犬を飼っていると気にかけている飼い主が多いであろうダニ対策ですが、注意しているつもりでも愛犬の体についてしまうことがあります。一度ついてしまうと厄介なダニは、日頃から対策をしておく必要があります。そこで、犬にダニがついてしまう原因や症状を理解したうえで、対処法や予防法についても心得ておきましょう。愛犬の体をダニから守るためには、飼い主によるケアが重要となりますよ。
目次
犬のダニ、症状や原因は?種類もチェックしよう!
なぜ、犬にダニがついてしまうのでしょうか?その原因と症状について見てみましょう。また、ダニには種類もあるので、こちらも要チェックです。
犬にダニがついてしまう原因
散歩
犬にダニがついてしまう原因のひとつとしてもっとも可能性が多く考えられるのが、散歩です。犬にとって欠かせない朝晩の散歩は、公園や歩道をたっぷり歩くことで愛犬の運動不足を解消することができます。
公園の草むらにダニが隠れていることがあり、犬の体温や二酸化炭素に反応して体にくっついてきます。犬は草が生い茂っているところを歩くのが好きなので、散歩で外出したあとには体にダニがついていないかを慎重に確認しなければいけません。
他の動物と触れ合う
犬との散歩においてダニがついてしまう恐れがあるもうひとつの可能性として、他の動物と触れ合うことが考えられます。
母犬が子犬と触れ合ったときに、母犬の体から子犬の体にダニが飛び移るのです。子犬の頃にダニがついていたら母犬から感染したという可能性が高いと考えられますが、成犬になってからは免疫力の低下によってもニキビダニがつくことがあります。
また、散歩中に他の動物と触れ合ったときに、ダニが飛び移って体につくという可能性も大いに考えられます。よって、散歩中だけでなく、他の動物と接触する際にもダニがついていないかはきちんと確認する必要があるのです。
犬にダニがついた場合、現れる症状は?
犬の体にダニがついた場合は、何かしらの症状が現れます。犬によって現れる症状が異なるので、どんな異変が起きるのかという知識を得ておきましょう。
貧血
気づかないうちに体についてしまったダニによって、貧血の症状が起こることがあります。ダニが血を吸うと豆粒ほどの大きさにまで膨れ上がることがあり、ダニが一匹だけでなくたくさんいた場合は、次々と血を吸われてしまいます。
その結果、体内の血液が一度にたくさん減ってしまい、貧血状態に陥ってしまいます。愛犬がいつもよりも大人しい、体に豆粒ほどの丸い何かがいくつかついているというときには、ダニによって貧血を起こしているサインだと思ってよいでしょう。
アレルギー性皮膚炎
ダニのなかでもマダニにおいては、愛犬にアレルギー反応が現れる場合があります。マダニの唾液によって犬の体が反応を起こし、強いかゆみを感じることがあります。
アレルギー性皮膚炎は日常的に潜んでいる病気ですが、ダニによって症状が起きる場合もあるので注意しましょう。かゆみを感た場合、じ犬は大抵体のどの部分でも手や足が伸びて掻くことができるため、肌を傷つけ二次的な病気やケガに繋がることにもなります。
ただれやかゆみを起こす毛包虫症
ダニが体につくことで、毛包虫症(もうほうちゅうしょう)という症状を引き起こすこともあります。毛が抜けたり、皮膚がただれるといった症状が現れるので、明らかにいつもとは様子が違うことがわかります。
目で見て分かる症状であり、全身に現れるもの、局所や四端といった部位で症状が見られるものに分けられます。体の一部から全身にかけて症状が現れる恐れがあり、かゆみを感じることで肌を傷つけてしまうこともあるため、毛包虫症には注意が必要です。
フケや発疹
犬の体にダニがつくと、フケや発疹といった症状が見られる場合もあります。このフケや発疹については、体のなかでも毛が少ない箇所において感じやすいといえます。
よって、お腹や顔といった部位でフケや発疹が見られたら、ダニによる影響かもしれないと思って様子を見ましょう。普段じっくり見ない場所にダニがついている恐れもあるので、愛犬の健康チェックも兼ねて確認しておくと安心です。
犬につくダニの種類は主に3種類
犬につくダニは、一種類だけではありません。大きく分けて3種類が犬につく恐れがあるため、その種類についての特徴を知っておきましょう。
マダニ
ダニのなかでも名前が知られているマダニ。公園や河川敷、歩道など、日常生活のあらゆるところに潜んでいます。草むらにも多く生息しており、木の上から落ちてくることもあります。
