犬が病院を嫌がる!通院によるストレスを軽減するための方法とは

動物病院 ぬいぐるみ

大切な愛犬のために、動物病院に行くことは欠かせません。予防接種や急患などで、動物病院に行く理由はさまざまではないでしょうか。しかし、犬にとって一度病院が怖い場所だとインプットされてしまうと、ストレスを溜めてしまいます。そこで、愛犬が少しでもリラックスして過ごせるような動物病院を選びましょう。動物病院でかかる費用や、行く必要があるときなどについても解説します。

犬が病院を嫌がるときはどんな素振りを見せる?

犬は病院に行きたくないとき、どんな素振りを見せるのでしょうか?以下3つの行動を見せるようなことがあったら、病院を嫌がっているサインかもしれません。

困る犬

ぶるぶると震えだす

私たち人間にも当てはまることですが、犬も恐怖を感じるとぶるぶると震えだします。

寒くないはずなのに震えだした、動物病院に行くまでの車内や病院での待合室で震えが止まらない状態になっている場合、動物病院のことを怖いと思っている証拠です。

その理由のひとつは、以前痛くて怖い思いをした場所であることを覚えている場合です。犬は記憶力に優れている賢い動物なので、嫌だったことなどは場所とともにしっかり覚えているます。

ぶるぶると震えだしてしまった場合は、まず愛犬を落ち着かせてあげて、獣医師にも事前に状況を相談し配慮して接してもらうようにしましょう。

病院に着いたと気づくと嫌がって入ろうとしない

病院に着いたときに、断固として入ろうとしない素振りを見せることがあります。病院の雰囲気や診察室などのことを覚えている可能性が高く、嫌なことをされるかもしれない、居心地が悪い場所だという思いが出てきてしまうからでしょう。

特に何度か行ったことのある動物病院の場合には、早い段階で察知する犬が多くいます。

このことから動物病院は、もしも苦手意識をもってしまったとしても、二人三脚で克服を目指してくれるようなできる獣医師がいるところを探して通うことをおすすめします。

噛んだり暴れてしまう犬もいる

病院を嫌がっている犬は、パニックを起こして急に噛んだり暴れてしまう場合もあります。嫌なことをされたくないという思いから、自分の身を守るために取ってしまう行動と考えられます。

飼い主にとっても驚いてしまうくらい、いきなり噛みついてしまう場合があるでしょう。

飼い主にだけでなく、獣医師やスタッフに対して噛みついてしまう可能性も考えられるため、特に病院内ではリードを短く持ち、万が一に対応できるよう愛犬の様子はよく見ておきましょう。

また、診察室に入るのが嫌で、部屋の前で暴れてしまうというケースもあります。動物病院の建物にすら入りたくないと暴れだす犬もいるくらいなので、病院は犬にとってとても怖い場所になってしまう可能性が高いといえます。

愛犬の健康を守るために病院は欠かせないため、愛犬と相性のいい病院や信頼できる獣医師のいる病院探しが大切です。

犬が病院にかかると考えられる7つのケース

動物病院嫌いな犬が多い中で、どうしても行かなければいけないケースがいくつかあります。そこで、どんなケースのときに病院に行く必要があるのか、知っておきましょう。

犬の注射

予防接種や狂犬病の注射

犬を飼っている人は、予防接種が義務付けられています。法律で義務づけられているもの、任意で受けられる予防接種などがあります。

  • 狂犬病
  • 未だ有効な治療法が見つかっておらず、感染したら犬や人などすべての生き物が100%死亡すると言われています。

    恐ろしい病気である狂犬病の予防接種を1年に1回、愛犬に受けさせるのが義務化されています。日本では、50年以上も国内発症の例は報告されていませんが、海外などではまだ撲滅に至っていません。

    引き続き、予防接種を継続及び啓発していく必要があります。

  • ジステンパーウイルス感染症
  • 咳や下痢、神経症状などを引き起こし、致死率の高い病気として予防接種が推奨されています。

  • パルボウイルス感染症
  • 特に子犬において発症する確率が高いパルボウイルス感染症は、激しい下痢や嘔吐を招きます。最悪の場合、突然死をも招くとされているので、とても恐ろしい病気です。

    このパルボウイルス感染症についても、予防接種で対策ができます。

動物病院では、これらの任意ワクチンのなかでもリスクの高い感染症をまとめて7種混合や8種混合として、予防接種をすすめてくれることが増えています。

去勢・避妊の手術

犬が病院にかかるケースとして多いのが、去勢や避妊手術のときです。きちんと去勢や避妊手術が行なわれていないと、犬は妊娠する確率が高いことから、望まない子犬がどんどん増えることにもなってしまいます。

世話をしきれない、誰かに面倒を見てもらうしかないという事態に陥ってしまうので、交配なとど考えていない場合は、飼い主の責任として去勢と避妊手術はきちんと行ないましょう。

