愛犬が吠える、どうして吠えるのか、いつになれば吠えるのを止めるのか・・・とお悩みの方はいませんか?実は犬が吠える場合、大きく分けて明確な2つの理由が存在します。そこで今回は犬が吠える理由や対処法、またパターン別の対処法も合わせてご紹介します。
目次
なぜ犬は吠えるの?吠え方にみる4つの要素
大前提として、犬はもともと吠える性質を持つ動物であることを認識しましょう。古来、番犬や猟犬として、不審者の存在を知らせてくれたり、羊の大群をまとめたり、獲物の存在を教えてくれるという役割がありました。
そして、犬が吠える行為には必ず理由があります。まずは、犬の吠え方を4つの要素から詳しくみていきましょう。
高さ
犬の吠え声の高さは、「強さ」を表しています。高い声で吠えている場合は、「弱いアピール」であり、低い声で吠えている場合は「強いアピール」です。
大きさ
吠え声の大きさは、気持ちの強さを表します。大きい声で吠えているほど、飼い主などの相手に強くアピールしたい時であり、小さい声で吠えている時は、そこまで強いアピールではないということを示します。
速さ
吠える速さは興奮の度合いを表しています。速く吠えている時は興奮した状態であり、ゆっくり吠えている時は落ち着いている状態です。
間隔
吠え声の間隔が短いと、興奮した状態で自分の主張を訴え続けています。反対に間隔が長いと、相手の様子を見ながら伺うように吠えているということです。
犬が吠える理由と対処法
次に、犬が吠える理由をご説明します。犬が吠えるのには大きく分けて2つの理由があると言われているので、対処法も合わせて詳しくみていきましょう。
警戒心からくる吠え
犬は、恐怖や不安を抱いた時に、警戒をして吠えるという行動をとります。
- 玄関のチャイムの音
- 知らない人が近づいてくる
- 他の犬とすれ違う・外の物音
上記のような恐怖心を抱えたときに犬は吠えるのです。
警戒心吠えの対処法!恐怖や不安を取り除いてあげる
吠える対象に対し抱いている恐怖や不安を取り除いてあげましょう。知らない人を警戒している場合は、繰り返し知らない人からおやつをもらう、犬とすれ違う度に警戒してしまう場合は、他の犬に合わないように散歩コースを変えるという方法もあります。
知らない人からおやつをもらう場合には、まずは知り合いに練習をお願いをして知らない人が怖くないという成功体験を増やしましょう。そうしていくうちに警戒心が弱まってきたことを感じたらいよいよ本番です。
お散歩時などは常におやつをあげられるように準備しておき、知らない人に出会ったらおやつをあげてもらうようにしましょう。そうすることで、「知らない人=おやつをくれる人」と学習し、警戒心からおやつをもらえる喜びに変わることで吠えも治まります。
要求からくる吠え
欲しいものがあるときや、何かして欲しいときにそれを知らせるために吠えるという行動をとります。
- 抱っこしてほしい
- 早く散歩に連れて行ってほしい
- ご飯が欲しい
- クレートから早く出してほしい
上記のような甘えたいときや要求したいときに吠えるのです。
要求吠えの対処法
- 要求には応えない
- 飼い主がリーダーだと思わせる
犬が要求吠えをする時には、絶対に応えてはいけません。これはしつけをするうえでの鉄則です。「ご飯が欲しい」と吠えていても吠えているときにご飯をあげてはいけませんし、「散歩に行きたい」と吠えている時に散歩に連れて行ってはいけません。
その要求に応えると、「吠えたら自分の要求を通してくれる」と学習し、吠えることは治まらなくなります。大事なポイントは、吠えている間は徹底的に無視をして、吠えていても放っておくようにしましょう。その後、吠えるのを止めてから、要求に応えてあげてください。
犬は上下関係を重んじる生き物なので、常に自分より飼い主が上の存在であることを認識させることが大切です。自分が飼い主よりも上の存在であると思っていると、吠えて自分の要求を通そうとします。
このことから日頃の関わり方やしつけなど、信頼関係を築くうえで、必ず犬よりも飼い主が上位の存在であることを学習させてください。
パターン別の無駄吠えを治す方法
では次に、より分かりやすくパターン別の対処方法をご紹介していきましょう。
チャイムの音で吠える場合
犬がチャイムの音で吠えるのは、「チャイムの音=知らない人が来る」と思っているからです。吠える理由には、知らない人を警戒している場合と知らない人が来るのを喜んで興奮している場合がありますが、その際の対処法をご紹介します。
チャイムの音で吠えないようにする方法
まず、犬がチャイムの音に吠えないようにするために、以下の1~3のしつけを行いましょう。家族がチャイムを押して、いくつかのパターンを繰り返し行います。そうすることで犬は学習し、チャイムの音で吠えることが少なくなります。
- チャイムに吠えなかった場合
- チャイムの音=知らない人ではない
- チャイムの音に気を取られないようにする
チャイムに吠えなかったら、褒めてあげておやつをあげましょう。これを何回か繰り返して行い、チャイムの音に吠えなければ、おやつをくれる、褒めてくれると学習させます。
チャイムの音を鳴らして、家族が入ってくるということを繰り返し行いましょう。そうすることで、「チャイムの音=知らない人が来る」ということではないと学習します。
チャイムが鳴っても、飼い主は気にする様子を見せずに普段通り遊んであげましょう。チャイムの音に反応しないようにすることで、チャイムが鳴っても何も起こらないということを学習すると、次第にチャイムの音を気にしなくなります。
