マダニの恐ろしさは近年注目されており、日常生活のなかに潜む危険性についてもニュースなどで取り上げられています。このマダニは私たち人間にとって恐ろしい存在なだけでなく、犬をはじめとした動物にとっても脅威となります。特に、犬の場合は外を散歩するので、マダニが付く可能性が高いです。ここでは、マダニの生体や付いてしまったときに見られる症状、駆除方法や予防法などについて解説します。
目次
犬に付くマダニとは?
犬に付く恐れのあるマダニとは、どのような生き物なのでしょうか?マダニの生体や生息場所について知っておきましょう。
マダニの生体について
身近な害虫とされるマダニは、動物の体に付いて吸血する生き物です。その吸血量は、自分の体のおよそ100倍以上となっており、たくさんの血を吸って体を膨らませます。
一生吸血して過ごすマダニですが、数ヶ月から数年の間何も食べなくても生きられるという強さも持っています。マダニの活動が特に活発になるのは、3月~11月の過ごしやすい時期です。
マダニは犬などの皮膚に付いて吸血するだけでなく、様々な感染症を持ってくる恐ろしい存在としても知られています。人にも感染する確率が高く、日頃から徹底的にマダニ対策を行なうことが必要です。
マダニはどこに潜んでいる?
犬の体にも気づかないうちに付いていることのあるマダニは、普段はどこに潜んでいるのでしょうか?
- 山・森
- 公園
- 河川敷
マダニが多く生息しているのが、山や森です。マダニが生息する場所のなかでも多くなっているのが、この山や森です。鹿やイノシシなどの動物も生息しており、マダニにとっても住みやすい環境と言えるからでしょう。
近年は、山や森に入るときはマダニ対策をするようにと言われるほど、身近な存在となっています。そのため、登山などで山に入るときには、必ずマダニ対策を徹底することが重要です。
山や森など、普段あまり人や犬が立ち入らない場所に多く生息しているイメージのあるマダニですが、最近では公園にも生息しています。公園といえば、多くの人や犬たちが日常的に集まる場所です。
草が生えているような場所にマダニは潜んでおり、毎日散歩に訪れる公園も気が抜けないのが現状です。
河川敷がいつもの散歩コースになっているという家庭も多いかもしれませんが、河川敷にもマダニは生息しています。河川敷といえば、川にたどり着くまでのほとんどが草むらです。その草むらのなかに、マダニは潜んでいるのです。
河川敷を降りてたところにある、草むらで愛犬が走り回ることもあると思いますが、そんな場所にもマダニは生息しているので注意が必要です。
このように、マダニは私たちと犬の生活圏内に身近に潜んでいる存在なのです。
犬にマダニがついた際に現れる症状も要チェック
身近に潜むマダニは、犬に付いたときどのような症状をもたらすのでしょうか?現れる可能性のある症状はひとつではないので、詳細を知っておくことは大切です。
皮膚にかゆみが生じる
マダニが付着することで起こりやすい症状が、皮膚のかゆみです。この皮膚のかゆみは、最初に現れる症状でもあります。マダニは犬の皮膚に噛み付いて吸血しますが、その際に感じるのが痛みではなくかゆみです。
そのかゆみはしばらく続くとされており、犬はマダニが付いてかゆいところを掻こうとします。かゆみが悪化すると、皮膚が傷つき炎症を起こすまで発展してしまう恐れがあるので注意が必要です。
ずっと同じ箇所をかゆそうにしている、散歩から帰ってきてからしばらく掻いているといった行動が愛犬に見られたら、マダニが付いていないか確認してみましょう。
貧血
マダニによって長時間たくさん吸血されることで、貧血を起こす恐れもあります。マダニは自分の体の100倍、200倍もの血を吸うことができます。それだけの血が犬の体から奪われることになるので、貧血を起こしてしまうのです。
体を起こすときにフラフラしている、だるそうに横になっていることが多いなどの異変が見られたら、愛犬の体にマダニが付いていないか調べてみてください。
