「子猫を飼おうと心に決めたけれど、初めてで分からないことばかり。」「保護した子猫を育てられるか不安で仕方がない。」と、心配になってはいませんか?前もって知識をつけておくことで、子猫のための生活環境の準備と心構えはつけられます。自信をもって迎えに行けるよう、今回は子猫の飼い方についてお伝えします。
目次
子猫を飼う前に準備しておきたいものは?
子猫を飼うことになったら、できるだけ万全の状態で迎えてあげたいですよね。しかし、一体何から準備したらいいのでしょうか?そんな疑問を解決するために、事前準備しておきたい物は下記のとおりです。
子猫の成長に合わせた食事
小さくか弱い状態で産まれた子猫ですが、赤ちゃんの期間はあっという間です。猛スピードで成長し、生後1ヶ月の猫は人間でいうと1歳、生後1年の猫は人間でいうと18歳にもなります。だからこそ、子猫の週齢に合わせた食べ物の準備をすることが大切です。
生後4週(1ヶ月)以内ならミルクだけ
母猫のいない生後間もない赤ちゃんは、ミルクで育てましょう。人間用ではなく、「子猫用ミルク」を飲ませてあげてください。また、子猫は生後1週間ごろまで目が開いていません。お皿から自力で飲めるようになるまでは、ミルクを飲ませてあげるための子猫用哺乳瓶かスポイトが必要です。
ワンラック・キャットミルク
哺乳器細口乳首(スペア付き)
生後4週~8週(1~2ヶ月)は離乳食を用意しよう
乳歯が生えるこの時期からは、離乳食を始めます。離乳食のそばには常に水皿を準備して、同時に水飲みを覚えさせましょう。離乳食は、子猫用ミルクと併用しながら与え、徐々に割合を増やしていきます。生後8週を目安に卒乳を目指しましょう。
なかなか上手に食べれない子猫には次のステップを踏むと、スムーズにいきやすいです。
日清ペットフード ジェーピースタイル 幼猫用離乳食
生後8週(2ヶ月)以降なら子猫用フード
猫用のドライフードには、「子猫用」「成猫用」「老猫用」があります。子猫用フードには、成長期の猫に必要な栄養やエネルギーがバランスよく入っているのでおすすめです。
また、ドライフードに抵抗のある子猫には、離乳食やウエットフードにドライフードを加えて慣れさせて、いずれドライフードだけで食べれるよう徐々に練習させましょう。
カルカン かつおと野菜味 ミルク粒入り
ベッド
毎日眠るベッドは、お気に入りの場所にしてあげたいですよね。子猫の多くは、ふわふわな素材やクッション性のある素材が大好きです。夏にはタオル、冬にはフリースや毛布など、自分のにおいのする布地を入れてあげると、さらに喜んでくれますよ。
ペットプロ マイライフベッド SS ホワイト
子猫用トイレ(トレー、猫砂、ペットシーツ)
飼い始めは一般的なたらい型がおすすめです。子猫が自発的に排泄をするのは生後1ヶ月ごろなので、小さな子猫がトイレに入りやすいよう入口の低いものを選んであげましょう。
出入りの時に猫砂が周囲に飛び散らかりにくいよう、壁の高さに注目することもポイントです。トイレに合わせて、猫砂やペットシーツも選びましょう。
花王 ニャンとも清潔トイレ 子ねこ用セット
ケージ
子猫のケージは、安全を確保するために必要なときがあります。好奇心旺盛の子猫にとって、家の中には興味を惹かれるものばかりです。
目を離した隙にケガをしたり、高いところから降りられなくなる危険が大いにあります。子猫に目の届かないときは、ケージの中に入れて守ってあげましょう。
アイリスオーヤマ お掃除楽ちんサークル 屋根セット
キャリーバッグ
基本的には部屋の中で過ごす子猫ですが、病院や旅行などで外に連れ出すこともあるでしょう。そこで出番になるのが、動物用のキャリーバックです。窓が付いて外が見えるので、子猫も退屈せずに移動することができますよ。
HuMeii ペットキャリー
爪とぎ
爪とぎは猫の本能です。誰に教えられるわけでもなく、生後5週間ごろからあらわれる生理的な行動です。子猫に自由に爪を研がせてあげ、なおかつ家の壁や家具を爪とぎの被害から守るために、早い段階から爪とぎ用のアイテムを備えておきましょう。
iCat アイキャット オリジナル つめとぎ しまネコロング
おもちゃ
遊びは、子猫がストレスを発散したり、運動能力を鍛えたり、夜中ぐっすりと眠るために必要なことです。生後7~8週間ごろまではじゃれ合いなどがメインですが、それ以降はおもちゃの出番です。1日20分程度、子猫と遊んで絆を深めましょう。
猫の羽おもちゃ 伸縮できる釣り竿
子猫を飼ったらワクチンを接種させよう
生まれたての子猫は、生活するうえで十分な免疫力を備えていません。特に、母猫の母乳を飲んで育っていない子猫の場合は、母乳に含まれる抗体さえも摂り入れることができていないのです。子猫には、人間と同じようにワクチンの接種で免疫力をつけてあげることが大切です。
ワクチンでこんな病気が予防できる!