食事の時間になると吠える場合
いつも決まった時間に食事を与えていると、その時間になっても食事がない場合に吠えることがあります。
食事の時に吠えない方法
- 吠えている間は食事を与えない
- 犬より飼い主が上位だと認識させる
吠えている間は、食事を決して与えないようにしましょう。犬が「吠えたら食事をくれる」と学習してしまうと、毎食吠えるようになってしまいます。
犬が吠えている場合は、食事を与えるのではなく、徹底的に無視をします。そして、吠えなくなったら食事をあげるようにしましょう。「吠えなければ食事をくれる」と学習させるのです。
食事を要求して吠えている時に、「ふせ」「おすわり」といった指示を出します。そして、その指示を聞くことができれば、食事を与えてあげましょう。
そうすることで、犬は「飼い主の言うことを聞いていれば食事をくれる」と学習し、自分より上位の存在だと認識します。
ケージに入れると吠える場合
ケージに入れると吠える場合には、犬の「出してほしい」「まだ遊んでほしい」というサインです。本来、狭い場所や暗い場所を好む習性のある犬にとって、ケージの中はくつろげる空間ですが、まだまだ遊びたいというときに吠えます。
ケージにスムーズに入る方法
- ケージに入る練習をする
- 吠えても無視をする、応えない
まずは、ケージに入る練習をします。ケージに入る時におやつをあげて、入ることができたらすぐに出し、たくさん褒めてあげて、おやつもあげます。
これを繰り返し行い、ケージに入っている時間を少しずつ延ばしていってください。ただし、おやつをあげているからといって最初から長時間ケージに入るようにするのは、犬が苦手なイメージを持つ可能性があるので、やめておきましょう。
ケージに入れた後は、犬が吠えても無視をして応えないようにしましょう。様子を見に行ったり、ケージから出してしまうと、「吠えたら出してくれる」と犬が学習するため、逆効果になってしまいます。
ケージの中で吠えているうちは無視することを徹底し、吠えていない時に出してあげたり、様子を見に行きましょう。「吠えたら出してくれる」から「吠えなければ出してくれる」へ変換したうえで覚えさせるのが重要です。
留守番をさせると吠える場合
犬だけで留守番をさせる時に吠えるのは、飼い主と離れることが不安なためです。
本来、犬は群れで生活をする動物のため、一人ぼっちは苦手です。そのため、飼い主のいない家で留守番をすることで、寂しさを感じ、吠えてしまいます。
犬だけで大人しく留守番する方法
- 留守番ができるよう慣れさせる
- 出かける時は静かに出ていく
吠えることなく留守番できるように、普段からひとりの状態に慣れることが大切です。ひとりに慣れておくと、留守番は特別なことではなく、普段と同じ状態になり、吠えることもなくなります。
少しの時間をひとりでいることから始め、少しずつ時間を延ばしていきましょう。可能なら、幼い子犬の頃から慣れさせてあげられるとストレスが少なくて済みます。
留守番をさせる時には声をかけず、静かに出ていきましょう。留守番に慣れていない場合は、出かける際に「行ってくるね」などの声をかけると、犬は置いていかれると思い、寂しさのあまり吠えてしまいます。
かわいそうだと思ってつい声をかけがちですが逆効果のため、留守番に慣れないうちは、声をかけてはいけません。
吠えやすい犬種と吠えにくい犬種
吠えやすい犬種
古来、狩猟犬や番犬となっていた犬種は、他の犬種と比べても吠えやすい習性があります。他にも、縄張り意識が強かったり、警戒心が強い犬も吠えやすく、反対に臆病で不安な犬も吠えやすいといえます。
- 犬種
ビーグル、ドーベルマン、ダックスフンド、柴犬、ヨークシャー・テリア、ミニチュア・シュナウザー、フォックス・テリアなど
吠えにくい犬種
吠えにくい犬種としては、短頭種や性格が温厚な犬だと言われています。
さまざまある犬種の中でも最も吠えないといわれているのが「バセンジー」です。バセンジーは吠えない犬種として世界的にみても人気のある犬種で、日本でも人気があり、マンションといった集合住宅でも飼育することができます。
- バセンジー以外の犬種
フレンチ・ブルドッグ、トイプードル、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、秋田犬、スタンダード・プードル、シー・ズーなど
ショックカラーや声帯切除手術は極力避けよう
犬の吠え対策として、ショックカラーや声帯切除手術という方法もあると言われますが、これは極力避けてほしい方法です。ショックカラーは、犬が吠えた時に電流が流れて痛みを与える首輪のことで、犬にとっては暴力であり恐怖心を煽ることになり、マイナスの影響が多くあります。
また、声帯切除手術は生体の一部に切れ目を入れることで、声が出にくくする手術のことで、犬にとってもストレスが大きく、吠えることを止めさせることにはなりません。いくら吠えが治まらないからといって、安易に、暴力に訴えたり犬を傷つけるという方法は絶対にやめましょう。
犬がなぜ吠えるのか理解することが大切
犬を飼う時に、さまざまなしつけを行いますよね。そのひとつに吠えないようにするしつけもあります。犬は吠えることでコミュニケーションを取ります。しかし、吠えた状態のままにしておくわけにもいかないのが悩みどころですよね。、
なぜ犬が吠えているのか、飼い主に何かを訴えていると考えれば、その理由を理解した上でしつけを行い、吠える行為を極力少なくさせてあげることで、双方にとってストレスの少ない快適な生活を送りましょう。