犬の肉球の様子がおかしい!?怪我やカサカサのケアにおすすめの商品15選

犬 肉球

地面と直接触れる肉球には、犬の健康的な生活を支える大切な役割がいくつもあります。皮膚でありながら、摩擦や圧力に耐えることができるのは、プニプニとした肉球ならではの構造や仕組みに秘密があるのです。身体を支え続ける小さな肉球の仕組みや、肉球によくある怪我とその予防対策について解説します。

犬の肉球にはどんな役割があるの?

犬にとって肉球はチャームポイントのひとつです。弾力性のある肉球の感触がたまらなく好きだという方も多いのではないでしょうか。

そんな肉球は、犬の健康な生活を守るためにいくつもの役割を果たしている大事な部位です。

もし、犬が肉球にひび割れを起こしたり、怪我を負ってしてしまったとしたら、思うように歩けなくなってしまいます。その結果、ストレスとなり落ち込んだり、食欲がなくなってしまったりすることもあるでしょう。

そんな肉球が担う役割について、具体的に紹介します。

熱や刺激を感じる

肉球には感覚器官としての機能があります。地面の熱を感じたり、芝生やアスファルトなど、どんな地面を歩いているのかなどを感じることができます。

足を守る

肉球は、足を守るために欠かせないクッションブーツのような役割をしています。

赤ちゃんのうちはプニプニとして柔らかい肉球ですが、年齢を重ねたり地面からの刺激を受けたりするにつれて、表面の角質が分厚く固いものに変化します。

室内犬と比べて、外で飼われている犬の肉球が固いのは、より多くの刺激を受けているためです。生活に順応して肉球が固くなることで、足を怪我から守ることができます。

犬 肉球

体温調節をする

犬は体温調節が苦手な動物です。人間は体温を下げるのために全身で汗をかきますが、犬は基本的に汗をかきません。

放熱が必要なときには、舌を出してハアハアと荒い呼吸をする「パンティング」によって体温を下げます。それでも追いつかないときには、汗腺のある肉球鼻先のわずか2ヶ所を使って汗をかき、体温調節に役立てているのです。

また、人間と同じように、緊張やストレスによって肉球に汗がにじむこともあります。

犬の肉球の構造は?

犬の肉球やその周辺は、それぞれ名称のあるいくつもの部位で成り立っています。大事な役目を果たしている部位や、まったく役立っていない部位もあるんですよ。

また、前足と後ろ足では構造が異なることを知っていましたか?

犬の肉球

  • 掌球(しょうきゅう) or 足底球(そくていきゅう)
  • 前足の肉球の中心にある一番大きな肉球を掌球、後ろ足の中心にある一番大きな肉球を足底球と言います。

  • 指球(しきゅう) or 趾球(しきゅう)
  • 前足の掌球の外側にある4つの小さな肉球を指球、後ろ足の足底球の外側にある4つの小さな肉球を趾球と言います。

  • 手根球(しゅこんきゅう)
  • 人間でいう手首の付近にある肉球を手根球と言います。手根球は前足にだけ存在し、その内側にある手根骨をぶつけて怪我をするのを防ぐ役割があります。

犬の肉球周辺にあるもの

  • 前足にある5本の指、後ろ足にある4本の指には、それぞれに爪が生えています。犬の爪は「かぎ爪」と言って、カーブを描くように伸びています。爪がグリップの役割を果たすおかげで、地面をしっかりと蹴って走ることができるのです。

  • 狼爪(ろうそう)
  • 前足の内側に離れて生えている黒っぽい爪を、狼爪と言います。親指の名残である狼爪は、歩行に役立っておらず必要なものではないという説が多いですが、一部では走る時のクッションの役割を果たしていると言う説があります。

    ひっかけ事故の原因になることもあるため、犬種によっては子犬のうちに切除手術をするケースも多いです。

    後ろ足の狼爪は、生まれ持つ犬とそうでない犬が存在します。前足の狼爪とは異なり骨格を持たず、ぶら下がっているだけか、ほとんど退化している状態です。

肉球の構造

肉球そのものは、4つの層から成り立っています。外側から順に角質層、表皮層、真皮層、皮下組織層です。

それぞれの層の特殊な構造が肉球のクッション性を高め、関節や筋肉にかかる負担を少なくしています。

  • 角質層
  • 地面に直接触れる角質層は、表皮乳頭という硬い突起のような細胞が密集しています。表皮乳頭によって地面とのグリップ性が高まり、すべり止めにもなります。いわばスパイクのような役目をしているのです。

