初めは柔らかい餌しか食べていなかった子猫も、成長に従って硬さのあるドライフードへと餌を移行していきます。しかし、子猫を飼うのが初めてという人はとくに、このドライフードへの切り替えに頭を悩ませることも少なくありません。今回は、ドライフードに移行する時期や切り替え方法はもちろん、フードの選び方についても説明していきますので、参考にしてみてください。
目次
ドライフードへ移行するのはいつ頃?
ドライフードを与え始める時期は生後1.5~2ヶ月が目安
生まれたばかりの子猫には、高たんぱく・高脂肪の母乳か子猫用ミルクが最適です。その後は子猫の成長に伴い、離乳食からドライフードへと餌を徐々に切り替えていくのが一般的です。
子猫の乳歯は、生後3週間頃から生え始め、生え揃うのは生後1.5~2ヶ月頃になります。基本的に、乳歯が生え揃えばドライフードは食べられるので、離乳食からドライフードへの切り替えは生後1.5~2ヶ月頃を目安にするとよいでしょう。
体重の増え方や下痢・嘔吐に注意
餌を離乳食からドライフードへ移行する際には、体重の増減や体調の変化に気をつけるようにしてください。ドライフードへの移行中に下痢や嘔吐などの症状が現れる場合は、消化不良を起こしている可能性があります。
また、ドライフード中にアレルゲンが含まれる場合は、食物アレルギーが原因で嘔吐している可能性も考えられます。
何がアレルゲンとなるかは子猫によって異なりますが、嘔吐以外にも皮膚のかぶれなどの症状が見られる場合にはアレルギーを疑い、早めに動物病院に相談するようにしてください。
ドライフードへの切り替え方について
【画像】:ポペットフレンズの坂口マロンくん
離乳食からドライフードへの移行は、子猫の様子を見ながら、無理のないペースで行なうのが基本です。以下に、ドライフードへの切り替え方法やペースの一例をご説明しますので、参考にしてみてください。
月齢で異なるドライフードを与える回数
まず、子猫は月齢ごとにドライフードを与える回数が異なるということを押さえておきましょう。子猫は成長にたくさんのエネルギーを使うため、その分食欲も旺盛です。
しかし、まだ胃が小さく一度に多くの量を食べることができないため、数回に分けて与えてあげる必要があります。一般的な回数は以下を参考にしてください。
- 生後2~3ヶ月:1日4回
- 生後4~5ヶ月:1日3回
- 生後6ヶ月:1日2回
子猫の体重の増え方や体調、便の様子などをよく観察して、必要に応じて回数を調整しながらドライフードを与えましょう。
最初はふやかしてウェットフードと混ぜて与える
今まで離乳食を食べていた子猫に、いきなりそのままのドライフードを与えると、消化不良になったり便秘になってしまうことがあります。
そのため、初めはドライフードをお湯でふやかして柔らかくし、ウェットフードに混ぜて与えてあげるようにしましょう。
ドライフードをふやかす際には、50度以下のお湯を使うことをおすすめします。熱湯を使うと、熱に弱い水溶性ビタミンなどの栄養素が壊れてしまう恐れがあります。
ふやけにくい場合には、先にドライフードを細かく砕くとふやけやすい場合があるので試してみてください。
体調を見ながら徐々にドライフードのみに切り替える
ふやかして柔らかくしたドライフードを与えてみて、下痢や嘔吐などがなく体重もきちんと増えている場合には、徐々にドライフードのふやかし加減を固めにしていきましょう。
子猫の体調や食いつきなどを見ながら、ウェットフードの分量も少しずつ減らしていき、2週間から1ヶ月くらいかけてドライフードのみに切り替えていくようにします。
完全にドライフードに移行した後も、体重の増え方をよく観察するようにしましょう。1週間で100gほど増えていれば、ドライフードへの切り替えがうまくいっている目安になります。
体重が増えなかったり、下痢や嘔吐など体調面の変化がある場合には、ドライフードへの移行がうまくいっていないか、あるいは何らかの病気の可能性もあるため、動物病院で相談するようにしましょう。
ドライフードの選び方のポイント
子猫の時期は、体が著しく成長するとても重要な時期です。子猫の成長に関わる餌は慎重に選びたいものですが、ドライフードには色々な種類があるため、どれを選べばよいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは、子猫に与えるドライフードの選び方のポイントについて説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