ワクチンを接種させることで、子猫の命に関わる感染症を予防することができます。
3種混合
- 猫ウイルス性鼻気管支炎
- 猫カリシウイルス感染症(1種類)
- 猫汎白血球減少症
4種混合
- 猫ウイルス性鼻気管支炎
- 猫カリシウイルス感染症(1種類)
- 猫汎白血球減少症
- 猫白血病ウイルス
5種混合
- 猫ウイルス性鼻気管支炎
- 猫カリシウイルス感染症(1種類)
- 猫汎白血球減少症
- 猫白血病ウイルス
- クラミジア感染症
7種混合
- 猫ウイルス性鼻気管支炎
- 猫カリシウイルス感染症(3種類)
- 猫汎白血球減少症
- 猫白血病ウイルス
- クラミジア感染症
猫エイズワクチン(単独ワクチン)
接種する時期は?
子猫のワクチンは同じ種類を2~3回接種して、免疫力をつけます。1回目の接種時期は、母乳で育った子猫の場合、生後8~10週目ほどを目安にしましょう。
そうでない子猫には、健康状態に合わせてなるべく早急に接種させてあげるのがおすすめです。2回目の接種時期は、その約1ヶ月後となります。3回目の接種の必要性は、獣医さんに判断してもらいましょう。
翌年からは年に1回のワクチンの接種が推奨されています。
接種にかかるお金は?
接種の費用は、ワクチンの対応種類が増えるほど高額です。もっとも一般的な3種混合ワクチンは、5,000円前後となっています。
病院によって多少変動があるので、動物病院へ行く前に電話で問い合わせてみましょう。適切にワクチンを接種させて、我が子同然の大切な子猫の健康を守りましょう。
混合ワクチン
- 3種混合 4,000~6,000円
- 4種混合 5,000円~8,000円
- 5種混合 5,000円~8,000円
- 7種混合 7,500円~8,000円
単独ワクチン
- 猫エイズワクチン 2,500円~4,000円
子猫には愛情をもって食事と排泄のお世話をしよう!
未熟な状態で産まれる子猫は、母親のお世話なしでは生きていけません。子猫を飼った瞬間から、子猫にとってあなたはお母さんです。
母猫と同じように、愛情をもって食事や排せつのお世話をしてあげましょう。子猫の成長は早いため、赤ちゃんの期間は一瞬です。よちよち歩きの可愛くてたまらない期間を、存分に目に焼き付けてくださいね。
食事は成長に合わせて適正な量と回数を
子猫にとって、食事は健康に大きな影響をおよぼします。適切な量と回数を守って、健康に育てましょう。
子猫用ミルクの食事量(生後4週ごろまで)
力の弱い子やうまく飲めていない子には、スポイトを使って少しずつ飲ませてあげてください。
- 生後1~4日
- 生後5~11日
- 生後12~17日
- 生後18~24日
- 生後25日~30日
1日40gを8回に分けて2~3時間ごとに与える
1日45gを6回に分けて3時間ごとに与える
1日60gを6回に分けて4時間ごとに与える
1日60gを4回に分けて6時間ごとに与える
1日70gを4回に分けて6時間ごとに与える
離乳期~成長期の食事量(生後4週~)
しっかりと食べ終わるまで見届けてあげることも大切です。
- 生後1ヶ月~
- 生後3ヶ月~
- 生後6ヶ月~
- 生後9ヶ月~
体重0.5㎏に対して1日40gを3~4回に分けて与える
体重1㎏に対して1日45gを2~3回に分けて与える
体重2㎏に対して1日60gを2~3回に分けて与える
体重3㎏に対して1日75gを2回に分けて与える
排泄は濡れたガーゼで優しく刺激
赤ちゃんの子猫は、自分の力で排泄することが難しいため、母猫のサポートが必要です。食事の前後には、体温くらいのぬるま湯で湿らせたガーゼで肛門や尿道あたりをトントンと刺激し、排泄を促してあげましょう。
自力で排泄できるようになる生後1ヶ月ごろまで、毎食前・食後に欠かさず行い、癖をつけてあげてください。うんちは1日1回できれば心配はいりません。
下痢が続いて元気がないときは
子猫が下痢になる理由として、まず考えられるのは、ストレスです。遊びが足りないことや、反対に構いすぎによるストレスもあります。
また、食事の際にミルクが冷たかったり、濃かったりしていませんか?食べてはいけないものを口にしたことによって、お腹を壊していることも考えられます。何度も続くようであれば、かかりつけの動物病院で診察を受けましょう。
病気やウイルス感染による下痢の場合には、嘔吐が伴うこともあります。血液や粘膜が混ざっていたり、同時に嘔吐している場合には、すぐに病院で受診してください。
子猫にとって居心地の良い環境を整えよう
子猫はできるだけ室内で飼いましょう。そのために、猫が満足できる居心地の良い室内の環境を整えてあげることが重要です。
子猫にとって快適な温度は?
