小さな体でちょこちょこと歩く姿が愛らしいハムスターですが、実は数多くの種類がいます。代表的なゴールデンハムスターはもちろん、体が小さなジャンガリアンなど、特徴は様々です。そのため、どの種類を選べば良いのか、と悩む人も多いでしょう。そこで、今回はペットとして主に飼われている5種類のハムスターを紹介します。それぞれの魅力を知り、ハムスター選びの参考にしてみてください。
目次
ハムスターの種類とは大きく分けて2つ
ハムスターは、ゴールデンとドワーフの2つに大別されますが、これは「品種」による違いではなく「種類」による違いです。
例えば犬ですと、小型犬という括りにポメラニアンとチワワがいて、それぞれ特徴は異なりますが、品種が違うだけなので繁殖が可能です。しかし、ハムスターのゴールデンとドワーフは種類が違うため、基本的に繁殖が不可能だとされています。
また、体の仕組みなども大きく異なり、同じ「ハムスター」という括りでも、別の種類と考えられるのが一般的です。
ゴールデン
体が大きく、力が強いという特徴を持ちます。一般的に知られるゴールデンハムスターが、このゴールデンに当たります。
ドワーフ
体が小さい種類の総称で、主にジャンガリアン、ロボロフスキー、チャイニーズ、キャンベルの4種類が挙げられます。
人気のハムスターの種類とそれぞれの特徴
ハムスターは世界各地に生息しますが、日本でペットとしてメジャーなのは、以下の5種類と言われています。それぞれの特徴を紹介するので、これからハムスターを飼おうと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
参考書籍:かわいいハムスターとの暮らし方
参考書籍:ハムスター
ゴールデンハムスター
ハムスターと言えば、多くの人が連想するのがこの種類でしょう。具体的な特徴は、以下のとおりです。
大きさ
体長:18~19cm
体重:オス85~130g、メス95~150g(なかには200gを超える子もいる)
生息地
シリア、レバノン、イスラエルなど
色
もっともメジャーなノーマルは、白と茶色の2色がメインで、ところどころに黒が入っています。配色バランスには、個体差があり、その他のカラーバリエーションは様々です。
- キンクマ:全身がクリーム色
- ブラック&ホワイト:黒と白の2色カラーで、顔が黒のことが多い
- ドミノ:犬のダルメシアンのような、白に黒の斑模様が特徴で、この柄を狙って出すのは難しいとされる
この他にも、様々なカラーがあります。ゴールデンに、これだけのカラーがあると知って驚いた人も多いのではないでしょうか。また、色だけでなく、毛の長さが違う子もいます。一般的な短毛と違い、長毛は全体的な雰囲気も変わり、ふわふわとした見た目が印象的です。
特徴と値段
ハムスターのなかで、ペットとして飼われてきた歴史がもっとも長い種類です。そのため、現代でも「ハムスター=ゴールデン」とイメージする人が多い傾向があります。
体が大きく、人懐こい性格をしているため、ハムスターを飼うのが初めての人でも、比較的挑戦しやすいでしょう。カラーはノーマルが一般的ですが、近年の日本ではキンクマの人気が高くなっています。
また、短毛と長毛があり、種類が豊富なので、好みの子を選びやすいのも嬉しいですね。
値段の相場は、1,000~2,000円くらいです。
ジャンガリアンハムスター
画像引用:ペットショップコジマ
ゴールデンと並んで知名度が高いのが、ジャンガリアンハムスターです。
大きさ
体長:オス7~12cm、メス6~11cm
体重:オス35~45g、メス30~40g
体が小さいドワーフなので、ゴールデンに比べると、体長は1/2程度、体重は1/3程度です。
生息地
カザフスタン東部、シベリア南西部など
色
全体的に濃い茶色の体で、お腹が白いのがノーマルです。その他のカラーには、以下のようなものがあります。
- パールホワイト:全体的に白で、頭部が少しグレーっぽい
- ルビーアイ:体がイエローで、目が赤い
- ブルーサファイア:薄いグレーで、少し青みがかって見える
その他に、ゴールデンのキンクマのように全体がクリーム色の子や、シマリスのように背中に線が入った子などもいます。
特徴と値段
体が小さいため、目の大きさが際立っているのがジャンガリアンハムスターの可愛らしいポイントです。神経質な気質を持つ子が多いドワーフのなかで、ジャンガリアンは比較的人に慣れやすく、ゴールデンに似ています。穏やかで、飼い主に懐いてくれるため、ペットとして人気なのも納得ですね。
ジャンガリアンは寒い地方に生息していたことから、指先まで毛が生えているのが特徴です。また、冬になると毛が白くなる個体もいます。そのため、パールホワイトのつもりで冬に購入したハムスターが、実は他のカラーだった、というケースもあるようです。
白系のジャンガリアンを飼いたいと思っている方は、冬以外の季節に購入した方が得策と言えるかもしれませんね。
販売価格は、1,000円程度です。
ロボロフスキーハムスター
