愛犬の背中を撫でているときに、しこりを発見したことはありませんか?しこりは良性で放置しても大丈夫なものもあれば、悪性で命に関わる手術が必要なものもあります。犬の背中にしこりができる4つの原因と3つの対処法を紹介します。
目次
犬の背中はしこりができやすい
犬の背中を撫でていたりシャンプーをしてる時に、指先にコリッとした触感があればそれはしこりです。犬の背中は毛皮が厚いのでしっかり触らないとしこりがわからないことがあります。毛の塊をしこりと間違えてしまうケースも多いため注意が必要です。
背中だけではなく体中どこでもしこりができる
犬は体中にしこりやイボができやすい動物です。もちろん背中にもできます。撫でていて一番気が付きやすいのは背中かもしれませんが、体中を探してみると別の場所にもあるかもしれません。
放置しても問題ないしこりもありますが、悪性の腫瘍の可能性も考えられます。一番に気づくことができるのは飼い主さんなので、発見したら後述するしこりの原因を確認してみてください。
良いしこりと悪いしこりの見分け方
良いしこりと悪いしこりの見分け方は、素人が判断するのは非常に困難です。わかりやすい悪いしこりの場合は、しこりを触ったときに犬が嫌がったり、かさぶたや膿が出ることがあります。
しかし、まだ育っていない悪性の腫瘍の場合は痛みを伴わず、触っても犬は嫌がりません。また、悪性の腫瘍の場合はしこりの成長速度が早いので、短期間で大きくなるようであれば要注意です。
悪いしこりは放置すると危険!
悪いしこりを放置すると、命の危険が生じます。特に危険なのは、癌です。癌の疑いがある場合はなるべく触れないようにしましょう。触れると進行を早めることになって手遅れになってしまう可能性があります。
また、少しでも疑いのある場合は悩む前に早期の検診をおすすめします。後述する悪いしこりの原因に心当たりのある方は、治療をするにも安心をするにもまず獣医さんに診てもらいましょう。
犬の皮膚病ってどんな種類があるの?原因を知って愛犬を守ってあげよう!犬の背中にしこりができる4つの原因
犬の背中にしこりができる原因は複数考えられます。放置しても問題ないしこりと、放置した場合に症状が悪化するしこりがあります。特に老犬の場合は、イボができるのは自然なことです。しかし、今までなかったのにいきなりできたしこりなどは注意する必要があります。
ここでは、犬の背中にしこりができる代表的な例を4つご紹介します。加えて、良いしこりと悪いしこりも説明するので参考にしてみてください。
良性の脂肪腫でしこりができる
良性の脂肪腫はしこりを生じさせます。良性の脂肪腫は、触るとぷにぷにしていて皮膚の中で少し動きます。良性の脂肪腫は、基本的には放置していても問題ないとされています。
背中にできたものは、犬が寝転ぶときに擦れて出血することもあるので、場合によっては切除したほうがいいこともあります。
柔らかくて大きさはまちまち
良性の脂肪腫は柔らかくて、小さいものから大きいものまでさまざまあります。大きくなる良性の脂肪腫は10cmを超えます。あまりにも大きくなるものは、内臓を圧迫してしまい、健康を害する可能性があるので、場合によっては切除が必要なこともあります。
あまりにも大きくなってしまって、犬が辛そうにしていたら病院に連れて行ってあげたほうがよいでしょう。
脂肪細胞腫が原因
しこりのなかには、脂肪細胞腫が原因で発生しているものもあります。脂肪細胞腫は、脂肪腫との見分け方が困難です。触ると弾力がある場合があり、脂肪腫との見分けがつきません。脂肪腫に比べて、大きくなるスピードが早いですが、見分けるのはやはり難しいといえます。
悪性の腫瘍の場合は癌の可能性もある
脂肪細胞腫には、高分化型のものと未分化型のものがあります。高分化型のものは、比較的悪性の癌になりにくいです。大きさは1~4cmぐらいで触ると弾力があります。
注意しなくてはならないのは未分化型の方です。未分化型の脂肪細胞腫は、進行が早く悪性の癌です。未分化型のものは急激に大きくなったり、潰瘍になり出血するケースがあります。
