猫が凶暴化する原因はしつけや病気が関係している?すぐにできる4つの対処法を身につけよう!

猫が凶暴化した経験ありますか?その原因と気持ちに寄り添い解決に導く方法5選

猫の凶暴化、と聞くと「うちの子はいい子だから関係ないな」と思うかもしれません。しかし、猫が凶暴になるのは本当に突然で、ドアに猫を挟んでしまった、物が落ちてきたといった不測の事態で猫が恐怖心を抱えてしまった、病気といったことが原因であることが多くみられます。決して他人事ではなく、自分の愛猫にもありえることです。猫に凶暴化の兆候が見えた時、適切に対応できるようにポイントをぜひ知っておきましょう!

ある日かわいい愛猫が凶暴化…その解決策とは?

かわいい飼い猫がある日、飛びかかってきてシャー!と攻撃して飼い主さんが大きなケガをしてしまうなど猫の凶暴化は珍しいことではありません。

突然猫が凶暴になることで飼い主さんは戸惑い、悩むことでしょう。今回は、突然の「猫の凶暴化」について、解決策を考えていきます。

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猫が凶暴化する原因は?

猫が凶暴化する原因はさまざまな理由があり、はっきりとは分かりにくい場合も多いです。

主な原因について探っていきましょう。

飼い主の不注意による事故

おもちゃの紐が足に絡まってパニックになったり、クローゼットにいることに気づかずに扉に尻尾を挟んでしまったり…そんな不測の出来事が猫のトラウマになってしまうことがあります。

特に、もともとシャイで警戒心が強い性格の猫はこういった事故をきっかけに、攻撃的になることが多いようです。そして、パニックになった猫をなだめようと手を出した飼い主に噛み付いたり引っ掻いたり攻撃をしてしまう、これを「転嫁攻撃」といいます。

猫によってはこういった出来事をきっかけに、たびたび緊張して飼い主に攻撃をするようになります。

飼い主も突然威嚇する猫に動揺して、お互い緊迫した雰囲気になることでしょう。飼い主が故意で攻撃したわけではないのですが、近くにいた飼い主に警戒するように刷り込まれてしまうのです。その時だけで収まればいいのですが、その後も似たような状況に直面した時、猫が攻撃的になってしまうことがあります。

家族の一人に攻撃する場合や、何か条件が揃った時に凶暴になったり、さまざまなパターンがあります。重度な場合は、飼い主が怖くて家に帰れないというくらい、襲いかかってくることもあるのです。

環境の変化によるストレス

引越しなどで環境が変わる凶暴になるする猫もいます。

特に、繊細な性格の猫が環境の変化によってナーバスになり、攻撃をするようになることがあります。品種や遺伝的な要素によっても凶暴になりやすい猫がいると言われています。

例えば、ロシアンブルーは環境の変化によって緊張感が増し、威嚇・攻撃行動に出やすい個体が比較的多い種類です。ペットホテルでも最初の数日間は緊張してシャー!といったりする子が多くいます。ただし個体差があり、長期間泊まると慣れてくれる場合も多いです。

ペットホテルや病院に連れて行くと非常に緊張するのと同じように、新しい環境に慣れにくい猫は、環境の変化をきっかけに飼い主にも攻撃行動を行うことがあります。今まで懐いていた猫が突然うなり始め凶暴化するので飼い主は戸惑い、解決には時間がかかると言われています。

ペットホテルで極度に緊張した猫たちが慣れていく様子を見ていると、猫は人間の安心感のある対応に緊張を徐々に解いていくようです。精神安定剤の処方も効果を発揮する場合もありますが、専門家の指導のもと、行動療法をする必要があります。

参照:「猫の問題行動に関する相談事例(引っ越し)」

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病気やケガによる体調不良

身体に異常があると、痛みによって凶暴化することがあります。この場合、まずは獣医師の診察を受けて、原因を探りましょう。

ケガであればケガをしない環境作りが大切です。

中には、以下のように猫が攻撃的になりやすい病気があります。「おかしいな?」という点が飼い猫にあったら、獣医師に相談して適切な治療をしていきましょう。

知覚過敏症

猫の「知覚過敏症」は異常な行動や活動性を示す病気です。

過度に自分の体を舐めたり、ピクピクと背中や尻尾が痙攣したりします。原因ははっきりとはわからないことが多く、ストレスが引き金になっているとも言われます。

この病気になると、猫は凶暴になることがあります。発症しやすい猫種があり、アビシニアン、シャム、バーミーズ、ヒマラヤンに多く見られるそうです。

治療法としては、投薬、ストレスを減らす環境作りなどになります。知覚過敏症に罹患した猫の動画を見て、飼い猫の様子と似ている場合はその病気が疑われるので、獣医師に相談しましょう。

甲状腺亢進症

高齢の猫に多い疾患で、喉の部分にある甲状腺が甲状腺ホルモンを作りすぎることにより起こります。

病気にかかると、異常に活発になり食欲が旺盛になるのですが、エネルギーを消費してしまうので痩せていきます。また、落ち着きがなくなりよく鳴いたり、時には攻撃的な性格になることがあります。治療法は、外科的手術・投薬・食餌療法のいずれかになります。

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猫の種類による性格傾向や疾患

猫の種類によっては、その性格の傾向やかかりやすい疾患によって飼い主への攻撃行動が起こることがあります。あくまで傾向であり、同じ種類でも性格の個体差があります。

ベンガル

最近とても人気があるヒョウ柄模様が特徴的なベンガルの性格は、とても活発で遊び好きな傾向があります。

もともとが野性のアジアンレパードを交配して作られた猫種なので、非常にアクティブです。ただ見た目とは異なり、性格は人懐っこく温厚な場合も多いのですが、主張の強さも持ち合わせています。おもちゃでたくさん遊んだり、広い部屋で走り回ったりできないとストレスを溜めて攻撃的になる可能性があります。

