みなさんは、ペットセラピーという言葉を聞いたことはありますか?癒しを求める人や病気の治療に励んでいる人に、今とても注目されているのがペットセラピーです。動物たちの癒しの力は、私たち人間を豊かにしてくれます。ペットセラピーを通して活躍する動物には犬や猫が多く、さまざまな悩みを改善してくれるといいます。
ペットセラピーとは?
ペットセラピーとはどのようなことを指しているのでしょうか?
ペットと触れ合うことで人々の心が癒される
ペットセラピーとは、ペットと人間が接触することで、人々の心が癒されるという効果が期待されています。
ペットを撫でたり抱っこしたりと触れ合っている間に、心が落ち着きストレスから開放されていきます。
そんな優しい癒しを与えてくれるのが、ペットセラピーです。病気で治療を受けている人やふさぎ込んでしまっている人、ひとりで寂しさを感じている人などに、ペットセラピーはそっと寄り添ってくれます。
ペットセラピーの種類
私たちの心を癒してくれるペットセラピーには、大きく2つの種類があります。
- 動物介在療法
動物介在療法は医療行為の一環です。病気の治療のために用いられる方法で、ペットの力で病気を改善していこうという目的があります。
精神面と身体面の両方において、私たちの心身のケアをしてくれます。
- 動物介在活動
動物介在活動は、ペットと触れ合う機会を作り、人々の生活にゆとりと癒しを与えてくれます。老人ホームにペットがやってきたり、教育の現場で動物と一緒に過ごすなど、動物介在活動にあたります。
私たちが普段見ることのあるペットと人との触れ合いは、ほとんどが動物介在活動になるのです。
ペットセラピーの資格
ペットが人に与える癒し効果は優れているということから、ペットセラピーという資格も誕生しました。
NPO法人日本アニマルセラピー協会が行なっている資格に、アニマルセラピストという資格があります。初級・中級・上級・師範の4種類のレベルがあり、小学生から大人まで幅広く受験することができます。
通信教育でアニマルセラピストの勉強ができる講座もあり、ペットセラピストとして活躍したいと考えている人にとってぜひ取得しておきたい資格です。
ペットセラピーを求めている人たち
ペットセラピーが私たちに与える効果は大きく、現にペットセラピーを求めている人もたくさんいます。ここでは、どんな人がペットセラピーを求めているのか一部の例を見てみましょう。
事情により悩みやストレスを抱えている子ども
現代では、大人だけでなく、子どももストレスを抱えながら生活しています。
親が共働きでいつも家ではひとりであったり、食事をひとりでしていたり、学校で友達とうまくやれずに孤独や不安を感じていたりなど、事情によって悩みやストレスを抱えている子どもが増えています。
そんな子どもたちに寄り添って癒してくれるのが、ペットの存在です。孤独から開放してくれ、子どもたちを明るい気持ちにさせてくれるでしょう。
一人暮らしや老人ホームで暮らしている高齢者
近年、高齢者の孤独死という問題が起きています。誰にも看取られずにひとりで人生を終える人が増えているなか、少しでも楽しく明るい人生であったと思えるのが一番でしょう。
そこで、注目されているのがペットセラピーです。一人暮らしや老人ホームで過ごしている高齢者とペットが接することで心が癒され、心身共に穏やかに過ごせるようになるでしょう。
ガン治療など終末期医療を迎えた人
ガン治療や終末期医療を迎えた人は、残りの人生をいかにして過ごすかが重要な課題になるでしょう。
病気によって体力は奪われ、痛みを感じることもあるなかで、少しでも快適に過ごすためにペットセラピーが注目されています。
残りの人生を穏やかに過ごすためにも、ペットセラピーは癒しを与えてくれます。温かいペットの体に触れることで安心感を得られ、生きているという実感も持たせてくれるでしょう。
事故や病気などによる後天的慢性疾患を患っている人
