猫はしっぽの動きで自分の気持ちを表現するって本当?動き方でわかる猫の心理

猫はしっぽの動きで自分の気持ちを表現するって本当? しっぽの動きとそのときの気持ち

犬はよくしっぽの動きで感情を表現すると聞きますが、猫の場合はどうなのでしょうか。実は、猫のしっぽもいろいろな役割をもっています。今回はそんな猫のしっぽについて、どんな役割をするのか詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

猫のしっぽの役割

猫はしっぽの動きで自分の気持ちを表現するって本当? しっぽの動きとそのときの気持ち
猫のしっぽはいろいろな形があります。細くてしなやかな長いしっぽ、丸まったふさふさのしっぽ、幸運を引っ掛けてくるという鍵しっぽと呼ばれる先が鍵のように曲がったしっぽもあります。また、ジャパニーズボブテイルという猫は短いしっぽが特徴ですし、中にはしっぽがない猫もいます。

そんな猫のしっぽにはいろいろな役割があるとされていますが、それは一体どんな役割なのでしょうか。

バランスをとる

猫のしっぽの役割の1つ目は、「バランスを取るための働きをする」ことです。猫は高いところからジャンプしても上手く着地することはよく知られていますが、このときに重要な役割をするのがしっぽなのです。

高い場所から下へ落ちる時、自分のしっぽを使ってバランスを取って体勢を立て直し、足から着地できるようにしているのです。

気持ちを表現する

次に挙げられるしっぽの役割は、「自分の感情を表現するための働きをする」です。しっぽで気持ちを表現する動物として知られているのは犬ですが、実は猫も犬と同じように自分の感情をしっぽで表します。

なので、猫のしっぽの動きを見ることで、猫が今どのような気持ちなのかを汲み取ることができ、猫への対処方法を考えることができます。

マーキングする

もうひとつのしっぽの役割は、「マーキングするための働き」です。猫は自分のニオイをいろいろなところにこすりつけて、自分の縄張りを主張します。

猫の身体には臭腺という自分のニオイを発する器官がありますが、この臭腺がしっぽにもあります。飼い主さんのそばにきて、足元にしっぽを巻きつけるようにスリスリしてくることがありますが、このときに自分のニオイをこすりつけています。

特に飼い主さんが外から帰ってきたときなど、飼い主さんに知らないニオイがついているのを不安に思い、自分のニオイをこすりつけてくることがあります。

猫の気持ちはしっぽの動きでわかる

嬉しいとき

垂直にピーンと立てる

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しっぽを垂直にピンと立てているときは、好意を表しているときの表現です。これは子猫が母猫に近づくときに見られる行動です。

自分はここにいるよとアピールすることと、しっぽを立てて母猫にお尻を舐めてもらい排泄を促してもらうためという意味がある行動で、相手に信頼を寄せている証拠です。

猫同士ではしっぽを立てて近寄っていくときは、相手の猫もしっぽを立てて挨拶をする行動をします。もし、飼い猫が飼い主さんのところにしっぽをピンと立てて近寄ってきたら、あなたのことが大好きで信頼しているよ、というサインです。

弓のようにピンとしならせる

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しっぽを背中の上で弓のようにしならせているときは、興奮しているという意味があります。子猫などは、遊んでいるときにだんだん興奮してきてしっぽが弓になりになります。夢中で遊んでいるときに見られる行動で、子猫の気持ちで表すと「すごく楽しい!」といったところです。

ゆっくりとユラユラと動かす

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しっぽをゆっくり揺らすことがありますが、これはリラックスしているときにする行動です。外を眺めながら、または寝転んでいるときなどこのようにしっぽをユラユラ動かすことがあります。

また、飼い主さんに撫でてもらっているときも、機嫌がよくリラックスしている証拠としてしっぽをゆっくり動かします。リラックスのほかにこれから何をしようかな、と考えている場合もあります。

身体に巻きつける

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猫が座っているときに、自分の身体にしっぽを巻き付けているときがあります。この状態のときは、リラックスしているときの行動です。

猫は天敵から身を守るため、警戒しているときやリラックスしていないときは、すぐに動けるような体勢で座ったり寝たりします。しっぽを身体に巻き付けている状態では、すぐ動くことができません。そのため、この体勢でいるときはリラックスしているといえるのです。

機嫌が悪いとき

バタバタ振る

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猫のしっぽがバタバタ振られているときは、機嫌が悪い時の行動です。犬の場合はしっぽを振ると嬉しい気持ちを表現する行動になりますが、猫は反対です。

触られたくないときに触ったりと、気に入らないことがあると尻尾をバタバタ動かします。このような行動をしているときは、猫が嫌がることをやめてそっとしておいてあげましょう。

犬のようにしっぽを振っているから喜んでいるのだろうと、しつこく撫でていると引っかかれることがあるので注意しましょう。

毛を逆立ててピンと立てる

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尻尾をピンと逆立てて毛を逆立てることがありますが、これはすごく怖いことがあったり、驚いたときにする行動です。

