ブリティッシュショートヘアの性格は穏やかでマイペース?特徴に合わせた飼い方とは

甘えん坊のオスとツンデレのメス ブリティッシュショートヘアの性格を知って楽しく暮らそう

ブリティッシュショートヘアが『不思議の国のアリス』に出てくる猫のモデルだと知っていましたか?たくましい脚をもち、美しい毛並みをしているブリティッシュショートヘアですが、どんな性格をしてどのような飼育方法が適しているのでしょうか。今回は、ブリティッシュショートヘアの性格について詳しく解説していきます。

ブリティッシュショートヘアの基本

ブリティッシュショートヘアの歴史

ブリティッシュショートヘア

【画像】:ポペットフレンズのきなこちゃん

ブリティッシュショートヘアは、古代ローマがイギリス襲撃の際に連れてきた猫だといわれています。エジプトが起源とされているブリティッシュショートヘアは、イギリスで最も古い猫種で、古代ローマ人がイギリスに取り入れた農耕により、作物をネズミや害虫から守るために活躍していました。

1890年代頃には、ネズミ捕りの名人として繁殖されるようになり、より優秀な猫を誕生させるために改良が始まりました。第一次世界大戦前にはペルシャとの交配が行われていましたが、イギリスの猫血統登録団体であるBCCFは、このペルシャとの交配を反対して認めていませんでした。その後、第一次世界大戦後には第3世代(孫)以降であったらペルシャとの交配が認められましたが、それはブリティッシュショートヘアの個体を激減させることになりました。

そんなブリティッシュショートヘアですが、第二次世界大戦の頃に食料不足によって品種存続の危機が訪れます。そのため、ブリティッシュショートヘアを絶滅させないように、繁殖家がロシアンブルーやペルシャと交配させていた時期もありました。

1620年代にアメリカへの移民の際にブリティッシュショートヘアがメイフラワー号に乗っていて、アメリカンショートヘア種の基礎になったとされています。ブリティッシュショートヘアは少し気難しい性格で、威厳がある見た目からイギリスでは「猫界のウィンストンチャーチル」と呼ばれることがあります。また、『不思議の国のアリス』という童話に出てくるチェシャ猫はこのブリティッシュショートヘアがモデルだといわれています。

ブリティッシュショートヘアの身体の特徴

ブリティッシュショートヘアの体重は、オスが4.5~6.5kg、メスは3.5~5.5kgほどです。顔は丸くて大きく目が少し離れ気味で、鼻は短めです。がっちりした体格が特徴のブリティッシュショートヘアですが、胸板が厚くて足はやや短めでどっしりしています。尻尾の先が丸くなっていて、中型タイプです。

ネズミ捕りのために改良を重ねられた猫のため、筋肉質でスタミナがあり運動が好きな性格の猫が多いです。厚く密集した被毛はよく見ると細かく縮れていて、手触りがよく質が良いことで知られています。毛色は代表的な独特な灰色である「ブリティッシュブルー」の他、ブラック、ブルークリーム、クリームタビー、シルバーパッチドタビーなどさまざまです。ブリティッシュショートヘアはいろいろな異種交配を行なってきたため、多くの色の猫が誕生しています。

ショートヘアなのに長毛種が生まれる?

ショートヘアなのに長毛種が生まれる?

【画像】:ポペットフレンズのうたちゃん

第二次世界大戦中に食料不足によって絶滅しそうになったブリティッシュショートヘアですが、ブリーダーたちがブリティッシュショートヘアを残すためにペルシャという長毛種の猫との交配が行われました。このことによって、ブリティッシュショートヘアは絶滅せずにすみました。

ペルシャとの交配で、今までに生まれてこなかった長毛種の「ブリティッシュロングヘア」が生まれたり、体格が異なる猫が生まれるようになりました、現在はペルシャとの交配が行われなくなり、短毛種のブリティッシュショートヘアが主流になっています。

2009年にTICA(アメリカの猫種血統登録団体)が長毛種のブリティッシュショートヘアを「ブリティッシュロングヘア」として公認しています。しかし、原産国であるイギリスでは認めていません。

ブリティッシュショートヘアの性格

穏やかでマイペース

甘えん坊のオスとツンデレのメス ブリティッシュショートヘアの性格を知って楽しく暮らそう

【画像】:ポペットフレンズのビルスちゃん

筋肉質でがっちりした体格の見た目とは異なって、ブリティッシュショートヘアは穏やかで優しく、おとなしい性格をしています。もともとネズミ捕りとして活躍していたことからむやみに鳴かず、我慢強くおとなしい面があるのです。のんびりしたところがある一方、運動能力に長けていて狩りのような遊びが好きでよく動き回る面もあります。

頭がよく自立心が強い

ブリティッシュショートヘアは自立心が強く、抱っこや撫でられることが好きではない性格の猫が多いです。必要以上に構いすぎないように気をつけてあげないとストレスを抱えることになってしまいます。

無駄鳴きをせず、とても頭が良いのでしつけがしやすい猫です。犬と違って猫は褒めてしつける動物ではないといわれています。しかし、ブリティッシュショートヘアは元々ネズミハンターとして人間にしつけられて暮らしていたため、褒められることに喜びを感じる猫です。そのため、しつけがしやすいのです。しつけの段階でブリティッシュショートヘアが上手にできたら思い切り褒めてあげましょう。

甘えん坊

ブリティッシュショートヘアは必要以上に構われるのが嫌いで、マイペースな猫だといわれていますが、甘えん坊な面も持っています。普段は落ち着いていて、お留守番ができる猫です。

その反面、飼い主さんに甘える可愛いところもあり、飼い主さんが移動するところについてきて足元に身体を擦り寄せてきたりします。

静かな環境を好む

甘えん坊のオスとツンデレのメス ブリティッシュショートヘアの性格を知って楽しく暮らそう

ブリティッシュショートヘアは穏やかで静かな性格をしています。普段も静かな環境を好む猫なので、賑やかな場所で飼育すると猫にストレスがかかってしまうので、環境を考えて飼育することが大切です。

ブリティッシュショートヘアは性別で性格は違うの?