急な事故や病気によって後天的慢性疾患を患う人もいます。
具体例でみると、事故によって身体が不自由になってしまった、病気によって目や耳に障害が出てしまったなど、後天的慢性疾患を患っている人もいます。
今まで元気に過ごしていたのに、ある日突然身体が思うように動かなくなり、ふさぎ込んでしまうこともあるでしょう。
そんなときに、ペットセラピーを活用すればやさしく寄り添ってくれる存在に癒されます。そばにいて撫でているだけで心身共にリラックスでき、これからの人生に明るい希望を見いだすことができるでしょう。
身体が不自由な人
事故などの後天的なものではなく、生まれつき身体が不自由な人もいます。
車椅子生活を余儀なくされている人や、目や耳が不自由で健常者と同じように生活ができない人など、身体が思うように動かせず、不自由な毎日を送っている人もいます。
身体が不自由な人はストレスや不安などを抱えやすいといわれますが、ペットセラピーを通して心を癒すことで明日への活力になります。
気持ちに余裕が出てきて、毎日をより快適に過ごせるようにしたいというプラス思考に変えさせてくれる働きも、ペットセラピーにはあります。
犯罪の傾向にある人
ペットセラピーには、心が荒れてしまった人にも癒しを与える効果が期待できます。
刑務所で更生しようとしている人には、心を落ち着かせ正しい判断ができるように働きかけてくれるでしょう。
犯罪思考の傾向にある人は、心の中に不安やイライラ、悩みなどを抱えています。そのような心をペットセラピーを通じて動物たちが癒し、犯罪を防いだり、更生を促すことができます。
うつ病など精神疾患を抱えている人
うつ病や不安症といった精神疾患を抱えている人にも、ペットセラピーは癒しとゆとりを与え、ストレスから開放してくれます。
不安や悩みを誰かに相談するきっかけをくれる場合もあり、ふさぎ込んでしまっている人を前向きな気持ちに誘導してくれます。
病院に通っても長期的な治療が必要とされる精神疾患ですが、ペットセラピーを通じて動物たちとふれあっていくなかで、穏やかに少しずつ改善が期待できるといいます。
ペットセラピーから得られる効果について
ペットセラピーから得られる効果にはさまざまなものがありますが、その一部を紹介しましょう。
ペットと触れ合うことで血圧が改善される
ペットを撫でたり、抱っこをして触れていると、徐々に血圧が落ち着いてきます。
よって、血圧が高めの人には特によいと言えるのです。心身共にリラックスできるため、血圧が下がると考えられています。
血圧の悩みを抱えている人は、ぜひペットセラピーを利用してみましょう。
ストレスから開放されて心身共にリラックスできる
【画像】:ポペットフレンズのむーたんちゃん
ペットセラピーでペットと触れ合うと、ストレスから開放されて心身共にリラックスできるというメリットがあります。
ペットが与えてくれる癒しの力には非常に優れたものがあり、人間同士では得られないパワーがあるといいます。
見た目が愛らしいペットたちは、自然と私たちのストレスを和らげてくれているのです。
老人を孤独から開放してくれる
老人ホームや一人暮らしの高齢者にもよいとされているペットセラピー、老人が孤独で寂しさを抱え込むという状態から開放してくれる効果が期待できます。
子どもが家を出てから夫婦二人で暮らしてきたという老人が多いなか、さらに年齢を重ねるとパートナーと別れるといった悲しみに直面することもあります。
その結果、孤独になってしまう老人が多くいます。そこで生きるパワーを与えてくれるのがペットセラピーなのです。
ペットと触れることで生きていると実感でき、残りの人生を少しでも有意義に過ごしたいと思えるようになるでしょう。
気持ちが明るくなり、うつ病改善によい
孤独や寂しさ、ストレスから開放してくれるペットセラピーは、私たちの気持ちを明るく豊かにしてくれます。こういったことから、うつ病改善にも効果が期待できます。