手術に関しては、信頼できる動物病院を見つけておいて相談するとよいでしょう。

爪が伸びすぎたため病院を訪れる

犬は毎日の散歩や走ることにより伸びた爪がけずられるものですが、多くの場合、それだけでは足りず定期的に爪を切る必要があります。

飼い主におとなしく爪を切らせてくれる場合はよいですが、爪切りを嫌がる子もいます。また、急に暴れたらどうしたらいいかわからないと、怖くて愛犬の爪を切れないという方もいるでしょう。

このような理由から、動物病院やサロンでも爪切りを行なっています。動物病院であれば、動物のプロである獣医師に丁寧に爪切りをしてもらえるので、安心してお願いすることができます。

どこまで切ればよいかわからないというときなど、今後自分でもケアをしてあげられるようコツを聞いたりしたい場合も病院に行けば安心です。

犬の爪切り

放射線治療を受けに病院に通っている

犬も長生きできるようになってきた昨今、その分病気にかかるリスクも増え、放射線治療で病院に通う必要がある場合もあります。

手術が難しい場所に腫瘍ができてた場合に用いられる放射線治療は、定期的に通い続けてながら経過を観察します。

放射線治療を受けること自体に痛みはありませんが、しばらくじっとしていなければいけないことや、それがいつもと違う空間でであるというだけでも、犬に負担がかかってしまう恐れがあります。

小型犬は僧帽弁閉鎖不全症 にもかかりやすい

小型犬ブームが到来していることもあり、トイプードルやチワワ、ダックスフンドなどを飼っている人は多いですよね。そんな小型犬には、かかりやすい病気があることを知っていますか?それが、僧帽弁閉鎖不全症です。

犬の心臓病のなかでもっとも発症率が高いとされている僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の中にある扉が閉じなくなるという病気です。

その結果、血液が逆流を起こし、心音に雑音が入ってきます。普段いつもどおり過ごしている際には気づきにくく、動物病院で健康診断を受けたときにわかるというケースもあります。

愛犬の将来のためにも、定期的な健康診断を検討してみてはいかがでしょうか?

病院でノミやダニの駆除をしてもらうことも可能

外で散歩をしたり体を動かすことが大好きな犬は、体にノミやダニをつけてきてしまうこともあります。

ノミやダニは寄生されたことを気づくまでに時間がかかったり、気がついたときにはかゆみが現れ皮膚炎を起こしていたりと厄介です。

そんなノミやダニの悩みを、動物病院に相談することができます。ノミが寄生してしまったら薬で駆除をするしか方法はなく、病院で処方してもらうことが必要です。

また、シャンプーなどを定期的に行なって、体の汚れをきちんと落としておくことも重要などと愛犬に合ったアドバイスをもらうことも可能です。

どうしてもかゆみが治まらないときには、抗生剤を注射してかゆみを抑えるという処置が行なわれる場合もあります。

便秘や虫歯で訪れる犬もいる

犬も、便秘や虫歯になることもあります。便秘の原因を診てもらうために、動物病院に行くというケースもあるでしょう。

そこで、獣医師からドッグフードのアドバイスや便秘の改善法、薬の処方などをしてもらうことができます。たかが便秘と思わず、早めに相談することで、症状を少しでも早く改善できるでしょう。

また、虫歯になる犬も増えています。犬は毎日丁寧に歯磨きをすることがないので、どうしても歯垢が溜まりやすいです。それが虫歯に進展してしまうこともあるため、いつまでも健康的な歯でいるために動物病院で虫歯チェックをしてもらうと安心ですね。

虫歯にならない生活についても教えてもらえるので、心強いでしょう。

犬の病院代はどのくらいかかる?

ときには病院へ行くこともある犬ですが、費用はどれぐらいかかるのでしょうか?

犬にかかる費用

通院の場合

病気などの体調不良で通院する必要があるとき、費用もその分発生します。そこで、通院にかかる費用の相場を見てみると、10,000~30,000円となっています。1度にかかる費用は、5,000~10,000円ほどです。

私たち人間が風邪を引いてかかりつけ医に診てもらうよりも、はるかに費用がかかることがわかるでしょう。

場合によっては、50,000円以上かかるというケースもあるので、通院する際には定期的にまとまったお金が発生することを覚悟しておきましょう。

手術・入院の場合

通院ではなく、手術や入院となるとさらに費用は発生します。手術の内容にもよるものの、平均10万円以上はかかると思ってよいでしょう。

状態によっては、数十万円程度の費用が発生する場合もあるので、愛犬のために病院代もきちんと用意しておく必要があります。

犬の病気によっては、入院が必要なケースもあります。入院になると期間によって費用には差が生じますが、最低10万円前後は費用が必要と言えます。場合によっては10万円以上になることもあるので、あらかじめ病院側に確認しておくとよいでしょう。

入院費の中には、薬代や血液検査などの費用も含まれていますが、治療内容によって変動するので、事前確認が必要です。

通院でもまとまった費用が必要ですが、手術や入院となるとさらに費用が発生するので、犬を飼う際には、犬の保険に入って突発的な高額出費を回避する方法などもあらかじめ調べておくとよいでしょう。