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アビシニアン

アビシニアンは好奇心旺盛で元気な子が多く、人間の機微を感じ取る賢さがあります。同時に神経質な部分もあり、環境の変化やストレスによって攻撃性が出てしまうこともあります。

また、猫の知覚過敏症が発症しやすいとも言われています。攻撃性が見られた時は、飼い主は落ち着いて接することが大切です。体罰などはより問題を深刻化してしまうので避けましょう。

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ロシアンブルー

ロシアンブルーは飼い主に非常に従順です。その反面、警戒心が強く環境の変化にストレスを感じやすい個体が多いです。

来客や引っ越しが苦手で、そのストレスが攻撃性として表面に現れやすい傾向にあります。引っ越しをする場合は時間をかけて新しい環境に慣らす必要があります。また、来客時はふれあいは無理をせず、彼らが逃げられる場所を確保してあげましょう。

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猫が凶暴になった時の対処法5選

まずは飼い主自身の身を守る

まずは攻撃的になったら、飼い主がケガをしないように猫と距離を取りましょう。

猫を移動させなければならない場合、タオルで包んで抱っこしたり革手袋などを利用したり、厚手の上着を着用するなど飼い主の身体をしっかり守ります。足に攻撃する場合も、爪が食い込みにくい厚手のズボンや靴などを履きましょう。万が一、ケガをしてしまった場合は室内飼いの場合でも病院で受診したほうが安心です。傷が化膿して腫れてしまったり、感染症の恐れがあるからです。

ケージなどに隔離して落ち着かせる

攻撃性が重度の場合、落ち着くまでケージで飼育する選択肢もあります。徐々に信頼を作り、猫の恐怖心がやわらげてあげる方法です。

高さがあって、飛び上がるステップがあるようなケージを用意してあげましょう。そしてケージ越しにおもちゃで遊びつつ優しく声かけして、少しずつ猫の安心感を取り戻していきます。なるべく、専門家に相談しながら取り組みましょう。

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原因を特定するために専門家に相談する

猫の凶暴化の原因はさまざまです。原因がわからず、飼い主が不安な気持ちで猫と接していると悪化してしまう場合もあります。

まずは、かかりつけの獣医師に病気かどうか診察してもらいましょう。そしてできれば、猫の行動心理学を専門にしている獣医師に相談しましょう。数は多くないのですが、今は「猫の行動診療科」が開設されています。猫の気持ちと行動が理解でき、より適切な対応ができるでしょう。

また、多くの猫に接しているペットシッターやペットホテルのスタッフに相談してみるのもよいかもしれません。経験豊富で、信用できる方を選ぶことをおすすめします。

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叱る・体罰はNG!冷静に対応すること

凶暴化の原因には、疾患や恐怖心が潜んでいることが多く、厳しく叱ったり体罰を加えたりすると猫との信頼関係を壊してしまいます。

また、体罰に対し、猫はより大きく抵抗して攻撃を強める場合があります。パニックになった猫に対しては、こちらは静かに落ち着いて行動することが大切です。

興奮しすぎている時は、目を合わさずにそっとしておきましょう。猫がスリッと甘えて穏やかにしている時に、褒めてあげておやつをあげるなど「落ち着いている行動」の方を強化していきましょう。

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環境を変える・手放す選択肢も

家の中のなんらかの状況に反応する場合、環境を変えるというのもひとつの手段です。

また、飼い主に攻撃的に反応する場合は、手放す選択肢も考えなければいけません。

特に、飼い主だけに凶暴化するという場合は、他の方が飼育すれば幸せになる可能性もあります。もちろん、無責任に手放していいということではなく、攻撃性のある猫の里親を見つけることは容易なことではありません。専門家のアドバイスのもと、じっくり対策したのちに選択肢として考えましょう。

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猫の社会化期を上手に過ごす

怖がりの猫は、何らかのきっかけで攻撃性が表面化しやすいのは事実です。生まれもっての気質もありますが、なるべく怖がりに育てないためにはどうしたらいいでしょうか。

猫が他の動物とのコミュニケーションを学んだり、環境に慣れる時期を「社会化期」と呼び、生後3〜9週と言われていますが、だいたい1歳くらいまでが今後の猫生に関わってくる大事な時期といっていいでしょう。

そういった小さな頃から、身体をたくさん触ってあげる(ハンドリング)、ピリピリした雰囲気は避けて穏やかに話しかけて接してあげる、来客や病院など環境の変化に慣らす、といった「社会化」をおすすめします。

ただし、それでも警戒心の強い子もいます。その子の性格を尊重した接し方を心がけると、凶暴化の防止にもなります。

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猫の凶暴化はひとりで抱え込まずに専門家に頼ろう

愛猫が凶暴になり、攻撃してきたら大変ショックです。そして、なんとかして対処しようと怒鳴ったり閉じ込めたりすることがあります。

しかし、最初に凶暴になった際に、こういった対処をしてしまうとトラウマになりやすいと言われています。猫が落ち着くまで、大きな声や動きは避けましょう。

大切なことは、ひとりで抱え込まずにかかりつけの獣医師・猫の行動診療科など、専門家に必ず相談することです。病気の早期発見に繋がることもありますし、なによりも猫との関係が悪化する前に正しい接し方を知ることができるからです。猫との関係を気持ちに寄り添いながら修復していきましょう。

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