猫は暑さや寒さが苦手な動物です。子猫にとって快適な温度となる目安は、夏場が24℃~27℃、冬場が20℃~23℃と、人間とほぼ同じくらいです。
特に、生後2週間頃までは体温調節がうまくできないため、ちょっとの温度差が命取りになってしまいます。エアコンの使用や換気などに気を配って、責任をもって管理してあげましょう。
夏の暑さ対策におすすめのグッズ
接触冷感ひえひえマット猫用
ペットひんやり石
冬の寒さ対策におすすめのグッズ
ペットヒーター
ペットベッド こたつ
家の中は安全にしておこう
自由気ままな子猫は、家の中を自由に動き回りたい動物です。しかし、家の中には危険がいっぱい広がっています。
アイロンを置きっぱなしにないこと、お風呂の水は抜いておくこと、熱い鍋や包丁を置きっぱなしにしないこと、誤飲の恐れのあるおもちゃはしまっておくことなど、子猫に危険が及びそうな環境を極力排除し、家庭内事故を未然に防ぎましょう。
キャットタワーやキャットウォークでお散歩コースを
高いところが好きな子猫にとって、上下運動ができる部屋は魅力的です。ストレスなく退屈せずに過ごせるように、キャットタワーやキャットウォークを設置してあげましょう。成猫になってもずっと重宝しますよ。
子猫のしつけってどうやるの?ベストな時期と方法
子猫のしつけは、社会性を学ぶ時期である生後2~7週ごろに行えることが理想です。上手にできたら「なでる」「褒める」を家族全員で統一し、協力して学習させましょう。
排泄場所を決める
子猫が床の臭いを嗅ぎだしたり、ソワソワしていたり、お尻をムズムズさせていたら、それはトイレのサインです。速やかにトイレへ誘導してあげましょう。子猫は自分専用のトイレだと認識すると、ずっとそこで排泄をします。風通しがよく人通りが少ない場所に、トイレを置いてあげましょう。
また、猫はきれい好きであるため、掃除をマメに行なってトイレの清潔を保ってあげましょう。
爪とぎの場所を覚えさせる
生後5週目ごろから始まる爪とぎの習性から家具を守るため、爪とぎをしていい場所をつくることは必須です。正しい場所で爪とぎができたら、思い切り褒めてあげましょう。正しい場所で爪とぎができない場合は、配置場所やその物自体を気に入っていない可能性があります。
ふさわしくない場所で爪とぎをしだしたら、すかさず爪とぎ器を与え様子をみてみましょう。それでも食いつかないようであれば、別の素材の新しい爪とぎを探してあげてください。
噛み癖をつけさせないために
子猫にとって「噛む」ということは、じゃれ合いのひとつです。しかし、最初は加減が学習できず、力いっぱい噛むようになってしまうことがあります。遊んでいるときに子猫が噛んでくるようであれば、すぐに遊びをやめ別の部屋へ隠れるなどして、噛んだら遊ばないということを繰り返し刷り込みましょう。
留守番はいつからできる?
