大根は犬の健康を守る強い味方!与える際に気を付けたい6つのポイント

大根は犬の健康を守る強い味方!与える際に気を付けたいポイントと正しい与え方を紹介

様々な調理法で楽しめる大根は、犬が食べても良い食品のひとつです。暑い夏には、すりおろしてさっぱりと、寒い冬には、煮汁を吸ってジューシーにするなど、季節を問わず楽しめるところが大根の魅力ですよね。しかし、犬に与える際は、気を付けなければならないことがいくつかあります。今回は、愛犬と一緒に大根を楽しめるよう、おすすめの食べ方や気をつけるポイントなどを解説します。

犬は大根を食べてもいい?食べることで得られるメリット6つ

大根は犬の健康を守る強い味方!与える際に気を付けたいポイントと正しい与え方を紹介

大根には、様々な健康効果が期待できます。美味しく食べることで、愛犬の健康維持につなげられるでしょう。では、具体的にどういったメリットがあるのかを紹介します。

水分補給ができる

大根をすりおろすと、たくさんの水分が出ますよね。それを見て分かるとおり、大根の皮をむいた部分は水分が豊富で、その含有量は約90%と言われています。暑くて脱水症状を起こしやすい夏や、空気が乾燥する冬でも、大根を食べることで美味しく水分補給ができます。

生の大根は消化酵素が豊富

生の大根には、約100種類を超える酵素が含まれていると言われています。その健康効果から、日常的に大根を食べるようにしている、という人も多いでしょう。そんななかで、特に有名な消化酵素は、以下の3種類です。

アミラーゼ(ジアスターゼ)

デンプンやグリコーゲン(糖原)を分解する酵素です。大根に含まれるだけでなく、唾液や膵臓など体内からも分泌されます。

胃もたれや消化不良などの改善にも効果が期待され、胃腸薬としても利用されています。熱に弱いため、おでんなどの加熱調理からではアミラーゼの恩恵がほとんど受けられません。

リパーゼ

脂肪分解酵素であるリパーゼは、体内の中性脂肪を分解し、エネルギー源にします。代謝が上がることにつながるため、ダイエット中の子や、代謝が下がってくる老犬などにおすすめです。

しかし、食べ過ぎるとエネルギーが過剰になり、せっかく分解した中性脂肪を、再び中性脂肪として蓄えることになる可能性があります。健康に良いからたくさん食べれば良い、というわけでもないようです。

プロテアーゼ

タンパク質分解酵素として知られるプロテアーゼは、肉や魚などの脂っこい食品をさっぱりさせてくれます。

犬はもともと肉食動物で、ドッグフードも動物性食品の含有量が多いものがたくさんあるため、消化を助ける食品として大根はうってつけですね。

カリウムでデトックス

カリウムを摂取することで、利尿作用を促し、体内の老廃物を排出させることができます。トイレの回数が少ない子や、頻繁に体調を崩す子は、体内に老廃物をため込んでいる可能性があります。大根を食べてデトックスさせることで、体内をクリーンな状態にリセットすることができるでしょう。

イソチオシアネートでがん予防

イソチオシアネートは、アブラナ科の食品に含まれる苦み・辛み成分のひとつです。解毒効果があるため、体内の抗酸化力を高めてくれる働きがあります。

その結果、がん細胞の増殖を抑え、がん予防につながると言われています。また、殺菌効果もあるため、虫歯や風邪などの予防にも役立ちますよ。

加熱した大根からも摂取できますが、イソチオシアネートの含有量が生の半分以下となってしまうため、極力生で食べる方がおすすめです。

大根の葉はビタミン・ミネラル類の宝庫

大根は犬の健康を守る強い味方!与える際に気を付けたいポイントと正しい与え方を紹介

大根の葉を捨ててしまう人も多いかもしれませんが、葉の部分は、緑黄色野菜に分類されるほどビタミン・ミネラル類が豊富です。

特に、葉に含まれるビタミンAは油と相性が良いので、加熱調理をすることで吸収率がアップします。日常的な食生活からでは、ビタミンやミネラル類は不足しやすい傾向があるため、大根の葉は捨てずに食べさせてあげたいですね。

食物繊維で便秘解消

大根には、100gあたり5.1gの食物繊維が含まれます。腸の働きを活発にし、豊富な水分とともに老廃物を体外に排出するためのサポートをしてくれるため、便秘気味の子には特におすすめです。