画像引用:ペットショップコジマ
日本で飼育されているハムスターのなかで、もっとも小さい種類です。
大きさ
体長:7~10cm
体重:15~30g
生息地
ロシア、カザフスタン東部、モンゴル西部および南部など
色
全体的に黄褐色で、お腹が白なのがノーマルです。その他のカラーには、以下のようなものがあります。
- ホワイト:全身が真っ白
- ホワイトフェイス:体はノーマルと同じだけれど、顔が真っ白
特徴と値段
目の上に眉毛のような白い模様が入っているのが特徴です。そのため、表情豊かに見えるのが、ロボロフスキーのチャームポイントのひとつと言って良いでしょう。しかし、臆病で警戒心が強い性格なので、人に慣れる子は少ないようです。
そのため、手に乗せたり、一緒に遊んだりするのは難しいかもしれませんね。ハムスターと触れ合いたい、という人よりは、ハムスターを観賞したい、という人向けの種類と言えるでしょう。ハムスター同士の相性によっては、多頭飼いが可能です。
販売価格は、2,000円くらいが一般的です。
チャイニーズハムスター
ハムスターと言うより、ネズミに近い外見を持つのがチャイニーズハムスターです。他の種類に比べて体が細く、耳の大きさが際立ちます。尻尾が長いところも、よりネズミっぽさを感じさせるでしょう。
大きさ
体長:オス11~12cm、メス9~11cm
体重:オス35~40g、メス30~35g
生息地
中国北西部、モンゴルなど
色
カラーバリエーションが豊富な種類が多いハムスターですが、チャイニーズに関しては、比較的カラーバリエーションが少ないようです。
- ノーマル:鼻の上辺りから尻尾を目がけ、背中一面は茶色っぽい色で、口周りやお腹全面は白色
- パイド:ノーマルに、ところどころ斑模様が入っている
- シルバー:ノーマルより色が薄く、全体的にグレーな印象がある
- ホワイト:全身真っ白で、希少性が高い
特徴と値段
ずんぐりむっくりとした体格が可愛らしいハムスターですが、それに比べてスレンダーなのがチャイニーズハムスターの大きな特徴です。動きも素早く、ちょっとした隙間から脱走するケースも多いため、飼育の際には十分注意する必要があります。
性格は個体差が大きく、ゴールデンのように穏やかな子もいれば、ロボロフスキーのように人に慣れにくい子もいます。そのため、ある程度ハムスターの飼育に慣れてから挑戦することをおすすめします。
日本には、1981年頃に輸入されるようになったため、日本人との付き合いが長いハムスターです。
販売価格は、3,000~4,000円程度で、他の種類に比べて少し相場が高めなようです。
キャンベルハムスター
見た目がジャンガリアンによく似ているため、間違われることが多い種類です。
大きさ
体長:オス7~12cm、メス6~11cm
体重:オス35~45g、メス30~40g
体格は、ジャンガリアンとほぼ同じです。
生息地
ロシア、モンゴルなど
色
ノーマルは、グレーに少し黄褐色を混ぜたような色です。そのため、ジャンガリアンより少し明るい印象があります。しかし、キャンベルは色のバリエーションが豊富なので、ノーマルをペットショップで見かけたことがない、という人も多いようです。
それだけ、カラーによる人気差がない種類と言えます。具体的なバリエーションは、以下のとおりです。
- ブラック・アンブロウス:全体的に黒いカラー
- ブラック・プラチナ・パイド:全体的に黒で、白の斑模様が入っている
- アルビノ:全身真っ白で、目がルビーのように赤い
- イエロー:体がクリーム色で、目が濃い赤色
特徴と値段
非常に神経質で、縄張り意識が強い種類です。そのため、飼い主に対して噛みついてくることも多く、上級者向けと言えるでしょう。様々なカラーの子がいるため、選ぶ楽しさがありますが、飼育は一筋縄ではいかないようです。
販売価格は、2,000~4,000円程度です。
ハムスターの寿命は2~3年
ペットとして人気の犬や猫の平均寿命は、大体14~15年程度です。それに対し、ハムスターの平均寿命は2~3年なので、圧倒的に短いですよね。せっかく飼育に慣れてきた頃には、寿命を迎えてしまった、というケースもあるでしょう。それを考えると、もっと長生きしてくれる動物を飼えば良かった、と思う人もいるかもしれませんね。
しかし、人間からすれば「たった2~3年」という短い時間でも、ハムスターにとっては一生です。楽しい時間を共有するため、ハムスターの健康に配慮するだけでなく、手乗りさせてあげたり、ケージの外に出してたくさん遊んであげたりなど、充実した時間を過ごさせてあげたいですね。
ハムスター人気ランキングの中から5種類を紹介
ハムスターの種類は5つですが、カラーバリエーションが豊富なことを考えると、まるでたくさんの種類がいるように感じられますよね。ペットショップにたくさんのハムスターが並んでいるのを見ると、どれを選ぼうか悩む人も多いでしょう。そんな方の参考になるよう、ここでは種類に関係なく、人気のカラーを5つ紹介します。
