野生の赤ちゃん猫や子猫、弱っている猫を見ると「助けてあげたい」と思いますよね。野良猫を保護する場合には、保護するときの注意点や捕獲する方法などあらかじめ知っておきたいことがたくさんあります。また、保護した野良猫との今後の飼い方など確認すべきポイントをご紹介します。
目次
野良猫は『野生の野良猫・捨てられた猫・迷い猫』の3種類
野生の野良猫
生まれながらにして野生で暮らしている野良猫です。母猫も野良猫なので、人間と関わる機会がなく、かなりの警戒心を抱いています。とても可愛く、元気いっぱいな猫であっても本能で人間を警戒するため、近づこうとするとすぐに逃げたり威嚇したりします。
捨てられた猫
もともと人間に飼われていて、何らかの理由で捨てられて野良猫となった猫です。人間に飼われていたため、それほど人間に警戒心を抱きません。保護しようと近づいても、野生の野良猫ほど警戒心や威嚇といったことはなく、猫から近寄ってきてくれることもあります。
迷い猫
散歩中に迷子になったなど、家に帰れず迷い猫になった猫です。飼い主さんのところに戻ることができず、そのまま野良猫になることもあります。
野良猫を保護する方法
捕獲器を使おう
野良猫を捕獲するときには、捕獲器が便利です。数日間、捕獲器の周辺にキャットフードを置いておき、警戒心をなくしてあげましょう。キャットフードは毎日決まった場所に用意するようにします。捕獲器は、猫が中に入ると扉は閉まる仕組みとなっているため、捕獲するときは捕獲器の中にキャットフードを置いておきましょう。
キャリーケースを使おう
捕獲器がない場合には、キャリーケースを使用しましょう。捕獲器と同様に、キャットフードで慣れさせ、捕獲するときはキャリーケースのなかにキャットフードを入れておきます。そして、なかに入ったら扉を閉めましょう。
野良猫を保護するときの注意点
いきなり捕獲しない
野良猫を保護するときは、いきなり捕獲しないことが大切です。急に近付いても、猫にとっては警戒するだけで、びっくりさせてしまいます。もし無理やり捕獲しても、猫は警戒心を抱いたままになってしまいます。保護したあとに一緒に生活するのなら、心を開いて懐くのは難しくなるでしょう。
猫の目を見つめすぎない
野良猫を捕獲するときは、目を見つめすぎないようにしましょう。猫にとって相手の目を見つめるということは、ケンカの合図という意味合いを持ちます。見つめ合っていると、猫にとっては「ケンカの相手=敵」とみなされてしまいます。
臭いに気を付ける
猫は臭いに敏感な生き物です。特にタバコの臭い、香りのきつい香水、柑橘系の臭いには嫌悪感を持つため、近づいてもくれません。猫を捕獲するときには、香水を控え、喫煙者は捕獲する日はタバコを控えたほうがいいでしょう。
野良猫を保護したときの対処法
野良猫を保護した場合、すぐに自宅に連れて帰るわけにはいきません。犬や猫を飼っている家庭で、野良猫が病気を持っていた場合、感染する可能性があるからです。では、野良猫を保護した場合、どのように対処すればいいのでしょうか?