愛犬に大根を与える際に気をつけるべきポイント6つ

健康効果への期待値が高い大根は、愛犬の体調を整えるためにおすすめの食品です。しかし、人間と同じように食べていると、逆効果となってしまう場合もあります。

そのため、与え方には注意が必要なのですが、具体的にどのようなポイントに気を付ければ良いのでしょうか。調理法はもちろん、与える量などについても解説します。

生の大根おろしは与えすぎに注意

大根は犬の健康を守る強い味方!与える際に気を付けたいポイントと正しい与え方を紹介

大根に含まれる酵素を摂取するのであれば、生で食べることをおすすめします。しかし、大根おろしにすると、その食べやすさから食べ過ぎになる可能性があるでしょう。

食べ過ぎは消化不良を招き、嘔吐や下痢などを引き起こす恐れがあるため、与える量には注意が必要です。また、消化を助けるジアスターゼは、空腹状態で摂取すると胃壁を傷つける可能性があるため、食べるタイミングにも注意してください。

大根の皮や葉は必ず火を通す

大根の皮や葉を生で与えると、消化不良を起こす可能性があります。栄養豊富な皮と葉は、できるだけ犬にも食べさせてあげたい部分ですが、その際は食べやすいよう必ず過熱をしてから与えましょう。

特に、葉に含まれるビタミンAは、油と結びつくことで吸収率がアップするので、より効率の良い栄養摂取が期待できますよ。

茹でた大根は細かく刻む

犬は、草食動物のように歯をすり合わせることで食べ物を細かくする習慣がありません。ある程度大きなものであっても、しっかり噛まず丸飲みしてしまうことも多いでしょう。

それでは、茹でて柔らかくなった大根でも、消化不良を起こしたり、喉に詰まったりする恐れがあるため、必ず細かく刻んだものを与えてください。

熱々の大根は冷ましてから与える

熱々のものを食べさせると、舌をやけどしてしまうため、加熱後の大根は必ず冷ましてから与えましょう。逆に、冷ましすぎるとお腹を壊す恐れがあるので、常温で与えることを心がけてください。

甲状腺疾患の場合は病院に確認

大根などのアブラナ科野菜に含まれる「グルコシノレート」は、体内で「ゴイトリン」という成分に変わります。これは、ヨウ素の取り込みを阻害し、甲状腺ホルモンが生成できなくなる原因となります。

健康な子であればあまり心配はいりませんが、甲状腺疾患を持つ子が大根を食べると、体調不良を招く恐れがあるため、注意が必要です。食べさせてあげたい場合は、必ずかかりつけ医に確認をしてから与えましょう。

アレルギーのリスクもある

他の食品に比べ、大根によるアレルギーは少ないため、過度に心配をする必要はありません。しかし、アレルギー症状が出る可能性がゼロではない以上、様子を見ながら与えることが大切です。

特に、初めて大根を食べる子の場合は、少量からスタートし、しばらくは異常がないか様子を見ましょう。

犬に大根を与えすぎるのは危険!考えられる弊害3つ

大根は犬の健康を守る強い味方!与える際に気を付けたいポイントと正しい与え方を紹介

大根を犬に与えるメリットはたくさんありますが、その反面、デメリットもいくつか考えられます。健康のために食べさせていたのに、それが体調不良を招くようであれば本末転倒ですよね。そこで、与えすぎるとどういった弊害が考えられるのかを紹介します。

お腹を壊しやすくなる

酵素や食物繊維など、体の中をきれいにする効果が期待されている大根ですが、食べ過ぎることでお腹を壊しやすくなる可能性があります。食物繊維の摂りすぎで下痢になったり、酵素の働きで消化不良を招き、嘔吐したりなどがも考えられます。

高カリウム血症のリスクを高める

カリウムを摂りすぎることで、細胞内外のカリウム濃度のバランスが崩れ、細胞がうまく働くことができない状態となります。それによって嘔吐や不整脈など様々な症状が現れるのですが、これを高カリウム血症と呼びます。デトックス効果が期待できるカリウムですが、食べ過ぎは病気を招く、と覚えておきましょう。

利尿作用で粗相をする

豊富な水分とカリウムの働きにより、トイレの回数が増えると考えられます。室内犬の場合、家の中でトイレを失敗してしまう恐れがあるため、トイレトレーニングがきちんとできていない子は注意が必要です。

大根の加工品やカイワレ大根は食べられる?

