猫と一緒にいるとくしゃみや鼻水がとまらなくなる、という経験をお持ちの方は猫アレルギーかもしれません。猫の分泌物が原因でアレルギー反応が起こってしまいます。では、猫アレルギーの方は、実際に猫を飼うのは難しいのでしょうか?そういった疑問も含めて、猫アレルギーについてまとめてご紹介します。
目次
猫アレルギーの症状
猫アレルギーになってしまうとさまざまな症状がでます。人によって症状は異なりますが、ここでは主な症状をご紹介します。
猫と同じ空間にいると下記の症状が出るというう方は、猫アレルギーかもしれません。チェックしてみましょう。
目が痒くなる・充血する
猫アレルギーの人は猫といると、目が痒くなったり充血したりします。
目が痒いからといって、むやみに掻いてしまうと悪化してしまいます。また、水道水で洗い流そうとするのもよくありません。水道水の中に含まれている塩素が目に入り悪化する可能性があります。人工涙液などで洗うことをおすすめします。
鼻づまり・くしゃみがでる
猫アレルギーの人は、猫の分泌物が鼻の粘膜につくと鼻づまりやくしゃみが出てしまいます。
アレルギーによる鼻水は、風邪のときに出るドロっとした黄色い鼻水とは異なり、透明でサラサラしているのが特徴です。
鼻水が出てしまうからといって、たくさん鼻をかんでいると今度は鼻の皮膚が荒れてしまうかもしれません。鼻に優しいティッシュを使うとよいでしょう。
咳や喉の痛みが生じる
猫アレルギーの人は、猫の毛などを吸い込むことで咳や喉の痛みが生じます。
声が嗄れてしまったり、喉が腫れるなどの症状が出ることもあるようです。風邪でも似たような症状がでる可能性がありますが、猫と近づいたときだけに出るようならば猫アレルギーだと考えてよいでしょう。
皮膚が痒くなる蕁麻疹がでる
猫アレルギーの人は、猫に近づくと皮膚が痒くなったり蕁麻疹が出てしまいます。皮膚が痒いからといって無髪に掻いてしまうと、炎症を引き起こしてしまうので注意しましょう。
また、蕁麻疹を引き起こしてしまった場合はすぐに病院に行きましょう。そのままにしてしまうと、皮膚に痕が残ってしまう恐れがあります。
喘息になる・呼吸が苦しくなる
喉の痛みと似たような症状ですが、猫アレルギーの人が猫に近づくと気管が狭くなってしまう恐れがあります。猫の毛などが気管に張り付くことで、引き起こされます。
元々、喘息持ちの方だと命の危険性があります。発症した場合はすぐさま、猫から離れて病院に行きましょう。
猫アレルギーになる原因
では、具体的に猫アレルギーの症状を発生させる原因はなんなのでしょうか。
アレルギーというのは、特定の抗原に対して人体が免疫異常反応を起こし抗体を作ってしまうために引き起こされます。その特定の抗原をアレルゲンと呼びます。では、猫アレルギーはどのようなものがアレルゲンとなるのでしょうか?
猫の分泌物がアレルゲンになる
猫アレルギーの人は、猫の分泌物がアレルゲンになっています。猫の分泌物を危険物質と人体がみなして、そのアレルゲンに対して拒否反応を起こします。
その結果、くしゃみや鼻水が出てしまうのです。抗体を作ってしまうのは、意思に関係のない身体の反応です。アレルギーが発症してしまう人は遺伝的な面が多いとされており、親が猫アレルギーの場合は要注意です。
ふけや皮脂腺から出るタンパク質が主な原因
猫アレルギーを持つ9割以上の人は、ふけや皮脂腺から分泌されるタンパク質が原因とされています。
肛門腺から分泌されるタンパク質が最も高濃度だと言われており、このタンパク質がアレルゲンとなって、猫アレルギーの症状を引き起こしてしまいます。
その他のアレルゲンになりうる分泌物
ふけや皮脂腺から分泌されるタンパク質以外にも、猫アレルギーの原因になりうる物質は存在します。次に多いアレルゲンは、唾液腺から出るリポカリンというタンパク質です。
その他に、6種類の猫アレルギーの原因となるタンパク質があります。猫といると猫アレルギーの症状が出てしまう方は、いずれかのタンパク質がアレルゲンになっているということがいえます。
猫アレルギーの症状が出ると猫は飼えない?
