スヌーピーのモデルとして知られるビーグルは、愛らしく人懐っこい性格をしていることから人気が高い犬種のひとつです。そして、その可愛さとは裏腹に、古来うさぎ狩りなどで活躍する狩猟犬だったというたくましい面も持っています。今回は、ビーグルを飼いたいと思っている方や興味のある方へ、性格や飼うときのポイントなどを紹介します。
目次
ビーグルの性格から分かる特徴
【画像】:ポペットフレンズのひなちゃん
ビーグルは、土中や岩穴に生息するイタチやモグラなどの動物を駆除するテリア種を除き、キツネやうさぎ狩りなどの獣を狩猟してきたハウンド系に属します。そのなかでも、特に小柄な犬種として広く親しまれています。
一般的な体重は9~11kg、体高33~41cm程度で、垂れ下がった大きな耳とクリクリとした目がチャームポイントです。
そんな愛くるしい姿から、アメリカの漫画「ピーナッツ」に登場するスヌーピーのモデルとなったという話をご存知の人も多いのではないでしょうか。
世界中から人気を集めるビーグルですが、どのような性格の持ち主なのかを紹介します。
活発でいたずら好き
小柄ですが、筋肉がしっかりついていて引き締まった体を持っています。そのため、活発に動き回るのが大好きで、ドッグランに連れて行けば芝生中を走り回り、おもちゃを与えればそれを使って上手に遊ぶことができるでしょう。
じっとしていられない性格なので、遊んでもらいたい一心で飼い主を追いかけまわすこともあるかもしれません。そのやんちゃで元気いっぱいな姿がなんとも愛らしいですね。
寂しがりの甘えん坊
【画像】:ポペットフレンズのひなちゃん
寂しがり屋なので一人遊びが苦手です。最初はおもちゃで気を紛らわせていても、すぐに飽きて飼い主のそばまで寄ってきます。
構ってほしい欲求が強く、どこに行くにもついてくる姿が可愛らしいのですが、なかなか離れてくれなくて困るという人もいるかもしれませんね。
また、ビーグル以外の他のペットを飼っている場合、自分から遊び相手を求めて近寄っていくこともあります。
社交的
集団生活に慣れているため、比較的人見知りが少ない犬種です。飼い主はもちろん、初対面の人とでもすぐに仲良くなれるでしょう。そのうえ愛嬌もあるため、いろんな人から愛されます。
しかし、猫などの群れを成さない動物に対しても積極的に距離を縮めようとしてしまうため、相手から煙たがられてしまうこともあります。
マイペース
自分の気が向くままに行動してしまうところがあります。そのため、何かに夢中になっていると、呼んでも反応してくれないほどです。これは、きちんとしつけをすれば解決できるので心配はいりません。
また、ビーグルは臭覚を武器に狩りを行なう「臭覚ハウンド」に属しているため、いろんなところを嗅ぎまわるのが大好きです。散歩中もあちこち嗅ぎまわり、マイペースに歩くことがあるでしょう。
前を見ず歩くことで事故やケガの恐れがあるため、飼い主がしっかりリードを持って愛犬をコントロールをする必要があります。
ひどいようであればしつけをすることも必要ですが、無理にやめさせるとストレスをためてしまう可能性が考えられます。
臭いを嗅ぎまわる行為を一切禁じるのではなく、安全な場所であればそばで見守り、ビーグルはこういう性質を持っていると受け入れてあげることも大切です。
無駄吠えが多い
不名誉なことではありますが、なんとビーグルの無駄吠えの多さはワーストワンだと言われています。獲物を威嚇したり、仲間や飼い主に知らせようとしている狩猟本能の名残だと考えられるため、仕方がないことかもしれません。
しかし、根気強くしつけをすれば改善が可能なため、飼い主が根気よく言い聞かせてしつけを行なうことで無駄吠えも落ち着いてくるでしょう。
ビーグルの性格は性別やタイプで違うって本当?