「総合栄養食」と表記されているか
市販されているフードは、「総合栄養食」と「それ以外(一般食、おやつなど)」の大きく2つに分けることができます。
このうち、「総合栄養食」は猫の「主食」となるフードのことで、猫に必要な栄養素をバランスよく含んでいます。
そのため、体が大きく成長する子猫には、十分な栄養が摂れるように子猫用の総合栄養食を選んであげるようにしましょう。
質の良い動物性たんぱく質を含んでいるか
子猫の成長にとって、たんぱく質は非常に重要な栄養素です。
とくに、動物性たんぱく質は、肉食動物である猫にとって消化吸収がしやすく、まだまだ消化能力の低い子猫でも比較的効率よく栄養を摂取することができます。
ドライフードの原材料欄には、使用割合の多い材料から順に記載されているため、肉や魚が一番目に記載されている(主原料となっている)ドライフードが望ましいと言えます。
子猫のうちは胃が小さく、一度に多くの量を食べることができないことからも、なるべく動物性たんぱく質を豊富に含んだ栄養価の高いドライフードを選んであげたいものですね。
ただし、気をつけなければならないこととして、肉・魚など高たんぱくの食材はアレルゲンになる可能性があるので、与えたら体調の変化を注意深く観察するようにしてください。
安心安全な原材料を使用しているか
原材料欄のチェックも大切なポイントです。とくに、「〇〇ミール」や「肉粉」などといった曖昧な表記がある場合には要注意です。
これらの中には、廃棄用の骨やくちばし、ひづめなど、本来であれば食べない部位が入っている場合があるからです。
粗悪な品質を隠すために、曖昧な表記をしている可能性があるということを知っておきましょう。
子猫に与えるドライフードには、主原料が「鶏ムネ肉」や「鹿肉」、「牛レバー」などといったように、どんな動物のどのような部位が使われているのかが明確に記載されているものを選ぶようにしましょう。
また、添加物についても注意深くチェックする必要があります。とくに、危険性を指摘されている化学物質であるBHT・BHA・エトキシキンや、合成着色料などが入っているドライフードは極力避けるようにした方が無難です。
穀物アレルギーが心配ならグレインフリーのものを
小麦や大麦などの穀物が主原料となっているドライフードの場合、穀物をかさ増しの目的で使用している可能性があるため気をつけましょう。
また、こうした穀物は食物アレルギーの原因になりやすい食材でもあるため、穀物アレルギーが心配な場合はグレインフリー(穀物不使用)のフードを選んであげると安心でしょう。
グレインフリーのフードは、穀物が含まれているものと比べると炭水化物の含有量が少ないため、栄養バランスが気になるかもしれませんが、そもそも肉食動物である猫は炭水化物をそこまで必要としません。
つまり、グレインフリーのフードの方が、猫本来の食事に近い栄養バランスになっていると言えるのです。
子猫がドライフードを食べないときの対処法
子猫の時期は、体を大きく成長させるためにたくさんの栄養を必要とします。そんな時期にドライフードを食べてくれなかったり、食いつきが悪かったりすると、飼い主としてはとても心配になってしまいますよね。
以下に、子猫がドライフードを食べない場合の対処法を2つご紹介しますので、参考にしてみてください。
違う種類を与えてみる
毎食同じドライフードを与えていると、味に飽きて食べてくれなくなることは珍しくありません。そのようなときは、違う種類のドライフードを与えて様子を見てみましょう。
味に飽きやすい子猫の場合は、あらかじめ2、3種類くらいのドライフードを用意しておいて、ローテーションで与えてあげるのもひとつの方法です。
一時的にウェットフードに戻してみる
どうしてもドライフードに手を付けてくれない場合には、思い切ってウェットフードに戻してみるのもひとつの手です。
ただし、ウェットフードに戻すのはあくまでも一時的にした方がよいでしょう。
子猫の歯や顎の発達のためには、柔らかいウェットフードを与え続けるよりも、しっかりと硬さのあるドライフードを与えた方が良いようです。
そのため、ドライフードを全く食べてくれない場合にはウェットフードを与えますが、ドライフードも根気よく与え続けてみることをおすすめします。
今まで一切ドライフードを食べなかったのに、月齢が上がったら徐々に食べてくれるようになったケースもあるので、諦めないことが大切かもしれません。
子猫にも安心のドライフード5選!