    また、肉球に何層にも重なった角質層が、熱さや冷たさを和らげて、内部組織を守っています。

  • 表皮層
  • 角質層の形状に合わせて、スパイク状に盛りあがった真皮乳頭と層状表皮組織が、「ハニカム構造」を形成してできています。ハニカム構造は衝撃を分散する能力に優れ、高い圧がかかるほどクッション性能を発揮する、肉球に最適な構造です。

  • 真皮層
  • 真皮層では、表皮層のハニカム構造が消失し、ねじれたゴム紐状で伸縮性のあるエラスチン繊維で形成され、肉球のプニプニした弾力をつくっています。

  • 皮下組織層
  • 皮下組織層は脂肪組織で形成され、加わった圧を吸収します。

犬の肉球の異常なサインに注意

年齢や刺激を重ねるごとに肉球に色素が沈着し、ピンク色から黒色になったり、角質が分厚く固くなっていくのは正常な変化です。

反対に、色が薄くなってきたり、赤黒く腫れていたり、ときに肉球に異変が起こっていることがあります。体調管理の一環として、日頃から肉球の色・形・柔らかさなどをチェックし、異変が起きたらすぐに気付いてあげましょう。

肉球の不調に多い症状や、肉球の異変時に多い犬の仕草をいくつか紹介します。

肉球が乾燥やひび割れを起こしている

肉球の色が白っぽくなってきたと感じたら、極度に乾燥している状態ではないか確認しましょう。毎日アスファルトなどの硬い地面を歩いたり、フローリングなどの化学物質の入った床を歩く犬の肉球は、角質化してガサガサになっていることがあります。

また、犬が高齢になると、さらに肉球の角質に厚い層ができてガサガサが増し、そこからひび割れが起こることも少なくありません。

愛犬に肉球の乾燥やひび割れで痛い思いをさせないように、クリームやローションなどのスキンケアアイテムを使って、適切なケアをしてあげましょう。

肉球の洗いすぎが原因で弱っていることも

室内犬が多数派を占める現代、外から家のなかへ入るとき、愛犬の足に付着した汚れが気になる方は多いことでしょう。

だからと言って、毎回熱心に石鹸で洗い流していたり、アルコールの入ったウエットティッシュで拭いたりしていませんか?これは、肉球のひび割れの原因となる危険な行為です。

犬 肉球

人間が必要以上に手を石鹸で洗いすぎると、常在菌まで減り、結果として手が荒れやすくなってしまいます。犬の肉球も同様に、清潔にしすぎると良い菌までいなくなって、免疫機能が失われてしまうことがあるのです。

常在菌を減らしてしまうようなアルコール消毒石鹸を使った手洗いは、なるべく避けることが肌トラブル防止に有効です。

汚れが残りやすいのは、指の間・肉球の間・爪の際の3ヶ所です。ここに気を付けて綺麗にしてあげたら、晴れの日は乾いたタオルやティッシュでサッと拭いて済ませましょう。

雨の日や汚れの目立つ日は、洗い流した後にタオルで拭いて、その後は指の間までしっかりとドライヤーの冷風で乾かしてあげましょう。

地面に触れる毛の部分をあらかじめ短くカットしておくと、散歩汚れが少なく済みますよ。

愛犬が肉球を舐め続けている

愛犬が肉球をずっと舐めているときは、肉球の異常のサインである可能性があります。痛そうなそぶりをしていないか、元気はあるかを確認して、舐め続けている部位を入念にチェックしましょう。

癖で舐めていたり遊び舐めしていたりする犬は、炎症の原因にもなるので、気をそらせることを考えてあげましょう。

怪我をしている

肉球を舐め続けていたり、普段好きな散歩を拒否している場合は、肉球に怪我をしていることがあります。特に子犬のうちは、肉球が柔らかいため、アスファルトで擦れてしまうことがよくあるようです。

肉球に軽い擦り傷ができている程度であれば、消毒をして様子を見ましょう。軽症の場合は自然治癒で問題ありませんが、痛がっているようであれば、肉球サポーターを付けたり、散歩コースを柔らかい土の上へ変更することも必要です。

皮がめくれていたり、棘が刺さっていたりする場合には、すぐにかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。

犬 肉球

火傷をしている

肉球を舐め続ける原因のひとつに、火傷があります。足を引きずって歩いたり、歩くことさえも嫌がっているときは、肉球が火傷によって黒ずんでいたり、真っ赤になっていたり、水ぶくれができている場合があります。

