ミヌエットという猫を見たことはありますか?ミヌエットの歴史がまだ浅いため、日本のペットショップで見かけることがあまりないため、その存在を知らない人も多いかもしれません。今回はそんなミヌエットの誕生のきっかけや性格、飼育するときに気をつけることなどを解説していきます。
目次
ミヌエットの基礎知識
ミヌエットの誕生と歴史
ミヌエットの歴史は新しく、最初の子猫が生まれたのは1996年です。
ミヌエットを作り出したのは、アメリカのジョセフ・スミスという犬のブリーダーです。ジョセフはバセットハウンドなどの繁殖を行っている、足が短い犬の愛好者でした。
1995年6月、ジョセフは新聞で足の短いマンチカンの存在を知りました。それだけでなく、足が長い子が生まれてきたら、その多くが捨てられてしまっている悲しい現実を知りました。
ジョセフはこの出来事に胸を痛め、足が短い遺伝子を持ったマンチカンとペルシャを交配させて足が短い猫を作り出そうとしました。
また、エキゾチックショートヘアやヒマラヤンなどのペルシャの血が混じった長毛種の猫とかけ合わせてミヌエットを作り出しました。
その後、ジョセフは2001年に猫の血糖登録団体TICA(The International Cat Association)にミヌエットを新猫種として登録しようと、予備登録を受けました。
しかし、2008年にジョセフは自分が理想とするミヌエットに近づけないとして、育種計画を降りました。ジョセフが抜けたあとも、他のミヌエットのブリーダーがミヌエットの育種を進めています。
ミヌエットは鼻が低すぎず足が短く、長毛種も短毛種も生まれることから、固定した猫種と認められずに猫の団体によっては新猫種としてミヌエットを認めないところもあります。
ミヌエットの名前はナポレオンだった?
ミヌエットは2015年5月に改名された名前で、その前の名前は「ナポレオン」でした。
ナポレオンと聞くと、有名なナポレオン皇帝をイメージする人が多いですが、それが改名の理由です。
ナポレオンの母国フランスが猫に皇帝と同じ名前を付けるのはよくないとの指摘をし、名前が変わりました。
ミヌエットの特徴
ミヌエットの大きな特徴は、マンチカンの特徴を受け継いでいる短い足です。しかし、すべてのミヌエットが短足なわけではなく、足の長いミヌエットが生まれることもあります。
首は太く丸い頭をして、先端が丸い小さい耳をしています。大きな目は少し離れていて、ブルーやグリーンの目の色をしています。
また、毛質はロングへアもショートヘアもあり、体重はオスは3~4kg、メスは2~3kgと猫の中では比較的小柄な身体をしています。
ミヌエットの性格
遊び好き
ミヌエットは好奇心旺盛で遊ぶのが好きな性格をしています。外を飛んでいる鳥やカサカサ音がするビニール袋に興味津々で、よくひとり遊びをします。
初めて見るものも怖がらず、近づいていくので、誤飲や誤食に注意が必要です。
穏やかで温和
ミヌエットは、血を引いているマンチカンのように温厚で穏やかな性格をしています。
人間の子どもや他の動物にも穏やかに接するので、多頭飼いに向いている猫種です。人間に対しても物怖じせず、あまり人見知りしない性格をしています。
賢く愛情深い
飼い主さんにとても従順な性格をしていて愛情深いミヌエットは、しつけするのが比較的簡単だといわれています。犬に比べて猫はしつけが難しいと考えられていますが、根気よくしつければ猫もしつけができます。
ミヌエットの性格に合わせた飼い方
運動をさせて肥満予防
ミヌエットは小柄ですが、骨太で筋肉質な身体をしています。肥満になりやすい可能性があるので、普段からの食事管理が重要です。
猫の食事量は体重や年齢に加えて、運動量に合わせた量を考えなければなりません。あまり運動しないのに、ご飯をあげすぎると肥満になってしまう恐れがあります。
また、カロリーが高いおやつを頻繁にあげているとカロリーオーバーになってしまいますので、おやつのあげすぎはやめましょう。
そして、おやつをあげるときは、その分餌を少しだけ減らして1日に与えるカロリーの調整をしましょう。
ミヌエットの肥満予防には適度な運動が重要になってきます。飼い主さんと遊ぶことが大好きなミヌエットは、あまり相手をしてあげないとストレスがたまってしまいます。おもちゃなどを使って、一緒に遊んであげましょう。
そして、猫は動くおもちゃが好きなので、ぜんまいで走るネズミのおもちゃや、上下運動ができるキャットタワーを用意してあげるといいでしょう。
ミヌエットは足が短く、身体が小さめなのでキャットタワーは低めのものを用意してあげましょう。
留守番は短時間
マイペースで甘えん坊な性格のミヌエットですが、無理やり抱っこしようとすると嫌がることがあります。
このようにミヌエットは自立心があるので、お留守番もちゃんとしてくれます。