以下に、子猫にも安心して与えられるドライフードを5つご紹介していきます。大切な子猫のフード選びにぜひお役立てください。
モグニャン
モグニャンは全年齢対応の総合栄養食で、グレインフリーであるため穀物アレルギーのある子猫にも安心して与えることができます。
原材料には、高品質な白身魚を63%も使用しており、良質なたんぱく質が多く含まれているフードであると言えます。
また、リンゴやカボチャ、サツマイモなどの食物繊維を含む食材も使われているため、お通じを促す効果が期待できます。
オメガ3脂肪酸を含むサーモンオイルも配合されており、健康的で美しい毛艶を保つのにも役立つでしょう。着色料・香料不使用なのも安心できるポイントです。
オリジン
高品質なたんぱく質を40%以上も含む全年齢対応の総合栄養食です。原材料の85~90%に新鮮な肉、または魚を使用しているため、良質なたんぱく質を多く必要とする子猫の成長を力強く後押ししてくれます。
また、グレインフリーのため小麦やとうもろこしなどの穀物を一切使用していません。
エトキシキン・BHA・BHTなどの合成保存料や、遺伝子組み換え原材料も不使用であるため、安心して子猫に与えることができます。
体重管理用のフードを除くと、「キャット&キトン」「6フィッシュ」「レジオナルレッド」「ツンドラ」の4種類のバリエーションがあるので、子猫の好みの味を探してみてください。
カナガン
イギリス産の平飼いチキンを60%以上使用した、高たんぱく質な全年齢対応の総合栄養食です。野菜や海藻なども含まれており、子猫の体の調子を整えてくれる効果も期待できます。
グレインフリーで人工添加物も不使用なので、安心して与えられるドライフードと言えるでしょう。
シンプリー
高たんぱく質で栄養豊富な全年齢対応の総合栄養食です。原材料にサーモンやニシンなどを73%以上使用しています。
袋を開けた瞬間の濃厚な魚の匂いは、子猫の食欲をかき立ててくれるでしょう。
ほかにも、フラクトオリゴ糖や食物繊維を含む野菜なども配合しているため、健康的なお通じをサポートする効果も期待できます。
グレインフリーで穀物を一切使用していないことに加え、保存料や着色料、香料などの人工添加物も不使用です。
アカナ
カナダ国内で生産された原材料のみを使用した全年齢対応の総合栄養食です。新鮮な肉や魚を多く使用し、たんぱく質含有率は37%以上となっています。
味のバリエーションは3種類あり、鶏と七面鳥がメインの「ワイルドプレイリーキャット」、ニシンやイワシなど魚がメインの「パシフィカキャット」、ラムや鴨がメインの「グラスランドキャット」が販売されています。
炭水化物量を抑えるためにグレインフリーとなっており、エトキシキン・BHA・BHTなどの人工添加物も使われていません。
大切な子猫の健康のためにも納得のドライフード選びを!
これから体が大きく成長する子猫の時期は、どのようなドライフードを食べるかがとても重要になってきます。
子猫時代に摂取した栄養素が、その後の健康状態に関わってくることもあるようです。
市販のドライフードには様々な種類があり、どれを選べば良いのか分からないという人も多いかもしれませんが、値段だけに左右されず、原材料などもきちんと確認したうえで、できるだけ良質なたんぱく質を多く含む安心安全なドライフードを選んであげたいものですね。