基本的な性格は先述しましたが、それぞれに個性があり、性別や育った環境でも性格は違ってきます。どんな違いがあるのかを性別とタイプごとにその傾向を紹介します。
性別による違い
動物の本能が影響し、オスとメスで性格が異なります。
- オスの場合
- メスの場合
縄張り意識を持つため、自分のテリトリーを示そうと部屋中におしっこでマーキングすることがあります。そのため、トイレのしつけに手を焼く飼い主も多いでしょう。
これは、きちんとしつけを行なえば直るので、安心してくださいね。
また、一般的にオスの方が甘えん坊だと言われています。大好きな飼い主に構ってもらおうと近寄ってくることが多いため、たっぷりと愛情をそそいであげたいですね。
オスと比べて、メスの方が少し落ち着きがあると言われています。また、生理が来ると神経質になりやすいため、ちょっとしたことで機嫌を損ねたり、元気をなくしたりする可能性があります。時期を考えて、接し方に配慮してあげましょう。
タイプによる違い
ビーグルには3つのタイプがあります。目的にあわせて改良された結果、体格自体に違いがある場合もあれば、育て方によって性格に違いが出ることもあるため、どんな違いがあるかを解説します。
- ペットタイプ
- 猟犬タイプ
- ショータイプ
日本で飼われているのはほとんどがこのタイプです。ペットとして人間と共存することを目的として品種改良されたため、しつけによって徐々に狩猟本能が薄れていき、穏やかで人懐っこい性格になっていくと言われています。
繁殖を目的として改良されたタイプで、一般的なビーグルより胴が長めなのが特徴です。現代でも狩猟犬として活躍している子も多く、なかにはクマやイノシシなどの大柄な動物をターゲットに活躍している子もいます。
狩りの指示を出す飼い主に従順で、ターゲットを捕まえるまで諦めない執念深さも、あの可愛らしい見た目からは想像できませんよね。
犬を対象にしたショーに出場するために育てられているタイプです。ショータイプはほどよく引き締まった体を持つため、最も理想的な体型だと言われています。
体型を維持させるため、適度に運動をさせたり、小まめに体のケアを行なったりする人が多く、その過程で飼い主とのコミュニケーションをしっかり育むことができます。
ビーグルは「コンパニオンドッグ」に最適!どんな人と相性が良い?
番犬としてではなく、家族の一員として人間に寄り添って生きる犬のことを「コンパニオンドッグ」と呼びます。
愛犬を家族同様に扱う人が増えたため、昔に比べて食事や旅行に愛犬を連れて行く姿がよく見られるようになりました。
ビーグルはこのコンパニオンドッグに最適な犬種だと言われていますが、どんな人と相性が良いのでしょうか。
忍耐力がある人
人間に対して友好的で協調性もありますが、それとは裏腹にマイペースな性格も持ち合わせています。しつけをしても最初はなかなか覚えてくれず、手を焼く人もいるでしょう。
ビーグルのしつけはとにかく根気強さが必要です。聡明な犬のように1回や2回で覚えられないことも多いため、何回も繰り返し教えて身につけさせていくことが大切です。
短気で忍耐力がない人は、ビーグルのしつけで挫折してしまう可能性があります。言いつけを守らない愛犬に手を挙げてしまう人はもってのほかですが、こういった気質の人にはビーグルの飼育は難しいでしょう。
正しいしつけの知識がある人
先程も説明したように、ビーグルはもともと狩猟犬なので、狩りのことを考えて行動する本能があります。自分のテリトリーを示すためにおしっこでマーキングをしたり、無駄吠えをしたりなどはよくあることです。
飼い始めは、ペットとして飼い主に従うことを知らないため、一から教えていかなければなりません。
正しいしつけを行なえば、ビーグルも理解して覚えることができるため、しつけの知識を学んだ人や、しつけ教室などに行って正しいしつけを学ぼうと積極的に行動できる人が飼い主として適切だと言えるでしょう。
犬と遊ぶのが好きな人
やんちゃで活発なので、とにかく遊ぶことが大好きです。おもちゃで一人遊びをさせていても良いのですが、飼い主が一緒に遊んであげることで、愛犬はもっと喜んで満足してくれるでしょう。
犬と遊ぶのが好きだという人には、うってつけの犬種だと言えるのではないでしょうか。
頻繁に家を空けない人
寂しがり屋のビーグルは、留守番を任されるのが苦手な傾向が見られます。一匹だけ家に残されて退屈になると、それがストレスとなってしまう場合があります。
なるべく一緒にいてあげられるような人であれば、ビーグルも安心して過ごせるでしょう。自営業をしている方の看板犬や、多頭飼いをされている方などにおすすめです。
そのほか、学校や仕事などでどうしても家を空けなければならないことが見越せている場合は、幼犬のうちから留守番に慣れさせておくことでストレスの軽減ができるでしょう。
そのほか、留守番の間誰かにお世話を頼んだり、ペットの保育園に預けたりなどの工夫をすることで寂しい気持ちを払拭してあげるのもいいですね。
ビーグルと他の動物の相性は?