マイナス思考からプラス思考に変え、毎日が楽しくなるよう人々の心を癒してくれます。うつ病だけでなく、その他の精神疾患にもよい働きをしてくれるとして、治療法のひとつにペットセラピーが組み込まれている病院もあるほどです。
ペットセラピーに向いている猫
ペットセラピーではさまざまな動物が活躍していますが、そのほとんどが犬や猫です。
まずは、ペットセラピーに向いているとされている猫を3種類ご紹介します。
甘えんぼうなスコティッシュフォールドやアメリカンショートヘア
見た目の愛らしさからペットとして人気急上昇中のスコティッシュフォールドは、ペットセラピーにぴったりな猫といわれています。
穏やかな性格で甘えんぼうのため、人に擦り寄ってくるということが特徴的です。また、人見知りをしないので、初対面の人にもすぐに懐きます。
スコティッシュフォールドに続き、アメリカンショートヘアもペットセラピーに向いています。
スコティッシュフォールドと同じく、人懐っこい性格で人見知りをしません。生活環境に慣れるのが早いため、初めて会う人の膝の上にも乗ってくるほどです。
大型でとても大人しいラグドール
猫の中では大型になるラグドールは、とても大人しい性格の持ち主です。
誰が抱っこをしても怒らないというほど穏やかな性格で、ペットセラピーにはぴったりと言えるでしょう。
抱っこをするとまるでふわふわのぬいぐるみを抱っこしているようで、私たちに癒しを与えてくれます。
のんびりやで人懐っこいブリティッシュショートヘア
のんびりやで人懐っこい性格のブリティッシュショートヘアも、ペットセラピーには適しています。神経質なところがないので、どんな環境にも早く馴染むことができます。
よって、初対面の人や初めて訪れる場所でも問題なく適応することができます。
ペットセラピーとして活躍する中ではいろんな環境に飛び込むことになりますが、ブリティッシュショートヘアであれば、いつでもその場に馴染んで人を癒してくれるでしょう。
ペットセラピーに向いている犬
ペットセラピーは、猫だけでなく犬も向いています。どんな犬種がペットセラピーに向いているのでしょうか?
抱っこが大好きなチワワやトイプードル、ヨークシャーテリアなど
【画像】:ポペットフレンズのミリちゃん
犬の中でも、小型犬で抱っこしてもらうのが大好きな犬種は、私たちに温かさと癒しを与えてくれます。
犬種でみると、チワワやトイプードル、ヨークシャーテリアなどが挙げられます。
ぬいぐるみのようなサイズ感と抱き心地を体験でき、抱っこしているだけでリラックスできます。
人のことが大好きなゴールデンレトリバー
人懐っこく賢いという印象の強いゴールデンレトリバーは、ペットセラピーに最適だと言えます。人のことが大好きというゴールデンレトリバーはセラピードッグとしても有名です。
穏やかで心優しい性格の持ち主のため、ストレスや不安を抱えている人を癒してくれます。賢くしつけがしやすいという点においても、セラピードッグとして選ばれる理由がわかります。
とっても賢いラブラドールレトリーバーやボーダーコリー
ゴールデンレトリバーに続き、ラブラドールレトリーバーやボーダーコリーもペットセラピーに向いています。
特にボーダーコリーについては賢いだけでなく、注意力もしっかり持っているので人間の感情を汲み取るのが得意です。
また、ラブラドールレトリーバーもボーダーコリーも、どちらもしつけがしやすいという特徴があるので、セラピードッグとしても適しています。
ペットセラピーは人の心を癒してくれる大切なもの
ペットセラピーは、ペットとの触れ合いで私たちの身体や心を元気にしてくれる、かけがえのない癒し効果が体験できる方法のひとつです。
ペットセラピーとしてを通して活躍する動物が増えており、その意味と重要性について理解を深め、感謝をしながらペットと共存してていきたいですね。