ブリティッシュショートヘアのオスは甘えん坊で遊び好き

ブリティッシュショートヘアは基本的に自立心が強く、飼い主さんとも適度な距離をとりたがる性格です。しかし、オスは比較的甘えん坊な性格をしている子が多く、飼い主さんに甘えていくこともあります。しかし、あまりベタベタ構いすぎると嫌がられますので、適度な距離をとることが大事です。

ブリティッシュショートヘアのメスはツンデレ

ブリティッシュショートヘアのメスはオスより自立心が高い性格の子が多いです。飼い主さんが抱っこしようとしたり、撫でようとしても気分が乗らないときはさっとどこかへ行ってしまいます。だからといって、ずっとそうではなく、自分から甘えたいときは気づくとそばにいたりします。いわゆる「ツンデレ」なのがメスです。

猫は去勢・避妊手術をすると性格が丸くなるとよくいわれています。手術をするのは、発情期に起こる夜鳴きやスプレー行動などを抑える意味と、病気になるリスクを減らす意味があります。発情期がくると、猫自身はストレスを感じるようになります。それをなくすという意味でも、時期がきたら手術を検討するといいのではないでしょうか。

ブリティッシュショートヘアの性格に合わせた飼い方

運動できる環境を整える

甘えん坊のオスとツンデレのメス ブリティッシュショートヘアの性格を知って楽しく暮らそう

ブリティッシュショートヘアは元々ネズミ退治をするために飼われていたのもあり、運動神経がよく動き回るのが好きな猫です。体型も骨太でガッチリしていますが、体質的に太りやすい特徴があります。

太り過ぎや運動不足にならないためにキャットタワーなどを用意してあげるといいでしょう。猫は上下運動が必要で、高い場所が好きなためキャットタワーは最適なのではないでしょうか。

また、高齢期になると猫はあまり動かなくなります。運動不足を解消するためにもなるべく身体を動かすように工夫が必要です。好きなオモチャで遊びに誘ったり、定期的にオモチャを新しくするなど、運動不足にならないようにしてあげてください。

構いすぎず落ち着ける場所を用意する

ブリティッシュショートヘアは落ち着いた場所が好きなので、静かでゆっくりできる場所を用意してあげることが大事です。騒がしい環境の中で飼育すると負担を与えてしまうことになります。猫は狭くて暗い場所が好きなので、中に潜ることができるようなベッドや箱をいくつか用意してあげて、部屋のあちこちに置いてあげましょう。猫は寝る場所をよく変えますが、部屋の中で心地よい場所を選んでくつろぐためです。人通りがあまりない場所や、部屋の隅などにベッドを置いてあげるといいでしょう。

初めて猫を買う人に向いている

むやみに鳴かず、我慢強い性格なので留守番も苦にならず大人しくできるブリティッシュショートヘアは、初めて猫を飼う人に向いているといえます。また、人に構われるのが好きではないので、一人暮らしの人や少人数の家庭で飼うのがいいでしょう。

ブラッシングなどのお手入れに馴れさせる

ブリティッシュショートヘアは短毛種の猫種なので、ブラッシングはそれほど頻繁でなくても大丈夫です。しかし、換毛期には短毛種といえども抜け毛がとても多くなるので、ブラッシングして抜けた毛を取り除いてあげることが必要です。

そうしないと、猫が毛繕いするときに毛を飲み込んでしまい、胃の中で毛が塊になって食欲不振や便秘、下痢の原因になってしまいます。

また、猫はきれい好きなので自分で身体を舐めて清潔を保ちます。そのため、基本的にはシャンプーは必要ないといわれていますが、もしものときのためにシャンプーに慣らしておくと安心です。

子猫のときからブラッシングやシャンプーをしておくと、成猫になってから始めるよりは嫌がらずやらせてくれることが多いです。中には子猫のときから始めても嫌がる猫はいますが、一気に身体全体をブラッシングするのではなく、今日は背中だけ明日は足のあたり、などと分けて行うようにするといいでしょう。

肥満に注意

身体を動かすことが好きなブリティッシュショートヘアは、たくましい体型を維持するためには高タンパクで高カロリーな餌を必要とします。

しかし、ブリティッシュショートヘアは太りやすい体質をしているので、餌の与え過ぎには注意が必要です。欲しがるたびにあげていたら肥満になってしまうので、1日に与える餌の量をしっかり管理しましょう。そして、運動不足にならないように遊ぶ時間を設けて肥満にならないように注意しましょう。

ブリティッシュショートヘアと楽しく暮らそう

甘えん坊だけど自立心が強い、そんなツンデレな猫、ブリティッシュショートヘアの魅力は伝わったでしょうか。
がっしりした体つきに、丸くて愛らしい顔が特徴のブリティッシュショートヘアですが、初めて猫を飼う人にもしつけやすく、おすすめの猫種です。ブリティッシュショートヘアの性格をしっかり把握して、ぜひブリティッシュショートヘアとの楽しい猫ちゃんライフを送ってください。

Poppet フレンズ