猫の威嚇にはどんな意味があるの?されたときの対処法を知ろう

猫が威嚇する時の行動や原因はどんなもの? 猫の威嚇に対して飼い主さんができること

猫が威嚇するときの声や行動

猫が威嚇する時の行動や原因はどんなもの? 猫の威嚇に対して飼い主さんができること

耳を倒して尻尾を逆立てて太くする

猫が威嚇するときは、耳を後ろに寝かせて頭にくっつけるようにします。耳を後ろに倒すのは不快な思いをしている証拠です。また、尻尾を逆立てて太くして左右に激しく振ります。

シャーっという声を出す

猫は威嚇している時、目を見開いてじっと睨みつけます。そして、牙を見せて「シャー」という声を出します。

猫の性格によって威嚇の仕方が異なることがありますが、シャーという猫や「ギャア」というような声を出す猫もいます。

威嚇をする場合、元々怖がりで神経質な猫ほど威嚇しやすい傾向があります。中には何事にも動じず、あまり威嚇しない猫もいます。

全身を逆立てる

猫が威嚇するときの他の特徴は、全身の毛を逆立てて頭を低くして背中を丸めます。この姿勢を取る理由は、自分の身体をできるだけ大きく見せようとすることと防御のためです。

全身の毛と尻尾を逆立て、尻尾を大きく振る場合は不快な気持ちを表しているためです。とても恐怖を感じているときは、尻尾を脚の間に入れてお腹の下のほうにしまうこともあります。

前脚で牽制パンチをする

威嚇をしているとき、猫は自分の身を守ろうとして前脚を使って牽制パンチをすることがあります。例えば、怖いものが近づいてきそうになったときにパンチするように威嚇します。本当に近づいてきたときには前脚で叩くこともあります。

猫が威嚇する原因とは?

猫 威嚇

【画像】:ポペットフレンズの紅葉ちゃん

相手に対する不快感

  • 縄張りに入ってこれらた
  • 猫は自分のテリトリーを強く意識する動物です。そのテリトリーに知らない人や動物が入ってくると威嚇します。例えば、後から猫を新しく迎えるときなど、先住猫は自分の縄張りに知らない猫が来たことでストレスを感じ威嚇するのです。

  • 苦手な相手に対して不快に思う
  • 猫は基本的に怖がりな性格な子が多いため、大きな声で話す人や大きな物音を立てる人が苦手です。また、しつこく触られるのが嫌いなので子どもが苦手な猫もいます。自分が苦手だと感じる人がそばに来ると、威嚇することがあります。

  • 嫌なことをされる
  • 飼い主さんのことは好きだけど、爪切りやシャンプーが嫌いなので、爪切りをされそうになったときに威嚇する場合があります。

    また、飼い主さんが猫カフェなどに行って、知らない猫のニオイを身体につけて帰ってきた時にも威嚇することがあります。猫はニオイに敏感な動物なので知らない猫のニオイを感じ取った時に、縄張りに猫が入ってきたように感じて威嚇します。

    多頭飼いの場合、他の猫が動物病院へ行った時に、知らない場所のニオイがその猫についてくるため威嚇する猫もいます。

恐怖心がある

猫は怖い時に威嚇することがあります。窓の外に知らない猫が歩いていたときや、家族以外の人が家の中に入ってきたときなど、隠れてその相手に対して威嚇することがあります。

威嚇してもいきなり攻撃することはなく、「自分は怒ってるからこっちに来ないで」と態度でアピールして、相手を遠ざけようとするのです。

病気・妊娠中

猫は病気やケガをしているときに、自己防衛のために威嚇することがあります。野良猫の場合は特に、相手に弱みを見せたくないため、相手を近づかせないように威嚇します。

また、猫は妊娠中や子育て中に子猫を守ろうとして威嚇します。特に子育て中、神経質な猫は飼い主に対しても威嚇することがあります。猫が子育てをしているときは、あまり構わず見守るようにしましょう。

環境の変化

猫は環境の変化に敏感な動物です。保護猫の場合は、環境の変化が多いため引き取られた家に慣れるまで威嚇することがあります。

また、引っ越しで家が変わったときは、大きな環境の変化でソファの下から出てこなくなることがあります。慣れさせようと無理やりソファから出そうとすると、威嚇されることがあります。

威嚇には遊びと本気がある?