猫に近づくと猫アレルギーの症状が出てしまうけど、どうしても猫を飼いたいという方はいるのではないでしょうか。
猫は好きなのに、近づけないのではお世話もできず飼育できるのかと困りますよね。猫アレルギーを発症していては、猫を飼うのは難しいのでしょうか?そんな質問にお答えします。
重度の猫アレルギーだと厳しいかも
猫アレルギーにも症状が軽度のものと重度のものがあります。軽度の猫アレルギーならば、アレルゲンを吸わないように工夫を凝らすことで猫と暮らしていくことも十分に可能です。
猫といるだけで、呼吸困難に陥ってしまったり、痒くて寝られないという重度の猫アレルギーをお持ちの方は、猫と暮らすという選択は厳しいかもしれません。
飼い主さんだけでなく、同居人の方が重度の猫アレルギーかどうかを確認することも必要でしょう。
飼う前にアレルギー診断を受けよう
猫を飼いたいけど、猫アレルギーかどうかわからないという方は、事前にアレルギー診断を受けましょう。
猫アレルギーの疑いがあるまま、なんとかなると確認せずに猫を飼ってしまうと、最終的に猫を手放すことになりかねません。保健所や里親制度を利用した場合は、猫の命を取り返しのつかないことにしてしまうかもしれません。
猫を飼う前には、必ず猫アレルギーではないかの確認をして、不安があれば診断を受けるようにしましょう。
命に関わる可能性もある
猫を不幸にするだけでなく、ご自身が猫アレルギーによって命を落としてしまうかもしれません。猫アレルギーで、最も恐ろしいのは呼吸困難に陥って酸素を取り入れることができなくなってしまうことです。
もともと、喘息持ちの方はさらに注意が必要になります。猫と楽しく暮らすためにも猫アレルギーの診断は必ず受けましょう。
猫アレルギーの症状が出たときの対処法3つ!
では、猫アレルギーの症状が出てしまった場合はどのようにしたらよいのでしょうか。飼い主さんだけでなく、家に遊びにきた人が発症することもあるので、猫を飼っている方は覚えておきましょう。
それでは、具体的な対処方法を3つご紹介いたします。
病院で対症療法を受ける
確実かつ、無難なのは病院でアレルギーの対症療法を受けることです。対症療法とは、アレルギー反応そのものを緩和させるのではなく、アレルギーによって引き起こされる症状を緩和する治療です。
いま出ている症状が楽になるので、辛い方にはピッタリです。しかし、アレルギー反応そのものを根本的に治療するわけではないので、一過性の対処方であると理解しましょう。
猫アレルギーだけど猫を飼いたいという方は、根本から解決する可能性がある減感作療法を受けてみるのもよいかもしれません。
アレルゲン物質を少しずつ摂取することでアレルギー反応自体を抑えるという療法です。2つの療法を上手に使い分けましょう。
抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤で緩和
対症療法は、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤を処方することによって行われます。鼻水や、くしゃみなどのアレルギーの症状を緩和する働きがあります。
花粉症などで処方される薬と同様の効用があり、現在では一般的な治療方法です。
薬は市販されている
抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤は市販されています。鼻炎を抑える薬にも抗ヒスタミン剤が含まれています。薬局で薬剤師さんに相談してみるとよいでしょう。
猫を飼っているわけではないけど、猫の近くにいく必要がある猫アレルギーの人は、有効活用しましょう。
日常的に、猫の近くにいく必要のある人は、病院で処方してもらった方が確実かつ安価で済むので、必要に応じて使い分けましょう。
アレルゲンに触れない
2つ目の対処方法は、アレルゲンそのものに触れないということです。アレルゲンはタンパク質で目に見えないものですが、主に毛に付着して人体に取り込まれます。
そのため、猫アレルギーの疑いがある方は、猫の毛に触れないようにするだけでアレルギー症状を抑えることができるかもしれません。
空気清浄機を使う
猫の毛はとても軽いので、空気中に漂ってしまいます。また、目に見えないアレルゲンも空気中に漂います。そのため、アレルゲンに触れないように努力していても、人体に取り込まれる可能性があります。
これを解決するために有効なのが、空気清浄機です。空気清浄機は、吸い込んだ空気をフィルターに通すことで空気を綺麗にします。HEPAフィルターなど微粒子を吸着できるフィルターを搭載した空気清浄機を導入するとさらによいでしょう。
カーペットを敷かない
空気清浄機を使っても床におちてしまった猫の毛やアレルゲンを浄化することはできません。カーペットに付着してしまうと、こびりついてしまうのでより厄介になります。
フローリングならば、掃除用具を使用して綺麗にすることでアレルゲンを残すことはありません。そのため、猫アレルギーで猫と暮らしたい方は、カーペットを敷かない方がよいでしょう。
定期的にシャンプーをする
アレルゲンは、猫の分泌物なので定期的に洗ってあげないと溜まってしまいます。アレルゲンはタンパク質なので、お湯洗いのみでは落とすことができません。
そのため、シャンプーで念入りに洗ってあげる必要があります。週に1、2回シャンプーで洗ってあげると、猫アレルギーの症状は緩和される可能性があります。
猫アレルギーの症状が出たら落ち着いて対処しよう
猫アレルギーが出てしまった場合は、薬を使用して症状を和らげることが一番効果的です。
今まで、猫アレルギーの症状は見られなくても突然、発症してしまう恐れもあります。その場合は、病院に行くなどの対処をしましょう。焦って猫にストレスを与えないように、落ち着いて対処するのが大切です。
猫アレルギーだけど、猫を飼いたいという方は病院にいってその旨を相談しましょう。事前に、減感作療法を行っている病院を調べておくとよいでしょう。
猫アレルギーは厄介ですが、現代の医療を駆使すれば上手に付き合うことができます。猫アレルギーだとわかってもショックを受けずに向き合うことで、猫と遊ぶことも、将来飼う事も期待できますよ。
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