発熱や倦怠感
マダニによる影響は、かゆみや貧血だけでは収まらないケースがあります。症状によっては、発熱や倦怠感も現れることがあります。
発熱や倦怠感といった不調が見られるとき、マダニによって媒介された感染症にかかっていると考えられます。
発熱や倦怠感という症状をもたらす感染症には、バベシア症やエールリヒア症が挙げられます。
バベシア症は発熱だけでなく、貧血や黄疸などの症状が現れることもあり、重症の場合は死に至るケースもある怖い感染症です。
いきなり症状があらわれて急死するというケースもあるため、油断はできません。また、エールリヒア症は急性の場合に発熱や倦怠感、食欲不振といった症状を引き起こします。人がかかる方が重症化しやすいとされている感染症ですが、犬の場合にも過信するのは危険です。
このように、マダニから発熱や倦怠感も現れているときは、感染症にかかっているかもしれないという可能性を考えながら対処することが大切です。
頭痛
マダニが付くことで生じる頭痛は、ライム病やバベシア症などによって感じることのある症状です。犬は自分で頭が痛いと伝えることができません。そのため、飼い主がいつも様子を見ながら、愛犬の頭痛に早く気づいてあげるようにしたいです。
頭痛がすべてマダニによる影響とは限りませんが、いつもより草が生い茂っているところで遊んだり、山や森のハイキングに出かけたなどマダニと接触する機会が多いなかで過ごした際には、特に愛犬の体調面に気をつけておく必要があります。
食欲不振
マダニによる感染症を発症していると、食欲不振という症状が現れる場合があります。感染症のなかでもライム病において、食欲不振が見られることが多いです。
ライム病のときは、食欲不振以外に全身性痙攣や関節炎などの症状を引き起こす場合もあるので、どのような症状が現れているかきちんと確認しておきましょう。
痙攣
愛犬が痙攣を起こすと焦ってしまう飼い主も多いはずです。マダニによる感染症を発症していると、痙攣が現れることもあります。
特に、ライム病の場合に、痙攣を起こすことがあるので注意が必要です。
犬がマダニに噛まれたら…そのときの駆除方法とは?
愛犬がマダニに噛まれてしまったときに、飼い主としてどのように対処すればよいのでしょうか?日常生活に潜むマダニの危険性を考えると、基本的な駆除方法を知っておくことは大切です。
アルコールを使ってマダニを取り除こう
犬の体にしっかりと付いてしまっているマダニを除去するためには、アルコールがおすすめです。アルコールをコットンに染みこませて、マダニを包み込むようにします。
しばらくすると、犬の皮膚からマダニに口が離れるので、そのタイミングを見てピンセットで取り除きます。自宅にあるもので手軽にマダニを除去でき、愛犬も痛がることなくできるのでおすすめの方法です。
その後、マダニが離れた箇所は、きちんと消毒しておきましょう。小さな傷から細菌が入ってしまっては大変です。
専用のピンセットで慎重に除去
マダニを犬の体から取り除くときには、ピンセットがあると安心です。マダニ除去のための専用ピンセットも販売されているため、より確実にマダニを取り除くためにも用意しておくとよいでしょう。
ピンセットでマダニを除去するときには、愛犬の毛や皮膚も一緒に引っ張ってしまわないように慎重に行なうのもポイントです。刺激を感じて愛犬がびっくりしてしまうと、体が揺れてうまくマダニを取れないということがあるからです。
動物病院に行って取ってもらう
マダニが付いているのが見えるけれど、自宅で除去するのは怖い、上手に取れるか不安という場合には、動物病院に行って取ってもらいましょう。
動物病院では獣医師が丁寧にマダニを取り除いてくれるうえに、日々実践できるマダニの予防法などについてのアドバイスもしてくれます。気になることを相談できる機会でもあるため、マダニを自宅で取るのは怖いという人は動物病院を尋ねてみましょう。
マダニから愛犬を守るためには予防薬も欠かせない