飼い主のなかには、ビーグルだけではなく他の動物も飼いたいと思っている人もいるかもしれません。
しかし、気になるのが動物同士の相性です。種類が違う動物が仲良くしている姿は本当に微笑ましいものですが、逆にケンカをしたり、命を奪ってしまったりするようなことも考えられるため、危険は未然に回避しなければなりません。
ビーグルの性格上、他の動物との相性はどうなのかを解説します。
猫(〇)
猫と犬は比較的相性が良いため、一緒に飼っている人も多いでしょう。活発な猫であれば、ビーグルとの相性も抜群です。
しかし、一匹でいることを好む猫や、あまり活発に動きたがらない猫の場合、ビーグルとケンカをしてしまう可能性があるため注意が必要です。
小動物(△)
小動物にはうさぎやフェレット、ハムスターなどが挙げられますが、これらとビーグルとの相性はあまり良いとは言えません。もともとビーグルはうさぎ狩りをしていた動物なので、狩猟本能から小動物たちを追いかけまわしてしまう可能性があるからです。
しかし、ビーグルは人間の赤ちゃんなどに対しても優しく接する、面倒見が良い面も持ち合わせているため、おとなしい小動物たちを優しく見守ってくれる子もいます。
そのため、ビーグルの性格によって、あるいはしつけによって小動物と一緒に飼うことは可能だといえるでしょう。
鳥(×)
鳥もビーグルにとっては狩りの獲物と見えてしまう可能性があります。また、羽をはばたかせる様子がどうしても気になり、本能的に手を出してしまう子もいるでしょう。
ビーグルの手に届かない位置に鳥かごを置けば飼うことも可能ですが、万が一を考えると一緒に飼わない方が無難です。
爬虫類(×)
爬虫類は、小動物や鳥などに比べて動きが小さい傾向があります。危険を感じると素早く動いて逃げますが、普段はじっと静止していることも多いでしょう。
そんな姿を見て、ビーグルはおもちゃと勘違いし手を出してしまう可能性があります。また、飼育ケースを倒して爬虫類を逃がしてしまったり、ビーグルがヘビに噛まれてしまったりなどの可能性もあるため、一緒に飼うのは危険です。
ビーグルを飼うときに気をつけるべきポイント
【画像】:ポペットフレンズのひなちゃん
ペットとして人気が高いビーグルですが、飼ううえでは気をつけなければならないことがいくつかあります。
集合住宅の環境には不向き
無駄吠えが多いビーグルは、マンションやアパートなどの集合住宅には不向きです。
猟犬として吠える仕事をしてきた犬種なので、何もなくても大きな声で吠えたり、ちょっとした物音にも反応してしまうことがあります。
集合住宅では、隣の部屋などの物音がかすかに聞こえることがあり、そのたびに反応してしまう子もいるでしょう。犬の鳴き声は騒音トラブルの原因のひとつとも言われているため、飼育環境には気を配る必要があります。
名札付きの首輪をする
先程も説明したように、ビーグルは社交性があるため、初対面の人に対しても友好的に接することができます。しかし、人懐っこいからこそ気をつけなければならないことがあります。
ドッグランなどのノーリードの環境で、首輪をつけていないビーグルが寄ってくるのを見て、野良犬と勘違いして連れ帰ってしまう可能性があります。
なかには、首輪をつけていても近くに飼い主がいないからとさらわれてしまう恐れがあるため、必ず首輪だけではなく名札もつけておきましょう。名前がついていることで、野良犬だと勘違いされるリスクは減らせるはずです。
ビーグルは元気で愛嬌がある人気の犬種
元気いっぱいに走り回るビーグルは本当に可愛らしいですよね。スヌーピーとともに、世界中から愛されるようになったのにも納得です。
マイペース故に、しつけに根気が必要という難点もありますが、それをクリアすれば従順な良きパートナーとなってくれるでしょう。
しかし、ビーグル以外の動物も飼っている場合は十分に注意してあげてください。ビーグルはもともと狩猟犬なので、他の動物を狩りの獲物と認識してしまう可能性があります。
そのため、他の動物たちにケガをさせたり、怯えさせてしまったりすることも考えられるでしょう。飼育環境を工夫し、しっかりしつけをすることで回避できる問題なので、飼い主がしっかり管理をしてあげることが大切です。
ビーグルを飼いたいと思っている人や、すでに家族として迎えている人も、性格や特徴を理解し、安心して過ごせる環境を整えてあげてくださいね。