猫が好きな人はご存知だと思いますが、茶トラは全体的に濃いオレンジ色のような茶色と薄めの茶色が混ざった縞模様の猫です。テレビCMや映画で観るようになったことで有名になりましたが、茶トラは雑種の日本猫なのでペットショップで見かけることはありません。今回は茶トラ猫の性格について詳しく解説していきます。
目次
茶トラの特徴と歴史
茶トラの特徴
茶トラはオス猫が多い
【画像】:ポペットフレンズのうにくん
茶トラの約8~9割がオス猫で、それは遺伝子が影響していると言われています。
額にM字模様がある
茶トラは身体に縞模様を持つトラ猫です。その特徴は、額のM字模様と目の縁にアイラインがあること、そして目尻から頬に向けてあるクレオパトララインと呼ばれる模様です。この模様はトラ猫であるキジトラやサバトラなどの猫にもあります。
体が大きい
茶トラは体が大きいというイメージを持っている人が多いのですが、これは茶トラにオスが多いのが関係しています。
猫は一般的にメスよりもオスの方が体が大きいので、オスの割合が多い茶トラは大きい猫が多いと印象付けられたと考えられます。
尻尾の毛色や肉球・瞳の色
トラ猫の中でも茶トラは尻尾の先の毛色が薄い特徴があります。肉球はピンク色が多く、瞳の色はイエロー・ゴールドです。また、毛の長さは短毛と長毛どちらもいます。
茶トラの種類
茶トラには色の配分によりいくつかの種類があります。
まるどら
全体的にオレンジ色で、濃いオレンジ色の縞模様の茶トラのことを「まるどら」といいます。まるどらは、顎に白い毛が生えていることが多く、尻尾の先が薄い毛色です。
茶白
まるどらの模様に白い部分が入った猫を「茶白」と呼びます。茶色の部分が多めで、個体によってどこが白くなっているかは異なります。お腹や手足が白い子、顔の下半分が白い子などさまざまな模様があります。
白茶
茶白の猫よりも白い部分が多い毛並みをしている茶トラ猫のことを「白茶」といいます。茶白と同様に白い部分がどこに入るかは個体によって違います。
茶トラの歴史
茶トラは日本猫の一種ですが、日本猫は中国から8世紀頃に連れて来られました。農作物を荒らすネズミを退治する猫として重宝され、繁殖を繰り返していくうちに貴族にペットとして飼われるようになりました。そして今では、ペットとして一般の家庭でも徐々に飼われるようになってきました。
はじめは猫といえばキジトラしかいなかったのですが、茶トラはトルコあたりで突然変異により生まれた柄で、だんだんと世界へ広がっていきました。日本に茶トラがやってきたのは、江戸時代以降と考えられています。
茶トラの性格はどんな性格?
温厚で人懐こい
茶トラの性格は人懐こいというのが第一に挙げられます。一般的に猫は飼い主さん以外の人を警戒してそばに寄り付かないのですが、茶トラは比較的人懐こい子が多く、初めて会った人にも警戒しないでそばに近づきます。
この性格から、茶トラは小さな子どもがいる家庭や多頭飼いに向いているといえます。ただし、個体差があるので他の猫との相性をしっかり見てあげることが大切です。
甘えん坊
茶トラは甘えん坊の性格の子が多く、飼い主さんのそばを離れず付いて歩きます。飼い主さんがトイレやお風呂に入っているとドアの前で待っていたり、飼い主さんが座ると膝の上に飛び乗ってきたりします。飼い主さんのことが大好きで、甘えていたいので夜は布団の中に潜り込んでくることもあります。
食べるの大好き食いしん坊
茶トラ猫は食いしん坊だという印象を持たれることがありますが、これも茶トラにはオスが多いことが関係しています。猫は一般的にメスよりもオス猫のほうが食欲旺盛でよく食べます。そのため、茶トラ=食いしん坊とのイメージがついたのでしょう。
怖がりな面もある
甘えん坊で人懐こい茶トラですが、気弱な面もあります。外で大きな音がしたらあわてて逃げて姿を隠したり、驚くようなことがあると尻尾を膨らませてダッシュで逃げます。猫は怖いことや驚くことがあったら、パニックになることがあり、飼い主さんの声すらも耳に入らず、興奮して走り回ります。
そんなときは無理やり止めようとしないで、落ち着くまで見守りましょう。また、猫はパニックになるといきなり走り出し、網戸を突き破って外に出てしまう恐れもあるので、脱走防止策をしっかりしておきましょう。
オスとメスで違う茶トラの性格
茶トラのオスの性格
茶トラのオスは、甘えん坊の子が多い特徴があります。茶トラの9割がオスということもあって、茶トラは甘えん坊と見られているのでしょう。