このマダニは犬の体温や二酸化炭素、体臭などに反応して、体に飛び移ります。そして、血液を吸うのです。数匹つくこともあれば、数が増えて数十匹という多さになる場合もあるので、散歩から帰ったあとの確認や外で犬を飼っている場合には注意が必要です。
ニキビダニ
ダニのなかには、ニキビダニという種類もいます。健康体である犬にも少しはついていることがあるというニキビダニ、体についたあと異常発生した場合、犬の体に影響を及ぼします。
年齢や遺伝、ストレスなどの様々な原因によって、ニキビダニが異常発生すると考えられています。
多くの場合、ニキビダニがついていても自然治癒しますが、老犬や免疫が低い状態の犬で発症した際にはかゆみやただれ、脱毛などの症状が見られることがあり、症状が悪化する恐れがあります。
全身に症状が現れている際には完治するのに時間がかかるとされているため、日頃からニキビダニの予防も行なっていくことが大切と言えます。
ヒゼンダニ
ダニのなかでも特に小さく、一度つくと厄介なのがヒゼンダニです。皮膚の奥に潜り込む関係で、強いかゆみを伴います。強いかゆみから、皮膚病を発症する恐れもあるので、症状が長引くという特徴も見られます。
つい掻きむしってしまうと傷が悪化するので、愛犬の日常生活にも支障が出ます。顕微鏡で見ないと見えないほどのサイズのヒゼンダニは、日頃からの予防が必須となります。
犬の体にダニを発見したときの対処法
犬の体にダニがついているのを発見したら、すぐに対処して症状を悪化させないようにしましょう。
散歩後にダニが付いていないかのチェック
犬にとって毎日欠かせない散歩を快適に続けていくためにも、家に帰った後には犬の体にダニがついていないか丁寧にチェックしましょう。ダニは、犬の毛に埋もれて隠れている場合もあります。そして、一匹だけではないことも考えられるので、慎重に確認をする必要があります。
お腹部分だけでなく、目元や耳、手足などもよく確認するようにしましょう。また、定期的にシャンプーをして、体を清潔に保つこともダニ対策として有効です。
ダニを見つけたらピンセットで取ろう
犬の体にダニがついているのを確認したら、ピンセットを使うと上手に取り除くことができます。ダニを除去するための専用ピンセットも販売されており、動物病院でもピンセットでダニを取り除きます。
見つけたダニをできるだけ早く取り除くためにも、自宅にピンセットを用意しておくと安心でしょう。
部屋の中はいつも清潔に保とう
ダニのなかでもヒゼンダニが体についていると、感染力が強いため症状もはっきりと現れることが多いです。そこで、散歩から帰ってきて足元や体を清潔にするだけでなく、部屋のなかにあるものも常に清潔を保てるよう心がけましょう。
ダニは50℃以上の温度で死滅するとされているため、愛犬の食器や布団、ベッド、タオルなどは高温で洗って清潔に保つようにしましょう。また、こまめに新しいものに取り替えるのもおすすめです。
部屋のなかだけでなく常に愛犬の体も清潔にしておくと、ついていたダニが取れて快適になります。
ダニの予防薬を使う
犬にとっていつついてしまうわからないダニから身を守るため予防薬を日頃から使っておくのもダニ対策のひとつとして有効です。
愛犬の首元に薬剤を直接つけておく方法やスプレータイプなど、ダニ予防薬として様々な商品が開発されています。使いやすく愛犬が嫌がらないものや、動物病院で勧められるものなどを中心に活用してみましょう。
お酢を使えば手軽にダニを除去できる
ダニ対策に専用の予防薬を使うと効果が期待できますが、自宅にあるお酢で手軽にダニ駆除を行なうこともできます。お酢を使ったダニ駆除には、二つの方法があります。
消毒用のアルコールもおすすめ
お酢と同じ使用方法で、消毒用アルコールでもダニ駆除ができます。消毒用アルコールを多めに浸したコットンで、ダニを包み込みましょう。しばらくすると、ぽろっと外れます。
犬にとっても負担の少ない除去方法なので、お酢と合わせて消毒用アルコールも常備しておくといざという時に活用できるでしょう。
ダニの予防におすすめアイテム6選
これまでは発見したダニを駆除する方法として手軽なものを紹介しましたが、ここではダニがつくのを未然に防ぐために日頃からダニ予防として活用できるアイテムを6つ紹介します。
ダニ予防の飲み薬を服用する
ダニがつかないようにするためには、日頃からの予防が大切です。そこで、ダニ予防の飲み薬を服用しておくと安心でしょう。
ネクスガード
■出典:n-d-f.com
ダニ予防の飲み薬として有名なものに、ネクスガードがあります。ネクスガードは、愛犬が喜んで食べてくれるソフトチュアブルタイプとなっています。牛肉風味で美味しく服用できる、経口薬になります。
