猫の去勢手術とは?性別ごとのベストな時期や手術の注意点などを解説!

猫の去勢・避妊はいつするの?性別ごとのベストな時期や手術の注意点などを解説!

近年はその人気から、猫を家族の一員として迎えることも増えてきました。それゆえに、飼うことによって猫の去勢について疑問を抱いている人も少なくないのではないでしょうか。愛猫の健康のために、病院で行なわれる去勢手術、ベストな時期や注意点などを把握しておきたいですよね。ここでは、猫の去勢手術について性別ごとに比較し、去勢に関する注意点や術後のケアのポイントなどを解説します。

猫の去勢手術とは?

猫の去勢手術といっても、オス猫とメス猫では内容が異なります。そこで、性別ごとに去勢手術の特徴を見てみましょう。

オス猫の手術の場合

オス猫の場合は、肛門の近くにある睾丸を取り除くという手術内容になります。皮膚に小さな切込を入れて睾丸を取り除けば終わりと、シンプルな手術になっています。そのため、オス猫の体にかかる負担も少なくて済むでしょう。

縫合の必要がほとんどないことから、抜糸も必要ありません。よって、去勢手術が無事終わったら、再診もありません。

メス猫の手術の場合

メス猫の去勢手術は、オス猫に比べると体への負担が大きくなります。去勢手術というよりは、避妊手術と呼ばれること多いです。子宮と卵巣の摘出を行なうため、開腹手術になります。

全身麻酔で手術が行なわれ、卵巣などの摘出が完了したら縫合して終わりです。全身麻酔が切れるまでは、病院でゆっくり過ごすというケースが多いです。

猫の去勢に関する注意点

猫の去勢は、オスとメスとで体の作りが違うため、内容も異なります。そして、去勢手術を受けるにあたって、知っておきたい注意点もあるのでしっかりと把握しておきましょう。オス猫にもメス猫にも当てはまることなので、ぜひ確認しておいてください。

去勢の時期を見図る

去勢手術において大事なことのひとつとして、時期を見図るという点が挙げられます。去勢手術を行なう時期としてベストと言われているのが、初めての発情期を迎える前となっています。具体的な時期としては、生後6ヶ月~8ヶ月頃です。

オス猫の場合は生後6ヶ月~10ヶ月頃の間がベストとなっており、1歳を迎えるまでには去勢手術を済ませた方がよいとされています。

去勢手術にかかる費用について把握しておく

猫の去勢手術、注意点やベストな時期などを把握しておくことが大切になる中で、費用面も確認しておきたい点です。

平成27年度の日本獣医師会によると、平均費用は以下のようになっています。

去勢手術・・・12,652円
避妊手術(卵巣切除)・・・19,833円
避妊手術(卵巣子宮切除)・・・20,986円

参考:家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)

去勢の補助金は出るの?

去勢手術の補助金の有無が気になっている人も多いのではないでしょうか。去勢手術に関する補助金については、居住地域の自治体によって設けているところがあります。猫を飼っているということを自治体に伝えておくことで、助成制度が適用されるのです。

たとえば、東京都世田谷区においては、飼い猫である場合、去勢手術に3,000円、避妊手術に6,000円の助成金があります。自治体によって制度の内容が少しずつ違うため、補助金の金額も異なるということを理解した上で確認しておくことをおすすめします。

参考:ぜんこく 犬猫助成金 リスト

食事の摂り方も獣医に確認しておく

愛猫が去勢手術を受けるにあたって、食事の摂り方も事前に獣医に確認しておく必要があります。

手術の前日は絶食となります。全身麻酔で行なわれる手術のため、麻酔中に嘔吐してしまうのを避けるために絶食をします。手術の12~18時間前から絶食をすることになります。

手術後、当日の夜から食事を与えることはできますが、多くの猫があまり食べないでしょう。自宅に帰って落ち着いてから食事を食べ始める猫が多いです。

手術後はエリザベスカラーが必要

エリザベスカラー 去勢

【画像】:ポペットフレンズのシャンパちゃん

去勢手術後は、首にエリザベスカラーをつける必要があるのも押さえておきましょう。

これは猫が傷を舐めないようにするためのもので、雑菌や縫合部分の糸を噛み切ってしまうことがあるからです。まだ完治していない部分の皮膚を傷つけてしまう恐れもあるため、術後のエリザベスカラーは必須となっています。

猫がエリザベスカラーを付けるのを嫌がったり、食器から上手にご飯を食べられず、水も思うように飲めないという日が数日続きます。術後の抜糸を終えて、2週間後くらいになると外しても大丈夫と言われる病院が多いです。
数日すれば慣れてくる猫もいるので、エリザベスカラーに慣れるまでは飼い主さんがよく様子を見てあげましょう。

去勢手術後は愛猫のケアを念入りに

去勢手術後は猫に大きなストレスがかかっています。慣れない病院での手術によって体は疲れ、体の異変にも気づいているでしょう。エリザベスカラーを付けられて不快を感じている猫も多いと思います。去勢手術後の愛猫のケアは、念入りに行ないましょう。

手術によって大きなストレスを受けている

全身麻酔で行なわれる去勢手術、猫には大きなストレスがかかっています。病院の空間や飼い主以外の人、思うように食べられない食事、動かしにくい体などと、術後の体の変化に戸惑う猫もいるでしょう。

たった数十分の手術でも猫にはストレスとなるので、家ではゆっくりと安静に過ごせるように飼い主さんがケアをしてあげましょう。

いつもより何事にも敏感になっている可能性があるので、静かな落ち着いた空間の中で過ごさせてあげることが大切です。部屋の温度やテレビの音量、人間の会話など、些細なことで負担を感じることもあるので、いつも以上にケアを慎重に行ないましょう。

猫によっては性格が変わることも

去勢手術を受けることで、猫によっては性格が変わってしまう場合もあります。小さな頃に去勢手術を受けることが多いので、術後は飼い主さんのことを親のように思い甘える行動が見られるケースがあります。

また、発情自体しなくなるので、性格がおとなしく温厚になる猫も多いです。発情期ならではのマーキングや他の猫への攻撃といったトラブルの回数も少なくなるので、さらに飼いやすくなるでしょう。ただし、猫一匹一匹性格が違うので、術後にどのように変化するかを断定することは難しいです。

不妊手術を終えると太りやすくなることがある

去勢手術や不妊手術を終えた後の猫は、太りやすくなるという特徴があります。これは、術後にホルモンバランスが崩れやすくなり、カロリーの消費量が少なくなってしまうからです。

手術するまでのときと同じ量の食事を摂っていると太りやすくなるということを理解して、飼い主さんが食事量のコントロールをしてあげないといけません。

いつの間にか愛猫が肥満体型に・・・というケースもあるので、猫の健康のためにも食事量は調整してあげましょう。キャットフードのカロリーや中身をチェックしたり、食事を与えるタイミングなどを考慮しながら、体重コントロールを図るようにしましょう。

去勢手術は猫に負担をかけることをしっかり理解しておこう

猫にとって去勢手術は、発情しなくなり、性格が変わってしまう恐れもあります。しかし、望まない妊娠や猫同士のトラブル、捨て猫の数を減らすためにも飼い主さんが正しい知識を持って去勢手術について考える必要があるのです。

そして、去勢手術を受けた愛猫に対してはいつも以上に丁寧なケアを心がけ、猫にとってストレスを感じずに過ごせるようにしてあげましょう。去勢手術に関しては賛否両論ありますが、飼い主さんや獣医師の判断によって去勢手術をするかしないか検討してみてください。

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