、時々猫の様子を見ることは忘れないでください。

こたつに入らない猫もいる!?

猫はなんでこたつが好きなの?実はこたつは猫にとって危険がいっぱい

猫の中にはこたつに入らない子もいるようです。その理由としては、匂いと音が関係しているのではないかと考えられています。猫は縄張り意識が強い動物です。こたつの中や布団の匂いが嫌いな洗剤の匂いがしたり、先住猫の匂いがすると自分の縄張りではないと判断してこたつに入らないことがあるようです。

音に関しては、猫の聴覚は人間の3倍以上と言われ、高音を聴きとる能力が非常に優れています。ですから、こたつのヒーター音に敏感に反応してしまい、こたつ嫌いになってしまうこともあります。

もし、こたつに入らない場合には、匂いを改善してあげたり、猫用のこたつや手作りこたつで対応してみると良いでしょう。また、こたつの中で飼い主に思いっきり踏まれた経験があり、こたつに恐怖感をもってしまう猫もいるようです。こたつに入る場合などは、猫が中にいるか確認してから入るようにしましょう。

こたつは猫の天国!安全にはしっかり気を配ってあげよう

猫はなんでこたつが好きなの?実はこたつは猫にとって危険がいっぱい

こたつの中は、「暖かく」て、「暗く」て、「狭い」という猫にとっては天国のような場所です。こたつは日本にしかないものですので、外国人が、日本の猫がこたつの中でくつろいでいる動画を目にすると、非常に驚き、その愛くるしい姿に夢中になってしまうようです。愛猫が、こたつで快適に過ごせるよう、安全にはしっかりと気を配ってあげましょう。