家に帰ったら、お風呂から上がったら、飼い猫が急に体をすりすりして来ることがありますよね?その愛らしい行動に思わず胸がキュンとしてしまいますが、その行動の意味を理解していますか?今回はどうして猫は体をこすりつけてくるのか、すりすりがしつこい時はどのように対処すべきかを解説していきます。
目次
猫がしてくる「すりすり」って何?
まずは猫の「すりすり」がなんなのかピンとこない方のために、どのような行動なのかをご紹介します。
頭やホホを押し付けてくる行為
猫は、自分の頭や体を私たちにすりすりと押し付けてくる行為をします。猫を飼ったことがなかったり、あまり接する機会がない方でも、すりすりと聞けばなんとなく想像ができるかもしれません。
座っていると猫が寄ってきて、体をこすりつけてきたり、立っている時は足に絡みつくようにすりすりとしてきます。その行動はなんとも愛らしく、猫をかわいいと思う代表的な仕草でもあります。
しかしこの行為というのはいくつかの意味があり、猫の気持ちを読み取る手段のひとつでもあります。そして、猫は誰にでもすりすりするわけではないのです。
すりすりしてくる場所
猫がすりすりしてくる場所は、大きく分けると3ヶ所あります。
鼻やホホなどの顔
猫は鼻やホホなどの顔をこするようにすりすりしてきます。これは、猫の口回りやホホなどには自分のにおいを分泌する腺が通っているからです。
すりすりは自分のにおいをこすりつけるという行為でもあるのです。そのため、外出から帰ってきた時や、お風呂上がりなど、普段と違うにおいを感じたときに、特に顔をすりすりしてくるでしょう。
頭、額
まるで頭突きのように、額や頭をぶつけてくるすりすりもあります。頭をぐりぐりと押し付けて、甘えているような仕草は構ってほしい表れです。人に慣れている猫ほど、ごんと頭をぶつけてきます。
お尻
しっぽをぴんと立てて、お尻をこすりつけてくることもあります。立っている時に足へまとわりつきながらすることが多いですが、発情期にも多くみられる行動です。
猫の発情期というのは、気持ちが不安定になりやすく、イライラやつらい気持ちになっているかもしれません。その気持ちを表すためにすりすりしている場合もありますので、優しくなでてあげましょう。特にお尻まわりをマッサージしてあげると気持ちよさそうにしますよ。
猫がすりすりしてくる意味とは?
それでは実際に、猫のすりすりの意味をみてみましょう。すりすりと言っても、どの部位ですりすりしてくるのか、またどんな時にしてくるのかで猫の気持ちは違います。すりすりの意味を知ることができれば、もっと猫との距離を縮めるくことができます。
「おはよう」「元気?」などの挨拶
人間も、知り合いに合えば必ず挨拶をするように、猫にとっても挨拶があります。それがすりすりに込められています。特に頭をぶつけてくるすりすりにはその意味が強く、「おはよう」や「元気?」などとスキンシップを取っているようです。人間でいうハグに近いのかもしれません。
臭いをつけて自分の場所をアピール
先ほどご説明したように、猫は身体の一部から自分のにおいを出すことができる器官があります。しかしそのにおいというのは人間には判別することができず、猫同士の合図でもあります。
自分のにおいをつけるためにすりすりをしているときは、そこが自分の縄張りであることをアピールしているときです。例えば、飼い主が外出から帰って来たとき、足の周りにしつこくすりすりしてくることがあります。
それは普段の飼い主の臭いではないことを察知して、自分のにおいに変えて居場所を再確認しているのです。また、お風呂上がりなど、石けんのにおいなどが強い時にも同じような行動をします。猫は普段の飼い主の臭いと違うだけで不安を覚え、自分の臭いに変えて自分の居場所を作っているのです。
欲しいものがあるときのおねだり
お腹が空いてご飯やおやつが欲しいとき、おねだりの手段としてすりすりをしてくることもあります。お腹が空いているだけでなく、撫でて欲しい、抱っこして欲しいなどのおねだりでも同じです。
そしてそのときのすりすりの強さで、どれだけして欲しいのかを判断することもできます。要望が強いときはすりすりだけでなく、「ニャー」と鳴いて訴えてくるときもあります。
また懐こくない猫でも、食べ物が欲しいときはすりすりをしにくるということもあるほどで、猫にとっては要望を伝える大事な手段のようです。
構ってほしい甘えん坊タイム
猫はツンデレな性格で有名ですが、すりすりをしているときはデレているときと言っていいでしょう。猫にも抱っこして欲しいときや撫でてほしいと思うときがあります。一見猫はほっとかれるのが好きそうですが、構ってほしいタイミングもあります。
それはまるで赤ちゃん返りのようで、親猫に甘えていたときを思い出しているのかもしれません。「今構ってほしいんだよ!」とすりすりしに来たときは、思い切り可愛がってあげると良いしょう。
