犬の脱毛で考えられる原因は?予防・対策を練って快適な環境を与えてあげよう!

犬の脱毛 考えられる原因と予防・対策を知っておこう

家族のように大切にしているワンちゃんの毛が不自然に抜けているとしたら心配ですよね。犬の脱毛にはどのような原因があるのでしょうか。また、毛が抜けているだけではなく他に何か症状が重なったとき、どんなことが考えられるのでしょう。今回は犬の脱毛について、原因・対策・予防について解説していきます。

犬の毛の役割

犬の脱毛 考えられる原因と予防・対策を知っておこう

体温調節をする

犬の毛はどんな役割をするのでしょうか。そのひとつに「体温調整」があります。犬の毛は季節により抜けて夏毛と冬毛になります。このように、自分の毛で寒さや暑さを調整し、毛の生え変わり時期を「換毛期」といいます。

毛が長いマルチーズやシュナウザーなどの犬種は毛が抜けにくいとされていますが、柴犬・フレンチブルドッグ・ミニチュアピンシャーなどは毛が抜けやすい犬種です。

外部の刺激から肌を守る

犬の毛のもうひとつの役割は、外部の刺激から肌(身体)を守ることです。犬の表皮は人間に比べると厚さが5分の1程しかなく、非常に薄く刺激に弱くなっています。その薄い肌を守るために犬の毛は重要な役割を担っています。

犬の脱毛の原因

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季節の抜け毛

犬種によりますが、犬の毛は春と秋に抜け替わります。冬には身体を温めるための毛が生えて、夏に向けてその毛が抜けて夏毛になります。季節の抜け毛の場合は1本ずつパラパラ抜けていきますので、このような抜け方をしている場合は心配いりません。

しかし、プードル・ヨークシャーテリア・マルチーズ・シュナウザーなどの季節の抜け毛があまりない犬種の毛が大量に抜けている場合は注意が必要になります。

病気による抜け毛

アレルギーによる脱毛の場合、犬はかゆみを感じて身体をしょっちゅう掻いていたり舐めていたりします。また、アレルギーによる脱毛の場合は局部的に毛が抜けることが多いのが特徴として挙げられます。

また、炎症を起こして皮膚に発疹ができることもあります。アレルギーの場合はその原因を探り、それに合った治療をしなければなりません。

  • ノミアレルギー性皮膚炎
  • ノミやダニが原因でアレルギー症状を引き起こしている場合、ノミ・ダニの駆除をのために投薬が必要です。薬用シャンプーで身体を洗ったり、痒みや炎症を抑えるための薬を投与する治療を行います。

  • アトピー性皮膚炎
  • アトピー性皮膚炎の場合、アレルゲンを特定しなければなりません。そして、そのアレルゲンとなるものに触れさせないように日頃から注意してあげる必要があります。アトピー性皮膚炎は完治が難しいため、アレルゲンを避けて症状を抑える治療を続けていきます。

  • 食物アレルギー
  • このアレルギーは発症する可能性が低いものの、2歳以上になると発症することもあります。食べ物のアレルギーを疑う場合は、アレルゲンを特定してそれを食べさせないようにしなければなりません。

    食物アレルギーは何年も同じフードを食べさせていればいるほど、発症することがあるので、普段から気をつけていく必要があります。アレルギーを発症した場合、獣医と相談してフードを替えて様子を見ましょう。

  • ホルモン異常
  • さまざまな原因でホルモンバランスを正常に保てなくなると、脱毛症が引き起こされることがあります。この場合は痒みを伴わないことが多く、成長ホルモン異常の場合は、左右対称に毛が抜ける事が多く、性ホルモン異常の場合は肛門や脇腹、尻尾の付け根が脱毛することが多く見られます。

  • 内臓疾患
  • 内臓系の疾患での脱毛の場合、代表的なものは「クッシング症候群」というもので、別名を副腎皮質機能亢進性と呼ばれる病気です。

    副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることで起こる病気で、ダックスフンドやポメラニアンがかかりやすい犬種として挙げられます。脱毛は左右対称で抜け、お腹の膨らみや多飲・多尿の症状が出ることがあります。

  • 真菌(カビ)や寄生虫
  • 真菌と呼ばれるカビの一種や寄生虫によって脱毛することがあります。この症状はアレルギーとよく似ていて強い痒みを伴いますので、犬がしきりに掻いて大量の毛がまとまって抜けることがあります。

    アレルギーと似ていますが、治療方法が全く異なりますので、自己判断せず動物病院で診察を受け、薬を処方してもらわなければなりません。

  • 膿皮症
  • 生活環境が不潔だったり、犬同士の喧嘩などで感染する病気で皮膚が化膿してしまう病気です。この病気は命に関わるものではありませんが、眠ることができないほど痒みがひどくなり、熱を出すこともあります。

    発疹を伴うもので、犬の皮膚病の中では最も多いとされる病気です。はじめは赤い発疹のようなものができ、それがどんどん身体中に広がっていきます。膿を出す赤い発疹は背中やお腹、足の付け根などにできます。

    発疹ができると痒がって掻いてしまうことで他の場所に広がってしまうので、早めに発見して治療を始めることが大切です。もしも、犬の身体に赤い発疹を見つけたらすぐに受診するようにしましょう。