しかし、子猫の頃は長時間の留守番は控えましょう。留守番に慣れていないうちは、寂しさを感じてストレスをためてしまうことがあるので、はじめのうちは短時間の留守番で慣らしていきましょう。
そして、子猫は電気コードやビニール袋をかじったり、落ちているものを口に入れてしまうなど、思いがけないことをします。そのため、1匹での留守番のときはケージに入れておくようにすると安心です。
また、飼い主さんと遊ぶことが好きな性格をしているので、長時間の留守番はさせないように心がけましょう。
帰ってきたら、たくさん遊んであげてミヌエットにストレスをためさせないことが大切です。
ブラッシングをこまめにする
ミヌエットは長毛種と短毛種がいますが、長毛種の場合は手入れをしっかり行うことが大切です。
猫は自分でグルーミングを行いますが、長毛の猫の場合は猫自身が届かない場所もありますので、飼い主さんがサポートしてあげましょう。
そして、ブラシだけでなくクシを使って毛をとかしてあげることも必要です。
ミヌエットが注意する病気
ミヌエットの基礎猫となったペルシャ猫は、遺伝性・先天性の疾患が多い猫です。ミヌエットを作り出す時、この疾患が受け継がれないように配慮しましたが、すべてを排除することは難しいです。
そのため、ミヌエットにも先天性・遺伝性の疾患がある可能性が拭えませんので、気をつけましょう。猫の病気を早く発見するためには、定期的な健康診断を受けることが重要です。
心筋症
遺伝的に心疾患になる可能性があるミヌエットは、「肥大型心筋症」という心臓が肥大してしまう病気にかかりやすい恐れがあります。
息苦しい様子を見せたり、散歩や運動を嫌がるようになったら早めに動物病院へ連れて行きましょう。
腎臓病
猫は泌尿器系の病気にかかりやすいといわれていますが、ミヌエットは特に「肝機能低下」が起こりやすいため、毎日の尿のチェックを怠らないようにしましょう。この病気にかかると、普段よりも水を飲む量が増えて尿も増えます。
ミヌエットの迎え方
ブリーダー
ミヌエットは日本ではまだ流通が少ないので、ペットショップで見かけることが少ない猫種です。
ブリーダーの数は多くはありませんが、ミヌエットを迎えることを考えている方はブリーダーから購入する方法が多いようです。
そしてミヌエットはまだ歴史が浅い猫種なので、飼育方法のマニュアルが多くありません。
初めてミヌエットを飼う人はブリーダーのところから迎えることでミヌエットの飼育やしつけの相談ができます。
また、生まれてからそれまでの様子や性格を聞くことができるので、納得して迎えることができるのではないでしょうか。
多くのブリーダーのところでは、インターネットで子猫の情報を詳しく記載しています。親がどんな子なのか、健康診断や検便を受けているかを知ることができます。
そして、ワクチンを1回接種してから渡すケースが多いようです。ブリーダーのところは見学をして検討するのも可能ですが、見学のためには予約が必要なので注意しましょう。
ペットショップ
ミヌエットは、日本ではまだあまりポピュラーな猫種ではないので、ペットショップで見かけることが少ないでしょう。
ただ、全くいないわけではないのでミヌエットを探していることをペットショップに問い合わせてみるといいでしょう。
また、最近ではペットショップはインターネットで店舗にいる子猫を掲載しているところもあるので、ホームページをチェックしてみましょう。ミヌエットの値段は、足が長い子は短い子に比べると比較的安くなる傾向があります。
ペットショップでは、猫を迎えるためのグッズやフードが揃います。店員さんにどのようなものがあったらいいかを相談できるのもいいですね。
譲渡会や保護施設の里親募集
最近は猫を迎えるなら保護猫をと考える人も増えてきています。全国には多くの猫の保護団体がありますが、ミヌエットが保護されていることはめったにないでしょう。
ただ、保護団体といっても、野良猫を保護するだけでなくさまざまな事情で飼えなくなった猫を引き取って里親を探す団体もありますので、ミヌエットがいる可能性もゼロではありません。
ミヌエットにこだわらず、ミヌエットに似た猫を迎えたいのであれば保護猫の中にいるかもしれません。
ミヌエットの性格を理解して楽しく暮らそう
誕生してから歴史が浅いミヌエットですが、その可愛らしい見た目と愛らしい性格から人気が出てきています。
ミヌエットの誕生のきかっけが、犬のブリーダーだったというのも驚きの事実ですがこのブリーダーさんがいなかったら、ミヌエットは誕生しなかったのだと考えたら不思議なかんじがします。
愛情深く、飼い主さんのことが大好きなミヌエットと暮らすために、性格をしっかり理解してミヌエットの性格に合った飼育方法を知ることは大切なことです。ミヌエットとの暮らしが豊かになるためにこの記事が役立ったら幸いです。