犬を病院へ連れていく際に知っておきたい5つのこと

犬のなかには病院を嫌がる子もいますが、どうしても行かなければいけないときもあります。そこで、犬を病院へ連れていく際に知っておきたいことを5つ紹介します。

信頼のおける獣医師

費用がいくらくらいか事前にチェックしておこう

動物病院に行く際に、人間の病院とは違っていくらぐらいの費用が発生するか検討がつかないということがあります。そこで、動物病院に予約を取る際、事前に尋ねておくとよいでしょう。

初診費用や診察費など必ず発生する費用について聞いておくことで、準備をすることができます。

動物病院のホームページを確認して費用をチェックすることも可能なので、財布にいくらぐらいお金を持っていけばわからないときは参考にしてみましょう。

ペット保険の加入を検討しておこう

ペットを飼っていると、病院を利用した際にそれなりの費用が発生します。最近ではペット保険に加入する人が多く、今ではペット保険を扱っている会社もかなり増えています。

急な手術や入院のときにも安心して対応できるよう、サービスが充実しているものを選びましょう。

動物病院側がペット保険をおすすめしている場合もあるので、どんなペット保険があるのかを知り、比較をしながらよりよい保険に加入してみるとよいでしょう。

いざというときに、通院や入院、手術に対して、費用を負担してくれるので助かります。ペット保険により保証内容は異なるので、保険料や内容をチェックしながら候補を絞っていくことをおすすめします。

できるだけ犬にストレスを与えないように配慮すること

犬のなかには、なんらかのトラウマや恐怖から病院を嫌がって暴れたり噛んだり、入るのを拒否したりといった行動を示す子もいます。

そのため、病院に行く際には愛犬にストレスを与えないように配慮することが大切です。愛犬が動物病院を嫌がる理由を探り、獣医師たちにもそのことを伝えておきましょう。

愛犬がリラックスできるように、安心できるクッションや毛布をケージの中に入れておいたり、抱っこしたり撫でてスキンシップを図ることで安心させるといった点に注意してあげると、ストレスも最小限に抑えることができるでしょう。

また、雰囲気のよいスタッフのいる動物病院を探しておくのもおすすめです。病院がいい思い出になるように診察を担当した獣医師が愛犬に直接フードをくれるなど、病院嫌いにならない工夫をしてくれているところもあります。

こういったスタッフの対応などは、口コミなどでチェックしてみるといいかもしれません。落ち着いた空間で、スタッフがみんな優しいところであれば、犬のストレスも徐々に和らいでくるでしょう。

愛犬の調子が優れないときには無理して連れて行かない

動物病院へ連れていく際の注意点として、愛犬の調子を見ながら行くかどうかを決定することも忘れないようにしましょう。一刻を争う場合を除いて、調子が優れないときに無理に連れて行っても、余計に体調を悪化させてしまいます。

重大な病気が隠れていることも考えられるため少しでも早く診てもらう必要はありますが、病院に行くこと自体でストレスを与えることも本末転倒なため、飼い主が判断し厳しい場合は休ませてあげましょう。

例えば、自宅で様子を見ながら、動物病院に電話をして気になる症状などを相談してみるといった方法もあります。そして、徐々に症状が落ち着いてきた頃に、病院に連れて行って診察をしてもらうことで最良のタイミングを図ってあげましょう。

診察券や保険証など必要なものを一式揃えておこう

犬を病院に連れていく際には、持っていくべきものもいくつかあります。動物病院の診察券はもちろんのこと、念のため保険証も忘れずに持っていきましょう。その他にも、以下のものを揃えて持っていくと安心です。

  • 診察券
  • 保険証
  • ワクチン証明書
  • ペットシーツやウェットティッシュ
  • キャリーバッグやケージ
  • ナイロン袋

犬が興奮でおしっこなどをしてしまったときにもすぐに対応できるように、ナイロン袋やウェットティッシュなども持っていくと安心ですね。

また、病院に着いて緊張してしまう犬もいるので、いつもより喉が乾いてしまうことも考えられます。そのため、水も準備していつでも飲めるようにしておきましょう。水分を摂取して、いくらか緊張をほぐせるといったメリットもあります。

キャリーバッグに入る犬

愛犬の健康を守るために、信頼できる病院を探そう

愛犬の健康を守るために欠かせない動物病院は、信頼できるところを探しておくことで愛犬の負担を最小限にして健康管理を行なうことができます。

病院を嫌がってしまう前に、病院の雰囲気やスタッフの対応についてもしっかりリサーチをして、病院は嫌な場所ではないというインプットをしておきたいところですね。

また、病院にかかった際に発生する費用の相場を理解し、病院に行く際に持っていくとよいものを準備しておくとスムーズに診察や治療を終えることができるでしょう。

飼い主が動物病院について知識を得ておくことで、愛犬が少しでもリラックスして診察を受けられるようにしてあげることが大切と言えます。