ノミであれば6時間以内で、マダニであれば24時間以内で駆除してくれるという、服用していると安心なダニ予防薬です。マダニの駆除率は100%と高い数字になっているので、愛犬をダニから守るため利用する人が増えています。
パノラミス
■出典:szpet.jp
月に一錠飲むだけで、3タイプ6つの寄生虫対策が可能となっているパノラミスは、動物病院でも利用されているダニ予防薬です。犬の体型に合わせて錠剤のサイズを選べるようになっているので、全ての犬種が快適に服用できます。
経口剤となっているので、普段の食事と一緒に月に一度与えることでしっかりとダニ予防の効果が期待できます。直接犬の体に吹き付けるスプレーなどと違って、体がべたつくこともないので、愛犬も快適に過ごせるでしょう。
ダニ駆除用の首輪を付ける
ダニを予防する方法としては、日頃から予防薬を服用していることがまずは安心です。それに加えて、ダニ駆除用の首輪を活用することでより安心して、毎日の散歩を楽しみましょう。
アース ノミ、マダニとり&蚊よけ首輪
アース製薬から販売されている「ノミ、マダニとり&蚊よけ首輪」は、ノミやマダニ、蚊などをしっかり避けてくれます。小型犬用や大型犬用など、体のサイズに合わせて販売されているので、愛犬の体型に合う首輪もきっと見つかるでしょう。
首輪を付け始めてからおよそ1週間ほどで効果が実感できるとされており、その後6ヶ月間ほど効果を持続してくれます。殺虫効果と残効性のあるフェノトリンのおかげで、愛犬を様々な害虫から守ることができます。
ボルホ プラスカラー
■出典:vm3.jp
ボルホ プラスカラーという首輪も、犬のダニ予防におすすめです。首輪本体にプロボクスルが10%、フルメトリンが2.25%と、ダニ駆除に効果が期待できる成分をしっかり含んでいます。
愛犬の首のサイズに合わせて装着してから、余分な部分をハサミでカットするという方法で利用できるので、様々な犬種に対応しています。
ボルホ プラスカラーにはSサイズとLサイズの2種類があるので、愛犬の体型に合わせて選んでみましょう。黄色の首輪がよく目立つので、ダニ予防だけでなく愛犬の目印にもなります。
ダニ予防のハーブエキス入りスプレーを吹き付ける
ダニ予防には、予防薬を日頃から服用しておく方法と専用の首輪でダニを寄せ付けないという方法があることを紹介しました。そこで、最後にダニ予防に有効とされているハーブエキス入りスプレーを2つ紹介しましょう。
アルファアイコン ダニ予防スプレー
アルファアイコン ダニ予防スプレーは、天然ハーブのエキスを配合した虫除けスプレーです。ダニやノミはハーブの匂いを嫌がるというので、愛犬の体に吹き付けておくことで、散歩のときなどにダニが付着するのを防ぐことができます。
香料や着色料、防腐剤などの添加物は一切使用していないので、安心して使用できます。散歩の前に愛犬の体に軽くスプレーするだけで香ってくるハーブの香りによって、ダニなどを寄せ付けずに済みます。
軽くスプレーするだけでも十分となっていますが、スプレーした後にブラッシングをしておくとより効果が期待できるでしょう。こちらのダニ予防スプレーは、愛犬の体臭対策や静電気予防にも活用できるので、オールシーズン様々な用途に活躍するでしょう。
天然成分100%ということで、安心して愛犬に使用することができますね。
ニーム&シトロネラスプレー
マダニを約95%ブロックしてくれるというニーム&シトロネラスプレーは、虫が嫌う臭い成分を配合しているので、ダニをはじめとした虫除けをしっかり行なうことができます。配合してあるのは自然由来のものばかりとなっているので、愛犬にも安心してスプレーすることができます。
虫が嫌う成分として、ユーカリやティーツリー、ニームエキス、シトロネラなどが使用されています。うっかり犬が舐めてしまっても安心な成分なので、全身にスプレーできます。
さらに、サンスクリーン成分も配合してあるので、日焼け予防にも効果が期待できます。スリムなスプレーボトルなので、散歩の前に使用できるよう玄関に置いておくと気軽に利用できるでしょう。
早めの予防でダニから愛犬を守ろう!
犬につくダニは、早めの予防が肝心です。毛に埋もれて見えなくなってしまい、見落としてしまうこともあるため、散歩から帰ってきたら愛犬の体にダニがついていないかをよく確認しましょう。
また、日頃からダニ予防薬として、飲み薬や首輪、スプレーなどを利用することで、愛犬の体にダニをつけずに済むでしょう。症状が悪化するとかゆみや傷ができる場合もあるため、早めの予防と対策で、愛犬をダニからしっかり守りましょう。