猫が威嚇する時の行動や原因はどんなもの? 猫の威嚇に対して飼い主さんができること

威嚇には本気ではないときがある

猫の威嚇には本気ではない場合もあります。多頭飼いの場合だと、自分が気に入って遊んでいるオモチャを他の猫に取られそうになったとき、威嚇して「近寄るな」と意思表示します。また、じゃれ合って遊んでいるときに相手の猫に噛まれたとき、「やりすぎ」だと相手に伝えるために威嚇します。

飼い主さんが撫でていたときに急に威嚇する猫がいますが、撫でてもらうのは気持ちよかったけど、もう満足したからこれ以上触らないでとアピールしているのです。

本気の威嚇と遊びの威嚇の見分け方

猫が本気で威嚇している場合は、眼光が鋭くなって表情が変わります。毛を逆立てて唸り声をあげるなどの変化があります。

このような様子が見られたら、猫は本気で怒っているので、うかつに触ろうとすると攻撃されることがあるので注意しましょう。

猫が本気で威嚇しているときどうしたらいいの?

猫が威嚇する時の行動や原因はどんなもの? 猫の威嚇に対して飼い主さんができること

目を合わせないようにする

猫が威嚇するとき、その威嚇の相手の目をじっと見つめてきます。これは猫にとって、いつでも攻撃できるという意味なので、もしも猫が威嚇して目を見つめてきたら、目を合わせるのはやめましょう。

目を見つめ返すことは、ケンカOKのサインになってしまい、そうなると、相手が少しでも動いたら攻撃してくる恐れがあります。

猫は相手を睨み威嚇し、それでも相手が怯まずに近寄ってきたら、噛み付いたり引っ掻くなどの攻撃をします。目を合わさず放っておけば、猫は自分には危害を加えられることはないのだと、その場を離れて狭い場所に隠れるなどします。

無視する

猫が威嚇してきたら、目を合わさないことの他に大事なのは無視することです。猫の怒りを鎮めようと、必要以上に声をかけたり触ろうとしたら噛まれたり引っかかれることがあります。猫の威嚇は恐怖を感じているためにすることが多いので、無視して放っておくことで猫もだんだん落ち着いてきます。

猫の威嚇に対して飼い主が大声で叱ったり、叩いたりするのは絶対にやめましょう。余計に猫を興奮させ、攻撃的にさせてしまいます。

猫同士のときは見守る

多頭飼いの場合、猫同士の相性でケンカすることがあります。ケンカしている最中に威嚇することがありますが、飼い主は見守るようにしましょう。仲裁しようと手を出すと大怪我することがありますので、猫同士に解決を任せて見守りましょう。

オス猫同士のケンカは縄張り争いの場合が多いため、去勢手術をすることで収まることがあります。また、相性が悪くてケンカが多い場合は部屋を別々にするなどの対策をするといいでしょう。

子どもや赤ちゃんに威嚇したときは猫から離す

猫は知らない人やニオイに敏感で威嚇することがあります。飼い主に赤ちゃんが生まれたときなど、赤ちゃんに対して威嚇する場合があります。

そのときは、赤ちゃんを猫から遠ざけましょう。赤ちゃんに慣れてもらうまでは、部屋を別にして赤ちゃんの声を部屋越しに聞かせたり、赤ちゃんのニオイがするタオルを猫のいる場所に置くなどして赤ちゃんの存在に慣れてもらいましょう。

猫が子どもに威嚇するのは、子どもが急に大声で泣いたり叫んだりするのが怖い場合が多いです。また、しつこく触られるのが嫌いなので、子どもがそばに来るだけで威嚇することもあります。

その場合は、子どもにしつこく触らないようにしつけるのが大切です。子どもが苦手な猫は自分から子どもに近づくことはないので、子どもに急に猫のそばに近寄らないよう注意しましょう。

猫が威嚇しないようにするために

大きな音を出して驚かせしつける

猫が威嚇したとき、猫の目を見て「やめなさい」などと大声で注意するのはやめましょう。このような行動は猫にケンカをしかけていることになるからです。

効果的なのは、猫に見えない場所で大き音を立てて驚かせることです。例えば、テーブルの下で手を叩くとか、見えない場所でスリッパで床を叩くなどです。

猫が見ているところでやると、飼い主は自分のことを驚かせる嫌な人になってしまいます。このように猫が威嚇したら驚かせるようなことを繰り返していると、威嚇が通じないことを学んで威嚇しないようになります。