動物病院へ連れて行こう
野良猫を保護したら、まずは動物病院へ連れていくようにしましょう。野良猫というのは、衛生面が悪い環境で生活していることが多いです。そのため、感染症などの病気を持っていることがあります。
警察署・保健所に問い合わせよう
保護した野良猫が本当に野良猫かどうか確認するためにも、警察署や保健所に問い合わせておきましょう。野良猫と思っていたけど、飼い猫で迷子になっただけかもしれません。飼い主さんは迷子になった飼い猫を探すため、警察署や保健所に迷い猫の届け出を出している可能性があります。
自宅で飼う場合は必要なものを用意する
野良猫を保護し、自宅で飼う場合にはあらかじめ飼育できる環境を整えておくようにしましょう。保護したばかりの猫は、急激な環境の変化によってストレスを抱えていることが考えられます。早く環境に慣れて、リラックスして生活できるように準備することが大切です。
猫を飼うために必要なリスト
- 猫用のフード・ミルク
- 食器
- トイレ
- ケージ
- 毛布・クッション
- おもちゃ
特に子猫の場合には、子猫用のフードや粉ミルクも忘れずに用意してあげましょう。毛布やクッションもあれば、身体を温めてあげることができます。
ストレスを発散できる環境をつくる
自由きままに生きてきた野良猫にとって、家の中での生活は窮屈に感じるかもしれません。外の世界に戻りたいと、脱走を試みることもあるでしょう。家の中は外の世界に比べて運動量も少なくなるので、環境の変化も加わってストレスが溜まり、体調を崩すこともあります。
野良猫を保護したけど飼えない…そんなときにすること
野良猫を保護して病院にも連れていったけど、自宅では飼えないということもありますよね。既に犬や猫を飼っていたり、賃貸マンションで暮らしているとペット不可な物件も多いので、簡単に飼うことはできません。そんな場合はどうしたらいいのか、対処法をみていきましょう。
動物病院で相談しよう
診察を受けた病院で相談してみましょう。もしかしたら里親探しに協力してくれるかもしれません。保健所で引き取ってもらうということもありますが、決められた期間内に飼い主さんが見つからなかった場合には殺処分されてしまう可能性があるため、まずは動物病院で相談するようにしてください。
野良猫保護団体に連絡をする
野良猫を保護する活動を行っている団体に連絡をしてみましょう。ネットで検索すると、地元で活動している団体があると思います。事情を話して協力を仰げないか相談してみましょう。
野良猫を保護したときにかかる費用
動物病院での費用の相場
野良猫を保護し、動物病院で診察や検査を受けると費用が発生します。飼い猫ではないからといって、費用が無料になるわけではないのでしっかり把握しておきましょう。
- 費用の相場・・・8,000~15,000円
- 初診料・・・500~3,000円
- ノミやダニの駆除・・・約2,000円
- 予防接種・・・4,000~8,000円
- 様々な検査・・・5,000~10,000円
あくまで相場であり、動物病院での検査内容や値段の設定によって変動します。費用が心配な場合には、動物病院に連れていく前に電話で問い合わせてみましょう。
しっかり検査しておくことが大切
当たり前ですが、動物病院では保険もないので実費となり費用が高いと感じるかもしれません。しかし、しっかりと検査を行うことで感染症などの病気を心配することなく、安心して保護することができます。もし保護した猫が病気に感染していたとしても、動物病院で検査をすることで早期発見につながることもあり、今度の診察費用を抑えることにもつながります。
保護した野良猫を買うときの心構え
すぐに懐かない
保護した野良猫は人間への警戒心が強く、すぐに懐いてくれるとは限りません。ときには、キャットフードを食べてくれないということもあるかもしれません。よくテレビやネットに出てくる猫は、人間と和気あいあいと暮らしている猫が多いですよね。そのような関係になるには、長い期間が必要だということを知っておきましょう。
また、自ら寄ってきていない猫に対して、撫でたり抱っこしたりは猫にとってストレスにもなりまねません。「野良猫とはいえ、すぐに懐いてくれる」とは思わず、なかなか心を開いてくれなくても諦めずに飼育し続けることが大切です。
最後まで責任を持って飼う
一番大切なことですが、野良猫を保護し、飼う場合には最後まで責任を持って飼うことです。初めて猫を飼う人も、犬や猫を飼育している人も同様ですが、生き物を飼うことは全てイメージ通りに進むわけではありません。メス猫の場合には妊娠している可能性もありますよね。
もしかしたら保護した野良猫は、飼い主に捨てられた猫かもしれません。保護して飼って、なんらかの理由で手放さないといけないとなると、猫にとっては何度も人間に裏切られるということになります。
保護した猫を飼う場合には、最後まで責任を持って飼うようにし、転勤などどうしても飼うことができなくなった場合には里親を探したり、保護団体にお願いしたりしてください。
野良猫を買うときは責任を持ってお世話をしよう
実際に野良猫を保護してみると、自分が思っている以上に大変だと感じることがあるかもしれません。「費用もかかるし、手間もかかる、それに想像以上に懐いてくれない」と思うかもしれません。自宅で飼えない場合、里親を探すとなっても里親探しも大変です。
しかし、野良猫はあなたが保護することで、安全にご飯を食べて、眠ることができるようになります。病気を治すことができて、長生きできるようになることもあります。
野良猫を保護するのは勇気がいるかもしれませんが、ひとりで悩まずに動物病院の先生や周りの人に相談してみてください。もし飼えるなら、最後までしっかり面倒をみて、救った命を大切にしてあげてくださいね。