生まれて成長期を迎え大人になり、老いていくというのは猫も人も共通ですが、そのスピードは全く違います。猫の年齢を人間に換算するといくつになるのか、また猫の年齢がわからないときの見分け方、年齢による病気、食事や遊び方など、猫の年齢に関した内容をご紹介します。
目次
猫の年齢、人間だと何歳?
猫と人間では時間の流れ方が違うので、同じ1年を過ごしても猫の方が多く年を重ねていきます。猫の年齢を人間に換算するといくつになるのでしょうか?
猫の年齢を人間に換算
猫の年齢を人間に換算してみると、時間の流れ方の違いがはっきりします。
- 生後1ヶ月で1歳
- 生後2ヶ月で3歳
- 生後3ヶ月で5歳
- 生後6ヶ月で9歳
- 生後9ヶ月で13歳
- 生後1年で17歳
- 生後1歳半で20歳
- 生後2年で23歳
- 生後3年で28歳
生後1年頃には骨格もほぼ完成して、成猫と同じ大きさになります。生後3年以降は1年で人間のおよそ4倍の速さで歳をとっていきます。
月齢別、猫の呼ばれ方
- 生後0ヶ月~12ヶ月以下は子猫(成長期)
- 生後1年から7年未満は成猫(成人期)
- 生後7年以降は高齢猫(高齢期)
- 生後17年以降は超高齢猫(超高齢期)
寿命は何歳?
猫の寿命は10歳から16歳とされています。最近では室内飼いの猫も多く、元気に長生きしてくれることもあります。猫が10歳だと人間の56歳に相当し、16歳では80歳に相当します。一般的に猫は7歳頃から老化が始まるとされていますが、個体差もあり、10歳になっても老化の兆しが見られないような元気な猫もいます。
また、食事や生活環境も老化に影響しているとされています。ギネスブックで公式記録とされている猫の長寿は、38年と3日だそうです。これを人間の年齢に換算すると、なんと168歳にもなります。とっても長生きしていたことがよく分かりますね。
見た目で年齢を判断できる?
野良猫など、生まれた年月が分からない場合に、猫の見た目でおおよその年齢を判断することができます。ここでは、そのおおよその年齢の見分け方をご紹介します。
生後1年までの見分け方
生後1年までの変化は著しいので、成猫に比べて細かい月齢をある程度判断することができます。
0ヶ月齢
まだ本当に生まれたばかりの頃です。目も開いておらず、歩かない場合は生後2週間未満と判断できます。生後2週間頃から目が開くようになり、よちよち歩きを始めます。
1~2ヶ月齢
この頃の月齢の判断は乳歯がポイントになります。およそ生後1ヶ月頃から乳歯が生え始め、生後2ヶ月頃には乳歯が生えそろってきます。
3~5ヶ月齢
生後3~5ヶ月齢では乳歯が抜け始めてきます。また、猫は生まれてから生後3ヶ月頃まで、キトンブルーと呼ばれる青い瞳をしています。そしてこの頃になると、瞳の色がこのキトンブルーから本来の瞳の色へと変わっていくので、瞳の色で判断することもできます。遺伝によってもともと瞳の色が青い場合は乳歯で判断しましょう。
6~8ヶ月齢
生後6ヶ月頃には永久歯が生えそろってきます。そのため、永久歯が生えそろっていれば生後6ヶ月を経過していると判断できます。また、個体差はありますが、この頃には性成熟を迎えます。
9~12ヶ月齢
この頃には成猫と同じくらいの大きさにまで成長しています。
1歳から6歳までの見分け方
子猫期の頃のように見た目での変化を頼りに年齢を見分けるのが難しくなってきます。
1~2歳
この頃には一人前の猫になります。骨格もしっかりと形成され、歯が黄ばみかかってきます。去勢の済んでいないオスは発情が盛んになってきます。
3~5歳
毛づやが一番良い頃になります。歯には歯石がつくこともあります。活発によく遊んでよく食べる元気な時期です。
6歳
遊びへの関心が薄れてくる頃です。落ち着いて過ごすようになります。また、口周りに白い毛が生えてきたり、病気や肥満などにもなりやすくなります。
7歳以降の見分け方
高齢期に入ってきますので、老化が始まった兆候などが見られます。
7歳
歯の先が丸くなってきます。一日を通してのんびり過ごすようになります。
8~9歳
この年齢になると歯がすり減って、歯茎に色素沈着も増えてきます。寝て過ごすことが多くなり、運動量も少なくなるので肥満になりやすくなります。また、体が硬くなってくるので毛づくろいが行き届かない箇所が出てくることもあります。
10~15歳
歯のすり減りや歯茎の色素沈着が顕著に見られるようになってきます。歯が抜けてくることもあります。白髪も目立ってきます。
子猫期は成長による変化で年齢を判断しやすくなっていますが、成猫期や高齢期では個体差や生活環境によって変動するため、年齢を判断することが難しくなります。動物病院などでおおよその年齢を見てもらうこともできますので、判断が難しい場合は検討しましょう。
年齢によって違いはある?