怖いことがあったときにしっぽを膨らませることで、自分を大きく見せて自分は強いのだというアピールをしているのです。実は心の中は心臓がバクバクしていて怖くて仕方がないのですが、しっぽを膨らませて威嚇することで相手に退散してもらおうとしています。

この様な時は飼い主さんに対しても攻撃的になることがありますので、尻尾を膨らませているときは触らずそっとしておきましょう。

毛を逆立てて下に下げる

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しっぽを逆立てて、下に下げている場合もありますが、この場合は攻撃的な威嚇の意味があります。猫同士のケンカのときに優位な立場の猫が行う行動です。全身の毛を逆立てて、尻尾を下に向けているのが特徴です。

怖いとき

わずかに振る

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尻尾の先だけを少し動かしているときは、動揺・不安を表しています。急に外で車のクラクションが鳴ったときなど、驚いたときにこのような行動をします。神経質そうに尻尾の先を動かしますが、落ち着かないときの気持ちでいるのです。

足の間に挟むようにしまう

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しっぽを足と足の間にしまうようにしているときは、怖い気持ちになっているときです。そして、そのときしっぽは下に垂れ下がっています。自分より強い相手と対面したときや大きな雷の音などに恐怖を感じているときにこのような行動をします。

しっぽを足の間にしまって身体を小さく見せる行動は、相手に対して負けを認めて服従していることになります。猫は大きな恐怖を感じているときは、ひどく怯えていて自分の身を守ろうと必死になっています。このような状態のときに触ると噛まれることがあるので、近づかないようにしましょう。

こんなときはどういう意味なの?

飼い主さんが名前を呼ぶとそばに来ないけどしっぽを振る

猫はしっぽの動きで自分の気持ちを表現するって本当? しっぽの動きとそのときの気持ち
飼い主さんが猫の名前を呼んだ時、聞こえていてこちらを見ているのにそばに来ないときがあります。何度か名前を呼んでみると、声を出さずにしっぽだけ振っていることがあります。

このときの猫の気持ちは「聞こえているよ。でも、今は動きたくないんだよ。」というものです。構ってほしくないけど、一応反応しておいてあげようかなといった感じでしょうか。

飼い主さんの体にしっぽをパタパタとぶつけてくる

猫は大好きな飼い主さんに、自分のニオイをこすりつけてくることがあります。飼い主さんのことが好きだという感情表現のひとつです。

その方法は、自分の顔を飼い主さんの顔や身体にこすりつけてきたり、しっぽをパタパタとぶつけてくるのです。猫の頬やしっぽの付け根にはフェロモンを出すところがあるので、このような行動をするのです。

だらりと垂らしている

しっぽがだらりと垂れているときは、しょんぼりしているときの気持ちです。子猫が遊びや狩りが上手にできなくてこのような行動をすることがあります。

もし、いつもしっぽがだらりと垂れているようなことがあったら、体調が悪いのかもしれません。元気がなく、食欲も落ちているなどの変化が見られる場合は動物病院で診察を受けるようにしましょう。

猫のしっぽの不思議

しっぽは大切な神経と繋がっている

猫が自分の尻尾を上手に動かすことができるのは、尻尾のまわりにたくさんの神経があるからです。そのひとつである尾骨神経は、しっぽ全体に分布しているため、猫はしっぽの先まで細かく動かせるのです。

猫のしっぽを引っ張っていけないのは、尾骨神経が下腹神経・陰部神経・骨盤神経という重要な神経と部分的につながっているからです。尾骨神経が傷つくと、他の神経にも支障をきたすことがあり、歩行障害や排便や排尿の障害が出る場合があります。

しっぽの付け根をポンポン叩くと気持ちいいの?

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猫はしっぽの付け根をポンポン叩かれると気持ちがいいようです。猫は顔周りやアゴの下を撫でると気持ちよさそうに目を閉じます。しっぽの付け根のあたりには多くの神経があって主要な筋肉がついているので、神経や筋肉がほぐされて気持ちよく感じるのです。

猫とのスキンシップとして、しっぽの付け根をマッサージしたり軽く叩いてあげると喜びます。ただし、いくら気持ちがいいとはいえ、しっぽの付け根まわりには多くの神経が通っているので、強く刺激するのはやめましょう。

また、飼い始めたばかりで信頼関係が築けていないときに触るのはやめたほうがいいでしょう。猫は知らない人から身体を触られるのを嫌いますので、気持ちいいだろうからとしっぽの付け根を触る噛まれることがあります。

そして、しっぽの付け根を触られると喜ぶ猫が好きな猫がいる一方、嫌いな猫もいます。猫の様子を見ながらマッサージを試みてみましょう。

猫のしっぽの動きで気持ちを理解してあげましょう

猫のしっぽの動きにはいろいろな感情を表していることは理解していただけたと思います。猫は嬉しい時、悲しい時、怒っている時にしっぽでその気持ちを表現します。
猫を飼っている方にはきっとそれらはもう通じているのでしょうね。猫がしっぽをピンと立てて近づいてきたときの愛猫のあなたへの信頼や愛情を。