しかし、猫にとって威嚇とは自分を守ろうとする純粋な行動です。無理にやめさせないで、猫が威嚇しないように環境を整えてあげることが大切です。

飼い主が先回りして威嚇しないように気を遣う

  • 新しい猫を迎えるとき
  • 先住猫がいる場合、新しく猫を迎えるときは細心の注意が必要です。新しく来た猫は数日別の部屋にいさせて、先住猫は「気配」を感じられるようにします。

    飼い主さんに違う猫のニオイがついている、時折知らない猫の声が聞こえるなど、他に猫がいることを感じさせることから始めます。

    そして、猫同士にお互いを慣れてもらうため、猫のニオイがついたタオルや毛布をそれぞれのケージの中に入れておきます。これで相手のニオイに慣れてもらいます。

    数日したら同じ部屋に新しい猫のケージを移して、布を被せます。猫のニオイや声を慣れさせてから布を外して対面させます。

    このように、新しい猫を迎えるときには先住猫が戸惑わないように時間をかけて慣れさせていく必要があります。時間をじっくりかけることで、対面のときの威嚇が少しですむ場合があります。

    また、先住猫が新しい猫をスムーズに受け入れるために、飼い主は何をするのも先住猫を優先してあげましょう。抱っこをするのも先住猫から先に、ご飯を与えるのも先住猫から。

    自分が愛されていることを認識させることで、後から来た猫を拒むことなく受け入れてくれるのです。

  • 病院へ連れて行くとき
  • だいたいの猫は動物病院を怖がります。知らない場所に連れて行かれて、知らない人に身体を触られるのは猫にとって恐怖なのです。そのため、病院へ連れていくためのキャリーバッグを見るだけで逃げる猫もいるほどです。

    猫を動物病院へ連れていくためには、少しでも猫の恐怖を和らげてあげることが大事です。キャリーバッグの上から布をかけてあげたり、洗濯ネットに猫を入れてからキャリーバッグの中に入れると少し落ち着きます。

  • 知らない人が家に来るとき
  • 怖がりの猫は知らない人が家に来るのが怖いため、友達を家に呼ぶときなどは猫が隠れられる場所を用意しておいてあげましょう。ケージの中に覆いがあるベッドを入れておいたり、部屋の何ヶ所かに箱のような中に入れるものを置いてあげるといいでしょう。

    友達を家に呼ぶときは、あらかじめ猫が知らない人を怖がるのでそっとしておいてほしい旨を伝えておきましょう。友達が知らないで撫でようとしたら、噛むことがあるかもしれないからです。

  • シャンプーや爪切りなど猫が嫌がることをしなければならないとき
  • 猫が嫌いなことをしなければならないときは、工夫が必要です。爪切りの場合は猫がぐっすり寝ている時にするとか、いっぺんに全部の爪を切るのではなく今日は右の前脚だけ。などと、時間をかけて行ってあげるのもいいでしょう。

    それから、爪切りをするときに洗濯ネットに入れてから切る方法もあります。猫はネットに入れられると落ち着いておとなしくなります。

    ネットに入れるときはケガをしないように注意して入れましょう。ネットに入れて優しく声をかけながら切ってあげます。

    シャンプーは絶対にしなければならないものではありませんが、長毛種の場合や身体が汚れてしまったときなどに必要な場合があります。このときもネットに入れてから洗う方法がおすすめです。

    子猫のときからお風呂に入れるようにしていると、慣れる猫もいますが嫌がる場合は工夫が必要です。お風呂は短時間に素早く済ませるようにしてあげることで、猫のストレスを少しでも減らして威嚇が減るかもしれません。

  • しつこく構わない
  • 猫はしつこくされるのが嫌いなので、撫でるときも猫の様子を見てやめどきを見計らいましょう。

    猫を飼っていれば分かってきますが、撫でているときに最初は気持ちよさそうにしていますが、少し時間がたつと撫でている手をいぶかしそうにジッと見てきます。これは「もういいよ」というサインです。

    また、身体をよじるなど態度でやめどきを教えてくれます。それを無視していつまでも触っていたら威嚇されることがあります。

猫の威嚇になるようなストレスを取り除いてあげよう

猫の威嚇にはそれなりの理由があります。怖いことから自分の身を守るために威嚇してくるのです。ですから、威嚇することが悪いことではありません。猫が穏やかに暮らせるように飼い主が気を配ってあげればいいのです。

猫好きな人には、威嚇した顔さえ可愛いという人もいるでしょうが、猫にとってはストレスになるので、ゆったりのんびり過ごさせてあげたいものです。

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