そこでたくさん撫でて、抱っこしてあげれば、猫との距離をぐっと縮めることができます。注意したいのは、猫は気分屋なことが多く、突然甘えん坊タイムが終了して、フイッとどこかに行ってしまうかもしれません。そんなときはしつこく追いかけずにそっとしておいてあげましょう。
すりすりがしつこい時の対処法
すりすりには意味がありますが、どんな意味でも、やっぱり可愛いものです。しかしあまりにも長時間すりすりされていると、困る場面もありますよね。
仕事に集中したい、出かけなくちゃいけない、それなのに邪魔をするようにすりすりタイムに入られてしまったとき、どのように対処するのが良いのでしょうか。いくつかのパターンをご紹介しますので、ご自身の猫に合った対策をしてみてください。
構って遊んであげる
時間があるようであれば、思い切り構って遊んであげましょう。猫じゃらしのような猫用のおもちゃを使って遊んであげれば、猫のストレスの発散にもなりますし更に効果的です。
構ってほしそうなすりすりかどうかを判断して、上手に相手をしてあげれば猫の欲求は満たされ、ある程度の時間で落ち着くでしょう。また、猫と仲良くなりたい、好かれたいという段階であれば、猫との信頼関係を高めることができる良いチャンスです。どのようなすりすりか分からない場合でも、ある程度は有効な手段です。
抱いて撫でてあげる
甘えん坊タイムであるなら、抱きしめて撫でてあげると落ち着きます。すりすりをするということは、気を引きたいという心の表れです。とりあえず、無視していないという意思表示として、猫の身体に触れてあげましょう。
気分屋の猫ですから、少し撫でただけで満足して、すりすりをやめてくれる場合もあります。特に、外出をしようとする時にすりすりをしているときは、寂しさを表現して甘えているのかもしれません。そんなときに冷たくあしらってしまうと、猫も傷付いてしまいます。まずは愛情を持って接してあげましょう。
ご飯をあげる
ご飯をあげるという対策は、即効性があります。特に、「お腹が空いたよ」というすりすりのときに、まず試したい方法です。
構ってほしいときや、甘えたいときのすりすりでも、ご飯やおやつをあげれば気がそれるため、そのすきに仕事に集中したり、出かけてしまうことができます。しかし注意したいのが、すりすりをすればご飯がもらえると覚えさせてしまうことです。
いつもこの方法で対処していると、ご飯がもらえるまですりすりを繰り返すことになり、さらにはご飯をあげないと「ニャーニャー」と騒ぎ出すようになってしまうこともあります。
また、ダイエットや持病がある事から食事制限を厳しくしているなら、この方法はおすすめできません。猫のしつけをしっかりとコントロールしたいのなら、ご飯やおやつの量はしっかりと調節して、その範囲内でしつけていくようにしましょう。
完全に無視する
あまりにもすりすりが酷く時間がないときは、無視をしてしまうのも一つの手です。ある程度信頼関係が成り立っているのなら、必要以上に構ってあげることはありません。
先ほどのご飯をあげる対策と同じように、すりすりすればいつでも構ってもらえると覚えさせてしまうと、猫に主導権が渡ってしまいます。時には猫の言いなりにならないようにして、自分が主人であることを分からせることも大切です。
しかしこれは根気のいることで、自分から猫が折れるのを待つという作業になります。即効性は期待できませんが、長い目で見れば猫をしつけていく上でとても有効な方法でもあります。猫の可愛さに負けないよう、少しだけ厳しく接してみてください。
すりすりをしてこない猫とは?
家で飼っている猫は、多くの場合がすりすりをしてきます。しかし、中にはすりすりをしてこない猫もいます。その理由はいくつかありますが、オス猫はあまりすりすりをしないといわれています。
その理由に、すりすりは自分より優位な猫に対して行う行動ともいわれているからです。その場合、飼い主のことを慕っていない猫はあまりすりすりをしてこないかもしれません。また、品種によっても違いがあります。
プライドが高いと言われている「三毛猫」「チンチラ」「ペルシャ」などは自尊心が高いため、すりすりをしてこない場合があります。他には、野良猫はなかなかすりすりをしてきません。人に対する甘え方が分かっておらず、警戒心が強いためです。
保護猫を飼い猫にした場合などは、懐くまですりすりをしないかもしれませんが、逆にすりすりをしてきたら、飼い主や環境になれた証拠です。すりすりをするかしないかでも、その猫の性格や特徴を知る手段の一つとなりますので、よく観察してみてください。
猫にすりすりされたら信頼されている証拠!
猫のすりすりにはちゃんと意味があります。その意味をちゃんと理解してあげることが猫との距離を縮める方法です。しかし、すりすりというのは信頼関係がある仲でないとしてくれないものです。
飼いはじめた猫がすりすりをしてくれたなら、自分のことを信じてくれたと喜んでください。しつこくすりすりされるのも、可愛くてしかたなくなりますよ。