子猫が離乳食のうちは、まだ一匹で留守番ができません。生後8週を過ぎたら、2~3時間程度の短い留守番からトレーニングを開始してみましょう。だいたい生後3~4ヶ月になると、半日程度の留守番ができるようになる子猫が多いです。出かける前には食事を与え、部屋の空調の管理と安全確認をお忘れなく。
子猫を飼う上で一番大事な健康管理は入念に!
大切な子猫に異変があったときすぐに気が付くためには、日々の健康チェックが大切です。食欲や排泄、歩き方などで、普段と違う点はないかよく観察しましょう。
体重測定はこまめに
子猫の体重は、なるべく毎日計りましょう。特に授乳期の子猫の体重を知ることは、健康管理に欠かせません。体重が順調に増えていることを確認できると安心もできるでしょう。後から成長を見返すのも、親として嬉しいものです。
爪を切ってケガ・感染症予防
生後1ヶ月を過ぎたら、子猫の爪切りを始めましょう。小さいうちから早めに慣れさせることで、爪切りの行為を嫌がらないようになる効果もあります。
爪を切ってお手入れすることは、自分や相手にケガを負わせる危険を防いだり、その傷口からの感染症予防にもなります。爪の先が少しとがったてきたら爪切りの目安です。深爪に注意して1週間~10日おきに行ないましょう。
週に1度は耳の中をチェックして、必要に応じて耳掃除を
時々、子猫の耳の中が黒く汚れていることがあります。そんなときは、コットンで優しく拭き取ってあげましょう。その際、耳の中を傷つけてしまわないように注意してください。
基本的には入口付近の掃除で十分です。耳垢が溜まっていると、子猫が爪で耳を引っ掻いてばい菌が入ったり、炎症を起こしてしまう危険があります。
ブラッシングは健康チェックをかねて
子猫は抜け毛の多い動物です。スキンシップにもなるブラッシングで抜け毛を取り除き、毛並みを整えてあげるお手伝いをしましょう。子猫が気持ちよさそうにしていると、飼い主もなんだか嬉しくなりますよね。
ブラッシング中は、皮膚に気になる炎症が起こっていないか、また異臭がしないかなどもあわせてチェックしてあげましょう。もしもブラッシングを怠ると、子猫の毛並みに毛玉が発生したり、自分自身でグルーミング(毛づくろい)を行う際に飲み込んでしまい、消化器官内にとどまって毛球症をおこしてしまう恐れがあります。
長毛種のブラッシングは毎日!
長毛種と短毛種では、ブラッシングの必要な頻度が異なります。長毛種は毎日ブラッシングしてあげましょう。スコティッシュフォールドやマンチカンには、長毛種と短毛種の両方が存在します。
■長毛種
ノルウェージャンフォレストキャット、メインクーン、ラグドール、ソマリなど
短毛種のブラッシングは週に2~3回以上
短毛種は長毛種に比べて毛が短いため、グルーミングで抜け毛を飲み込んでしまう量が少ないです。2~3日に1回程度で問題ないでしょう。
■短毛種
ロシアンブルー、エキゾチックショートヘア、シンガプーラなど
シャンプー
多くの子猫は水やシャンプーがあまり得意ではありません。体力の消耗も大きい行動なので、早く気持ちよくサッパリしてもらうために、猫にストレスを感じさせない頻度とスピードで洗ってあげましょう。
抜け毛のひどい季節には、ブラッシングで追いつかないため、シャンプーをしてあげてもいいでしょう。シャンプー剤を使う際には、乾燥肌や脂性肌など子猫の体質に合わせたものを選んであげてください。
長毛種のシャンプーは月に1回
長毛種は蒸れやすく汚れが溜まりやすいので、月に1回程度のシャンプーがおすすめです。
■長毛種
ノルウェージャンフォレストキャット、メインクーン、ラグドール、ソマリなど
短毛種のシャンプーは年に2~3回
短毛種は日々のグルーミングで、ある程度の清潔が保たれています。年に数回で問題ありませんが、あまりストレスがかからないように気をつけてあげましょう。
■短毛種
ロシアンブルー、エキゾチックショートヘア、シンガプーラなど
子猫の成長が、癒しと喜びを与えてくれる
子猫とは、手のかかる愛おしい存在です。命を預かることに責任を持ち、愛情をたくさん与え育てたら、子猫はあなたの人生に大きな幸せをもたらしてくれることでしょう。成長の早い子猫の一瞬一瞬を目に焼き付けて、小さくて可愛い大事な時間を過ごしてくださいね。