大根には、加工品や類似野菜があります。成分も多少変わってくるので、与えても良いのか悩む人も多いでしょう。そこで、大根に関連するその他の食品についても解説します。

切り干し大根

大根は犬の健康を守る強い味方!与える際に気を付けたいポイントと正しい与え方を紹介

大根を乾燥させて作った保存食で、大根の成分が凝縮されている分、栄養価が高い食品と言えます。水で戻し、柔らかくなったものを細かく刻めば、犬に食べさせても大丈夫でしょう。

しかし、食物繊維が凝縮されているため、普通の大根より消化しづらい傾向があります。与えすぎは胃腸に負担をかけるため、注意してください。

調理済み大根おろし

自宅で大根おろしを作るのが大変、という人のために、市販で販売されている大根おろしがあります。チューブやパウチなど、形は様々ですが、調理済みなので簡単に大根おろしが用意できて便利ですよね。

しかし、加工された大根おろしには、調味料や保存料などの添加物が入っている可能性があります。原材料が大根しか書かれていないものであれば大丈夫ですが、他のものが添加されている商品は、犬に与えない方が無難です。

大根の漬物

たくあんや浅漬けなど、大根を原料に作られた漬物がありますよね。普通の大根とは違った味わいを感じられるため、愛犬に食べさせてあげたい、と思う人も多いでしょう。

しかし、漬物は塩分が特に高く、少量でも塩分過多となる恐れがあります。また、一緒に香辛料やネギ類などが漬けられていると、犬の健康を害するリスクが高まり、非常に危険です。種類を問わず、大根の漬物は犬に与えないようにしましょう。

カイワレ大根

カイワレ大根も、大根と同じ種からできる野菜です。栄養成分も似ていますが、カイワレ大根の方が栄養価が高い傾向にあります。犬に食べさせてあげれば、少量でもたっぷりの栄養を摂取できるでしょう。

しかし、辛みや苦みが大根より強く、カイワレ大根を苦手とする子もたくさんいます。栄養があるからと、無理に食べさせなくても大丈夫です。

大根パワーで愛犬を元気にしよう!美味しく大根を食べるためのおすすめの組み合わせ3選

大根は犬の健康を守る強い味方!与える際に気を付けたいポイントと正しい与え方を紹介

大根をそのまま食べさせても良いですが、せっかくなら美味しく食べさせてあげたいですよね。大根は、味が淡泊なので、様々な食品との組み合わせが可能です。そこで、愛犬に大根を食べさせる際におすすめしたい、大根と他食品の組み合わせを紹介します。

大根×人参

紅白の見た目が華やさを感じさせるだけでなく、どちらも栄養豊富な野菜で、おすすめの組み合わせです。生で食べさせたい場合は、ピーラーで薄くすると食べやすくなるでしょう。また、チキンスープで煮込んで食べる、というのもおすすめです。寒い冬に、体を温めてくれること間違いなしです。

大根×きゅうり×ささみ

ささみは脂肪が少なく淡泊なので、ヘルシーに食べられるおすすめの部位です。そこに細かく刻んだきゅうりと大根おろしを加えれば、さっぱりと食べられる一品となるでしょう。

きゅうりを刻むのが面倒、という方は、大根のようにすりおろすのもおすすめです。白と緑のおろしが、華やかな見た目を演出してくれますよ。

大根の葉×ご飯

大根の葉を炒めて食べさせるのも良いですが、癖があるので食べづらさを感じる子もいるかもしれませんね。そこでおすすめなのが、菜飯にすることです。

炊き立てのご飯に大根の葉を加えれば、予熱で火が通るため食べやすくなります。また、食欲がない子であれば、スープをかけて雑炊っぽくして食べさせてあげるのもおすすめです。

様々なアレンジをして愛犬と大根料理を堪能しよう

大根は、様々なアレンジができる食品です。いろんな食べさせ方を工夫することで、犬も大根の美味しさを堪能できるでしょう。

しかし、栄養が豊富な食品だからこそ、与え方には注意が必要です。食べ過ぎが愛犬の体調不良を招いた、となると、飼い主としてはショックですよね。

愛犬にとって適した食べさせ方を工夫するだけでなく、与える量やタイミングなども気をつけてあげてください。愛犬への正しい与え方を理解し、大根の美味しさを一緒に堪能しましょう。