去勢手術を行わないと発情期にスプレー行為でトイレ以外のところにおしっこをしてしまったり、メスを探して夜鳴きすることがあり、猫自身がストレスを感じます。
オス特有の病気予防と発情期のストレスを与えないように、生後半年頃になったら去勢手術を行うことをおすすめします。去勢手術を受けると、縄張り意識からのスプレー行為をしなくなります。
茶トラのメスの性格
遺伝的に生まれる確率が低い茶トラのメスですが、オス同様に甘えん坊の子が多く、飼い主さんのことが大好きな性格です。オスより少し自立心が強い傾向にありますが、怖がりな面もあるのが特徴です。
オスと同じように生後半年くらいに、避妊手術を受けるとメス特有の病気予防や発情期のストレスを回避させることができます。
茶トラの猫が気をつけるべき病気
慢性腎疾患
猫は歳を取ると腎臓の病気になることが多く、猫の死因で最も多い病気です。この病気は尿を作り、血圧の調整などをする腎臓の機能が弱っていきます。
肝臓病にかかると、今までよりも水を飲む量が増えておしっこも増えます。肝臓病は徐々に進行していく病気なので、気づいたときには症状が進んでいることが多い怖い病です。
下部尿路疾患
尿路結石
尿路結石は、食事などで摂取したミネラルやマグネシウムが腎臓・膀胱・尿管・尿道で石になってしまう病気です。予防対策は普段から水をたくさん飲むように工夫してあげて、尿の中のミネラルやマグネシウムの濃度を薄めることです。
膀胱炎
膀胱炎は膀胱に細菌が入って発症する病気です。また、おしっこを我慢することで膀胱炎になることもあります。猫はきれい好きな動物なので、トイレが汚れているとおしっこを我慢してしまうことがあります。
猫が膀胱炎にならないためには、普段からトイレを清潔にしておくことが大切です。家を留守にすることが多い家庭はトイレを数個用意しておく対策を取りましょう。
茶トラの性格に合わせた飼育環境
留守番は短めにして遊び相手になってあげる
甘えん坊な茶トラは飼い主さんと過ごす時間が大好きです。飼い主さんと遊ぶ時間や膝の上で眠ることが大好きなので、できるだけ留守番の時間は短くしてあげましょう。
一人で留守番をするのは寂しく、猫にとってはストレスになる場合があります。留守番をさせたあとは猫が好きなおもちゃを使ってたくさん遊んであげましょう。
食事の管理をしっかりする
食いしん坊が多い茶トラですが、食事の量はしっかり管理して肥満を防ぐように気をつけましょう。茶トラではなくても猫を飼育するときは、猫の体重や運動量に合わせて食事の量を決める必要があります。去勢・避妊手術を受けたあとは太りやすい体質の猫もいるので、太らせないように注意しましょう。
運動できる環境を整える
動き回るのが好きな活発な茶トラのために、部屋の中で運動できるようにしてあげましょう。猫は上下運動が大切なので、キャットタワーを用意するといいでしょう。キャットタワーでなくても、タンスを階段のように置いて登れるようにしてもいいのではないでしょうか。
また、一直線に走れるスペースを確保してあげると部屋の中でも充分に運動ができます。運動はストレス解消、肥満予防のために大切なことなので、飼い主さんがおもちゃで誘って身体を動かすようにしましょう。
ストレスをためないようにする
猫は環境の変化に弱い動物なので、引っ越しや新しい猫が増えるなど今までと変わったことがあるとストレスを感じることがあります。また、甘えん坊な茶トラは飼い主さんと一緒にいるのが好きなので、一人で留守番する時間が長いこともストレスに感じます。
そして、茶トラ猫は怖がりな面もあるので怖いことがあったときに隠れられる場所を作ってあげるといいでしょう。普段から部屋のケージを置いて、ケージの中で食事を摂らせるなどしてケージに慣れさせていくと、いろいろな場面で役立ちます。
ケージの中が自分の縄張りで安全な場所だと認識すれば、怖い思いをしたときにケージの中に逃げ込みます。ストレスを感じやすい猫のためにできるだけの対策をして、猫にストレスを抱え込ませないように心がけましょう。
茶トラの性格を把握して楽しく暮らそう
甘えん坊で人懐こい性格の茶トラは猫を飼っている人には人気の猫です。猫はきまぐれ、自分勝手などといわれることもありますが、自分から飼い主さんに遊んでとアピールしてきたりトイレから出てくる飼い主さんをドアの前で待つ姿は犬のようです。
寂しがり屋の一面も持っているので、留守番をさせたあとは猫が大好きなおもちゃで思う存分遊んであげるといいでしょう。茶トラの性格を把握して、愛猫との生活を楽しんでくださいね。