マダニから愛犬を守るためには、日頃から実践できる予防を行なうことが大切です。外に出ない、散歩に行かないということは無理なので、多くの飼い主が予防薬を使って愛犬をマダニから守っていますよ。
美味しく食べてマダニを予防 ネクスガード
画像引用:ネクスガード公式
マダニの予防薬といえば、皮膚に直接塗布するタイプを思い浮かべますが、美味しく食べて予防できるものもあります。それが、ネクスガードという商品です。今、ネクスガードを与えて、マダニ対策を始める飼い主も増えています。
植物由来の大豆と牛肉風味となっている経口剤であるため、犬たちも喜んで食べてくれるでしょう。実際に、多くの犬の食いつきがよかったという統計も出ています。
このネクスガードを摂取しておくと、マダニを24時間以内に駆除してくれます。投与してから24時間経過する頃には、100%のマダニを駆除できるという画期的な予防薬です。
マダニが付いていることに気づかずに過ごしていることで感染症にかかるリスクも高まりますが、日頃からネクスガードを利用していれば自然とマダニを駆除できるのでおすすめです。
ネクスガードのマダニ駆除効果は、およそ1ヶ月持続します。そのため、1ヶ月に一度ネクスガードを与えることでしっかりと予防ができるので、飼い主にとっての負担も少なくて済むでしょう。
愛犬の体のサイズに合わせて、ぴったりなネクスガードを選び、マダニ対策を始めてみましょう。
マダニを速やかに駆除!フロントライン プラス
犬を飼っている人なら知っているであろうフロントライン プラスも、マダニ予防や駆除におすすめです。従来のフロントラインに比べ、有効成分((S)-メトプレン)を配合してあるため、マダニやノミが産卵し発育するのを阻止してくれます。
これには、ただ付いてしまったマダニだけでなく、繁殖を防ぐ働きがあります。マダニによる感染症は、吸血を始めてからおよそ48時間後とされています。しかし、(S)-メトプレンを投与しておけば、ほとんどのマダニを48時間以内に駆除してくれます。
首筋に垂らすだけという簡単な方法で、愛犬をマダニから守ることができるので、多くの人に選ばれている予防薬です。直接皮膚にフロントライン プラスを垂らすと、24時間以内に有効成分がしっかりと行き渡るようになっています。
フロントライン プラスは動物病院でしか扱っていないため、薬の信頼性についても納得できるでしょう。
即効性のあるシンパリカ
画像引用:シンパリカ公式
犬のために開発されたマダニ駆除薬が、シンパリカです。投与後、8時間でマダニを駆除することができます。その効果はおよそ1ヶ月続くので、月に一度の予防でマダニ対策が続けられます。
多くの犬が美味しく食べてくれるという肉風味のチュアブル錠になっているのも、ポイントです。嫌がらずに食べてくれるので、飼い主としても助かるでしょう。
液剤ではないので、投与後もシャンプーが可能ですし、抱っこをしても問題ありません。さらに生後8週目以降の子犬から利用できるので、小さなうちからしっかりとマダニ対策ができます。
シンパリカは、犬の体のサイズに合わせて5種類展開されているのも助かります。超小型犬に適したシンパリカもあるので、愛犬のサイズに合わせて選んでみましょう。動物病院でも推奨されているマダニ予防薬となっているので、愛犬にも安心して与えられるでしょう。
日頃のマダニ対策で愛犬の健康を守ろう
マダニは、山や森だけでなく、公園や河川敷、庭などの身近な場所にも潜んでいます。付いているのに気づかず過ごしていると、感染症にかかるリスクも高まり、様々な症状を引き起こします。
そこで、日頃から実践できるマダニ対策を始めましょう。予防薬を月に一度利用しておくだけでも、付いてしまったマダニが取れやすくなります。
また、毎日の散歩から帰ってきたら、マダニが付いていないか確認を行なうことも大切です。飼い主が丁寧にチェックを行ないながら対策を続けることで、愛犬をマダニから守りましょう。