犬のしゃっくりが止まらない原因は病気の可能性がある?嘔吐する場合は要注意

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犬も人間と同じようにしゃっくりをするのですが、どこかつらそうに見えるため心配してしまうのではないでしょうか。すぐに収まるようなしゃっくりは問題ありませんが、長時間続いたりいつもと違う様子だと大きな病気が隠れている可能性があります。ここでは、犬のしゃっくりの原因や症状、考えられる病気など詳しくご紹介します。

犬がしゃっくりをすると考えられる原因

そもそも犬のしゃっくりとは

犬も人間と同様にしゃっくりをします。しゃっくりは、横隔膜が痙攣することで起こるもので、不随意収縮と呼ばれます。横隔膜は胸とお腹を分けるための筋肉性の膜を指し、普段呼吸をするときに無意識に動かしています。この横隔膜に刺激が加わることで、勝手に横隔膜が収縮し、しゃっくりが出るのです。しゃっくりは、体内にたまったガスを減少させるともいわれています。

早食いしている

食事の時間が短いということは、しゃっくりを引き起こす原因とも言われています。犬は食事中、よく噛まず飲み込むという習性をもっており、それにより横隔膜は刺激を受けやすくなります。横隔膜が刺激を受けると呼吸のリズムが乱れ、次第にしゃっくりが出始めるのです。

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食事の量や硬さが合っていない

子犬の場合、柔らかい餌から徐々に硬い餌に変えていきましょう。餌の硬さを変えたときに、胃が硬さに対応しきれず消化できないため、しゃっくりが出るようになります。しかし、胃が慣れてきたらしゃっくりも出なくなりますので様子を見てあげてください。

また、硬さを調節するためふやかしてあげる場合があると思いますが、しゃっくりが出続ける場合には、ふやかし方や種類を変えるなど工夫をしてあげましょう。また、体質に合わないドッグフードを食べていると、腎臓や内臓の病気にかかりやすくなるため、その犬に合う食事を用意してあげてください。

ストレスを感じている

犬がストレスを感じるときは、飼い主と離れたり、環境が変わったりすることです。環境が変わると食事を受け付けなくなる場合もあります。少しずつ食べられるように餌をずっと置いておくと良いでしょう。また、餌を長時間置いておくことができない場合には、飼い主の臭いがついた衣類などをおいておくだけでも犬は安心することができるのです。

低体温である

冬など寒い季節になると、低体温によって犬がしゃっくりを起こすことがあります。しゃっくりが頻繁に起きるようならば、生活環境が寒すぎる可能性もあります。暖房を使用して室温を調節したり、犬用のヒーターを使用したりと、低体温にならないよう犬の身体を温めてあげようにしましょう。

止まらないしゃっくりは病気の可能性も?

ほとんどの場合、しゃっくりは時間の経過とともに自然と治まります。しかし、しゃっくりが長い間出続ける、咳やくしゃみ、嘔吐といったいつもと違うしゃっくりをしている、苦しそうにしている場合には、病気の可能性が考えられます。

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消化器官の異常

消化器官の異常が起こると、食道炎や胃炎、胃潰瘍、胃捻転といった病気が考えられます。その中でも、胃捻転は命を落とす危険があるものなので注意が必要です。消化器官に異常が起きるのは、食べたものが胃の中でうまく消化されなかったり、逆流したり、餌自体が体質に合っていなかったりすることが考えられます。また、しゃっくりしながらの嘔吐が2日以上続く場合には、内臓に問題があることが多いので、すぐに動物病院で診てもらいましょう。

呼吸器疾患

呼吸器系の疾患には、ぜんそくや肺炎、気管支炎、肺がんといった病気の可能性があります。くしゃみをしている、咳が止まらない、苦しそうにしている場合は、呼吸器にトラブルがある可能性が高いです。ただの風邪だと思いそのままにしておくと、呼吸困難に陥ることも考えられます。

寄生虫による感染症

お腹の中が寄生虫により感染することにより、しゃっくりが起こります。食欲不振、嘔吐、下痢、血便、普段より元気がないといった症状がみられる場合は、すぐに動物病院で駆虫してもらいましょう。

脳機能障害

脳機能の障害には、脳梗塞、脳腫瘍、脳神経の病気が考えられます。しゃっくりで最も気をつけなければいけない病気であり、しゃっくりを何度も繰り返したり何時間も止まらない場合はすぐに動物病院に相談しましょう。脳に障害が起こると、筋肉や神経にうまく伝達することができず、しゃっくりにつながるのです。

てんかん

脳の病気のひとつに「てんかん」があります。てんかんは緊急度の高い病気であり、迅速な対応が要求されます。てんかんの初期症状にはくしゃみがあり、その後痙攣や発作、大量のよだれ、口から泡を吹くなどの症状が現れます。てんかんの発作が起きている間は何もせず、そのあとで動物病院へ行きてんかんの様子を詳しく伝えましょう。可能なら、メモに控えておくとスムーズです。

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心臓の異常

心臓に異常がある場合、心臓炎、心臓病といった病気の可能性があります。心臓に負担がかかると、咳が出たり呼吸が荒くなったりし、しゃっくりが出たり、それ以外にも普段の呼吸とは少し違う場合があります。いつもと様子が違うと感じた場合には、すぐに動物病院で検査を受けるようにしてください。