キンクマ(ゴールデンハムスター)
画像引用:ペットショップコジマ
キンクマは、柔らかいクリーム色をしているため、その見た目の可愛さが人気です。ゴールデンならではの大きな体を持つので、まるでテディベアのようで愛らしいですね。そのため、近年はゴールデンのなかでもキンクマの需要が増えているようです。
パールホワイト(ジャンガリアンハムスター)
真っ白で美しい毛並みを持つパールホワイトは、ジャンガリアンのなかでも特に人気です。全身が真っ白だからこそ、大きな黒目が際立ち、より可愛らしさを演出します。
ブルーサファイア(ジャンガリアンハムスター)
画像引用:ペットショップコジマ
グレーの毛並みがジャンガリアンっぽさを残しつつ、少し青みがかった色が美しいと人気です。色の濃さは様々で、濃いものはロシアンブルーと呼ばれます。
ゴールデンハムスター
画像引用:ペットショップコジマ
ハムスターの定番と言えば、やはりゴールデンハムスターでしょう。見た目の可愛らしさだけでなく、人懐こさや飼いやすいさも抜群です。ハムスターとたくさん触れ合いたい、という人にはうってつけですね。
アルビノ(キャンベルハムスター)
孤高なイメージがあるキャンベルのなかで、人気が高いのはアルビノです。真っ白な体に、ルビーのように輝く目が美しい種類ですが、その一風変わった雰囲気から、特にハムスターの飼育上級者に好まれる傾向があります。
ハムスターを選ぶときのポイント3つ
とても愛らしい姿を見せるハムスターですが、選ぶ際に見るべきは種類やカラーだけではありません。家族として一緒に暮らす以上、自分に合った子を見極めたいですよね。そこで、たくさんいるハムスターのなかから、どんなところを見て選べば良いのかを解説します。
大きさが適切かどうか
ハムスターは、種類によって大きさが異なります。平均より明らかに小さければ不健康な可能性があり、逆に大きすぎると、肥満の可能性があります。そのため、できるだけ健康的な子を選べるよう、適切な大きさかどうかをしっかりチェックしておきましょう。
ペットショップでは、基本的に同じ種類のハムスターを複数展示しているはずなので、見比べてみると、よく分かるかもしれませんね。
性格が合うかどうか
どんな性格の子が良いかを考えたうえで、ある程度種類を絞っておくことが大切です。例えば、人懐こい子が良いのであれば、ゴールデンやジャンガリアン、観賞用にしたいのであればロボロフスキー、最低限のスキンシップで接したい場合はチャイニーズやキャンベル、というように、事前に候補を考えておきましょう。
しかし、性格はあくまで種類による傾向なので、個体差があります。神経質なキャンベルのなかでも、人懐こい子がいるかもしれませんし、飼いやすいジャンガリアンのなかでも、警戒心が強い子がいるかもしれません。そういった個体差による性格の特徴は、見ているだけでは分かりづらいため、店員に直接聞いてみましょう。
健康的かどうか
せっかく飼うのであれば、健康的で元気な子が良いですよね。健康状態は、店員に聞くのもひとつの手段ですが、ハムスターの様子を見て判断することも可能です。では、具体的にどういったポイントに目を光らせれば良いのでしょうか。
- 目
- 耳
- 鼻
- 口
- 足
- お尻
- 毛並み
涙で目がうるうるしていないかどうか、目やにが大量に出ていないかなど
しっかり耳が立っているかどうか。汚れていたり、怪我をしている場合は注意
鼻水が出ていないかどうか。鼻水が多かったり、くしゃみをしていたりする場合は、細菌による感染症にかかっている可能性あり
歯の伸び具合や、噛み合わせが悪くないか。口を開けるところが見づらければ、店員に見せてもらえるようお願いすることが大切
前足が4本、後足が5本あるかどうか、爪が伸びすぎていないか
お尻が濡れている場合、体調不良で下痢をしている可能性あり
脱毛やフケなど、皮膚トラブルがないかどうか
ケージの外からチェックできるものもありますが、なかには実際に触ってみないと分かりづらい部分もあります。その場合は、店員に頼んで実際に触らせてもらうのも良いでしょう。少しでも気になる部分があれば、一時的な体調不良なのか、慢性的なものなのかを店員に尋ねてみてください。
好みの子を選べるのがハムスターの魅力のひとつ
ハムスターの種類はそう多くはありませんが、カラーバリエーションが豊富なので、ペットショップに行けばいろんな子と出会えるでしょう。配色のバランスも個体差があるので、自分好みの子を選べるのが嬉しいですよね。
しかし、それぞれ特徴が異なり、人間慣れが早い子と、そうでない子がいます。人気の色を飼いたい人もいるかもしれませんが、性格の面から飼いやすいかどうかも見極めることが大切です。
また、ハムスターはペットのなかでも特に短命な動物です。可愛いハムスターには、長生きしてほしいと思うものですが、残念ながらその一生は、約2~3年程度です。その間をどうすれば楽しく過ごすことができるのかを考え、たっぷりの愛情を注いであげてくださいね。