ストレスによる抜け毛

精神的なストレスが原因で起こる脱毛症もあり、これを心因性脱毛といいます。ストレスにはさまざまな原因がありますが、ストレスを感じることで血行が不良になり毛が抜けてしまいます。

ストレス性の脱毛の場合は、円形脱毛症のような局部的な脱毛です。神経質に足先を舐めることで毛が抜けるケースもあり、ストレス性の脱毛の場合は痒みを伴わないことが一般的です。

脱毛の症状で原因を探る

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左右対称に抜けている場合

左右対称の脱毛が見られる場合、内臓疾患である場合があります。内臓疾患の場合、腹部や胴体部分の広い範囲で脱毛が見られます。

円形脱毛症の場合

円形に脱毛がある場合は、皮膚真菌症というカビが原因の可能性があります。また、精神的なストレスが原因で脱毛する場合も円形に毛が抜けることが多いです。

脱毛に加えて痩せてきたら糖尿病かも?

脱毛に加えて、体重が減ってきたら糖尿病を疑いましょう。糖尿病とは、インスリンの減少などが原因で体内で糖を使うことができなくなってしまう病気です。

糖尿病は人間だけでなく、犬にも発症するのです。もしも糖尿病になっていたら、水を大量に飲む・食欲があるのに体重が減っていく・頻尿・無気力などの症状が見られます。脱毛に加えてこのような症状が見られたら、すぐに動物病院で受診するようにしましょう。

脱毛で皮膚が黒ずむ色素沈着は甲状腺機能低下症?

犬の身体に脱毛と色素沈着が見られたら、甲状腺機能低下症が原因かもしれません。この病気は、甲状腺から分泌されるホルモンが不十分になるために起こる病気です。

甲状腺ホルモンは全身のエネルギー利用を促すもので、この病気になると全身の活動が低下してしまいます。その症状のひとつに肌の乾燥があり、乾燥から脱毛に繋がります。

家でできること

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寒さ対策には服

脱毛で本来あるはずの毛がなくなってしまっている状態は、犬にとっては相当な負担です。犬の毛には体温調整や外部からの衝撃から身体を守る役目があるので、それが果たされないのも不便です。

服を嫌がる犬もいますが、身体を守るために伸縮性のある服を着せてあげるといいでしょう。

日光浴で肌を皮膚を健康に

脱毛がある場合、適度に服を着せるのはいいことですが、ずっと着せたままにしないようにしましょう。日光浴は肌に刺激を与えて皮膚表面を健康にしてくれる効果が期待できますので、服を脱がせて太陽の日差しをあびさせることも大切です。

シャンプーは短時間で

肌に痒みを感じているときに肌を温めると、身体が温まって血流がよくなり痒みをましてしまうことがあります。そのため、シャンプーは短時間で済ませるようにしなければなりません。

シャンプーやリンスは肌に刺激がないものを選び、ぬるめのお湯で短時間で済ませるようにしましょう。そして、タオルドライの際は皮膚をこすらないようにして、軽く押し当てて拭きましょう。ドライヤーも熱で身体を温めてしまいますので、短時間で済ませるように心がけることが大切です。

犬の脱毛予防

ストレスをためないようにする

犬は私たちが思う以上に繊細で、ほんの小さな変化にも敏感な動物です。引っ越しをして環境が変化した・飼い主に子どもが生まれた・犬が増えた・仕事を始めたので遊んであげる時間が減ったなどの理由が犬にとっては大きなストレスになっているかもしれません。

脱毛があり、動物病院で診てもらっても原因が分からない場合はストレスが原因かもしれません。思い当たるストレスの原因を取り除くようにしてあげると改善するかもしれません。

行動をよく観察する

飼い犬の脱毛がどのような原因なのか、飼い主さんがしっかり観察することである程度の予想をつけることができます。身体のどの部分を痒がっているのか、どこの毛が抜けているのかなどの症状の観察は重要です。

また、暑くないのに息が荒い場合や尻尾をずっと追いかけているなどの行動をしていたらストレスが原因かもしれません。飼い主さんは犬の症状や行動をよく観察して、詳しく獣医さんに伝えられるようにしましょう。

ブラッシングをこまめにする

季節の抜け替わりで毛が抜けている場合は定期的なブラッシングが効果的です。嫌がって逃げるときは無理やりせず、少しずつ慣らしていきましょう。無理やり行うと、ブラシを見るだけで逃げるようになって、ブラッシング自体をストレスに感じるようになってしまいます。

サプリを与える

皮膚のトラブルは腸内環境が悪いと起きる場合があります。腸内の悪玉菌が善玉菌よりも多くなってしまうと、免疫力が低下して皮膚が乾燥したりアトピー性皮膚炎を引き起こすことがあります。

また、毛並みが悪くなったり、毛が抜けることがあるのです。なぜこのようなことが起こるのかというと。老化や食生活が考えられます。腸内環境を整えるためにはサプリを与える方法もありますが、与える際は獣医師さんに相談してからにしましょう。

犬の脱毛 考えられる原因と予防・対策を知っておこう

換毛期以外の抜け毛は動物病院へ

犬の毛が抜ける原因をいくつか解説してきましたが、季節の換毛以外の場合は治療が必要です。犬の毛がなぜ抜けているのか、よく観察して獣医師さんとともに原因を突き止めて治療を始めてあげましょう。

脱毛があるのにそのままにしておくと、肌の状態が悪くなり細菌に感染してしまうこともあるので、なるべく早く受診するようにしましょう。