近年問題となっているのは、散歩中に起こる肉球の火傷です。特に、夏場のアスファルトやマンホールの温度は50~60度にも達し、犬が素足で歩くにはとても危険な環境です。

散歩の前には、犬の歩くアスファルトなどの歩道のうえに手の甲を5秒間置いて、歩かせてよい温度であるかを確かめる「わんタッチ運動」を行ないましょう。また、散歩から帰ったら肉球の色や健康状態のチェックを欠かさずに行ないましょう。

軽度の肉球火傷は、見た目で気が付きにくいうえに、毎日の負荷によって悪化しやすくもあります。

もしも、愛犬が肉球に火傷を負ってしまったら、すぐに保冷材氷水を用意して冷やしましょう。きちんとした応急手当は、重症化を防ぐことにつながります。落ち着いたら、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。

炎症を起こしている

炎症細菌感染による痛みやかゆみから、肉球を舐めていることがあります。よく見ると、肉球の間や周りが赤くなっていたり、腫れあがっていたりしていませんか?

アトピー性皮膚炎や食べ物によるアレルギー症状、雑菌の繁殖による趾間皮膚炎なども考えられます。

肉球の付近の炎症に気が付いたら、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。

ストレスを感じている

怪我や病気による原因ばかりではなく、ストレス発散のために肉球を舐めていることがあります。このような場合は、一緒に遊んであげることで肉球を舐める行為が治まります。

普段から愛犬にストレスを感じさせないように、コミュニケーションの時間を大切にしましょう。

犬 肉球

肉球が臭う

肉球は様々な物や地面と触れるため、様々な細菌が付着することのある部位です。

肉球を嗅いで異臭がする場合は、細菌から臭っている可能性があります。原因菌として1番多いのは、ポップコーンや焼きとうもろこしのような香ばしい香りに例えられる「シュードモナス菌」です。

シュードモナス菌は、普段から多くの犬の足に存在する菌ですが、異臭を放つほどの場合は、感染症にかかり細菌が繁殖している可能性も否定できません。

清潔な足元の環境を整えて細菌の繁殖を防ぐために、日頃から肉球の間の長い毛をカットしてあげたり、こまめに爪を切ってあげることも大切です。

また、化膿した傷が臭いの原因となっていることもあります。肉球の傷や化膿しているところがないかを入念にチェックしてから、きれいに洗ってあげましょう。一旦きれいにした後に、繰り返し臭うようであれば要注意です。

様子がおかしい場合はすぐに動物病院へ連れて行こう

肉球は他の皮膚と比べると比べて再生能力が劣り、怪我や病気が治りにくい傾向にあります。

肉球の様子がいつもと違うことに気が付いたら、悪化する前に適切な判断をすることが大切になります。必要であれば、早めにかかりつけの動物病院で診てもらうようにしましょう。

犬の肉球ケア目的別おすすめ商品15選!

愛犬の肉球は、常に様々なトラブルと隣り合わせです。だからこそ、飼い主が自宅で簡単なケアや予防・対策をしてあげることが大切になります。

もしものために備えておくと便利な、肉球の症状に合わせたケア用品を紹介します。

肉球のカサカサやひび割れはクリームで保湿しよう

犬の肉球は、人間の皮膚と同じ肌の構造をもっています。乾燥やひび割れた肉球の予防や対策には、専用の保湿クリームがおすすめです。

肉球のいたるところにはツボがあるので、優しく揉みほぐしながら塗り込みます。そうすることで、愛犬は飼い主の愛情を感じながらリラックスすることができるでしょう。

ただし、触ったときに痛がったり嫌がったりするようであれば、手短に済ませましょう。

犬 肉球

おすすめ肉球クリーム5選

マッシャーズ・シークレット 肉球保護クリーム

「マッシャーズ シークレット」は、カナダで犬ぞり用に開発されました。オイル成分がたっぷり入って保湿力に優れた、オールシーズン対応の100%天然クリームです。

みつばち本舗 肉球クリーム(犬猫用)

みつばち本舗の肉球クリームは、植物性のスクワランオイルと椿オイル、それからみつばちの巣から摂れたミツロウからできた優しい香りのクリームです。伸びが良くて長持ちなのもポイントです。