睡眠中のしゃっくりは?吐いた場合の対処法

睡眠中のしゃっくりの対応法

犬が寝ている間のしゃっくりは、特に問題ありません。これには、夢を見たり寝言ということが考えられています。犬も人間と同じなんですね。夢を見たり寝言をいうのは、眠りが浅いレム睡眠の時間帯であり、睡眠中だけしゃっくりをしているのなら、基本的に問題はないでしょう。

しゃっくり中の嘔吐の対処法

しゃっくりをしているときに嘔吐するのは、食事の際のエサの量や内臓に問題がある場合があります。大きな病気の可能性も否定できないものなので、まずは食事の量を変更してみましょう。多い場合がほとんどなので少し減らし、それでも改善しないようなら、すぐに動物病院で診察してもらいましょう。

犬のしゃっくりの止め方4選

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水を飲ませる

人もしゃっくりをすると、水を飲ませて止める方法がありますよね。水を飲むことにより、呼吸のリズムを変えることでしゃっくりを止めることができます。水だけでなく、何かを食べるで呼吸のリズムを変えることも効果が期待されています。ただし、無理に水を飲ませたり食べさせることが犬の負担となる場合もありますので、与える量には注意してください。

驚かせる

水を飲ませるのと同様、人の場合にも使う驚かせる方法です。驚かせることで、呼吸のリズムを変えることができます。ただ、驚かせるという方法は何回も行ってしまうと意味がなくなるため、犬を驚かせるのは1回だけにするようにしてください。しかし、強く驚かしすぎると、思わぬ事故につながる可能性があるので、びっくりさせすぎてもいけません。

みぞおちをマッサージする

しゃっくりが止まらない場合は、横隔膜の近くにあるみぞおちをマッサージしましょう。みぞおちを優しく押したりなでたりすることで、横隔膜の痙攣が少しずつ治まっていきます。マッサージを何度か繰り返すことで、しゃっくりが止まることが期待できるでしょう。

軽い運動をする

呼吸のリズムを変えるために、軽い運動をすることもしゃっくりを止めることに助長します。しかし、過度な運動は犬の呼吸を余計に苦しめることになるため、軽い適度な運動に留めておきましょう。

絶対にしてはいけない対処法

息を止める

人の場合、しゃっくりを止めるために息を止めることもあります。人と同じだからと愛犬の息を止めるために、口や鼻を塞いだり首を絞めたりなどは絶対してはいけません。息ができないと死んでしまうことがありますので、絶対にやめてください。

犬のしゃっくりのような症状

犬には、しゃっくりと間違いやすい症状があります。しゃっくりと区別するためにも、症状を把握しておきましょう。

逆くしゃみ

しゃっくりに似た症状に「逆くしゃみ」があります。普通、くしゃみは息を吐きますが、逆くしゃみは息を吸い込むくしゃみのことです。しゃっくりと比べても、息を吸い込む時間が長いという特徴があります。また、小型犬の若い犬によく見られる症状で、病気とは関係ありません。ただし、年老いてから逆くしゃみの症状が出る場合には、鼻、喉、胸の中の病気の可能性があるので、気を付けてください。逆くしゃみは数分続きますが、自然と治まります。

吐き気

犬は嘔吐するとき、嘔吐の前に何度か腹筋が収縮します。そのときの腹筋の動きがしゃっくりと似ているため、しゃっくりと間違えることがあります。嘔吐の場合、しゃっくりのときと比べて腹筋の動きが大きく数回繰り返して吐きます。吐いた後はしゃっくりも治まるので区別しやすいでしょう。しかし、たまに吐くのを我慢していることがあるので、その場合はしゃっくりと吐き気を間違えやすくなります。

しゃっくりの予防方法

食事の量を見直す

しゃっくりの原因となる早食いを治すには、1回の食事の量を少なくし、あげる回数を増やしてみましょう。そうすると、食事に際に大量に空気を吸い込むことを防ぐことができます。

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食事内容を変える

食事の回数を増やすことができない場合は、ドライフードを使用しましょう。ドライフードだと、ゆっくり時間をかけて食べるのには最適です。ウェットタイプのフードは、長時間置いておくことはできないので注意しましょう。また、餌の硬さを変えたい場合には水でふやかしたり、餌を小粒で噛みやすいものに変えてみるのもおすすめです。餌の硬さが合っていない場合は、犬も食べづらそうにしているので、よく観察しておきましょう。

ストレスを与えないよう毎日の散歩を心がける

犬に対し、過度なストレスを与えないように適度な運動、散歩、スキンシップといったコミュニケーションを大切にしましょう。そうすることで、犬は安心し、ストレスの少ない生活を送ることができます。

犬がしゃっくりをしない環境をつくろう

何回もしゃっくりしている様子は、愛犬が苦しそうに見えて可哀想に見えてしまいますよね。もし、しゃっくりをしていたら、水を飲ませたり運動させたりして止めてあげてください。また、いつもと違うしゃっくりの様子なら病気の可能性もあるので、動物病院に相談して受診するようにしてあげてくださいね。