もし、当てはまったらすぐに獣医さんに診てもらいましょう。命の危険があるため、少しでも早く治療を始めましょう。
膿やかさぶたがある場合は炎症を起こしているかも
しこりから膿が出てくる場合、特にかさぶたができている場合は傷に細菌が入ってしまってできた炎症の可能性があります。炎症が起きるとしこりのようになることもあります。炎症が原因でできるしこりは、触ると痛みがあるので犬が嫌がります。
炎症は抗生物質でも治る可能性はありますが、基本的にはしこりごと切除する手術が必要になります。炎症になっていると犬はストレスを感じてしまうので、早めに処置をしてストレスから解放してあげましょう。
感染性と無菌性に分かれる
炎症の原因はさまざまで、細菌などが原因で引き起こされる感染性の炎症と、免疫が脂肪腫を異常とみなして免疫が攻撃するためにできるような無菌性の炎症があります。
飼い主がこれらを判断するのは難しいため、やはり獣医さんに診てもらうのが一番です。感染性と無菌性で療法が大きく異なるので、市販の薬だけで治すのは難しいといえます。
注射が原因でできるしこり
ワクチンなどを注射したあとにしこりができることもあります。犬のアレルギー反応なので仕方のないものです。特に害はなく、通常であれば1週間から1ヶ月で消えます。
それでも消えない場合は、炎症や腫瘍になっている可能性があります。上記の炎症や腫瘍の症状が診られる場合は、獣医さんに診てもらいましょう。
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犬の背中にしこりを発見した場合はどのようにするのが正解なのでしょうか。具体的な対処法をご紹介します。
飼い主だけで判断するのはNG
先述してきたとおり、犬の背中のしこりの原因を見極めるのは困難です。一番後悔するのは、良性の脂肪腫だと思っていたら実は癌だった、というケースです。
できるだけ早期発見が求められる癌が考えられるしこりを、自己判断で処置するのは極めて危険です。しこりを見つけ、すこしでも不安があれば獣医さんの検診を受けるようにしましょう。
悪性の腫瘍の場合は命の危険がある
ご紹介したとおり、悪性の腫瘍は命の危険があります。そのため飼い主だけで正確な判断をするのは難しいのです。
また、せっかく発見できたしこりも、放置してしまっては意味がありません。愛犬のことを考えたら、多少お金はかかっても診断を受けることが最善の対処法といえるでしょう。
また、悪性の腫瘍の場合でも育っていない場合は癌かどうか断定が難しいので検査後の観察が大事になります。
犬が病院を嫌がる!通院によるストレスを軽減するための方法とは場合によっては除去手術を受ける必要がある
悪性の腫瘍の場合や、皮膚炎の場合は除去手術を受ける必要があるかもしれません。手術費用は60,000~80,000円程度である場合が多いようです。
抜糸や術後管理のために、入院が必要になるケースもあります。犬の体調とよく相談してから、手術を受けるためにも、獣医さんとよく相談して判断しましょう。
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犬はしこりができやすい動物のため、多くの飼い主はしこりを見つけるシーンに出くわすことになるでしょう。良性のしこりも多くありますが、ごくたまに、見つけたそのしこりが重大な病気のサインであることがあります。
しこりを発見し対処してあげられるのは、飼い主さんだけなので、日常のスキンシップの中で意識して探してあげましょう。日頃から撫でてあげたり、マッサージしてあげることで病気の早期発見に繋がります。癌だった場合でも、見つけるのは早ければ早いほ対処することができます。
ぜひ、毎日撫でてしこりチェックをしてあげましょう。もしも、しこりを見つけたら、悩む前に獣医さんを受診することをおすすめします。
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