トーラス パウソフト

「パウソフト」は、手が汚れず使いやすいのが人気です。ココナッツの強い香りを苦手とする犬も多いようですが、反対にそれが舐め防止に作用し、効果には定評があります。

ハッピーピーター オーガニックホホバと海藻エキスの肉球クリーム

トリマー専門誌にも掲載されたことのあるこちらは、7種の天然保湿エキスを配合した、安心安全のクリームです。プッシュ式なので最後まで清潔を保ちながら使えます。

ペットパラダイス 冷んやり肉球ジェル

「冷んやり肉球ジェル」は、夏場に使って嬉しい肉球クリームです。 ペパーミント成分がスーっと馴染んで気持ちよく、クリームを塗るのが苦手な犬でも喜んで塗らせてくれるでしょう。

炎症や怪我には早急な処置を

肉球の炎症や怪我の程度が軽い場合や、すぐに病院へ連れていけない場合には、自宅で適切なケアや応急処置をほどこしてあげましょう。

炎症や怪我をしたときに役立つ、市販の薬局やネットで購入できる製品を紹介します。今は困っていなくても、もしものために家に常備しておけると安心ですね。

犬 肉球

肉球の傷におすすめの品5選

共立製薬 アイプクリーム

「アイプクリーム」は、犬猫などの小動物専用の皮膚軟膏で、動物病院でも処方されている製品です。カサカサした肉球や鼻、その他の皮膚疾患や床ずれにも役立ちます。

イソジン うがい薬

擦り傷などの浅い傷には、「イソジン うがい薬」を少し薄めて塗ってあげると炎症を抑える効果が期待できると言います。人間が口に入れるものなので、安心して使ってあげられるのが嬉しいですね。

ヒビクス軟膏 犬猫用(動物用医薬品)

「ヒビクス軟膏」は、犬や猫の皮膚のかゆみや炎症、細菌感染に有効な薬品です。あらゆる皮膚疾患に万能なので、常備薬としても重宝することでしょう。

ビーファー Wound Ointment(犬、猫、小動物の傷用防腐軟膏)

ビーファーでは、世界的に信頼された動物用医薬品を展開しています。「Wound Ointment」は、皮膚のひび割れや、すり傷・切り傷にも有効な傷用軟膏です。

Edostree カモフラージュテープ(包帯素材)

患部を舐めるのは、傷の治りを妨げる行為です。そんなときには、包帯素材の「カモフラージュテープ」を活用して、傷口を保護してあげましょう。

肉球保護に犬用靴・靴下を活用しよう

肉球は、負傷中であっても絶えず使う場所です。だからこそ、悪化させずに完治できるよう、摩擦や衝撃から守ってあげることが大切です。

肉球にトラブルを抱えている愛犬におすすめの、専用靴や靴下を紹介します。

犬 肉球

犬用おすすめ靴下など 5選

SHANs ペット用靴下

こちらは柔らかくて履きやすい、すべり止め付きの小型犬用靴下です。フォーマル柄でおしゃれなので、よそ行きにもぴったりですね。

Innopet 犬用ソックス

冬には保温効果も期待できる肉球保護用靴下です。足首にはマジックテープが付いているため、脱げ防止にもなります。足のサイズは4段階から選ぶことが可能です。

hqclothingbox ペット用靴

ポップなデザインが可愛いこちらの靴は、靴底のゴムが肉球をしっかりと守ってくれます。0.5~10kg程度の犬猫に対応し、足のサイズは5段階から選ぶことができます。

Ranphy ペット用靴・レインブーツ

こちらは、雨にも雪にも夏の暑いアスファルトにも強く、機能性に優れた肉球保護靴です。凹凸のあるゴム素材はすべり止めに最適で、愛犬の足の形状に合わせて二重のマジックテープがフィットします。

Loobani 犬用パッド

「Loobani 犬用パッド」は、簡単に貼れて剥がれにくい肉球用シールです。靴や靴下を履くのを嫌がる愛犬の肉球を、治りかけの傷から守ってあげましょう。

愛犬の肉球を守るためにチェックとメンテナンスをしよう!

生活をしていくなかで、肉球のトラブルはつきものです。しかし、飼い主の日頃のチェックメンテナンスで、トラブルを最小限に抑えることができます。

愛犬の肉球をよく見て、触って、ニオイを嗅いで、異常がないかチェックしましょう。日課にすることで、少しの変化にも敏感に気付けるようになります。

クリームなどを用いて定期的に肉球マッサージしたり、肉球周りの毛を短めにカットしたり、爪を切ったりしてあげることは、肉球の周りを清潔に保つためのメンテナンスであり、スキンシップの一環としても有効です。

いつまでも愛犬に、健康な肉球を使って元気に走り回っていて欲しいものですね。