年齢によって、かかりやすい病気や食事、遊び方などさまざまです。年齢にあわせた対応をすることで、猫にも過ごしやすい環境を整えてあげることができます。
子猫期にかかりやすい病気
子猫期には
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症
といった病気がありますが、これらはワクチンによって防ぐことができます。これらの病気はかかってしまうと致死率が高いので、ワクチン接種で病気にかかるのを防いであげましょう。
また、子猫の場合、猫感染性腹膜炎にかかってしまうことがあります。
症状には複数回の下痢が挙げられます。猫感染性腹膜炎にはワクチンがなく、かかってしまった場合も対処療法しかありませんので、様子がおかしい場合は早めに動物病院にかかるようにしましょう。
成猫期にかかりやすい病気
成猫期には体調も安定してきますので、病気にもかかりにくい期間になります。この期間には猫下部尿路疾患と呼ばれるものにかかりやすくなります。猫下部尿路疾患には尿路結石や細菌性膀胱炎などが挙げられます。症状には排尿痛や血尿、トイレではない場所での排尿などがあるので、普段の様子と違うことがあれば、動物病院を受診するようにしましょう。
高齢期にかかりやすい病気
高齢期には身体機能も抵抗力も低下していきます。骨折することもあるので、注意が必要になってきます。猫はもともと尿が濃いので、高齢になると腎臓に負担がかかり、慢性腎不全になりやすくなります。慢性腎不全になってしまうと完治することはなく、内科治療をすることになります。
また、10歳以降であれば甲状腺機能亢進症という病気にも注意が必要です。食事をしっかり食べているのに体重が減少する、水を大量に飲んで尿をするなどの症状がある場合、甲状腺機能亢進症になっている可能性があります。甲状腺にしこりができている場合は手術で除去することも可能ですが、発症する猫の年齢が高齢の場合には内服薬での治療がほとんどになります。
食事や遊び方
市販されている総合栄養食は表示内容に従ってあげるようにしましょう。
- 生後6ヶ月頃から成猫期の猫の一日に必要なエネルギーは約100kca×体重分
- 7歳以降の高齢期の猫は約60kcal×体重分
猫は数回に分けて食事を摂る習性があります。高齢になると1日1回になる猫もいます。回数に関しては猫に合わせてあげて大丈夫ですが、1日の摂取カロリーのトータルが多すぎたり少なすぎたりしないように注意しましょう。また、年齢別に分けられているフードは、記載されている年齢を参考にして与えましょう。
猫はおよそ3歳くらいまでの時期が、ねこじゃらしやおもちゃなどで元気に遊ぶことを好む期間です。もちろん3歳を過ぎても遊んだりはしますが、飼い主さんの膝のうえに乗ったり、スキンシップを求めるなど、落ち着いて過ごすことも増えてきます。
7歳以降の高齢期には遊んだり体を動かすことは少なくなります。また、猫の年齢に問わず、猫が遊びたくないときに無理に構ったりすることのないようにしましょう。
年齢に合わせたケアを
猫は生後1年で成猫とほぼ同じ大きさに成長し、7歳以降は高齢となります。猫の見た目や口腔の状態でおおよその年齢を判断することができます。年齢によってかかりやすい病気、食事や遊び方などが変わってくるので、年齢に合わせて対応するようにしましょう。そうすることで、猫も気持ちよく過ごすことができ、一緒に過ごす期間も長くすることができます。